ナナコ(nanaco)の登場
セブン&アイ・ホールディングスは4月23日から独自の電子マネー「nanaco(ナナコ)」の
サービスを開始した。
大手流通業が電子マネーを運営するのは初めて。
ソニー系の「Edy(エディ)」や、鉄道系の「Suica(スイカ)」「PASMO(パスモ)」などに次ぎ、
大手流通業が第三勢力として電子マネーに参入、三つ巴の攻防が始った。
ナナコはプリペイド(前払い)型の電子マネー。
セブン&アイはナナコを利用したサービスとして、都内約1,500店のセブンイレブンで開始、
5月28日までに全国の11,700店に広げる予定。
また今週秋以降には、傘下の「イトーヨーカ堂」180店舗や、
ファミリーレストランの「デニーズ」586店舗でもサービスを始める予定で、
2008年5月末までに発行枚数は一千万枚、初年度の決済規模を2,000億円超を目指すとしている。
一方、ソニー系ビワレット(東京・品川)が運営するエディは、2001年11月に導入された、
いわゆる電子マネーの先駈け。発行枚数は電子マネーで最多の2,790万枚。
小売店を中心に加盟店を拡大し、タクシーでも使えるようになっている。
現在ではパソコンやテレビの読み取り機能を装備し、通信販売の決済にも使えるように
準備を進めている。
またJR東日本の発行するスイカ、
そして3月18日に登場した関東地区の私鉄・バス用のICカード乗車券・パスモも勢力を伸ばしている。
両カードは「駅ナカ」施設にも使えるが、それ以外の利用範囲も広がり始めている。
こうした一連の動きは2011年7月の地上波総デジタル化の動きに連動しているものと思われる。
総デジタル化に伴ない、ウィンドウズ対応の大型TVが当たり前となり、分割された画面に
世界の複数情報が寸時に手に入る時代がやってくる。
それはとりもなおさず、センター(産地)直結経済システムが強固となることを意味し、
現在の中間システムの介在を許さない状況となる。
要は中間の小売業者や(広い意味での)代理店の介在を許さない時代がやって来ることになる。
そしてそのデジタルの世界に流通するのが電子マネーという図式である。
電子マネーは従来からのクレジットカードの変形版と言えなくも無い。
しかし、前もって貨幣を電子マネーに組替えるという点において従来のクレジットカードとは異なる。
基本的には前払いした現金の範囲でのみ売買決済が行なわれるという点において、
取扱会社には(消費者の)不払いリスクがなくなるからである。
市場では、07年における電子決済の規模は06年度比3.8倍の6,800億円との予想を立てているが、
この流れが倍々ゲームで伸長していくのは必至の状況。
そしてこの状況は、東京などの中枢地区は勿論、特に地方の小売業界の苦難の日々が到来する
ことを意味している。
こうして電子マネーは、21世紀の経済を大変換させる根幹の媒体になりつつある。
時代の変化が激し過ぎる。誠に怖い時代ではある。
