2017年07月22日

“悲劇のヒーロー”はヒーローか

日本の夏の風物詩、甲子園球場での夏の全国高校野球。
今年が99回目の恒例「熱闘甲子園」も間近になってきた。
関東地方は19日に梅雨明け宣言。
だが異常気象が続きそうな気配が漂う中で、
甲子園という晴れ舞台に出る前の熾烈な予選が真っ盛りである。

東京都内では都内の予選ばかりでなく、
近県の神奈川・埼玉・千葉等の予選がライブで観ることができる。
4回戦あたりまではコールド・ゲームも多数。
鍛錬の違いは最初から明白。敗けるべきチームはどうあがいても敗ける。
そうした素朴で単純な試合もまた観てて楽しい。
とは言え現実は、7戦or8戦全勝しないと甲子園行きキップは勝ち取れない。
今も昔も、“明日のない”熾烈な世界ではある。

今年の西東京大会の選手宣誓は、
“怪童”の名をほしいままにしてきた早実・清宮幸太郎クン。
鳴り物入りの怪童も、もはや18歳。プロか、(ワセダ)大学進学か。
100本超の本塁打量産は確かに秀逸。だが素質は認めるにしても、
プロとしては、余りに幼く、隙だらけで実力不足の感。

で、そのセリフ。
「私たちは野球を愛しています」
「野球の神様に愛されるよう、全力で戦うことを誓います」。
6月22日に急逝した小林麻央さん(享年34)の最後の言葉に倣った
“らしからぬor大人びた”(いわゆるパクリ)表現。
記者会見では、「今まで以上に暴れて、早実の大会にしたい」と宣言。
だが西東京には日大三高という強敵もいて、予選突破も簡単ではない。
スター気取りもほどほどにしないと、
野球の神様に愛されて「清宮ファースト」とならないよ、幸太郎クン!?

いずれにしても、日本全国で将来有望な球児が競う夏の高校野球は、
予選から続く甲子園の本大会を通してプロ球団にとっては“宝の山”。
また球児にとっても、晴れ舞台・甲子園でのパフォーマンスが
プロへの門戸であるのも十分承知している。

今や“日本の宝”と言われるようになった
花巻東高校出身・現日ハムの大谷翔平投手も、
類稀な素質を持つ高校球児ではあった。
そして二刀流を頑固に主張し、打者としても、投手としても、
日本ばかりでなく世界でも超一流になると宣言をして、
ここまできた。
だが、野球の神様はそうした“(二兎を追う贅沢で傲慢な)夢”を
かなえるかどうか。

打者と投手では使う筋肉が根本的に違う。
トレーニング方法も全く異なる。
確かに高校生のような未完で柔軟な肉体なら多少は融通が効こう。
だが肉体は徐々に衰える。
男の肉体は25歳がピークと言われる。
どちらかに決める時期である。
なんでこんな簡単な理屈、周囲の人間が判断し、
方向を決めてやらないのだろう。

かくして、一時は時価10年・200億超と言われた至宝が壊れ始めてる。
メジャーどころか、日本のプロでも通用しなくなる。
「あの人は今」等のTV番組に出る大谷なんか見たくない。

壊れ始めていると言えば、19年振りの日本人横綱・稀勢の里もまた同じ。
左肩あたりの筋肉にくっきりと断裂面が見える。
間違いなく、筋が切れている。
横綱の使命というなら、できるだけ長い間綱を締めるのが筋。
「休むも仕事」そして「休む勇気を持つのが横綱」。
根本から丁寧に修理しないと使い物にならなくなる。

人間に超人はいない。
人の肉体に限界あり。
太く短くの玉砕は止めとこうや。
悲劇のヒーローなんてヒーローじゃない。

2017年07月15日

両者痛み分け!? -閉会中審査開催の中で-

7月10日、学校法人「加計学園」の、
愛媛県今治市への獣医学部新設などを巡る閉会中審査が、衆参両院で開かれた。
まことに失礼ながら、
官邸と中央官庁のガチンコ勝負というドラマ仕立てなので、
NHKのライブ中継を興味深く聞かして(観さして)もらった。

前川喜平前文科省事務次官は「官邸は動いた」、
官邸は「指示はあり得ぬ」と、両者全く譲らず、平行線のまま。
安倍首相がG20出席等の欧州歴訪中で、一方の主役不在のまま、
いつ尽きるとも分からない(不毛な)論戦が続いた。

だが最終的には、参院で参考人として出席した加戸守行前愛媛県知事の、
獣医学部の新設は地元の悲願だったとの説明が最も真に迫っていた。
同氏は旧文部省出身。
「岩盤規制で我慢させられてきた。歪められた行政が正されたというのが正しい」。
官僚は他省庁の領域に入ると何もできず、
これまでの岩盤と言われる規制を切り崩したのは官邸主導の強力(ごうりき)
だったのは間違いない。

官邸への権力集中は規制改革などプラスの面もあるが、
一方で、丁寧で綿密なバランスが求められる。
安倍1強&お友達内閣に、緩みがあったのは否めない。
誰がみても加計孝太郎理事長とは“なぁなぁのお友達感覚”あり、
「最初に加計ありき」のプロセスがあったのもまた否めない。

一方、(この際なので)前川さんを巡る環境を考えてみたい。
日本は「官僚自治王国」と言われてきた。
日本の内政は突き詰めれば“予算獲得競争”である。
どんな政治家も自分の関係者に予算を回したい。
霞が関の官僚は、こうした外部圧力から自らを防御すべく、
長年かけて考えた仕掛けが3つある、と言われてきた。

第1は大蔵省は無敵のスーパー官庁で、盾つくとまずいという幻想の構築。
外局には国税庁があり、その税務調査権を政治家は恐れるという幻想である。
第2は族議員の養成。
専門知識を持つ議員の「毒」で、他の議員の「毒」を消す。
第3は優秀な人材の継続的リクルート。
これは退職後の天下りと民間平均以上の生涯給与を保証する。

この長年の暗黙の社会契約が、
2014年の内閣人事局設置によって事実上完全に反故にされた。
前川さんの尋常でない怒りや執念は、
文科省という官僚自治王国が旧時代的な存続を許されず、
新しいスキームに呑み込まれ、
自分の代で崩壊しつつあることに我慢ならなかった。
それが官僚の頂点を極めたプライド高き生涯の悔恨にもなった。

自分の2歳上に、
同じ中学・高校→東大法学部→厚生事務次官に上り詰めた方がいる。
中学時代の陸上部(同氏は走り高跳び&短距離)主将で、指導も受けた。
何とはなしに前川さんと体格や面影(眼鏡も同じ)が似ている。
中央官庁の事務次官に上り詰めるのは並大抵ではない。
重要参考人として、国会・予算委員会等で姿をお見受けしたあの方は今、
何をしておられるかな?
TV中継中、ぼんやりそんなことも考えていた。

ここに至っての平行線の論争は今後、野党がどんなに騒ぎ立てようが、
関係者全てが満足に足る的確な解は出ないだろう。
最終的には喧嘩両成敗=痛み分け(安倍退陣&前川天下りせず)あたりが
落としどころか。
かくして慢心・安倍さんの政治命脈も尽き始めた。東京五輪まで持つか否か。

“だって(お互い)人間だもの…”(油断・慢心VS悔恨・怨念)致し方ないか…
面白うて やがて哀しき 鵜飼かな(芭蕉)
今回の国会中継、それぞれの人間模様を映し出し、最後には空しくなった。


2017年07月08日

風は強烈に吹いた。だが…

7月2日(日)東京都議選の投票日。
正直言えば、都議選に投票に行ったのは初めてだった。
少々傲慢な言い方をすれば、
大東京に蔓延る地元の(顔役&利権型)オッサンが中心の都議会選挙など、
全く興味が持てなかった。
候補者の主義・主張を聞く意志もなく、ただ漠然と投票に行くのも、
かえって無礼かなと思ったりしていた。

今回の都議選、投票に行くには行った。
が、候補者の名前すら知らず、最初から都民ファーストの候補に入れとくか、
といった、誠に無責任なやり方だった。
安倍VS小池の対決が色濃い中で、
街頭演説や立ち合い演説を聞く意志も機会もなく、
投票所で名前を確認するといった誠にイージーなスタンス。
自分のエリア・中央区の当選者(女性)は、旦那が西郷隆盛の直系であるなど、
当選してから知るという、まるで喜劇か落語の世界。

で当日は、
毎週楽しみにしていたNHK大河が今年は大不作で全く観る意志なく、
ナイター等のスポーツ関連番組もなく、しゃ~ないので、
フジ系列が他局に先駆けて6時あたりから始めた「都議選特番」を見るともなく、
流しておいた。
将棋天才少年の30連勝をかけた一番との二元放送だった。
何もかにもがとりあえず、って感じだった。

8時の投票締め切りと同時に、都民ファースト圧勝、自民惨敗が明確になった。
都民ファーストの候補一覧に当確の緑の花印が連発で並んでいったが、
方や自民は1時間経っても「ゼロ」のまま。
まさに見事な、まるで劇画のような流れだった。

個別に注目していたのは、
①都自民党のドンの千代田区の傀儡候補
②小池都知事の初登庁の日、握手を拒み、写真撮影を拒んだ都議会議長
③「ブラックボックスはお前(小池都知事)だ!」とのたまった都自民党幹事長
の動向だった。
三者とも、ものの見事に落選。

特番で特に強烈でインパクトがあったのは、
7月1日の選挙運動最終日、聖地・秋葉原での安倍首相の応援演説のシーン。
あろうことか「帰れコール」「辞めろコール」の大合唱となった。
そのシーンが映し出される度に鳥肌が立った。
本ブログでも再三「安倍1強体制」に対する危惧を論述してきたが、
「壊れる」「風が吹く」とはいかに強烈なのかが肌身にしみた。

敗因は巷間では、中谷元防衛相発案と言われる「THIS+A」。
これは並び替えで「SHIT(=シット=くそったれ!)+A」になる。
固有名詞を説明するまでもないが、
T=豊田真由子、H=羽生田光一、I=稲田朋美、S=下村博文、A=安倍晋三。
H、S、Aはともかくとして、(Sは菅義偉・官房長官との考え方もある)
豊田真由子衆院議員の大絶叫・暴行騒ぎの異常性に打つ手なし。
稲田朋美防衛大臣は、失言連発&資質に難ありで「任にあらず」。
 
確かに烈風が吹き、小池百合子都知事は「首都決戦」を制した。
だが、これからが大変だろう。
今回の都知事選でも、安倍首相が大勝した「政権再交代選挙」で
初当選を果たした通称・安倍チルドレン、別名「自民党・魔の2回生」が
自民党をガタガタにした。
一方の旗頭に上り詰めた小池さん、
タレント崩れやら、歌手やら、秘書上がりのアモーレの実弟やら、
問題を抱えた・ど素人集団を今後、どのように監督・教育されるのか。

世には「盛者必衰の理」あり。
政界は変わらず「一寸先は闇」である。

2017年07月01日

AIが駆逐する「規格&規格外」という概念

自分の学生時代、同じ大学に5万人の学生が在籍していた。
JR高田の馬場(通称:馬場)の街を闊歩するのはほぼ学生だった。
当時は学生運動の最盛期だったから、
ロックアウト(学生のキャンパス締め出し)も日常茶飯。
馬場は“学生とは名ばかり”のアウトロー(=暇人)でひしめいていた。
ありきたりのパチンコ・麻雀ばかりでなく、囲碁、将棋も盛んだった。

自分の“麻雀の師匠”に出会ったのは、
キャンパス至近では唯一のパチンコ屋だった。
当時のパチンコは、手動式&(椅子なし)立ち型&チューリップ型で、
喫煙あり(灰皿付き)の、もうもうとたばこの煙が立ち込める“霞が関”状態が
当たり前だった。

その日の師匠は、ドル箱(大入り箱)4台を重ね、黙々と打ち込んでいた。
球を入れる指技はまさに名人芸。余りに鮮やか。
で、側でチラチラ観ていると突然、「代わるよ、オレは2階でメシ」。
パチンコ屋の2階は、天丼が上手いが学生街にしては高価だと評判の蕎麦屋だった。

30分ばかりでタバコ20箱分=2カートンの戦果。
ちょい飲りのほろ酔いで、爪楊枝を口にしながら蕎麦屋から帰った師匠は、
これも持ってけよと、大きな袋からインスタントラメーンを10個ばかり
取り出し 、“お土産”にくれた。“オレは商学部のS。住まいは吉祥寺”。

ってことで、それから以降、キャンパスに徒歩5分の自分の下宿が、
通学に不便(片道1時間半)なSの別宅となっていった。
と同時にSは、ダバコやインスタントラーメンや缶詰、
飲み物類の(パチンコ屋経由の)食糧調達係となった。

そのSは、パチンコばかりでなく、麻雀や囲碁や将棋で、
相応の実力者と、初対面にして高額金を賭してやるセミプロだった。
ワセダ伝統の在野精神とは、つまりは「規格にはまり切るな」「規格外であれ」
という意味に捉えることもできる。
ヘンなヤツが集うワセダでも、Sは「超規格外のヘンなヤツ」だった。

だがそのヘンなヤツは、暇があると「定石集」を読み漁っていた。
「将棋や囲碁には定石がある」
「コイツを頭にシッカリ叩き込まないと、10~20手先が読めない」。

最近では頻繁に「規格外」という表現が使われる。
だが「規格外」という表現そのものが陳腐化し始めている。
AI(人工知能)の登場で、
人間が想定した「規格」をことごとく木端微塵にし始めているからである。
つまりは、人間の想定した「規格」さえマスターしないまま、
異例な事象を「規格外」と一括りし、放置しておける時代ではなくなった。

プロ将棋で14歳の少年の29連勝、卓球・13歳の少年の世界ランク入り、
同じく卓球17歳の少女たち(ダブルス)の金メダル獲得、
陸上男子短距離での18歳の若者の日本選手権100・200米制覇、
プロゴルフ松山英樹の世界制覇に近い成績は、
従来の考え方では「規格外」。
ただ明確なのは、もはや「日本の規格外」は世界に通用しないということだ。

AIが世界制覇を目論む時代。
全ての分野で「世界標準」がテーマになり、
「世界標準」がクリアすべき第一歩となった。

昨今、日本の10代の少年少女たちの活躍が目立ち、
規格内の大人たちは大騒ぎしている。
一方で、彼らのごくごく自然の冷静さが目立つ。
彼らは、とりあえず「世界標準がどこにあるのか」を掴んだ。
それだけのことなのである。

2017年06月24日

この際、どうせ見るならデッカイ夢を

6月20日、小池百合子都知事は臨時記者会見を開き、
築地市場を豊洲市場に移転した上、築地跡地は再開発する方針を明らかにした。
謳い文句は「築地は守る、豊洲を生かす」。
「一挙両得」となるのか「一兎も得ず」となるのか?
どっちつかずの、日本伝統の典型的な“折衷案”だった。

築地市場の移転問題は、6月23日公示、
7月2日投票の都議選の最大の争点とされてきた。
小池都知事が20日に示した「基本方針」は、確かに「豊洲ありき一辺倒」ではなく、
豊洲と築地をミックスするという(耳触りのいい)妙案ではある。
だが安全性を始め、今後の予算をどうするか等、問題山積で、具体性に欠ける。

ただ都議選の公示前に方向を示したことで今回の都議選では、
自民側は「決められない知事」の批判は使えなくなった。
そしてモリカケ問題、共謀罪の拡大、憲法改正等で、
土壇場になって支持率が急落した安倍政権に、微妙な影を落とし始めた。
あろうことか「首相の応援は迷惑」との声も出始めた。
もし「安倍VS小池」の構図の下で、小池支持勢力が過半数を得ることになれば、
世論は一気に「反安倍」→「安倍1強体制崩壊」ともなりかねない。

首相側では「都民ファーストは保守。議席を増やすならそれでいい」と、
戦う前から“戦意喪失”の様相。
東京五輪を控え、負けても安倍と小池は基本は味方だとする、
わざとらしい予防線を張る。
確かに小池都知事には、将来の国政復帰、首相への意欲があるのもまた周知の事実。

では築地市場跡地はどう運用していくか。
小池都知事は、2020年の東京五輪までは仮設駐車場として輸送拠点とし、
5年後をめどに再開発すると発表している。
そして「食のテーマパーク」案を出しているが、
市場としての中核機能は築地に戻さない構えである。

豊洲の事業費は総額で約5900億円。
債務は2017年度末見込みで約3600億円。
巨大な施設のため維持管理費もかさみ、
減価償却費を除いても年間20億円ほどの赤字が続く。
都は築地の貸付で、年間160億円で50年間貸し付けるとの試算をしているが、
計画通りに進むかどうか。
「4500億円(現時価)の跡地を売却しない限り永久に赤字」なのは明白である。

かくして巷間では、5年後は間違いなく諸般の事情も変わるだろうと、
築地跡地売却を前提に
「日本版ブロードウェイ」「カジノ拠点」「サッカー場」「ドーム球場」等の案が
出始めている。
どうせならデッカイ夢がある方がいい…

以降はあくまで自分の考え、というより夢物語である。
「開閉式ドーム球場=築地ドーム球場(仮称)」はどうだろう。
銀座から歩いていけるドーム球場+スポーツ関連の繁華街。
東京ドームが完成して30年、老朽化が目立ち、また神宮球場はアマチュア中心で、
世界に名だたる国際都市東京に、近代的な新球場はいかにも魅力的。
読売巨人の本社は大手町、ヤクルト本社は新橋で、新球場には異論はないはず。
建前上、巨人とヤクルトの相乗り形式だが、築地再開発プロジェクトということで、
賛成も得られようし、大企業からの大々的な資金参加も得られよう。
(ヤクルト球団買収の話が出てもおかしくない)
新球場に築地という名前をかぶせることで「築地の名」も残る。
この機会を逃せば、今世紀どころか200~300年経ってもそのチャンスはない。

新球場の杮落し(こけらおとし)は
長嶋茂雄永久名誉監督+55番ゴジラ松井秀喜・新監督の国民栄誉賞コンビ。
13連敗する球団などサヨナラだ。
新時代の野球を、そして新球場で燦燦と輝く巨人軍を観てみたい。

有楽町イトシア→銀座→築地→台場と流れる一連のルートに
築地ドーム球場が加わる。
考えただけで鳥肌が立つような話だが、やはり夢物語ですかね?...


2017年06月17日

数の力の限界

“もりかけ(森友学園&加計学園)”問題が収まらない中、
与党が「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案を
強行採決する動きで日本中が揺れている。
14日から15日にかけての徹夜国会は、
野党側が閣僚への問責決議案・不信任決議案を連発、
最後は内閣不信任決議案を出したりしたものの、所詮は時間稼ぎに過ぎず、
結局は政府与党の強力(ごうりき)に押し切られた。

百人が百人、誰が見ても明らかなのは、
金田勝年現法相が、法務大臣たる資質に欠けている点であり、
安倍政権はそれを十分承知で、法相をノーガードにした上、
きめ細かく論議することなく、無理矢理押し切ろうとするスタンスに終始した。
“裏に(国民に説明できない)国際的密約がある”と思われても致し方ない
展開だった。

一方、政官民の関係で違法性を問われる境目は
「政治家が職務に関連した権限を行使し、
見返りに民間側から金品を受け取っている場合」である。
しかし、もりかけ問題については「首相が見返りを得た」などの情報はない。
つまりは今回のもりかけ問題に根本的な違法性がないのだ。
それが野党が突っ込み切れない最大の原因だった。

一連の問題の根幹にあるのは、「安倍1強」の政治状況だった。
安倍政権の“数の力”が支配する中、
平成14年に発足した内閣人事局が、
部長・審議官級以上の約600人の人事を、
これまでの各省主導から官邸による一元管理にしてしまった。

結果的に各省庁が、
これまで以上に首相の意向を想定しながら業務に取り組むことになった。
過度で無理矢理な対応を迫られることもまた必然の流れではあった。
各政務分野に詳しい「族議員」が健在な時は、
政策決定過程で様々な議論があり、情報も出てきた。
現状では重要な過程がブラックボックス化しているのである。

安倍政権は、小泉政権を抜き戦後3位の長期政権となった。
そしてその長期政権となる過程で、
看板の政策を次々に目新しいものに切り替えてきた。
“骨太の方針”はそのショーウインドと化した。
結果、10年後、20年後の日本に何を引き継ぐか、全く見えなくなっている。
それどころか、憲法改正や、共謀罪の拡大化など、
国民が自覚しないまま、世の中全体の仕組みを変えようとしている。
巷間で「見えない化現象」と揶揄される状況に陥っている。

当然ながら現在の若者世代には絶望感が広がり、
今の生活が楽しめればいいという安直な考え方が蔓延し始めている。
一方で、これ以上の負担増を嫌う高齢者が、
高投票率で政治を動かす「シルバー民主主義」が日本を支配し、
皮肉にもそれが安倍長期政権を支えている。

野党が予想以上に弱体化する中で、
もりかけ問題も、共謀罪の論議も、憲法改正論議も、
全ては高支持率を維持する安倍政権の“数の力の論理”のライン上にある。
つまりは高い支持率を背景にした慢心は否めない。
安倍政権自体が徐々に陳腐化し始めている。

今回の一連の強行突破が国民にどう映ったのか。
言うまでもなく、失望感は明らかである。
注目の都議選が間近い。
小池都知事の「結論を出し渋る政局ファースト主義」にも飽きてはきているが、
現状の自民党が国民にどのような扱いをされるのか。
とりあえずは都議選の結果に注目したい。

数の力さえあれば何でもできるのか??
安倍長期政権に危うさが見え始めている。
というより、ある種の末期感が漂い始めた。
エンディングは予想以上に近いと思う。

2017年06月10日

たがが銀座、されど銀座。そして残酷なまでの銀座

2020年の東京五輪に向け、日本を代表する商業エリア・銀座の変革が
最終コーナーに差し掛かっている。
JR有楽町駅前のイトシアを出発点とし、
晴海通り沿いに銀座→歌舞伎座→築地→台場と流れる一連のルートは、
華麗にそして豪華絢爛な仕上がりを見せている。
もはや日本の銀座ではなく、
「世界屈指の商業エリア銀座」としての体裁を整えている。

昨年3月末に「東急プラザ銀座」、9月に「銀座プレイス」、
そして今年の4月20日に「GINZA SIX」が完成し、
銀座全体が完全に落ち着いた。
中国からの爆買いも終了、「大人の街」に回帰した。
と言っても、あくまで「リッチな女性の街」としてではあるが。

江戸から続く繁華街でも、老舗がけん引する日本橋に対し、
日本初の鉄道で横浜港と結ばれ海外からの玄関口新橋駅至近の銀座は、
戦前から新参者が新風俗を持ち込む街として発展した。

団塊の世代が銀座を意識するのは、数寄屋橋のソニービルの完成からだった。
「ソニービルで待ち合わせ」は
70年代の“(時代の最先端を行く)カッコよさ”の代名詞ともなった。

80年代にはOL層を狙い隣接する有楽町にマリオンが完成、西武百貨店が出店。
90年代になって地価がバブル期の3分の1に下がると、
経営に行き詰まった個人経営の店の跡などに海外高級ブランドが店を構えた。
ドラッグストアやファストファッションなどの低価格店も乗り込むようになる。
2000年前後からは、団塊ジュニア向けに、丸井や東急ハンズなど、
渋谷で成長してきた店やブランドが相次いで進出。
近年ではインバウンドの急増で、
外国人観光客を意識した店が目立つようになっている。

但し、来るものあれば、去るものあり。
一世を風靡した西武百貨店は7年前に撤退、ソニービルも今年3月に閉館した。
「時代の主役を引き付ける街」「廃れたとあれば即刻駆逐する街」、
それが銀座である。

余りご記憶にないだろうが、ソニービルの真向かいが東芝のビルだった。
80年代には、両巨頭ここにありと、銀座の玄関・数寄屋橋周辺に、
どっかりした存在感を見せていた。
ところが現在では、ソニーも東芝も、跡形もなくスキッと消え去った。
一旦衰えを見せれば、哀しいまでにすっぱりと消し去る街、
それがウツクシき銀座の実体である。

だがソニーは、平井一夫社長が2012年に就任して以降、
エロクトロニクス分野をはじめとして、金融やエンタテイメントと共に
バランスのよい収益体制=「リカーリング・モデル」が機能し始め、
18年3月期には20年ぶりの最高益が視野に入っている。
結果として4丁目の銀座プレイスにショールームを構える。
往年のソニー復活か!?

一方の東芝は、構造改革が行き詰まり、半導体メモリー事業の売却も難航し、
崖っぷちの状態が続いている。
古参型の経営者が居座り「国営企業たる東芝」を標榜するだけで、
打つ手なしの状態が続いている。
「光る光る東芝、回る回る東芝」。馴染んだCMソングが空しく聞こえる。

日本の美の伝統、桜の木は、
ウツクシイ花を咲かせるためには埋められた人体をも肥やしにするという。
考えてみれば銀座という虚飾の街は、結局は典型的な肉食系なのだ。

銀座に行き始めて40年。アッという間に時間が流れた。
世界の銀座は何事もなかったように意気軒昂、健在である。
たかが銀座、されど銀座。そして残酷なるかな銀座...

2017年06月03日

Sontakuに揺れる日本事情

5月29日のプロゴルファー・宮里藍の引退記者会見。
相変わらず言葉遣いが上手く、完璧だった。
大きな引退理由は「モチベーションがなくなった」だったが、
それは言い訳だろう。
選手生活15年、世界一にもランクされ、ロスにも居宅を持つ彼女は、
一生困らない資産形成が終わったと見るのが順当だろう。

そして31日は関脇・髙安の大関昇進伝達式。
「正々堂々精進します」。
兄弟子の横綱・稀勢の里に似て、表現的には少々ちぐはぐだが、
素直さやヤル気はタップリ伝わった。

何故に両人の挨拶がスッキリと心地よかったかと言えば、
最近日本で大流行りの「忖度=そんたく」が全くなかったからである。
蕎麦屋じゃあるまいし、昨今の安倍首相は、
「もり=森友学園」と「かけ=加計学園」で大わらわである。
かくして「忖度」という表現は、
今年の流行語大賞のベストテン入り確実の様相である。

「忖度」はアジア的な言葉である。
中国最古の詩集とされる「詩経」にも登場する。
つまり中国文化圏では3000年前から「忖度」が行われていたことになる。
最近の中国では国民全員が習近平の意向を忖度するのも、
つまりは中国古来の伝統である。

では日本ではどうか。
日本は基本的に単一民族であり、ムラ社会は同一の価値観で動く。
従って、あえて言葉にせずともお互いに察することが求められた。
言ってみれば「忖度」は日本の美徳であったのかもしれない。

日本文学も忖度で成り立っている。
和歌のように短い文章に豊かな意味を持たせるためには
受け取り手の想像力も必要となる。
俳句はもっと短い。
かくして受け取り手は詠んだ人の気持ちを忖度しなければならないことになる。

忖度を英訳すればどうなるか。
「read between the lines=行間を読む」
「conjecture=推測する」
「surmise=推量する」あたりだろうが、
「空気を読む」という感覚が説明できず、いまひとつしっくりこない。
結局はそのまま「sontaku」に落ち着いたようである。

森友学園問題が表面化した段階で、一部週刊誌は「加計学園問題」を取り上げ、
一連の忖度問題は、長期政権を目指す安倍内閣を倒す
大事件に発展する可能性を伝えていた。
特に加計学園問題に絡む「前川(=前川喜平・前文科省事務次官)の乱」は、
前高級官僚が政府に反旗を翻す構図になっており、簡単に収まりそうにない。

事務方の頂点・事務次官に上り詰めるためには
艱難辛苦のたゆまない努力と運が必要と思われる。
それが就任して半年もたたないうちに天下り問題で引責辞任させられたことも
ラグビー選手上がりの同氏の本気度・熱気度を高めているようだ。

「あったものをなかったとするわけにいかない」
「赤信号を青信号とは言えない」
とする同氏の論理は、至極正当である。
正当であるがゆえに、話をややこしくしている。
長いものにまかれるか、腹切り覚悟の刺し違え合戦の継続か。

一般人にとっては別世界の話であり、
ドラマ仕立ての展開は、連日の報道を聞いているだけで疲れる。
(後日、本当にTVドラマ等になるかもしれない)
「騎兵隊、前へ(=前川氏のブログのタイトル)」ってか…
いい加減どこかで手打ちすりゃいいじゃないか…
.
ある種の凄烈な狂気が漂う天下の霞が関村。
そこはやはり、天井人の住む世界なのだろう...

2017年05月27日

なぜ日経平均は2万円超えをためらう?

米NYダウ株価が21,000㌦近辺に張り付き、
日本の日経平均が20,000円寸前で上げ止まるなど、
金融市場全体が迷走・気迷い状態になっている。

そんな中、最近の金融市場で注目されているのが
「恐怖指数」と呼ばれる変動性指数(VIX)である。
余り馴染のない指数だが、
VIXとは米S&P500種株価指数を対象としたオプション価格から算出した
ボラティリティ(予想変動率)を指数化したもの。
ちなみに株価が底堅く、投資家心理が落ち着いていればVIXは下がる。

しかし「その状態が行き過ぎると反動が起きる」という経験値も、
市場は共有し、熟知している。
当該VIXが8日に9.77と、
1993年12月以来、23年振りの水準に落ち込んだ。
過去10を割り込んだのは同上1993年と2007年。
いずれも1年後にメキシコ通貨危機や、リーマンショックが起きている。
つまりは激動の“前触れ”というわけである。

相場の世界では、こうした状況を「嵐の前の静けさ」と表現をする。
かくゆう自分も、NYダウ相場のテクニカル分析で、
1年超前から「嵐の前の静けさ」という表現を使ってきた。
2009年3月の6,469㌦を底とする株高は8年にわたる長期になっており、
しかも6,469㌦×3=19,407㌦を突破し、21,000㌦に到達している。
確かに月足のチャートは完璧な右肩上がりの理想的な形態となっており、
「余りに完璧なのが難点」で、「それが逆に怖い」との論述をしてきた。

相場の世界は奇数倍が基本。
3倍を超えたから次は5倍。6,469㌦×5=32,345㌦となる。
過去では99年8月には90年10月の安値2,344㌦×5=11,720㌦を超えたが、
2009年に向け6,469㌦まで下落している。
いずれにしても底値から3倍以上は“神の領域”であり、
その領域を超えれば暴落がある。

昨今のアルゴリズム(自動)取引や超高速取引(HTP)等の
コンピュータ売買は、典型的な薄利多売方式であり、
株価の歪みを狙う一般投資家を市場から締め出した。
それが益々利ざやを小さくし、ボラティリティの低下をもたらしている。
現状の環境が正常な状況ではないのに、である。

ロシア疑惑を巡る捜査を進めた米連邦捜査局(FBI)長官の解任は、
同様の決定をして辞任に至ったニクソン政権を想起させる。
疑い深く、逆らう者には怒りに任せて罰を与えようとする。
政治の世界は、実業界のようなディール(取引)の世界、
つまりは「ユー・ア・ファイアード=お前はクビだ!」で済む世界ではない。

思い起こせばニクソン大統領は1971年7月(日本に知らせないまま)訪中し、
8月には金・ドルの交換停止や10%の輸入課徴金を決めた。
いわゆるニクソンショックである。
現状のトランプ政権はTPP離脱から始まって、中国の空前の絵空事「一帯一路」、
世界の最狂国・北朝鮮問題を抱え、そして「ロシアゲート」である。

“何か”が起きるための要因満載。
金融市場は、読めぬ米国を前に“ダルマさん=手出し無用”の状態が続く。
市場はトランプ退陣を前提に動いているとの見方もある。
が、従来通り同盟国・米国と歩調を合わせていればことが済むのか。

なぜか2万円超えを躊躇する日経平均。
コンピュータには真似のできない“第六感”の世界ではある。
つまるところ「嵐の前の静けさ」と表現するしかないのである。

2017年05月20日

ラジオの時間

大相撲5月場所が始まった。
浅草の三社祭りに重なるこの時期は、梅雨前の暑くもなく寒くもなく、
隅田川に吹く風に新緑の匂いがする、年内最高の時期である。
だが大相撲の予約は半年前に完売で、当日券が発売される午前8時には
長い行列ができ、両国国技館は連日札止めの盛況である。
19年振りの日本人横綱誕生による人気に違いないが、この相撲人気、
世相を反映しているようにも思う。

最近のTV番組の低俗振りは異常である。
地上波とBSに分別された結果、地上波はお笑い芸人を中心として、
エログロを売り物にする2時間程度の番組に席捲されている。
CMをランダムに乱打し、ただひたすら下品な笑いを狙う番組の中で、
無為に時間が流れていく。
この傾向は、今年のNHKの大河ドラマの大不作によって決定的になった。
毎週日曜日の大事な時間だった。
どうしてくれるんだっ、って気分である。

スポーツ中継番組も、民放が大事な局面でCMを乱打することによって
スポーツそのものの面白さも消すようになった。
金看板の巨人戦が冴えないのも、ゴルフ番組が不人気なのも、
全てはランダムなCMが原因である。
特に最近の女子プロゴルフの中継に至っては、
若い女子プロのボディコンシャスな姿を中心に映し出す番組となり、
地上波のエログロ路線を踏襲している。

振り返って日本古来の相撲はあくまで「儀式の世界」であり、
時代を超えて頑にルールを守っている。
土俵という“土&俵”が舞台になり、和装の呼び出しがいて、行司がいて、
大銀杏(おおいちょう=ちょんまげ)+褌という前時代的な格好から始まり、
20秒前後で勝負がつく前に、仕切りや塩撒きなどと、
全く無駄と思える所作を淡々と続ける。
こうした“伝統の(先を急がない)ゆったり感”が見る者を安心させるのである。

現代人がなぜ以前に増して全てに急ぐようになったのか。
それは21世紀に入って爆発的に進捗したIT(情報技術)が要因だろう。
日々進歩する人工知能(AI)が全てをリードし始めている。
その尖兵がスマホ。ある意味「スマホ万能時代」である。

2020年は東京五輪の年。
スマホの怒涛の勢いのまま、2020年まで突き進んでいくようだ。
大きな変化としてはまず自動運転車の定着。
自動運転と言っても以下の「レベル3」程度あたりか。
「レベル1」加減速やハンドル操作のいずれかをコンピュターに任せる。
「レベル2」加減速+ハンドル操作をコンピュータが行う。
「レベル3」主としてAIが運転する。但し状況に応じて手動可能。
「レベル4」条件限定版だが人が運転に関与しない。
「レベル5」全て自動運転。

次に大きなテーマはフィンテック=金融とITの融合。
スマホに専用アプリを搭載すれば「金融窓口」を持って歩いているようなもの。
つまりは支店不要の時代が来る。
金融機関に「装置産業」から「技術産業」への転換が求められる。
果たしていくつの銀行が残れるか。

好むと好まざると、これまで以上に即断即決の時代がくる。
油断すれば時代に置いていかれる。確かに焦りはある。
だがこうした時代だから尚更、ゆっくり時代を眺めてみたい。

最近BGM代わりor時計代わりにつけていたTV画面を消し、
ラジオを流すようにした。
音量を絞っても、キーキー声が耳障りになるからである。

最近都内では、TBS、文化放送、ニッポン放送等の主要局がFM併用にし始めた。
さすがに音質が違う。
「オールナイトニッポン=ANN」や「走れ歌謡曲」など懐かしの番組を流してる。 
アナログと笑って下さい。
でも予想外にゆったりできますよ。


2017年05月13日

悲喜こもごも、仏&韓大統領選挙

日本の黄金週間明けを待っていたかのような仏&韓国の大統領選挙だった。
まず仏では
中道系独立候補のエマニュエル・マクロン元経済産業デジタル相と、
極右・国民戦線(FN)を率いるマリーヌ・ルペン氏の決選投票。
事前の予想通り親EUのマクロン氏の大勝。

ただ今回の仏選挙では棄権・白票・無効票の多さが目立ち、
棄権にいたっては25.4%とポンピドー大統領が選ばれた1969年以来の高水準。
またマクロン氏への投票は2000万票超だが、全有権者(4700万人)の半分未満。
マスコミが「消去法の勝利」と報道したのも至極当たり前だった。

マクロン氏は39歳。
そして議員経験のない同氏が率いる政治団体「前進」が結成されたのは昨年4月。
基盤の脆弱さは明白。従って今後の仏国政リスクもまた明白。
EU存続のために仏のEU離脱とならなかったのが唯一の救い。
24歳年上の高校時代の教師が奥方で、マザコンの匂い(!?)のする新仏大統領の、
欧州の肝っ玉おばさん・独メルケル首相におんぶにだっこのイメージは拭えない。

マクロン氏は元々が投資銀行出身で、ミクロ経済学専門。
またルペン氏に関しては日本語の字面(じずら)で「ルンペン」に見え、
パッと見は「ミクロVSルンペン」。
そして、おまけは新大統領の64歳の奥方の「金髪+ミニスカ+ピンヒールの美脚」。
注目を浴びないわけがない。
かくして選挙よりも、別の意味でも世界の話題になった。

次が韓国。
これまた事前の予想通り文在寅(ムン・ジェイン)氏の当選となったが、
「寅」の字は「渥美清・男はつらいよ」の「車寅次郎=寅さん」を想起させる。
少々不謹慎だが、仏では「ミクロVSルンペン+α」、韓国では「寅さん」かよと、
全く無責任に、興味半分に、仏&韓双方の大統領選挙の経過を眺めていた。

文在寅氏は自他ともに認める「親北・反日」派。
日本のマスコミでは
「同じ弁護士出身の福島みずほ(社民)の男版」と言われる人物。
選挙公約では「慰安婦問題白紙撤回と竹島領土問題をドッキングした反日主義」を
大きな旗印のひとつにしていた。
いつまで続くか慰安婦問題….

韓国には「国民情緒法」なる言葉があるそうな。
韓国紙「中央日報」は以下のように説明している。
「韓国では罪刑法定主義を否定する『国民情緒法』という妙な論理がある。
実体はなく、文字で記録されているわけでもない。
長期にわたって蓄積された慣習法でもない。
だが国民情緒に合うという条件を満たせば、実定法に束縛されない不文律であり、
憲法よりも上位である」

かくして韓国では、この国民情緒法によって、
“ゴールポストを勝手に動かす体質=約束を守らない体質”
が堅持されるというわけである。
そして、
1965年の日韓基本条約、
1995年のアジア女性基金、
15年12月の日韓合意(10億円基金)をことごとく反故にする。

慰安婦像は1体300万円という。
2011年末の「ソウル像」から1年に10体ずつ増加し100体突破間近。
そして慰安婦像のブレスレット・バッグ・バッジ・ペンダント等が発売され、
収益は支援団体に寄付、またネットで大々的な募金など、
無限増殖の「ビジネスモデル」も出来上がっている。
真面目に付き合うのに疲れる国ではある。

一般社会でも隣人との仲違いは多いが、格差特権が罷り通り、
一般国民の不満が渦巻き、瞬間湯沸かしの隣国とどうお付き合いする??
安倍さんのご苦労が偲ばれる。

2017年05月06日

閑話休題(むだばなし)

9連休も可能だった黄金週間も、今日をいれて2日。
今週の土日を普通の週末と考えれば、実質的には黄金週間も終わり。
過ぎてしまえばアッという間ですが、如何でしたか???

ここ1週間、真夏日あり、日本の最高気温が北海道という珍現象ありで、
何かちぐはぐ。
最近の世の中、狂っているしか思えません。

で、今週は、趣向を変えて、“喝!!”のシーリズ。
あくまで自分の気分本意ですので、ご気分が悪い場合はあしからず。

●ママチャリ暴走族
ここ2年、都内では電動アシスト自転車が大流行。
特に30代の若いママさんの場合、10人中9人がそれ。
昔の乳母車のような幌をバックに、前は大きな荷台。
で、双方を満載にして疾走なさる。

そこのけそこのけ、ママチャリが通るとばかり、かなりのスピード。
電動アシストであるからにして、坂道でも息切れなし。
後ろから猛スピードで追い抜かれると、ドキッとする。
一触即発、大怪我のリスク大。

百歩譲って「若葉マークの若いママは大変なのよ」は解る。
だが無茶をするのは大概が小太りで、ジャージ姿。
髪振り乱し、最新技術を使っての疾走は
「我、スーパーマン(ウーマン!?)」との錯覚ありあり。

女は弱し、されど母は強し…
あんなに神経質だった昔のように、“オンナの部分”を少しだけ戻そうよ。
番茶の出がらしじゃ、しゃ~ないしょ。
居直った暴走族ってホント怖い。
旦那の顔が見てみたい!?

●禁煙原理主義
なんか最近、禁煙モードが異常である。
現厚労大臣が禁煙派なのもモードに拍車がかかっている。
「先進国では全域禁煙が常識」だそうで、
高らかに「首都東京全面禁煙目標 2020年!!」を宣言されている。

20年来のお友達の、近所の酒屋兼タバコ屋の、
佃大祭のおみこし担ぎ40年のベテランにして
頑固にハイライト(タール17度)を固守する江戸前のおじさんは、
「ふふん、やるならやってみな!!」の全面戦争(!?)の構え。

現在吸ってるタバコ、マルボロ・ミディアムを買う度に言われる。
「あんたも気弱だねぇ~、オトコのハイライトを捨てちまってさぁ」…

禁煙原理主義の皆様、
禁煙だ、分煙だの論議も、ここまできたら実に面倒なので、
いっそのこと禁煙法などをおつくりになったら如何ですか?

●中田英寿
昔サッカー選手、今は文化人(!?)
サッカーやってるでもなし、芸能人でもなし。
いわゆるコウモリさん。
つまりはサッカーに関わる(優雅な)文化人???

あのキツネ顔で、したり顔がどうにも好きになれない。
TV画面に出てくると、チャンネルを変える。

あの方の上から目線の言動が昔からムカついていた。
21歳にして「中田語録」などという、大それた本を出版。
21歳ですよ、21歳!?
弱冠21歳が人生観を語るかねぇ....

で、最近では妻夫木聡とプレミアムビールのCMにご出演。
めでたく40歳になられたそうで、
「40歳になって初めて大人の味が分かる」とのたまう。
誰のチョイスかしらないけど、中田で売り上げ伸びるかねぇ?

ま、ビールでも日本酒でも、洋酒でも、お好きなものを存分にどうぞ!!


自分本位の“喝”シリーズこの程度でおしまいにします。
多々のご無礼、ご容赦下さい。
機会があればまた、ということで。

来週からは普通に戻ります。
よろしくアクセスのほどお願い申し上げます。


2017年04月29日

ロボットに勝てますか?

桜散り、青葉・若葉の季節の到来と共に、
男女を問わず、街中には「紺のスーツ+白いシャツ」姿が目立つ。
入社試験シーズンの到来、というより最っ盛り。

そしてマスコミでは、学生人気ランキングなどといった、
百年一日の、興味半分(!?)の報道を繰り広げる。
相も変わらず商社、航空会社、大手金融、マスコミ関連等の企業が連なる。
転職が当たり前の時代。
ひとつの会社に骨を埋めるという考えもないようだが、
名前の知れた有名企業から、どれだけ内定をゲットできるかが若者のテーマ。
10年後はどうなるかは全く考えないまま、ゲーム感覚の日々ではある。

本ブログで繰り返して申し上げてきたが、
まず考えなければならないのは、文系理系の区分けが無意味になり、
理系有利の時代になっているという点である。
ここから先は人工知能(AI)を使ったロボットが主役になり、
理系思考が優先される時代だからである。

米マッキンゼー・アンド・カンパニーの調査によれば、
820種の職業に含まれる2069業務の710(34%)の業務が
ロボットに置き換え可能という。
19世紀の産業革命に始まる製造業の歴史は自動化への挑戦だった。
従って、モノ作りに関しては既に7割超がロボットに任しても
大丈夫な時代になった。

旧文系の宝箱だった事務職系の職場にも自動化の波は押し寄せる。
顧客の注文の文書化やデータ抽出や数値計算に関し、
人間はロボットに勝てない時代になっている。
特筆すべきは法律関係で膨大な資料から証拠を見つけ出す作業にAIを
使おうとする動きである。

ホワイトカラーの象徴とも言える金融でも自動化が進んでいる。
事務職では65%がロボットにとって代わられ、
相場売買の自動化システムの普及によって、外資系大手で100人単位で
存在した専門トレーダーが、いまや10人未満という場合が少なくない。

自分はここ25年超、ギャン理論のサイクル理論を研究してきた。
相場の変化するタイミングを類推するのがサイクル理論の根幹だが、
ここ3年のうちに、主要通貨、株式指標、主要商品の日足(日毎の動き)が
全て“10日サイクル”になった。
従来の相場の世界ではあり得ないことだが、これは自動売買システム、
すなわちコンピュータのなせる仕業なのだ。
週足や月足にはバラつきがあるが、これも時間の問題と思われる。

同上マッキンゼーの試算では、自動化が可能な業務の割合は日本が55%で、
米国の46%欧州の47%も上回る。
農業や製造業など、人手に頼る職業の比重が大きい中国(51%)や
インド(52%)をもさえ上回る結果となった。

一部の職場ではすでに雇用が失われ始めるなど、
ロボット化には負の側面も確かにあり、
「ロボット税」を取ろうとする議論も出始めている。
笑い話ではなく、「大量の失業に備え、新税制を考える時期」には違いない。
特に従来の文系が、このまま(営業中心の)文系スタイルを踏襲すれば、
“使い捨て”の運命が待っている。少々きつい言い方かもしれないが。

昨今、宅配クライシスが大きな問題になってはいるが、
宅配分野のトラブルは「AI時代前夜」の単なる一過性の一コマだろう。
世の中は大きな時代の激流の中にいる。

2017年04月22日

宅配クライシス

現在の住まいから徒歩30秒の距離(約80メートル)に
ヤマト運輸(ヤマトホールディングズ=通称・クロネコ)の支店がある。
現住所に移ってから20年超が経過したので、20年超の付き合いとなる。
従って従業員の方々とはごくごく自然に馴染みになる。
出来高制給与体制とはいえ、彼らは実によく働く。
朝は8時前から夜は10時過ぎまで。
飲みに出かける際に「チワー」と挨拶を交わし、
ほろ酔いで帰った時にまた「お休み~」といったパターンもよくある。
特に決められた休日もないようだし、いつ休んでるんだ? って状態。
その宅配システムが、過剰サービス(!?)にギブアップ状態になっている。

日本の21世紀に向けての流通革命の尖兵はコンビニと宅配だった。
1980年代後半あたりから拡大し始めたコンビニと宅配だったが、
両者の大々的な拡大・進出により、日本の小売が壊滅状態になっていった。
徹底的に、完膚なきまで小売りを地方経済から駆逐してしまった。

双方とも24時間営業。
食料品から日用雑貨まで大凡が賄えるコンビニという小売システムと、
TVの通販番組等で好みの商品を選択・配送してくれる流通システムは、
間違いなく画期的であり、“歴史的な”流通革命に違いなかった。

かくしてコンビニが日々の生活の中心になり、
ネット通販市場が爆発的に拡大していく中で、
商品内容や価格での差異化が難しくなり、
行き着いた先が「当日配送」だった。
「注文から最短2時間半で届ける」という極端なサービスが恒常化し始めている。

確かに「配送の時間帯サービス」は便利である。
「午前中」から始まり、午後は2時間おきに5時間帯に区分されている。
だが日本の宅配システムは
「相手に直接手渡してサインをもらう」ことで完了する。
結局は希望の時間帯に不在の場合も多く、
配達する方は何度も足を運ぶことを余儀なくされる。

最近ではコンビニや一部ファストフードが
調理品、端的に言えば“(昔の)出前”サービスも始めている。
食品には「鮮度のリスク」がある。特に夏場は怖い。
すしやラーメンやピザなどはともかく、
セブンイレブンやデーニーズに出前を頼むかねぇ??とは思うが、
高齢化社会で、結構需要があるらしい。

ヤマト運輸の場合、年間の取扱荷物は19億個。
そしてそのうちのアマゾン関係の「当日配送」の荷物が3億個(約2割)。
アマゾンの当日配送は夕方の便で大量に持ち込まれる。
午後5時に仕分けされれば配達の残り時間は4時間を切る。
そしてクロネコの平均単価が570円台に対し、
アマゾンは300円を切ると言われている。
かくして人手不足は深刻化し、ヤマトは未払い残業代200億円を払い、
営業益の5割減(580億円→300億円)となり、アマゾンから全面撤退した。

高齢者向けの食品を中心とした“ソフト商品”の即日配送は致し方ないにしても、
電化製品や家具などを中心とした“ハード商品 ”に「即日配送」は本当に必要か。
日本は“おもてなし”を“売り”にする国ではある。
だが、どんなに時代が変わろうとも
「過剰なサービスを無理押ししない」という日本的なやさしさが必要であろう。

米国ではロボットやドローンに置き換える計画が進んでいる。
「盗難補償より再配達の時間の方がコストがかかる」との論理である。
要は、相手が在宅しようがしまいが、基本は玄関先でOKというスタイルである。
かくして多少のトラブルがあっても宅配サービスは、
ドローンを基本にした米国式に集約される気配である。

結局、最近の動きは全て、好むと好まざると本格的に到来する、
「ドローン+自動運転車の時代」に向けてのプロローグなのかもしれない。

2017年04月15日

永過ぎた春!?戦後第3位「アベノミクス景気」

春爛漫。サクラ咲く日本の春。そんなさなかの4月10日。
突然のタイミングで「浅田真央引退」の報が流れた。
そして12日、都内での引退記者会見。
元来が欧米のスポーツ、日本には縁がないと思われていた女子フィギュアを
ごくごく身近なスポーツに仕上げた国民的人気スケーターの、さわやか会見。
“散るサクラ”はいつもはかなげで、ことの他ウツクシイ。
うざったい会見が続いていただけに、洗われるような清廉な姿に魅入られた。

その一方で“サクラ満開”を告げる報道もあった。
2012年12月に始まった「アベノミクス景気」が戦後3番目の長さになった、と。
第二次安倍政権が発足した12年12月に始まった景気回復は、
17年3月までで52カ月となり、
86年12月~91年2月の51カ月間のバブル経済期を抜き、戦後3番目になった。
今年9月まで続けば、65年11月~70年7月の57カ月間に及んだ「いざなぎ景気」
をも抜き去ることになる。

ただ戦後最長となった00年代の輸出は8割伸びたが今回は2割増。
設備投資も1割増と00年代の半分。
賃金の伸びは乏しく、個人消費は横ばい。
総合して考えれば、「緩やかな」あるいは「低温」と表現するのが妥当なようだ。

ともあれ“満開のサクラ”を謳歌する安倍政権だが、
「アベノミクス」という短期志向の格好だけの中身の薄い政策を、
手を変え、品を変え、積み重ねて継続する中で、
国民はそのシナリオに慣れ、近未来に控える「リスク」に鈍感になっている。
例えば2020年には3つの「2020年問題」が控える。

第1は「高齢化の圧力」。
20年前半には戦後のベービーブーム生まれの「団塊の世代」が75歳以上に達し、
社会保障の支出が急速に膨らむ。

第2は「東京五輪の波」。
消費や建設需要の反動減に加え、日本を取り巻く高揚感の後退で、
海外投資家が日本離れを起こし易くなる。
ギリシャの長い苦境は04年の夏の五輪を境に始まった。

第3は黒田東彦総裁のもとで日銀が始めた異次元緩和の「手仕舞い」を
考えなければならない点である。
発行残高の4割の国債を保有する日銀は、
年70~80兆円のペースで国債を買い続けている。
欧米で金利が上昇し、その圧力が日本に及べば、ゼロ金利を維持するためには
更なる強力な買取を迫られる。
「長期金利をゼロに留めておけば金利負担は軽い」。
従って「借金が巨額でも財政は悪化しない」との論理だが、
17年夏にも買い入れの限界を迎えるとの試算もあり、予断は許さない。

黒田総裁は
「物価が上がると思えば企業の資金は設備投資に、家計の資金は消費に回る」
との考え方が基本だった。
しかし最近では
「予想物価上昇率の引き上げには不確実性があり、時間がかかる」と、
ギブアップ状態になっている。
日銀の繰り出す金融政策は、論理に論理をかぶせる結果、分かり難くなる一方。

元来、経済学者の論理は実際の金融市場あるいは実世界にはそぐわない。
何故なら「基本数値を不変なものとする」論理だからである。
「コンピュータが描く理想的な美人と、生身の女性は全く別物」なのである。

森友学園事件から以降、絶対安泰かに見えた安倍長期政権に陰りが見え始めた。
確かに安倍首相本人の責任ではないかもしれない。
だが“満開のサクラ”に安心し過ぎた感もする。
散るサクラ 残るサクラも 散るサクラ 

“世界最狂”の北朝鮮を巡る緊張が高まっている。
本当に戦争が起きるのか?まさかな…


2017年04月08日

カルロス・ゴーンの流儀

ルノー・日産アライアンスの総帥、カルロス・ゴーン。
1954年3月9日生まれ63歳。レバノン系ブラジル人。
フランスで教育を受け、欧州・米国、
そして日本の自動車産業で成功を収めたことはご存じの通りである。

当初、あの見るからに濃ゆい顔は日本には馴染まないと思わせた。
年間給与が10億という超破格な待遇も、日本企業から猛反発を食らった。
だが、その腕前は年毎に見直されている。
CM上で、成り上がりを“売り”にする、うるさ型のロック歌手・矢沢永吉に
“やるな!!ニッサン”と代弁させ、納得させてしまった。

巷間では同氏は、
日々の業務管理や、キャッシュフロー経営に厳格と言われている。
一方で、その燦然と輝く成果から、同氏の掲げる長期投資や事業戦略が
欧米のビジネス界で研究対象になっている。
根幹の方針にブレがなく的確だからである。
社内の猛反発の中で進めた「中国進出と成功」や、
リーマンショックでも止めなかった「電気自動車開発」がその代表例である。

車には「移動価値」「体感価値」「所有価値」の3つの価値があるとされてきた。
だが、グーグルやアップル等のIT企業の新規参入で、
「(複数で保有する)カーシェアリング」や
「ライドシェアリング(乗合い)」の普及拡大は必至で、
従来から掲げてきたテーマが徐々に陳腐化し始めた。
結果的に自動車業界は、限られた販売台数をテーマにせざるを得なくなった。

最近のカルロス・ゴーンの最大のアジェンダ(論点)は、
「IT(情報技術)と自動車融合」。
IT技術の進捗により、
世界の自動車需要は現在の6割程度まで減少すると予想され、
また大型車が得意の米の自動車生産が半分以下に減少する予想されている。

産業界全体をみても、人工知能(AI)の進歩を背景に、
既存産業(=既得権益)を揺るがす破壊的技術(ディスラプション)が
生まれ易い状況にある。
自動車業界に関しても、自動運転車が中心になれば、
自動車産業から多分野に流出するのは止めようがない。
自動車産業もやはり100年に一度の転換期を迎えているのである。

今年1月、カルロス・ゴーンが仕事始めに向かった先は
恒例のデトロイトの自動車ショーではなく、シリンコンバレーだった。
日産が米航空宇宙局(NASA)と進める自動運転の共同実験の視察だった。

米大統領に就任したドナルド・トランプが、
日本の自動車市場が閉鎖的との議論をし、為替問題を蒸し返し、
大型車の多い米国自動車メーカーに配慮した燃費規制の緩和策まで
検討している中で、カルロス・ゴーンは、
「政権が変われば政策も変わる。それだけのことだ」と、
泰然自若としていたのは当然といえば当然の姿だった。
国内回帰を志向し、アナログな車の生産や、反グローバルを叫んだりしても、
結局は失敗するとの確信があるのだ。

16世紀以降の大航海時代を経て、東インド会社、蒸気機関などを中心と
したグローバル化やイノベーションの潮流は誰も止められなかった。
「国内回帰」を最大のテーマに、時代に逆流するトランプ流儀の運命は
言わずもがなであろう。

日本では巨象・東芝の行く末が憂慮され、連日の大報道である。
だが内実が明確になればなるほど見えてきたのは
戦後の日本を力強く支えた弱電の雄・東芝の姿ではなく、
あるのは原発事業で大きな損失を出した準国営企業・東芝の姿だった。
過去の栄光にすがる経営陣の、既得権保持に汲々としている姿だった。
ここまできたら潰すに潰せないだろうと居直る、慢心満々の姿だった。

「従来の常識が非常識」の時代。
新時代を生きる私企業は、時代の大きな潮流を見定めて先に進むしかない。
好むと好まざると、カルロス・ゴーンの流儀に学ばざるを得ない。
軍門に下る感は否めないが、それも時代の要請なのだろう。


2017年04月01日

ポスト真実(Post Truth)

現在の住まいから両国国技館まではチャリで15分ばかり。
国技館近辺には昼から営業している飲み屋が多数あり、昼食兼ねて軽く飲って、
末席も末席の最安価な最上段で、ほろ酔い気分で幕下あたりから相撲観戦する。
桜が散った後の青葉の季節の、隅田川を吹く五月の風が江戸前で実に心地よく、
酔いを醒ましつつゆったり帰る、というのが密かな楽しみだった。

その大相撲がいつの間にか超人気になって、満員札止めが続くようになった。
相撲はもはや日本ばかりでなく、国際的な人気である。
予約も即日完売とかで、当日券も手に入らない。
格段構えることなく、散歩がてらに国技館に寄り、相撲を観戦するという
“芸当”ができなくなった。

大阪での春場所。
表彰式で君が代の大合唱の途中から、稀勢の里は涙でくしゃくしゃになった。
13日目の日馬富士戦で左肩を痛打し、怪我には強いと定評のある稀勢の里の、
苦痛にゆがむ表情を初めて見た。
強行出場した14日目は鶴竜になすすべもなく寄り切られた。
まともな相撲を取れる状況ではなかった。
それが千秋楽に、怪物大関・照ノ富士に、本割と決定戦で2度勝利した。
紛れもない奇跡だった。

2001年夏場所、膝の大怪我を押して強硬出場し、優勝した貴乃花は、
その後7場所連続休場に追い込まれ、再び賜杯を抱くことはなかった。
優勝した事実をもって今回の稀勢の里の強行出場を「正しい選択だった」
とは言い難い。だが感動は、往々にして「正誤を超えたところ」で生まれる。
それもまた真実ではある。

最近、英オックスフォード大出版局が2016年の「今年の言葉」に選んだ単語、
「ポスト真実」が盛んに言われ始めた。
客観的な事実よりも、
「感情や個人的信条への訴えかけの方が世論形成に影響がある」ことを指すという。
英国の欧州連合(EU)離脱の国民投票と米大統領選挙で、英国民が離脱を選び、
米国民がトランプ大統領を誕生させ、その後双方間違いだったと考え始めている、
という状況を「ポスト真実」と位置付けるのである。

「死なばモロトモ?」と揶揄される日本を騒がす森友学園事件。
野党は、
「安倍昭恵首相夫人が名誉校長の小学校の開校を延長したら、
役所は首相に恥をかかせることになると考える」と指摘し、
一方安倍首相は、
「忖度(そんたく)の事実がないのにまるで事実かのように言うのは
典型的な印象操作だ」と反論する。

忖度。広辞苑は「他人の心中をおしはかること」とする。
しかし実際に使われる際には
「力を持つ上の者の気持ちを先取りし、機嫌を損ねぬよう処置すること」
になる。
今回の森友学園事件は
「重層的な忖度メカニズムが」働いたと見るのが順当だろう。

29日付の日刊スポーツは、
新横綱稀勢の里をモチーフにした錦絵版画がベネチア芸術展に出品され、
好評だと伝えた。なぜ白鵬でなく稀勢の里なのだろう。
19年振りの日本人横綱という意味もあろうが、
ある意味常識をはずれた無謀とも言える稀勢の里の一連の行動が
純日本的に映ったのだろう。
だが「横綱だから何がなんでも勝つしかない」とする、
単純明快なメカニズム=一途な必死感が、海外でも評価を得たと思われる。

日本中がどす黒い欲望をテーマにする「籠池劇場」に右往左往する中で、
救われるような、清々しい気持ちでいる。

【追伸】
全く蛇足ながら、チャリで7~8分の至近距離(=江東区清澄)に所在する
錣山(しころやま)部屋の阿炎(あび=元十両・現幕下=春場所全勝優勝)
の隠れファンである。
当初は堀切洸助という本名のしこ名が何気に可愛くて注目・応援していたが、
十両昇進時に、こともあろうに、阿炎政虎という、
聞いたら笑ってしまうような、ギャグっぽい、いかついしこ名にされてしまった。
だが本人は、187㌢の長身で、ジーンズが似合いそうなジャニーズ系美形。
力士にしては細身で不必要に足が長く、腰高で、なかなかメジャーになり切れない…
そんな隠れた魅力のある力士の成長を見守るのも大相撲の醍醐味と思うが…


2017年03月25日

平成才女・女傑考

暑さ・寒さも彼岸まで。
春分の日を見計らったように東京に開花宣言が出た。
そして“春はセンバツから”とばかり高校野球が始まり、
WBCで侍ジャパンとMLBオールスターズの死闘があり、
サッカーW杯のUAEでのアウエー最終予選があり、
新横綱・稀勢の里に沸き、連日満員札止めの大相撲ありと、
もはや“豪華絢爛・花見用・幕の内弁当”の様相を呈した。

こうした溌剌とした爛漫のスポーツの世界の一方で、
都議会では豊洲市場移転問題に関する百条委員会開催、
一方国会では森友学園問題に関して証人喚問があり、世の中がザワついた。

最近の政治の世界の特徴として女性が絡む点が上げられる。
現代は男女平等、女性の機会均等という大原則があるが、
これほどまでに女性が表舞台や裏舞台で活躍or暗躍する時期があったろうか。
気が付けば平成という時代も約30年。
ここで(後世まで語られると思われる)平成の才女・女傑について考えてみたい。

表舞台で活躍が際立つのは小池百合子東京都知事だろう。
その存在を決定的にするのは、1988年、
テレビ東京「ワールド・ビジネス・サテライト=通称WBS」の
初代メインキャスターになった時からだった。
当時は経済専門番組、特に相場情報番組が極端に少なかった時代であり、
携帯電話等の通信機器も貧弱で、
金融関係者ならずともその番組を見ざるを得なかった。
最近では「年増の厚化粧」と揶揄されているが、登場した当時はスタイル抜群で、
それなりの熟女オーラーを醸し出す“新時代の容色兼備の才女”に映った。
1990年には日本女性放送者懇談会賞を受賞する。

その後は名声を駆って1992年の参院選挙に日本新党から出馬し当選。
以降は1993年兵庫2区から衆院総選挙に出馬・当選
→1994年新進党結党に参加→1997年自由党結党に参加
→2000年の保守党結党に参加→2002年自由民主党に入党。
以降は環境大臣、内閣府特命大臣、防衛大臣等を歴任する華々しい活躍で、
巷間ではしぶとい政界の不死鳥渡り鳥と称される。
そのキャリアを活かして2016年に東京都知事に当選。
最終的には日本初の女性首相に駆け上がらんとする小池百合子女史の活躍は
戦国時代の太閤・豊臣秀吉の如くの勢いである。

そうした小池百合子女史の活躍を表舞台とすれば、
裏舞台で際立っているのが
アッキーの愛称で親しまれている安倍晋三首相の昭恵夫人。

歴代の首相は概ね3つのタイプ分類される。
第一が良妻賢母型。
地元の後援会や家庭をしっかり守り、3歩下がって夫に従う。
「妻であり母である」ことを徹底する。
日本の明治・大正・昭和の日本のファーストレディの基本形。
代表例が故橋本龍太郎首相の久美子夫人。

第二は夫も顔負けの政治家型。
代表例が、故三木武夫首相の睦子夫人。
改憲に反対する「9条の会」を立ち上げるなどリベラルな政治活動展開した。
菅直人元首相の伸子夫人もこのタイプ。政治好きで演説も上手いと評判だった。

第三が平成になって出現した自由奔放型。
政治家の“妻の枠”を超え「私らしさ」を追求し、夫も妻の行動を放任する。
元タカラジェンヌの鳩山由紀夫元首相の幸夫人がさきがけ。
人目を引くパフォーマンスを連発し、何かにつけ「風変りのファーストレディ」
と報じられた。
昭恵夫人もこの型に分類される。
「家庭内野党」を宣言し、政権と真っ向反対する主張や活動を展開する。
日本全国からの名誉職招致も拒まず、居酒屋も開店したりする。

森友学園問題に関する証人喚問の翌日の3月24日の参院予算員会。
アッキード事件は始まったばかり、これからが本番と、
ここを先途の野党の猛烈・熾烈な安倍降ろし作戦。防戦一方の安倍首相。
不沈艦と見られていた安倍政権が沈むのか!?まさかな…

「国政に携わる者を送り出すためには、自分の身を捨てても無我夢中でやる」。
故岸信介首相の長女で、政界のゴッドマザーと呼ばれる安倍首相の母・洋子氏の
言葉である。
何が正しくて、何が悪いかは歴史が証明してくれることにはなろう。
ただ自由奔放型ファーストレディなど、昭和の時代には考えられなかった。

「咲くサクラ、昭和は遠くなりにけり…」

2017年03月18日

「金融業の聖域」の消滅と文系金融の終焉

センター一極集中と人口減で地域経済が縮む中、地銀の再編が相次いでいる。
と言っても最近では、近場の銀行だけでなく“飛び地”の吸収合併もあり、
また(国際金融を目指す意味を込め!?)横文字のネーミングをつけることが
多いこともあって、“どことどこが合併してどうなった”ということは
全く興味を持たなくなっている。
銀行抜き、ましてや地銀抜きの生活が普通だからである。

最近金融庁は、地銀に対し運用部門に焦点を当てた特別検査を実施している。
マイナス金利政策の導入で投資し難くなった国債に代わり、
少しでも高い利回りを求め、外債や複雑な仕組みの運用商品の投資を
増大させたからである。
そして昨今の米金利上昇で、多額の含み損を抱えたり、
損失を計上している地銀が多いのが現実だからである。

また一方で、保険商品の銀行窓販が急減も目立つ。
2016年度の販売額は前年同期比4割減で、09年以来の低水準になる見通し。
金融庁が窓販の商慣行に厳しい視線を向け始めたことも響いている。
全面解禁から今年で10年。
専門知識が欠如した銀行の窓販が“全くのお門違い”が明確になり、
窓販は曲がり角に差し掛かっている。

こうした環境の中で、監督官庁たる金融庁の言い分。
「再編はあくまで経営手段であり、再編を促しているわけではない」
「ただ再編でムダなコストを削って経営を合理化すれば、
人口減で地方経済が疲弊しても銀行が仲介機能を発揮し易い」
「再編で生じた資金や人材、情報などの経営資源を地域経済に振り向けられる」

美辞麗句の建前はともかく、金融庁の本音は以下のようになろう。
「今後、能力のない銀行は生き残れない。特に地銀の生き残りは厳しい」
「少数精鋭体制にすることが急務。更なる吸収合併を勧奨する」
「不要な人材は極力出向させ、コスト削減・体質改善を指導していく」

金融とIT(情報技術)が融合した「フィンテックの時代」を迎え、
銀行業という業態自体が大きな曲がり角に差し掛かっている。
膨大な顧客データ、本人確認などの技術のノウハウ、社会的な信用力、
優秀な人材力など、銀行が抱えていた(orあったはずの)従来の銀行の武器を、
守りでなく、攻めに使えるか。

だが現状は、銀行の主業務の一つであった決済業務さえ、
必ずしも銀行である必要がなくなり始めている。
モバイル市場が急拡大し、
電子商取引のアリババやテンセントが急拡大する時代となった。
モノやサービスと結んだ自動決済や、顧客データを使った新たなビジネスを
切り拓く能力・資本力が、今の銀行、特に地銀にあるとは思えない。

戦後生まれの団塊の世代は「文系」「理系」に大別され、
またその主たる就職先は文系は金融、理系はモノ作りと進んでいった。
当時の文系・金融に「何かを創る」との発想は皆無だった。
「変化するもの」を極力避け、
「与えられた規則を完璧に習得し、準拠するための知識を会得する」ことが
最優先された。
株式・為替相場などの基本的な相場さえも忌避された。

地銀レベルでは未だに団塊の世代、あるいはそれに近い世代の文系の人間が
トップに張り付き、なんとかなるともがいている。
どうもがいても、もうどうにもならない。
何故なら、時代が金融に理系の先端技術を求めているからである。

「文系金融の終焉」。
「老兵は消え去るのみ」。
残念ながら。

2017年03月11日

安倍1強時代。だが一寸先は闇!?

2月5日の自由民主党大会。
何ら異論がないまま、自民党総裁任期の「3選9年まで延長」が認められた。
かくして安倍晋三首相の3選への道が開かれ、
2021年9月まで、約9年の歴史的な長期政権が可能になった。

安倍内閣の支持率は12年12月の政権発足後と13年4月の76%をピークに、
15年7月には38%まで下落する。
そのまま下落すればこれまでの政権と同じだった。
だが15年後半から再び上昇し、今年の2月でも60%台を維持している。
全体でみると「U字」に近い。

ではこの「U字型」回復の要因は何か。
支持政党なしの「無党派層」で高い支持率があるからである。
「U字の底」だった15年下半期の無党派層の支持率は10%台。
これが16年8月以降は30~40%に回復し、17年1月には43%に達している。

この支持率の高さの要因は何か。
まずは「やってる感」。
何かあれば即座に官僚に検討を指示する。
成果はともかく、その素早い姿勢が国民に「やってる感」を与える。
例えば、アベノミクス、1億総活躍、働き方改革など、
“途切れないスローガン”が有権者に期待感を与え続けた。
端的に言えば「実際の成果より、期待を先行させる」手法である。

もうひとつの理由。「よりマシ感」。
民主党ができなかったことを、安倍政権がどれだけやっているか、
分かりやすく伝えた。
考えてみれば、鳩山・菅・野田と続いた民主党政権は
史上最悪のパターンではあった。
まぁましか!?と思うしかなかった。

そして安倍長期政権は、外交面でも海外諸国に安心感を与えている。
「継続は力なり」。
考えてみれば、安倍政権が特別いいわけではない。
が、他が余りにひどかったし、各々の在任期間が余りに短時間に過ぎた。

かくして安倍晋三政権は、このままめでたく東京五輪を迎えそうな気配だった。
だが大阪・森友学園に関する“アッキード”事件が勃発して以降、
ごたつき始めている。
最初は“単なる軽い笑い話”だった。
だが、早々に完全鎮火しないと大火事にもなりかねない様相である。

2月の参院予算委員会はほぼ「森友学園問題」に終始した。
300回を超えたと言われる財務省・佐川宣寿理財局長の連日の答弁、
エリート然とした端正な顔立ちの高級官僚の、余りに必死の形相が印象的。
終いには名前も顔も覚えてしまった。

今回の森友学園問題、まず発端が異常だった。
突然目の前で教育勅語の大合唱が起きればビックリもするし感動もする。
だが、冷静になって考えてみれば、
幼稚園に通う幼児に教育勅語を無理矢理暗記させ、大合唱させる教育など
誰が何を弁明しようと、異常と言うしかないだろう。

安倍昭恵夫人は日本のファーストレディ。
全国から幾多の“お呼ばれ”や名誉職招致は致し方ない。
だが地元・山口や、東京・神田で飲み屋を開業したり、
(間髪の抑え込みで揉み消された)ロックギター奏者とのスキャンダルやらと、
天真爛漫・菓子屋の社長のご令嬢だから仕様がないという理由では
看過できない場面が多くなっている。“脇が甘い”と言われても致し方ない。
(*以降、その有名ロックギター奏者THは表舞台から消えた!?)

森友学園問題は次々と欠陥が露見しており、結局は完全に抑え込まれるだろう。
だが更に大きな問題は、飛び火して、「大疑獄」事件が飛び出す気配もあることだ。
長期安定に多少の油断があったのは否めない。

政界は一寸先は闇。
ここを先途の野党の方々の熱気が凄い。
もっと凄いのが「安倍ネクスト」を虎視眈々と狙う、いわば身内の自民党内の蠢き。

政界は相変わらず魑魅魍魎、常人が近づけないホントに怖い世界である。

2017年03月04日

共産主義王朝の断末魔のあがき

先代・金正日総書記の誕生日を祝う「光明星節」を16日に控えた2月13日、
北朝鮮がまたぞろ世界を騒がす事件を起こした。
マレーシアの首都クアラルンプール国際空港での金正男暗殺事件。
よりにもよって“監視カメラ天国”の国際空港での犯行であり、
素人を雇って猛毒VXで暗殺という、安直なドラマ仕立ての殺人行為だった。

北朝鮮は世界初の共産主義王朝であり、従って血縁者は後継者になりうる。
金正男氏は王族や大富豪の子息ばかりが集まるスイスの名門「ル・ロゼ」の
寄宿舎で英才教育を受けており、長男としても後継者たりうる存在だった。
ただ権力に恋々とせず、
ひたすら世界のテーマパークを放浪する“男はつらいよ・寅さん”スタイルが、
世界のマスコミに面白おかしく、頻繁に取り上げられていた。
そして特筆すべきは、「現北朝鮮の国家システムに批判的だった」ことである。

金正恩現委員長は、金正男氏と腹違いの兄弟であり、
母親が在日朝鮮人というハンディキャップがあった。
後継者争いでは、長男の金正男氏が一番手であり、勝ち目が薄かった。
ただ長男の放浪癖が災いして、後継者の地位が転がり込んだ格好となったが、
強力なライバルを排除し、権力基盤を強固なものしようと画策したに相違ない。

だが今回の暗殺が、世界中に根堀り葉堀り報道されるような舞台での決行であり、
あまりに杜撰だった。
金正恩委員長の若さゆえのあせりか….

今回の事件が起きて、
昨年の晩夏に完読した故船戸与一氏の遺作となる大作「満洲国演義」の
ポイントを読み返してみた。
現北朝鮮に、満洲国を立ち上げた当時の日本と同様の“狂気やあせり”を
感じたからである。

同「満洲国演義」では、登場人物にゲーテの「ファウスト」から
「国家を創り上げるのは男の最高の浪漫だ」と述べさせる。
正常な国家経営の経験不足と掲げた理想と現実の乖離。
世界に伍する手段もなく、また手段を模索することもなく、
核やミサイルを最大の外交手段とする北朝鮮。
世界は「暴挙」や「暴走」と非難を浴び続けている。

北朝鮮の場合、根源の原因は明確になっている。
国境が直線で引かれている場合に紛争は起こり易い。
それは民族のありようを無視して、
統治する国の都合で直線が引かれるからである。
国境をまたいで同じ部族が存在する、二重国家になっている。
結果的に民族意識が政治的な思想に昇華され、
権力との抗争を必然的にさせるからである。

今後、北朝鮮問題解決にはどうしたらいいのか。
答えは単純明快である。
現体制を転覆させ、穏健な安全保障政策を持つ政権に移せばいい。
ではどう実現するのか。
巷間では「ロシア」が鍵を握るやに噂されている。
ドサクサまぎれのM&A(乗っ取り)が伝統的に得意のロシアの、
国際スパイ上がりのプーチンならやるだろう、との見方ではある。

金日成国家主席体制が誕生して70年が経過し、三代目の時代となり、
組織に金属疲労が目立ち、金一族の血を血で洗う争いが始まった。
北朝鮮は断末魔のあがきをしているようにしか見えない。

これまでの世界の歴史を考えれば「北朝鮮のリセットの時期は近い」。
それも「ある日突然のリセット(=崩壊)近し」と思わざるを得ない。

2017年02月25日

「日本政府は為替管理をしていない」のか?

トランプ新政権になって1カ月が経過した。
人事問題・外交問題・経済問題など、難問山積、今後はどうなっていくのか、
全く見えていない。
但し巷間で注目されている為替問題については、短期はともかく、
長期的にはある程度は方向を判断することが可能である。

よい機会なので、チャートをベースにした為替分析について復習してみたい。
為替のチャートには、日足・週足・月足そして年足が存在する。
チャートとは、日毎・週毎・月毎、そして年毎に出てくる高値・安値の
データを組成してできる“図面”である。

年足???と言われるかもしれない。
実はこれが重要なポイントである。
勝率9割を誇った伝説の相場師・W.D.ギャンは
「見過ごされがちだが、年足が特に重要である」と言っている。
そして「最低100本の足が必要である」と。

為替が変動相場制に移行するのは1973年。
つまりは「100本の足ができるのは2073年」ということになる。
為替の動向が今一つ明確に分析できないのは、
為替の年足が40本を超えたばかりの“未熟な相場である”からに相違ない。

日本にとっての基本の為替は何と言ってもドル・円。
米国が世界経済の中心にいる限り、その重要性は不変である。
創刊して20年超になった「週刊・びー・だぶりゅー・れぽーと」で
毎週分析を繰り返してきたが、総体的に言えば
「360円から始まったドル円は5分の1の72円(実際は75円)にほぼ到達し、
3分の1戻しの120円になった」
なんのかのと言いつつ、まずは理詰めな動きをしていることになる。

別にトランプ大統領の肩を持つわけでない。
が、日本の為替政策は「ドル円為替を円安誘導してきた」歴史を持つ。
安倍首相や麻生財務相を中心に頑強に否定しているが、
アベノミクスの大きな柱は「異次元緩和をベースにした円安誘導」だったのは
ご存じの通りである。

これもギャンの言い様だが、
「相場という大自然を人間の力で抑え込むことはできない」のであって、
「円安だと日本が有利(国益)、円高だと日本が不利(国損)」だから
「何がなんでも円安」という論理は、
輸出と輸入で成り立つ現在の世界経済環境において、
完全に時代遅れのアナクロな考えだと思う。
たとえ日本が輸出立国であったとしても。

参考程度にドル円の理論値を申し上げれば、
日米長期金利差とドル円の妥当値は2001年以降では106円。
購買力平価(生産者物価ベース、1973年基準)は97円。
市場が期待している米国の巨額の財政出動が期待外れになったり、
欧州の政治リスクが高まったりすれば、円の急騰=100円割れは十分にあり得る。

中期的な状況を申し上げれば、
昨年9月の安値100.09円からトランプ当選直後の高値118.65円の
3分の1戻しが112.47円。
現状は113円を中心にした「111.50~115.00円」のレンジでの膠着状態。

トランプ政権が不安定な中、
大枠の節目の値段を抑えた上でコスト計算をしておけば、
とりあえずリスクは軽減できる。
為替管理は近代経営の基本中の基本。
まことに厄介だが、世界統一通貨がない現状では致し方ない。


2017年02月18日

作・演出・自演“トランプ劇場”の今後は如何に?

2月14日、衆院予算委員会。
金田勝年法務大臣と稲田朋美防衛大臣の“火だるま”劇が繰り広げられた。
専門知識欠如が明白な、田舎の町会議員風(!?)のオロオロの法務大臣と、
日本初の女性首相候補最右翼と言われた“涙目連発”(!?)の”防衛大臣の、
ノーガードで滅多打ちされる姿。
野党のここを先途の“弱い者いじめ”の感の強い展開ではあった。
特に民進党・辻本清美議員の“つぼにはまった”時の弁舌は強烈で鋭く、
冷徹でサディスティック。“涙目”にもなりまする…

そんな中、アシストに動き回る安倍首相の疲れた様相も再々写し出された。
2泊4日の過密スケジュールの米国旅行を敢行し、
休日もとらずに走る回る安倍首相が少し可哀そうになった。
確かに任命責任はある。が、時差ボケもあろうし、さぞやお疲れだろうに…

世界が注目した日米首脳会談だった。
いきなりのハグに19秒も続く固い握手。
過激派トランプ大統領からどんな無理難題が持ち込まれるのかと、
日本政府ならずとも国民さえも戦々恐々としていた(と思う)。
ところが蓋を開ければ、同窓会で旧友に再会したごときの厚遇だった。
少々わざとらしい、過度と思えるくらいの演出ではあった。

日本時間11日の午前2時頃から始まった共同記者会見。
ライブで観ていたが、なんかむずがゆくなるような、予想外の展開。
だが結果的には(表面的には)世界に向け日米の親密度をアーピルした。
その実、安全保障で強固な同盟を確認はしたものの、
通商や為替での摩擦等、一連の“爆弾問題”をスルーした”胡散臭さ満載”
の会見だった。

極めつけは“ワンハーフ=27ホール”5時間のゴルフ。
うち最後の9ホールは両首脳だけだったという。
今回の訪米前、安倍首脳の祖父・故岸信介首相が、
当時のアイゼンハワー大統領とゴルフ外交をした様子が再三放映された。
“世界の舞台での外交”という一族の宿願が適ったことにはなったものの、
今後の成り行きは多数の「?」がつく。

自著で「私は全ての人々を喜ばせる外交官ではない。勝つまで戦い続ける」。
そんな「ゼロサム」の思考方法。
そしてレーガン政権の自由貿易を標榜しながら、
自動車や半導体の保護、ドル高の是正に動いた「「1980年代への懐古」を
標榜するトランプ大統領。

「日米摩擦の続きをやりたがる人たちが集う」トランプ政権の流通商政策は、
やはり危うい。
グローバ化や市場化が加速し、経済の相互依存関係が深まる現在の世界で、
超大国がゼロサムゲームに走れば、世界経済はたちどころに崩壊する。

一連のゴルフ外交をみながら自分が社会人になった当時を思い出していた。
事あるごとに言われたのは
「麻雀はできるか?」「即刻ゴルフの練習を始めよ!」だった。
まずは相手と親しい友人となる。基本中の基本ではある。
安倍首相の一連の対応は間違っていたとは思わない。
だが、「トランプと最も近い首脳」と張られたレッテルは今後にどう響くか。

フリン大統領補佐官から始まる側近の不祥事ドミノが続くトランプ政権。
正式な大統領就任からまだ1カ月も経過していない。
「米大統領選挙は完全に終わったわけではなく、
まだ途中ぐらいに考えた方がいい」。
月刊・文藝春秋での立花隆氏の指摘である。

さて何が起きるか。
大変動はこれからである。

2017年02月11日

政局混迷尻目に、粛々と進む「プロ化」の流れ

TBSラジオ・月~金のニュース番組「Dayキャッチ」の水曜日、
聴視者参加の川柳コーナーがあり、毎週楽しみに欠かさず聞いている。
ご存じのように川柳とは、
5・7・5の17文字の短詩で、生活や世態を風刺の立場から描写、
いわゆる「クスッ」とした笑いを狙うものである。
で、同番組の1月の大ヒットと評価が高かった作品は
「気がかりは トランプ小池 稀勢の里」。

稀勢の里は念願の横綱になり“気がかり”の中から消えていったが、
「トランプ大統領」と「小池都知事」が起こす“騒動”はこれからが本番。
2月10日からの(ゴルフ絡み)の日米首脳会談や、
石原慎太郎元都知事の都議会への参考人招致でこれからどうなるのか…
全く見えてこない。
双方共に劇場(激情!?)型パターンなので予断を許さない。

そうした日本の国内外の世界的な政局混迷の中で、
注目度が意外に低かったのは「松山英樹のフェニックス・オープン連覇」。
同大会は1932年から始まった伝統的な大会で、準メジャーの位置付け。
連覇となれば日本初は勿論、世界的で歴史的な偉業である。
トランプ&小池騒動なかりせば、
もう少し大々的に取り上げられた偉業ではあった。

NHKBS1の日曜日(5日)・月曜日(6日)、
早朝5時から始まるライブ中継放送を息を潜めて眺めていた。
最終日、4打差の3位から出て1イーグル・3バーディの66と伸ばした松山は、
昨年と同様のプレーオフを、
これまた昨年と全く同様に4ホール目17番ホールで決着。
今季2勝目、賞金120万㌦(約1億3千万円)を獲得した。
優勝した時点で堂々たる世界の賞金王である。

もはや「線でなく点で狙う」松山のゴルフは異次元。
TVでは見えないが現場で実際に見たら、
300ヤードを楽々超える飛距離は勿論、“寄せ”でも、
とんでもない高い球でピンをデッドに狙う世界になっているのだろう。
マスターズ等のメジャー制覇の期待が益々高まる。

“松山賛歌”になってしまったが、
衆知のように松山はプロゴルファーである。
ではスポーツの世界のプロとは一体どのようなものなのか。

プロスポーツの代名詞だった野球やサッカーのプロは、
競技には専念するものの、球団から給料をもらう形式だった。
だが最近では、体操の内村航平や水泳の萩野公介のように
今までに考えられなかった五輪種目での「プロ化」宣言が相次いでいる。
端的に言えば「何ら保証のない裸一貫」の世界。、
法的に言えば「プロ=個人事業主になる」ということである。

テニスやゴルフのような高額な賞金や出場料が望めない五輪競技の場合、
スポンサー契約が収入の柱となる。
この点から言えば、JOC(日本オリンピック協会)が一括管理して
マーケティング活動に活用していた肖像権は12年前に選手に返還している。

一般社会でも40歳定年制が言われる昨今、
「引退後は会社に残って社業に専念」という形式は完全に時代遅れ。
というか、現状で“絶対に永遠不滅である”と言い切れる企業は皆無。
従って「限りある選手人生をかけリスクある挑戦をする」のも理に適っている。

ヤンキースの田中マー君が年間20億超の収入を得る時代。
内村や荻野のような百万人に一人の稀有な逸材が、
マー君の半分くらいはもらっても何ら不思議ではない。

青年は荒野を目指す。
ドロドロした昨今だから尚更、才能ある若者が輝いて見える。
頑張れ!!陰ながら応援するよ!! と言うしかあるまい。


2017年02月04日

何を今更…日米自動車摩擦再燃やら為替論争やら…

1月20日の就任式以降、
朝・昼・晩と、米国大統領・ドナルド・トランプに纏わるニュースの連発。
いまや“米国発・金髪の国際的スター誕生”の感のする日々。
1946年6月14日生まれの70歳。
問題の多い桁違いの異端児だけど、まぁほんと、エネルギッシュですわ…
ま、あれだけエネルギッシュでなければ、二回り年下のグラマティスな美魔女とは
生活できないと思う次第で…
その点だけはつくづく感服致します。
………….

「我々には永遠の同盟国も永遠の敵もいない。あるのは永遠の国益だけだ」。
これは大英帝国が栄華を極めていた1884年、
当時の首相第3代パーマストン子爵の言葉である。
そして自国の外交政策について
「英国は独自の道を歩むだけの強さと影響力がある」と。

トランプ新大統領がパーマストンに倣っているとは考え難い。
ただ両人には自国を絶対とし、他国を頓着しない点では共通している。
現在の国際経済体制は元々が米国が設計したものである。
だが新大統領は「米国第一主義」という懐古主義を最大のテーマにした。
言葉を変えれば、全盛時の英国と同様に「米国孤立主義」打ち出したことになる。

そして「米国第一主義」を宣言すると共に
「米国を再び偉大にする」政策をも打ち出した。
ただこの一連の政策の中身と言えば、
経済ナショナリズム、反グローバル主義、反移民、イスラム過激主義の徹底拒否、
米国の利益を優先するゼロサム志向であり、
結局は直感と偏見の寄せ集めでしかないように見える。

1月23日、
新大統領は自動車貿易を巡り、日本を名指しして「不公平だ」と批判した。
米国での現地生産が進む現状を無視(or知らない振りを)し、
1980年代に逆戻りしたような批判をする背景には、
フォードやGMなどの米大手自動車企業の影がちらつく。

日本のメーカーが小型車の輸出攻勢をかけた80年代と異なり、
日系企業の米国生産が進んでいる。
米国内で販売する車のうち、北米での現地生産の割合は
トヨタが7割、日産が8割、ホンダは9割とされている。
また日本国内へのアメ車の輸入に関しては関税がゼロなのに、
米国は日本からの輸入車には2.5%の関税を課している。

日本自動車輸入組合(JAIA)に拠れば、
16年の外国メーカー車の日本での販売台数は前年比3.4%増の29万5千台。
登録車に占めるシェアは9.1%で10%が視野に入っている。
その中で、16年にはフォードが日本から撤退、GMの販売も1300台程度で、
メルセデス・ベンツ、BMW、VW、アウディ等、
独メーカーのほぼ独占状態となっている。

要は燃費が悪く、小回りが効かないアメ車は狭い日本には合わず、
人気がないということであり、
結局は米国メーカーの企業努力が足らないという点については論を待たない。
結局はないないづくしの米国の日本への“いちゃもん”に過ぎないのだ。

為替についての発言は余りに馬鹿げている。
米国は伝統的に「強いドル」政策を基本としてきた。
で、新大統領は「強いドル政策を採る」と宣言する一方で、
「ドルは強すぎる」などと言い放つ。
基軸通貨国の大統領が為替動向に関する発言をすれば市場はどう反応するか、
ご存じないのか?
そんなアドバイスをする側近もいないのか?

1月20日に大統領に就任して以降の連日の過激なパフォーマンスは、
世界が耐えてくれるギリギリの限界を確認する動きのようには見える。
だが内容が余りに単純・稚拙で、基本的知識の欠如の感は否めない。
百歩譲って、無知を装うのは、厳しい米国ビジネス界を生き抜いてきた
一流の作戦かもしれない。
が、ここまでくれば、“ど素人の一発屋”にも見えてしまうが…

2017年01月28日

世界を揺るがすツイッター大統領の口害

1月25日、帝国ホテルでの横綱伝達式。エツッ、なんで帝国ホテル???
押し寄せるマスコミの多さに、田子の浦部屋のスペースが足りない!?
嬉しい悲鳴を上げた挙句の苦肉の策だった。
かくして19年振りの日本人となる・第72代横綱・稀勢の里が誕生した。

余計な形容詞を一切使わない朴訥とした口上。
だが、かえってそれが好感度を増した。理由は明確だった。
1月20日の就任式から、まるでマシンガンのように連発する
米45代大統領・ドナルド・トランプの発言に癖壁していたからである。
連日の「(血の滴るような)レアステーキ」に胃もたれする中で、
日本伝統の「白菜の浅漬け」がことのほか美味だった。

新大統領の掲げたテーマは「偉大なる米国の復活」。
そして「理念」よりも「実利」。「国際協調主義」よりも「単独行動主義」。
これは
「深刻な不況とソ連の脅威で自信を喪失した国民を鼓舞し、
経済・軍事の両面で「強い米国」を目指す」
とした故レーガン大統領を見習ったものだった。
だが根本の考え方に“時代錯誤”があるように見える。

余りに過激に内向きの変革を志向する“異端児”を前に、
世界の緊張は高まっている。
世界は新大統領の3つの「不」に身構える。
まずは「不寛容」。
貿易収支の赤字を容認せず、中国、メキシコ、日本を名指しで牽制する。
高率の関税や企業への脅迫で投資や雇用を向けさせ、米製品を買わせようとする。

第2は「不連続」。就任初日から、
オバマケア(医療保険制度改革法)と環太平洋経済連携協定(TPP)を排除した。
既存政権の遺産を破壊することに活路を見出そうとしている。
一方的な関税引き上げや輸入制限は世界貿易機関(WTO)のルールに抵触する。
一連のグローバルな枠組みが米国の雇用や富を奪ったとする新大統領は、
既存のルールや機関の否定に走り始めたのだった。

結果として生じる第3の懸念は「不透明感」である。
積極財政策などへの期待から“トランプ相場”を享受した金融市場が
“次の手”に戸惑っている。
ヘッジファンドの雄・ジョージ・ソロス10億㌦損失との噂も、
市場をビビらす結果になっている。

1月17日の世界経済フォーラム(ダボス会議)で、自由主義経済の大切さを
得々と説いたのは誰あろう、中国の習近平国家主席だった。
民主主義と自由市場の先陣を切るべき米英が自国優先に舵を切り、
非民主主義の中国がグローバル化の盟主を気取る。
まさに倒錯した笑えないギャグである。

戦後の米国は孤立主義と決別し、
自由主義や民主主義の守護者として世界の繁栄と安定に貢献してきた。
公人になった後も選挙前と同様にツイッターを縦横無尽に駆使する、
たったひとりの指導者の出方次第で、超大国と国際秩序の変質が
深刻になり始めている。

「米国人の大きな特権は、失敗を犯してもこれを正す自由がある点にある」
(トクヴィル「アメリカのデモクラシー」)。
常にマスコミとけんか腰で相対し、不支持50%超の大統領に明日はあるのか。
米国は勿論、世界各地から非難の声が広まる。
「そんな(異端な)大統領を選んだのは誰なんだ???」。

折しもNYダウ20,000㌦がマスコミを賑わしている。
それは「新たな始まり」なのか、はたまた「全ての終わり」なのか…
「新大統領の早期辞任劇」の可能性を考えざるを得ない。

2017年01月20日

ジリジリ追いつめられる愛煙家&たばこ関連企業

今は日本時間2017年1月21日午前12時10分。
トランプ米大統領誕生まであと2時間ばかり。
世界はどうなるのか….グチャグチャになるだろな多分!?…
その前に落ち着いて、コーヒー&スモーキング・ブレーク….
………………………………………………………………………….

冬晴れの寒い週末の午後、余りにスカンと晴れた空に誘われ、
日用品買い出しに、チャリを駆って豊洲に出かけた。
少年野球の試合が三面とれるどデカいグラウンド。
おおやってる、やってるとタバコを吸いながら眺めていた。
と、35歳あたりの若いパパが血相を変えて飛んできた。
何か用??
「子供が野球やってるんですよ、タバコやめて下さい!!!」

狭い部屋ならともかく、隣に誰もいない、
デカイ空間の中でタバコ吸っちゃいかんのか??
平生は温和な(!?)自分もさすがにムッときた。
で、聞いた。ここは「禁煙エリアなの??」
その答。「じゃないけど、子供が野球してたら禁煙は常識でしょ!!」
受動喫煙対策がことのほか、神経質までにうるさく、
そして神経質になることが現代人であるとする昨今の風潮である。
逆切れして思う。んじゃ、もうタバコ売るの止めろや!

1月17日、
英たばこ大手ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)は、
米2位のレイノルズ・アメリカンと経営統合することで合意したと発表した。
BATは未保有のレイノルズ株を494億㌦(約5兆6千億円)で取得し、
上場企業で世界首位の米フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)に
対抗する。

余り馴染がない企業などで少々説明すると、
BATの主力商品はラッキーストライク、ケント、ダンヒル。
一方、レイノルズの主力商品はキャメルなどで、
15年には米3位のロリラードを買収している。
上記主力商品は日本でも有名でその名は通っている。

こうした中で、日本たばこ産業(JT)はと言えば、日本国内に期待せず、
アフリカを今後の有望市場とみて、
2011年にスーダンのたばこ会社を350億円で、
2016年には500億円を投じてエチオピアのたばこ専売会社の株式40%を
取得している。

最近の業界の特色商品としては、灰と煙が出ない加熱式たばこ。
ただこの加熱式たばこは、アイコスという銘柄の商品を販売する
業界第一位のフィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)の市場独占。
結果として業界は、次世代の“電子たばこ”に注力し始めているが、
そんな“もどき”が従来の愛煙家に通用するのか??

1月12日、飲食店などの業界団体が、
厚生労働省が検討している受動喫煙防止対策の強化案に対する緊急集会を
開催している。
マクドナルド、ケンタッキーフライドチキン、モスバーガー、
スターバックス、タリーズなどの大手各社は、ほぼ全店禁煙。

反対意見が多いのは当然ながら個人経営の喫茶店やスナック。
個人経営では喫煙室を設置する改装資金を捻出できなかったり、
設置場所を確保できなかったりと障害は多い。
禁煙にすることで客離れに追い込まれるという不安も多い。

いずれにしても
2020年の東京五輪までには「結論=強制全面禁煙」が実施される気配である。
元神奈川県知事で現参院議員が、
事あるごとに「禁煙できない国が先進国と言えない」と頑強に主張する、
神経質で憎々しげなしたり顔が目に浮かぶ。
そうですね、結局はあんたが正しいですよ!

……………..
しゃーねえーなと、たばこをふかして一服しております。
「今日も元気だ、たばこがうまい!」ってもう死語ですかね!?

2017年01月14日

炸裂する特朗普(トランプ)爆弾

トランプを中国語で記すと「特朗普」となるらしい。
新年早々から「特朗普」氏の発言が世界を揺るがしている。
今年はこの三文字が躍動することになろう。

5日、トヨタ自動車がメキシコに新設する工場について、
自身のツイッターに投稿、
「NO WAY!!=あり得ない」
「高い関税を払え!!」
と批判し、計画撤回を求めた。

当初は楽観論が大勢だった。
「メキシコからの輸入車に高関税をかければ、
(メキシコからの輸入が多い)ゼネラル・モーターズ(GM)や
フォード・モーターがたちゆかなくなる」
との思惑だった。
だがその楽観論は、
3日にフォードがメキシコの工場建設を撤回したことにより吹き飛んだ。
次に矛先が向かったのがトヨタだった。

日本企業と世界の自動車産業の代表格であるトヨタは、
「米国第一主義」を訴える露払いには格好の標的ではあった。
しかし自由主義経済社会においてトランプ氏の一連の発言は、
“介入”というよりは“企業妨害”と呼ぶべき暴挙だろう。

自分の思うがままに個別企業の戦略を動かし、米国に投資させる。
世界の雄・米国大統領にとっては強権の醍醐味かもしれない。
だが世界の企業は、同氏の縁故主義の高まりやロシアとの密約懸念も相俟って、
連発する奔放発言に「予見不可能な米国」を意識し始めた。

「偉大な米国の復活」を標榜するトランプ氏への期待はそれなりに大きい。
しかし大衆迎合的な公約や常識はずれの言動は、
米国内真っ二つに割ってしまっている。
富裕層と貧困層、白人層と非白人層、支配者層と被支配者層、
保守層とリベラル層…。
様々な形で社会の分断が深まり、容易に修復できそうにない。

多様な人間が集う米国は、
偽悪な差別や偏見を「パンドラの箱」に封じ込めてきた。
その蓋をこじ開け、偏ったナショナリズムの封印までも解いてしまった。
米国に内向き志向が強まればどうなるかは、これまでの歴史が証明している。

今後10年間で4兆~5兆㌦の減税と1兆㌦のインフラ投資。
一連の財政出動は、
金融緩和に依存してきた米経済を底上げする可能性は秘める。
いやがうえにも市場は浮き立っている。
だが債務の膨張を招く巨額の減税やインフラ投資が
計画通りに動き出す保証はない。
保護貿易や移民排斥が具体化すれば、財政出動の効果などは木端微塵である。

米国には古くから孤立主義のDNA息づく。
「怪物を退治するのに、敢えて海外に行くことはない」。
第6代大統領のクインシー・アダムズの(国務長官時代の)有名な言葉である。
しかし時代は変わった。今や米国抜きの世界経済は考えられない。

2009年6月の6,469㌦から始まったNYダウの長期の上昇相場は
6,469㌦×3=19,407㌦を超えた。
相場理論から言えば、底値から3倍以降は“神の領域”である。
そして20,000㌦目前に、いわゆる“寸止め”状態が続いている。
敢えてクリアしないようにも見える。

現状の株高・ドル高に“根拠なき熱狂”を感じる。
日本風に言えば“神ってる!”状況が続いている。
トランプという劇薬を投じてしまった米国はどう対処する??

日本は年初早々の大寒波襲来…雪だ、雪だ、の世界が始まった…
2017年は大嵐の様相である。

2017年01月06日

歴史は繰り返すか? -トランプ政権船出後の世界-

日本のお正月の代表的風物のひとつに、元旦の新聞がある。
とにかく分厚い。
何ページ建てか数えたこともないが、軽く150ページは超えるだろう。
言ってみれば1冊の本である。130円~140円の本!?
広告特集を含むにしても、現場の皆様に頭が下がる思いである。

で、2日3日が休刊。4日から通常発刊。
ただお祭りが終わった後の索漠とした感じのする記事ばかり。
ま、致し方ない。

平成29年1月5日付日経新聞朝刊。
20~21ページに、二面建てで掲載された宝島社のどでかい広告。
タイトルは
「人間は過ちを犯す。しかし学ぶことができる。
世界平和は、人間の宿題である」。
自社の宣伝をするつもりはないようだ。一体何を言いたいのだろうか。


………………………………………………..

2017年、反移民・TPP脱退を掲げてトランプ政権が船出する。
振り返れば、
1920年代の米国でもアメリカ第一主義を掲げ、
移民を排斥した時代があった。

まず当時の環境からごく簡単に説明してみたい。
1919年第一次大戦が終結。
その後の米国は大量生産・大消費時代を迎え、経済・文化の黄金時代へと
入っていく。
当時の米大統領はウッドロウ・ウィルソン。
同大統領は世界平和を掲げて国際連盟の創設に尽力する。
核兵器廃絶や中東問題に尽力しているオバマ現大統領と同じである。

ウィルソン大統領は1919年にノーベル平和賞を受賞するも同年引退。
しかしその後も、
「アメリカが世界平和・民主主義・自由主義をリードしなければならない」
とする「ウィルソン主義」がリードしていく。
この流れが、
「多国間で戦争はせず、平和的手段で解決にあたる」ことを定めた
1928年の「パリ不戦条約」につながっていく。

しかし「世界秩序の維持を推進するアメリカ」が決定的に変わるのは
1929年10月の大恐慌だった。
以降は、19世紀以来の欧州大陸と距離を置く「モンロー主義」が先行し、
内向きな保護経済へと転換していく。
これが各国の保護貿易化を促し、世界経済恐慌を悪化させることになった。

約100年経過した2016年の米大統領選でトランプ勝利となったことで、
「世界秩序を維持するアメリカ」から「移民は追い返せ、アメリカ第一主義」
へと変貌する“手のひら返し”現象が起きた。
その流れは、EU脱退を僅差の国民投票で決めた英国をはじめとして、
反移民・保護政策は欧州にも広がりを始めている。
仏ではトランプの主張を歓迎する極右政党・国民戦線の台頭、
独では右翼政党「ドイツのための選択肢」の躍進も目立つ。

また1930年代には、アメリカが国際協調路線を放棄すると同じくして、
日本軍部や欧州のファシストが周辺諸国に手足を伸ばすことになる。
1931年に満州事変が起き、1933年にヒトラーが独首相に就任する。
現在にあてはめれば、ロシアであり、中国であり、北朝鮮であり、
何を起こすか分からない国々ということになる。

マルクスの残した次のような有名な言葉がある
「歴史は二度繰り返す。最初は悲劇、二度目は喜劇として」

不況の出版界である。
正月明けは多少の割引の効く期間とはいえ、
全国版の日経新聞の1ページあたりの値段は1千万は超える。
今回の宝島社の“無駄遣い(!?)”の意図はどこにあるのだろう。

間違いなく何かが起きる、何かが。
しかもよい方でなく悪い方の“何か”が。
そんな気がする。

かくして、波乱含みのトランプ政権は間もなく船出する。


2017年01月01日

スマップ・ロス

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
週1回更新のブログを50回アップすれば1年。
時間の経つのが本当に、強烈に早いです…

本年も淡々とアップして参ります。
変わらずよろしくアクセスのほどお願い申し上げます。

………………………………………………………………………………….

事前に言われていた通り、今年の紅白にSMAPの姿はなかった…

SMAP=スマップを意識したのはいつ頃だったろうか…

最初に意識したのは木村拓哉だった。
「あすなろ白書」という青春ドラマで見たのが最初だった、と思う。
乾いた都会調のぶっきら棒な若者を素のまま演じ、
主役ではないが、主役を食ってしまうような歴然たるオーラが出ていた。
それがスマップというグループの一員であるとも、
ジャニーズ事務所の所属などといった一般的な知識もなく、
また知ろうとも思わなかった。

ガツンと全面に出てくるのは、1996年4月15日から始まった、
フジテレビ月曜日午後9時から放映の「ロング・バケーション」。
その通称「フジ月9のロンバケ」は伝説的な大ヒットとなった。
山口智子との都会調のやりとりが、男女間にありがちなギラギラ感がなく、
近未来の男女はこうなるのかなと思わせるようなサラサラ感があった。

そしてドラマが進んでいくうち、二人が共同生活をする古いビルが、
自分の住まいと至近距離、江東区清澄白河周辺であることが判明する。
屋上に有名電機会社の看板がかかっている、4階建ての古いビル。
隅田川沿いで、ピアノの練習のため、ビルを住居に改築したのとの設定の中で、
そのあたりがランニングコースだった自分には、易々と断定できた。
ははん、ここか、ここだったのか…

1980年代のジャニーズ事務所は
シブがき隊→少年隊→男闘呼組→光GENJIと、矢継ぎ早に輩出していった。
特に80年代後半に一世を風靡した光GENJIは、いかもチャラそうな若者が、
ローラースケートを駆って歌いまくる集団。
その薄いペラペラの風景が、日本のバブルにドンピシャ、マッチしていた。
だが、あまりに軟弱・軽薄で、ジャニーズ系が出演する歌番組は忌避した。

だから木村拓哉が同じジャニーズ系で、88年にデビューしたスマップという
グループの一員であることに少々驚いた。
スマップの代表番組となる「SMAP×SMAP」、通称スマスマという番組を
見たのは21世紀になってからである。

スマスマの第一回放送は1996年4月15日、午後10時半。
通常10時開始だが、ロンバケの第一回放送が30分延長されてそうなった、
という嘘みたいな事実は、今になって判明した。

その後の木村拓哉の活躍はご存じの通りである。
フジ月9のエースとして、美容師、パイロット、レーサー、検事等など、
数々のドラマに出演、キムタクと呼ばれるようになり、
日本を代表する俳優・タレントになっていく
月9の放送が終わった後、番組を探すのが面倒でそのまま流しておいたら
木村拓哉・連続出演のスマスマだった。
かくして木村拓哉が有名になるのと同時に、スマップのメンバーも知るように
なっていく。
お化け長寿番組「笑っていいとも」にレギューラ出演した影響も大きかった。

荒れた今年を象徴するかのように、年末はスマップ解散の嵐が吹きまくった。
メディアはジャニーズ事務所の内紛の様子も事細かに報道する中で、
スマップを「バブルに荒んだ日本を元気づけ、救ったグループ」として
大々的に取り上げ続けた。日本だけでなく、アジアや、アメリカまでもが…

12月26日の5時間にわたる「解散記念番組」。
最初からガチに見始めて、疲れ果て、中抜け状態。
だが、幕引きに全員で歌った「世界にただ一つの花」の
エンディングの中居正広の5本の指を折るしぐさは実に感動的で、
泣き崩れる姿と共に、多分後世までも伝えられるであろう。

ま、若い頃から28年も一緒に仕事を一緒にすれば金属疲労も出る。
10年程度別々に仕事して、お互いが還暦を意識するようになれば、
また自然と一緒になると思う。
若いということは、また若さをぶつけ合うことは心底疲れる。
だから応分の冷静期間も必要だろう。

世の中では「スマップ・ロス」などと騒いでいる。
自分は「(気分転換の)一時的な解散」と思う。
今回の一連の騒動の中、木村拓哉と中居正広が同じ高校の同級生と知った。
両者に相交えることのない大きなわだかまりがあるやに報道されているが、
それも時間が解決してくれるに相違ない。
世紀を挟んで日本に深く根付いた5人の個性集団は不死鳥と思う。

カテゴリー

アーカイブ

最近のコメント