2007年12月28日

2007年の回顧 その(1)

気がつけばまた去り行く年を回顧する時期になっている。

今年2007年は、一般個人の為替取引が飛躍的に拡大した。
要因としては、銀行の外国為替業務からの実質的撤退と、IT機器の飛躍的な発達。
束になって世界の市場に出入りする日本の主婦層は無視できない一大勢力となり、
日本の主婦軍団は「ミセス・ワタナベ」と恐れられるまでになった。

その背景にあるのは、日本VS欧米諸国+資源国の金利差にある。
日本の金利は世界最低レベルにあり、従って「日本円売り・外国通貨買い」を仕掛ければ、
大概の場合は利益が出たことにはなる。

かくして日本の主婦層は、円売り・ドル買いorユーロ買いor豪ドル買いを仕掛けて儲け、
巷には主婦や若いOLの書いた「FXトレードで100万円から1000万円にする法」や
「私もFXトレードをやってます」的なノウハウ本が溢れた。

しかし相場はそう簡単ではない。
8月初旬から表面化した米国発のサブプライム問題からドル売り一色の動きとなり、
円も110円を割込む円高となった。円売り・ユーロ買いは下落率は小さかったが、
「円売りVS豪ドルorポンド買い」に死屍累々となった。

投機。禅から生れたこの言葉は、本来師弟の心が激しくぶつかり、通い合うさまを表す。
それがいつしか相場の値動きに追随する短期売買を指すようになった。
しかしそうした(短期売買の)投機自体は根本的には「悪」ではない。

1992年の英ポンド危機には、ジョージ・ソロスは英中央銀行とはげしくぶつかり、打ち負かした。
経済学の泰斗・ケインズは投機家の顔を併せ持ち、財をなした。
共通するのは、国家や世界の諸分野に対する深い洞察力と分析力である。

残念ながら日本の「ミセス・ワタナベ」には、
諸分野の動きや国家の消長を見極める力を備えようとするスタンスにはなかった。
目先の動きに一喜一憂するネット投機家の姿は、パチンコや諸般のゲームに熱中する
現状の日本の姿を彷彿とさせた。

一方で、金融のグローバルの世界の浸透と同時に「超高齢化社会の拡大」という、
未曾有の大問題が現実のものとなってきている。
06年の日本人の平均寿命は男性が79.00歳と世界第二位、女性が85.81歳で世界一。
百歳以上の高齢者は3万人を超え、平成50年には60万人を超えるとの推計もある。
「百歳の自分」は他人事ではない。

かくして、好むと好まざると「百歳の自分」に備えざるを得ないのが現在の日本である。
年金問題がドロ沼の様相を呈し、解決の糸口さえ見つからない現状では、
「生きていくための必要資産」は、好むと好まざると自分自身で築いていかざるを得ない。

2007年を回顧すれば、国民全体が「これまでの預貯金を中心にした“絶対安全”から、
“比較的安全”に歩み寄り始めた年」ということができよう。
「ミセス・ワタナベ」が闊歩した2007年の状況は、確かに異常だった。
しかし別な意味では間違いなく“新しい時代”が始まったとも言える。


2007年12月24日

またクリスマス...

クリスマスのイブのイブ、つまり23日(日)の東京は、前日の午後からの雨模様から、午後には
スカッと晴れた。
気温も13度くらいで、いわゆる小春日和ってやつ...

いつものようにFM東京・午後2時からのサンデー・ソング・ブックを聞きながら、
いつものように、隅田川沿いの“秘密の場所”でトレーニングをしていた。
今日の隅田川は、東京の冬独特の雲ひとつない青空に負けないくらい、真っ青に澄んでいた。

山下達郎の、自分の奥さんを称して「竹内まりやさんゲストに....」から始まる、
いまや恒例となった“年忘れ夫婦放談”が、今年も良かった。
自分の女房、呼び捨てにすりゃいいじゃないかとは思うが、その“へんな”こだわりが山下達郎の
“らしい”ところ。

実力者同士の安心感が漂う。
夫婦間の感じは夫婦しか分からないが、自信というか余裕というか...
お互いの実力を知っている者同士にのみ理解できる、男と女の垣根を越えた微妙な世界が
出来上がっている。やはり余裕の世界なのだろう。

いまやクリスマス・シーズンのスタンダード・ナンバーとなった「クリスマス・イブ」は、やはり心地よい。
今年は英語バージョンがCMに流れているが、
オリコンベスト100入りが24年連続だそうである。
多分来年もベスト100入りすると思われるので、25年連続となることは確実。

山下達郎の「良い作品をより長く」の世界は、口で言うのは簡単。
しかしそれをやり遂げるのは簡単でないことは誰もが知っている。

この日はクリスマスのイブのイブということで、軽く飲んで、早々に寝てしまった。
喉が渇いて目が覚めたら、つけっぱなしのTV画面にはTBS午後11時からの情熱大陸。
オオッ、出ているのは坂東真理子さんじゃないですか...

年末につき、2007年の出版界をリードした「女性の品格」の著者の追っ掛け番組である。
最初は2006年の「国家の品格(藤原正彦著)」の単なるパロディと思ってたけど、
240万部ってですか...
本人はバブルっぽい動きとのたまってはおりますが、バブルでも240万部は簡単に売れませぬ。

番組では、彼女の出身地の(富山県)立山町の実家は出てくるは、
出身中学の雄山中学は出てくるは...
子供は女二人で、長女は既婚そしてその子供がまたまた女二人。
しかるところ坂東真理子女史には二人の(女の子の)孫がいることが判明。

ところで、旦那の(自分の中学・高校の先輩の)坂東輝夫さんは如何に?
テレビでは単身赴任と言っておりましたが、ある筋に拠れば、今年には定年退職されたとなっている。
奥さんがとんでもなく有名になり、家庭の様子(日常生活、掃除の状態)等を
(TV特有の傍若無人に)勝手に映されてしまえば、いかに東大出の優秀な旦那も、興味半分の
TVの追っ掛け番組には出にくいわなぁ...

言っておきますが、決して夫婦の比較をしたわけではありませぬ。
何気に淡々としたクリスマス連休の中日であったということだけ。
ただそれだけのことです...


2007年12月17日

YKKの受難

自分の生れた富山県には、名前を言って分かる全国的な有名企業は極端に少ない。
北陸銀行、北陸電力があって、(トンネル工事で名を馳せた)佐藤工業、不二越、
そしてYKKあたりまでで、十指に余るといった状況である。

ところでYKKのネーミングは、吉田工業株式会社の英語の頭文字を取っただけのもの。
「石橋産業=ブリッジ・ストン=ブリジストン」と同様な感覚の名前の付け方である。
自分の小学生時代、地元では“吉田チャック”と言われた家内工業の零細企業だった。
要は「YKKも、元を質せば漁師の奥さん連中の内職だった」ということである。

ところがそのYKKは、今やファスナーとサッシの二本柱を擁し、世界74ヶ国に事業を展開する、
年間総売り上げ6,500億円超のグローバル企業となった。
黒部ダムで有名な黒部市は吉田一族の出身地でもあり、当地には巨大な工場がドカンとばかり
置かれているが、今や富山県の企業とは言い難い。

そのYKKが、ファスナーなどで国際的な価格カルテルを結んでいたとして、欧州連合(EU)の
欧州委員会から巨額の制裁金支払を命じられている。
その額1億5,025万ユーロ。日本円にして約243億円。
欧州委員会が日本関連企業に科した制裁金としては、日本板硝子の英子会社ピルキントンに
対する約1億4千万ユーロを上回り過去最高。

欧州委員会がカルテルに関与していたとするのは、YKKの独子会社YKKシュトッコ・ファスナーズ。
YKKは94年に資本参加し、97年に全額子会社とした。
欧州委員会に拠れば、カルテルはYKKが資本参加する以前に始まり、完全子会社化した後も
4年程度続いたとしている。

しかし同子会社は欧州だけで事業展開をしており、
YKK側はカルテル行為があったとしても欧州市場に限定されていたとし、国際的なカルテルを
結んでいたとして巨額な巨額の制裁金を要求する欧州委員会を提訴する構えである。

日本ではカルテルがあった場合、対象分野の売上高が課徴金の基準となるが、
EUでは対象企業の世界総売上高の10%が制裁金の上限とされ、結果的に240億円超の制裁金と
なった模様。
これはYKKの07年3月期の純利益240億円とほぼ同額。

欧州委員会では巨額の制裁金を独禁法違反の抑止力と位置付けている。
従って欧州市場の進出する日本企業にとって、欧州委員会の厳罰主義は脅威には違いない。
こうした価格カルテルの摘発を強めるEUに対しては、三菱電機、日立製作所なども提訴に
踏切っており、同様の動きが徐々に広がり始めている。

今や米国に代り世界の中心になり始めている欧州だが、文化の違い、考え方の違いが徐々に
明確になってきている。
米国ドルからユーロ中心の世界になりつつあるとは言え、輸出立国・日本も、グローバルな時代を
生きるのは簡単ではないようである。

2007年12月16日

オイルマネーの世界制覇に向けての暗躍

11月26日、米大手銀シティグループはアラブ首長国連邦(UAE)の政府系投資機関、
アブダビ投資庁(ADIA)から75億㌦(約8000億円)の出資を受け入れると発表した。

シティはADIAの出資で、10~12月に予想されるサブプライム関連損失をほぼ埋め合せられるが、
サブプライムの損失は時間の経過と共に拡大しており、
今回の資本増強で十分とは言えない状況となっている。

シティの前身であるシティコープは1991年、不動産融資と国際融資で大量の不良債権を抱え、
サウジアラビアの富豪、アルワリード・ビンタラール王子の出資を受けた経緯がある。
中東マネーの二度目の救済劇だが、今回の方が深刻だとの見方が広がっている。

1バーレル=100㌦の迫る原油高で膨らむ産油国の輸出収入が、
政府系ファンドを通じて先進国に還流する流れが明確になり、11月に入って市場では、
複数の中東投資機関が「サブプライム問題の影響で評価額を下げた米資産の買収を狙っている」
との噂が流れていた。

ADICは日本の上場企業数十社の大株主で、不動産を含め、日本には合計で1兆円前後を投資済み
であるとされている。
また総運用残高は7000億㌦前後とされ、政府系ファンドでは世界最大。

最近では「諸悪の根源の悪役」扱いされているサブプライムローンだが、
元々は低所得者層の持ち家購入を促進するために発足したシステムだった。
しかし「悪役」になってしまったのは、金融業界の成長を支えてきた「証券化」と「グローバル化」に
あった。

米の住宅ローン会社は融資後、ローン債権をまとめて欧米大手金融機関に販売、
その後金融大手が債権を証券化し、世界の投資家に販売してリスクを分散した。
証券化されたサブプライムローンは95年185億㌦(約2兆円)から、
2006年には約25倍の4500億㌦(約50兆円)に飛躍的に拡大した。

こうした状況の中、リスク移転を前提にした貸出が増加、ローン各社は融資審査を甘くしたまま、
無理な貸出競争に走った。
カネ余りの投資家もリスクを無視して証券化商品に手を出してきた。
しかし一旦証券化商品の値下がりが始まると、損失はスパイラルに拡大、損失は世界中に広がる
結果となった。

米金融市場で最近「Xデー」と言われているのが08年3月。
今年まで月間500億㌦規模だった変動金利型融資(ARM)の借換額が、1000億㌦とピークを
迎えるからである。
必然的にサブプライム問題に絡む損失が増えるのは必至と見られている。

他の金融機関も状況は同じ。
メリルリンチ、UBS、ドイツ銀行など欧米の大手金融20社のサブプライム関連の損失は、
判明分だけで680億㌦(約7兆7千億円)。
今後各社が自己資本増強を市場を通じて行なおうとすれば中東マネーを中心に、
政府系ファンドへの依存が高まるのは必至の状況。

かくして原油の高止まりが続く中、中東マネーの世界制覇への流れが続いていく気配である。

2007年12月09日

タクシー料金の値上げ

自分の残された人生の中で最大の楽しみは何といっても“飲み”。
それも国際都市東京の繁華街、銀座・赤坂・六本木等のネオン街での飲みは外せない。

(母親を中心に)もういい加減止めろ、との声があるのは嫌というほど知っている。
また深海のようなネオン街では、安価な酒をどうしたら付加価値をつけるかに苦心惨澹していることも
十分承知している。
考えてみれば、馬鹿馬鹿しく高い酒を飲んでいることに気付くこともある。

しかし、「(そうした世界一のネオン街で)元気に”クラブ活動”ができるか否か」が健康のバロメーター
と考えている。
頑張って仕事をするから、酒が美味しいのである。至極簡単な理屈である。
ただ家で飲んでも少しも美味しくない。直ぐに酔ってしまい、早々に寝てしまう。
全く緊張感がないからである。

結論的には「酒そのものが好き」なのではなく、「酒+美女(に見える)世界」が好きなのである。
最大の無駄遣いであることも十分承知しているが、ではそうした飲みを止め、倹約にこれ努めたと
して、カネを貯めて一体何をしようというのか?
それが自分の人生を全うすることになるのか?
そんなアホな問答を繰り返しながら、(仕事に託けて)飲みに出かけている。
多分自分の(残りの)人生は、そうした(たわいのない)葛藤の中で推移していくのであろう。

そんな自分の人生でもうひとつの贅沢は、飲んだ後、タクシーを利用している点である。
10時以降の電車は混んでいる上に、香水の匂いやら、酔っ払いの匂いやらがやたら鼻につく。
自分も単なる酔っ払いには違いないのだが、酔うと何気に感覚が研ぎ澄まされ、他の酔っ払いの
ギラギラした目にとてつもなく嫌悪感を感じてしまうのである。

かくして“飲み代のうち”と計算し(!?)、帰りはタクシーでご帰還ということになる。
ただ現在住んでいる中央区・佃界隈は、銀座からは約1,000円、赤坂・六本木界隈からは約2,000円
の料金という、誠に至便な土地柄。
佃から離れられない最大の理由でもある。
言い訳がましく言わしてもらえば、料金云々の問題ではなく、(真摯な)倹約しようとする気持ちの
問題ではあるのも十分承知している。

12月3日から東京・横浜地区の大半のタクシー料金が(10年振りに)引き上げられた。
初乗り(2㌔まで)が660円から710円へ。
以降288メートルor1分45秒ごとに90円増し。

値上げの最大の理由としては「ガソリン価格の上昇」。
業界側は「全面禁煙などサービス向上に務める」と理解を得るのに懸命。
チョッと待って!全面禁煙がサービス向上?なんで?
来年1月7日から、都内では全面禁煙になるそうな。
東京・横浜が先導すればこの流れ、全国に広がっていくのは時間の問題。

自分の場合はとてつもなく長距離でもなく、多少の値上げは仕方ないとは思っていたが、
その値上げの理由がどうしても解せない。
ここ10年、禁煙運動が世界的なものになっている。
そして喫煙できる場所が徐々に狭められてきている。これも時代の流れか...

ところでタバコを止めることで、そんなに(肉体的に)健康になる?
これ以上の高齢化社会を作って日本は大丈夫なの?
精神的な健康はどうするの???

タクシー料金の値上げはある程度仕様がない。シブシブながら納得せざるを得ない。
値上げが納得できないならタクシーに乗らなければいいだけの話。
ただ世界中に吹き荒れる”禁煙の嵐”には、もはやお手上げ状態。
“愛煙者の受難”は続いていくのであります。

国家資本主義の台頭

中東や中国、ロシアなどの新興国の政府系ファンド(SWF=ソブリン・ウェルス・ファンド)が
急拡大している。
石油収入や貿易黒字の伸びを背景に設立する動きが広まり、運用資産は3兆㌦超(330兆円超)と
なっている模様である。

2010年には10兆㌦規模になると予想される政府系ファンドは、
国家の意思を投資に映す動きとして、安全保障の面からも警戒する動きが強まっている。
最近の金融界では、新興国が政府系ファンドを使い、戦略的な投資を進める現状を「国家資本主義」
と名付け、米国を中心にしたグローバル資本主義と相対する勢力と位置付けている。

政府系ファンドは、原油相場に左右される収入を安定させるため、
サウジアラビアやクウェートが1950年代に設立したのが先駈けとなった。
そうした新興国が、輸出で稼いだ黒字や石油収入を米欧国債運用で還流し、
結果的に米欧の経常赤字を埋めている間は格段問題視されなかった。

ところが、2003年以降の原油高と、グローバル化に伴なう経済成長によって
新興国が保有する資産が増大し、高い利回りを求めようと画策するする流れが本格化するにつれ、
次第にその存在が大きくなっていった。

世界各国の金融機関は、そうした新興国が保有する資産を「払い戻しや返済に備える必要がない」
と捉え、ファンド設立に向け激しい争奪戦を繰り広げている。
それが政府系ファンドのスパイラルな拡大の要因となっている。

また、こうした一連の新興国が利回り重視のみならず、自国産業の成長に役立つ投資に重点を
置き始めているのも大きな問題となっている。
債券中心の安定運用から、株式組み入れ比率の上昇となり、
結果的に通信や航空等の国家の重要分野への積極投資への流れとつながり、
「長期的な国造りのために、戦略投資を通じて米欧産業の技術や販売に取込む」流れに
つながり始めている。

この10月のワシントンで開催された7ヶ国蔵相・中央銀行総裁会議(G7)では、
会議後にポールソン米財務長官が、G7と中国・ロシア・サウジアラビアなど政府系ファンドを持つ
国の代表を招いた夕食会で、政府系ファンドの情報開示の強化を求めた。
米国の「自国の戦略企業が外国政府に乗っ取られる」ことに対する危惧からだったが、
ロシアは特別な規制に対する反発姿勢を明らかにし、
中国に至っては、トップの財務相や中央銀行総裁が欠席する始末だった。

資本市場という原則自由な舞台をベースに、国家の投資戦略を映す政府系ファンドの拡大は、
自国企業と一体となって経済と外交をも動かす「国家資本主義」の台頭をもたらしている。
かくして20世紀の最終勝者となった資本主義も、
「国家資本主義」VS「グローバル資本主義」の二分化を明確にし始めている。

2007年12月03日

ミシュラン騒動

外資系金融機関に勤務していた関係上、世界の著名な料理は一通り経験してきた。
母親などは“あんたは舌が肥えている”などと言う。
しかし実のことろは「世界中の著名な店に行って、メインディシュを肴に酒を飲んだ」
というだけの話。
残念ながら、フランスに行って、フランス料理を最初から最後まで食いまくるという、
(特に若い女性にありがちな)強欲さ・貪欲さは持ち合わせていない。

自分の場合、世界のどこに行って、どんな料理を食べようと、締めはお茶漬けや
(日本製)味噌ラーメンといった純和食になる。
そんな和食が期待できないと思えば、日本からパック製品を持参する。
まことに便利な時代。(海外渡航用)携帯調理器具も簡単に揃う。

酒を本格的に飲み出して40年になるが、「食べながら酒を飲む」といった趣向がない。
自分の母親などからは、そうした“カラ酒”は体に悪いと口を酸っぱくして言うが、
人間の胃には限界あり、物を詰めながら酒を入れることの方が余程体に悪いと思う。
かくして、酒を飲む時は酒オンリー、一旦食べ始めたら30分程度でサッサと済ませ、
速攻でベッドに潜り込むという、情緒もヘッタクレもないのが青柳主義である。

幾多の経験から、世界で最高に美味しい料理が日本料理と思う。
味噌があり、醤油があり、味付け・盛り付けが微妙で、繊細。
海外の食にはそうした日本的な情緒は見られない。

特に酷かった(と自分が思う)のはロンドンとフランクフルト。
大味・塩味で、生きるためにモノを詰め込むといった趣向(=エサ主義)のように思う。
フランス料理にしたところが、新鮮な魚介類や野菜を、無理矢理こねくり回し、
油っこくして、有り難がって食べているようにしか思わない。

唯一ついていけるのが中華料理だが、利用するのは日本料理店がない時だけのこと。
(一時は頻繁に行っていた)香港のように、衛生管理が極めて悪い状況の中、
強い火力で調理し、素材を殺菌するやり方にはどうしても納得できない。

いつものように前置きが長くなったが、
最近の日本では「ミシュランガイド東京2008」発売で大騒ぎとなっている。
初版12万部が3日間で完売。まさに驚異的。

ところで、今回のミシュランで三つ星をもらったのは八店。
これはパリの十店に次ぐ。
また二つ星から一つ星まで加えると150店になり、パリを凌いで世界一となった。
要は東京が「世界一の食の都」として認められたことにはなる。

この格付け調査隊は日本人二人、欧州人三人の合計五人のスタッフ。
今回審査にあたった五人は、プロとしてそれなの食通には違いない。
しかしそれでも個人的な好みや、生まれつき馴染んだ味つけもあるだろう。

ここで単純にして明快な質問。「美味しいものとは一体何か」。
答は至極簡単明瞭である。食べた人が美味しいと思えば美味しいのである。
その味覚を格付けする方がおかしい。

ただ「世界一の食の都・東京」を首都とする日本には、
高かろうが安かろうが、ミシュランの三つ星と言われるだけで有り難がり、
ワンサと押しかける老若男女のミーハー族が腐るほどいる。

所詮はフランス人が書いた2,310円もする(異常に高価な)グルメ本。
くだんのミーハー族もそのうち飽きるとは思うが、
東京を、そして伝統の日本料理を荒らさないで欲しいと切に思う。


野球が格闘技に見えた日

もう12月。アッという間に師走である。
1年が早い。50歳を過ぎてからの時の経つのがとてつもなく早い。
これからの時間の流れはもっと早くなる、と思うとゾッとする。

ところでそんな師走の第一日曜日の12月2日。
ウィンター・スポーツ真っ盛りを象徴するような1日だった。
前日(12月1日)のフィギュアスケートNHK杯を引き継いで、福岡国際マラソン、
早明ラグビーときて、トリが北京五輪野球アジア最終予選の日韓戦。
息もつかして(!?)くれない1日。
興奮して寝付きが極端に悪い。笑い事ではなく、ホント、疲れた。

まずフィギュアスケートNHK杯。期待された安藤美姫の惨敗。
ミラノでのグランプリ・ファイナル出場確実と言われていたのに、ジャンプを尽く失敗。
天才ミキティも、フィギュア・スケート界では熟女(!?)と言われる19歳。
「体は完全に大人の女、精神的には少女」の難しい年頃。
(巷間言われるような)オトコ関係のトラブル?揺れる乙女心ってか...

次いで福岡国際マラソン。
長距離一筋、37歳の長身、日本記録保持者の・高岡寿成(カネボウ)に注目していたが、
22㌔付近で失速。
ハーフマラソンの日本記録保持者佐藤敦之(早稲田→中国電力)が2時間7分13秒の好記録で
日本人最高の第三位。北京五輪出場切符をほぼ手中に。
ただ気になったのはゴール時点での結婚指輪へのキス。
800米の日本記録保持者の美保さんと7月に結婚したばかりだから仕様がないが、
サトーくん、質実剛健がウリのワセダには似合わないって...

次いで早明ラグビー。
前半は戦前の予想以上の僅差の19-7。
しかし後半は最近のワセダのスローガン、アルティメット・クラッシュ状態。
後半52-0の完封、トータル71-7の記録的スコアで明治を完全に叩きのめした。
ワセダは対抗戦グループ7連覇&50連勝。まずはメデタシ、メデタシ。
(名前が余りに特徴あり、1年から注目していた)五郎丸クン、学生生活ももう少しだね。

そして真打が北京五輪野球アジア最終予選の日韓戦。
テレ朝が開局50周年記念と銘打って、台湾・台中からのライブ放送。
6時30分から始まった放送が、終ったのが11時30分。
民放が時間を気にせず、ブッ通しで5時間も放送したのを初めて見た。

それにしても何で韓国は、相手が日本だとかくも燃えるのか。
先発メンバーの故意的変更や、デットボールは当たりにくるはで、国際ルール違反スレスレ。
そうした何でもありのかく乱戦法に真っ向から相対したのが、成瀬→川上→岩瀬ときて
最後は上原の、日本代表ならではの豪華投手リレー。

まさに国と国の威信をかけた国際試合。
50年以上も野球を見ているが、野球が格闘技と初めて知りました。
頭の中で一球入魂の文字がチラチラする熱闘or粘投の連続に、
コーヒを5杯、タバコはゆうに一箱を消費致しておりました。
試合後のインタビューで、闘将・星野監督の涙目が象徴的でありました。

今日は対台湾戦。新婚・ダルビッシュ、通称ダルくんに頑張ってもらうしかない。
ガンバレ、ニッポン!!


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