2008年10月27日

10月の神宮球場で

最近の市場の動きは異常である。
NYダウが8,000㌦を割り込んだ。日経平均がバブル時の最安値を更新した。
ユーロ円で、ユーロが一日で14円も円高が進んだ…といった異常な世界を醸成している。

20世紀後半からのコンピュータ主導の相場の動きは、人間が本来持つ
「(ここから先の売りも)怖い」
「なんぼなんでも、もうそろそろだろ」
「そんなはずがないだろ」
などと迷うこともなく、それこそ“全く血の通わない”「イチッ足すイチッはニッ!!」だけの
無茶苦茶な世界を醸成する。
それが相場の世界でいう“スパイラルな下落”となる。

そんな血生臭い世界になって1か月余り、某氏から
「青柳さん、気分転換にたまには神宮(球場)はどう?」といった誘いを受けた。
「青山(ラグビー場)でもいいよ」
「(神宮球場で一杯飲りながら)お互い、頭を冷やそうや」

最近の繁華街、例えば東京・銀座の夕刻などは、歩いている9割方が若い女性。
何をそんなに“得意がって”いるのか、キッチリ着飾って、ソックリ反って歩いている。
(言い訳ですが、そのように見えるだけです。ハイ)
だよな、あんたらは株価がどうの、為替がどうの、景気がどうのには関係ないもんなぁ..
で、歩いている残りの一割の男性軍は、何気に下を向いてトボトボといった風情。
しようがないよな、この調子じゃ(最後の頼みの)ボーナスも(期待通りに)出そうにないもんなぁ…

銀座と言えば、銀座ムラの高級店の閉店騒ぎも漏れ聞こえてくる。
あたりマエダのクラッカー(古いギャグで申し訳ありません)。
誰がこの100年に1回の大不況に、座って5万、ボトル入れて10万の世界に行きますか!って…

こうした環境の中、たまには神宮もいいか、などと、某氏の誘いを受けることに。
当日はどんよりした曇り空。時折パラパラと雨も降りてくる天候。
ピクニック気分よろしく、「缶ビールや缶チュウハイ+おつまみ」が入ったザックを持った某氏と、
明治神宮野球場(神宮球場)外野席入口で待ち合わせ。

法政VS東大という、よりにもよって超マイナーなカードで、レフトスタンドの観客は我々二人のみ。
閑散というよりは寒々といった感のする風景。
委細かまわず、「じゃ、やりますか!」ってことで、乾杯する。

内野席学生席では、少ない観客に怒るがごとく、ここを先途の(ヤケクソ)応援。
特にチアガール連中の熱狂度がすざまじい。
「何であんなに…エネルギーが無駄だよ!ったく」って呟いたら、某氏が苦笑いしてる。

そう言えば、今からうん十年前、初めての早慶戦の時の我々も同じだった。
闇雲に溜まりまくったエネルギーを発散する機会を狙ってた。全く同じだった...
晴れて緑の眩しい神宮球場で、校歌を歌って鳥肌立ってた。
「おう、やっと大学生になれた」なんて…

大学3~4年にもなると、皆で集団行動をとるのが馬鹿らしくなり、ガールフレンドと
(学生応援席でなく)一般内野席に“ご招待申しあげる”パターンになっていくが、
いずれにしても神宮球場は、特にワセダOBには“心のふるさと”には違いない。

以降、神宮へ行ったのは、(怪物)法政・江川、(長嶋ジュニアの)立教・長嶋一茂、
(平成の本塁打王の呼び声が高かった、現巨人の)慶応・高橋由伸を見にいった程度。
現在の神宮球場はプロ仕様になっており、往時の面影はないが、六大学野球特有の、
あの“無駄に元気”の世界だけは不変でありました。

そうか、こんな時こそオレらも“勝つ!!、勝つ!!、勝つ!!”ってな調子の、
“カツ”が必要なようだ。
誘ってくれた某さん、ありがとう!気分転換にはなりました。
荒っぽい異常な世界ですが、お互いにばんばりませう!!


2008年10月26日

皆で渡った「商品高騰相場」の幕引き

2008年春頃から「原油相場はいつ下落に向かうか」という質問を頻繁に受けてきた。
日足・週足・月足のチャートが揃ってクラッシュしていたことから、サイクル的に見ても、
「多分(日本の)お盆過ぎでしょう」と答えていた。

確かにお盆時点では頭打ちとはなってはいたものの、下落傾向が顕著になったのは9月も
中旬になってからであった。

こうした歴史的な高騰相場になった大きな要因は「市場規模の違い」である。
15兆円規模の原油市場に、7千兆円規模の株式市場や5千兆円規模の債券から資金が
出入りする様子は、さながら「小さなプールにクジラが出たり入ったりする」流れだった。

原油相場は2008年初から供給不安と需要増加を受けて上昇した。
世界の油田の7割は30年以上の老朽油田であり、新規開発も進んでいなかった。
そして新興国の需要増により、
「現在の日量8600万バーレルの世界需要は2015年~2020年には1億バレルを超える見通し」
との過熱報道も大きな上昇要因となった。

一方で、金融不安が実体経済に影を落とした。
最大の需要国である米国は、ガソリン価格高で大型車の販売が減少していただけに、
ダブルパンチで需要が減退した。
新興国の雄・中国も軽油などの石油製品の輸入を抑制し始めた。

ひとつのパソコンで世界の主要な先物市場へ自動発注するシステムを駆使する世界の投機筋は、
株式市場と異なる動きをする原油相場に着目し、大量の資金を流入した。
しかし9月半ばのリーマン・ブラザーズの破綻後は、株式と原油をリスクの高い資産として、
同時に「買いポジション解消」に動いたのである。

こうして10月に入って、国際商品価格の下げが加速する展開になっている。
原油は70㌦を割り込み、7月の150㌦に迫る高値から半値以下になった。
株式市場などからシフトし、未曽有の商品高を演出した世界の余剰マネーは、
金融危機や実体経済の悪化で行き場を失ったのである。

ここ2年、世界を揺らした余剰マネーは「損失」という形で市場から消え去ったのである。
そして中国の需要減退が顕著化するのはまさにこれからで、オーバーシュートすれば
50㌦割れから40㌦前半までの下落の可能性を考慮せざるを得なくなった。

農産物また同様の動きとなっている。
大豆、とうもろこしの国際価格が3か月足らずで4割強の急落となっている。
主産地の北米の豊作がほぼ確実になり、不作による需給逼迫観測で買い進めてきた投機筋が
資金を引き揚げたからである。

かくして“皆で渡った(歴史的な)高騰相場”も幕引きの様相である。
そこにあるのは先物相場の持つ怖さであり、現在のシステム売買の盲点でもあった。
確かにヘッジとしての先物の機能は認めるにしても、市場の容量を超えるマネーゲームの尖兵と
なった時の先物は、まさに“凶器”なのであった。

結局、相場の世界で折に触れ言われてきたように、「たかが先物、されど先物」だったのである。

2008年10月20日

徒然なるまま体育の日(再エントリー版)

以下は10月13日付で掲載したものですが、内容が余りにボヤッ~とした“ムーミン風”で、
“自分らしくない”と反省、一旦は削除しましたが、複数の方々から「なぜ消すんだッ!」との
”熱烈なクレーム”を戴きましたので、謹んで復活致します。
考えてみれば有難いことではあります、ホントに。
今後も変わらずご愛読のほど、よろしくお願い申し上げます。

三連休最後の体育の日。
東京都内は午後から不必要なまでにキチッと晴れております。

ここ佃界隈は、団塊超世代のカップルで朝から大混雑。
門前仲町(深川)から隅田川沿いにウォータフロントを経て、終点が浜離宮。
距離にして約7㌔~8㌔程度。
昼食は、最近のNHKの朝の連ドラ「瞳」の舞台になった、西仲通り商店街でもんじゃ。
というのが定型パターンで、絶好のウォーキングコースorハイキングコースになっている模様。

何度も申し上げておりますが、ここに訪れるカップルは9割方が女性主導型。
女性の方はスッと腰を伸ばしスタスタと歩くスタイル。
かたや男性は何気にダルそうに、女性の後をトボトボといったスタイル。
もはやリタイア組は女性に従うしか術(すべ)がないという風情。
自分の将来を見るようで、少々怖くなっておりますです、ハイ。

何が釣れるのかは存じませぬが、釣り竿を持って徘徊する(老若を問わない)男性が多いのも
このエリアの特徴であります。
多分「何が釣れるか」「何を釣るか」が目的ではなく、「釣りをする空間がお好き」なのではないか
と想像致しております。
でなければ、全く当たりのないまま、ただひたすら糸をたれて、ジッとされている様は、ある種、
不気味であります。

最近の特徴としては、老年パワーに押されたせいでもないでしょうが、若いカップルの徘徊が
減ってきている点であります。
まぁ、不必要にチャラチャラされても目ざわりなので、その点は随分と“住み易く”はなっております。

こんな風景を実況中継風に綴ってみても致し方ありませんが、今日の隅田川沿いの風景は
1年に数回しかないような清々しさがありました。
そして最近、相次いで長年の知り合いがお亡くなりになったこともあり、
澄み切った空にポッカリ浮かんだ雲が亡き人のようにも見え、シミジミ感慨深いものがありました。

“ノンちゃん雲に乗る”という映画、(名子役として有名だった)鰐淵晴子主演の、
うん十年前の映画ですが、ご存じでしょうか?
現代風に言えばCGパターンで、要は三次元の世界(=地球での世界)から抜ければ、
四次元の世界が待っているという…
と、まで言ってしまえば“ホーラー”な世界を想像されるかもしれませんが、全くその逆で、
あくまでファンタスティックな世界を描いたのが“ノンちゃん雲に乗る”という映画であります。

そんな遠い昔の映画の中での風景を思い描いておりました。
人間は死んだらどこへ行くのでしょうね、ほんとに。
皆さんがまた集まって、ワイワイやってるのでしょうね、きっと。

かくして10月の三連休も終わりであります。
また明日からは狂ったような金融市場に対峙しなければなりません。
果たしてこの世の中、どうなるのでしょうね、ったく。
常識を超えた難しい場面の連続で、小難しいことを考えるのがイヤになっております。
だによって、今日は徒然なるまま、肩の力を抜いて、思いつくまま書いてみました。
お粗末様でした。


2008年10月19日

ウォーレン・バフェット式相場手法の研究

世界的な金融危機が市場を揺らしている。
株価が10%以上も乱高下するといった異常な状況になっている。
為替取引や商品取引など、世界的にはメジャーな相場取引には異常なまでに嫌悪感を示しても、
「株式保有は相場ではない」的スタンスで、株取引を容認する土壌にある日本でも動揺が隠せない。

ただ最近の市場の荒っぽい動きを見ていると、どうにも「人間の考え」を基にした動きではないように
見える。ポイントは電子化の技術活用した「スピード&空間の短縮」競争にある。

取引所での売買が電子化してから約10年。
いち早く“市場のゆがみ”に気付き、到達する競争は、千分の一秒単位の“ミリセカンド”から
百万分の一秒単位である“マイクロセカンド”の世界を視野に入れている。
また「空間」の短縮とは「世界の市場間を瞬時にしてつなぐ」ことを意味する。

売買システム開発会社の米トレーディング・テクノロジーズ社は、ひとつのパソコンで、
世界の主要な先物市場へ自動発注するシステムを提供している。
同システムでは、例えば、NY市場の原油先物とシカゴ市場のS&P500種先物の間で、
「原油先物が1バーレル150㌦を付けた瞬間に米株の先物を売る」という自動売買が可能。

また経済統計を開示と同時に取得し、事前に設定した予想数字を上回れば買いを自動発注する
システムもある。
電子化の普及は、時間と空間の短縮だけでなく、売買材料も即座に織り込むことも可能になった。
かくして、世界の市場は“人間の考える”市場ではなく、
あくまでコンピュータが弾き出す“架空の世界=CGの世界”になり始めている。

こうした最近の手法に対して、
真っ向逆の手法を採るのが米の著名投資家、ウォーレン・バフェットである。
「割安株の長期保有の徹底」がバフェット流手法の根幹戦略。
デリバティブ(金融派生商品)などの複雑な取引はせず、割安と判断した個別株への投資だけで
高い運用成績を維持してきた。

今回のNYダウの乱高下の中、
同氏は10月17日付けのNYタイムズ紙へ、以下のような寄稿をしている。
「私は米国株を買っている」
「投資のルールはシンプル」
「他の人が欲張っている時は恐れを抱き、他の人が恐怖に苛まれている時の強欲になる」
けだし(後世に受け継がれる)名言と思う。

同氏はバークシャー・ハザウェイの最高経営責任者(CEO)。
同社株式を中心に620億㌦(約6兆2千億円)の資産を保有する大富豪。
米誌フォーブスの2008年度版「世界長者番付」ではトップ。
気さくな人柄で知られ、投資の世界では「(ネブラスカ州)オマハの賢人」と呼ばれている。

「ビジネスモデルが理解できない」という理由でハイテク関連銘柄には投資しない同氏は、
最近の株価暴落の中で、ゴールドマン・サックス、ゼネラル・エレクトリック(GE)への
総額80億㌦(8000億円)の大型投資が話題になっている。

確かにバフェット流投資哲学は、皆で渡れば怖くないとする一般的な手法と真逆。
そして“(ギガ・アナログ的)“ギガ金持ちのお遊び”との見方もできないわけではない。だが、
最近の(コンピュータがもたらす)荒れ狂う市場の中で、一喜一憂しても仕方がないのも確かである。

(いつものように)時間の経過が答を出してくれるが、少なくともマクロ的な見地から冷静に対峙する
気持ちを持ちたい局面である。


2008年10月12日

投資銀行のビジネスモデルの崩壊

10月に入って米国発の株安が世界中に広がっている。
NYダウが8,000㌦割れ、日経平均株価が8,200円割れなど、まさに奈落の様相である。

9月半ばのリーマン・ブラザーズの破綻をきっかけに高まった金融危機に対応し、
米政府は金融機関が抱える不良債権を買い上げるるために、75兆円の公的資金を投入する
金融安定化法案の成立に漕ぎつけた。
しかし皮肉なことに、米株式市場は法案が成立した10月3日以降、下げ足を速めた。

根幹にあるのは、
「米経済は大恐慌以来の金融危機まっただ中で、景気後退(リセッション)が迫っている」
との見方である。

米国の金融安定法成立は不良資産除去への第一歩で、ここにきての市場の反応は
悲観的に過ぎるようにも見える。
しかし現状の米政府は、銀行への公的資金の資本注入に踏み込んでおらず、日本の99年以前の
状況にある。
不良債権の売却で発生した銀行の損失を埋めるための資本増強の枠組みが不可欠である。
ただ注入額を小出しにすれば、問題解決に時間がかかることになる。
米国発の世界同時株安は、銀行の問題から経済全体への問題に移行したことを示している。

いずれにしても80年代後半から開始された投資銀行のビジネスモデルは完全に崩壊したといえる。
投資銀行が担った金融文化の特徴は「あらゆる資産を市場取引の対象とした」ことである。
市場価値ないものまで時価をつける「現在価値革命」の暴走と挫折が、投資銀行全体を崩壊させて
しまった。

ところで、現在価値革命とは、
「資産価値を、過去の費用や利益の積み上げではなく、将来的な収益を割引現在価値で認識し、
全ての金融取引に適用する」という、“机上の理論(空論)が先行する”金融文化である。

1996年、グリンスパンFRB議長の唱えた「根拠なき熱狂」の発言の論理は、
「株価が妥当なら会計情報は企業価値を示していない」
「計測できないものを計測し、時価を利用し尽くす」、
言い換えれば
「ビル・ゲイツの脳みそはマイクロソフトのバランスシートに載っていない」とする、
当時の金融界全体の風潮を批判したものだった。

こうした流れがストックオプション(株式購入権)で賃金を払い、自社株買いで現金配当に代え、
株式交換のM&A(合併)を活用しつつ、株式を通貨の代替手段にしていった。
株式の交換価値は企業収益の割引現在価値であり、高いほど歓迎された。

そしてIT(情報技術)株バブルが崩壊した後、2000年代は証券化商品の時代になる。
住宅ローンなどを原資産とする資産担保証券を分解・合成した金融商品の価格(時価)は、
金融工学がはじき出した理論値にしか過ぎない。
計算の前提が狂い、価格に疑問が生じれば、市場は消滅し、価格も消える。

かくして時代は大きな転換期を迎えている。
こうした荒れた動きの中では、
「30歳代中心の(PCを駆使する)最新式デジタル一本槍手法」から、
「(原点の)アナログ手法」も併用する戦略を考えるのも必要かもしれない。

「メーク・リジェンド」という名の空騒ぎ

10月も10日を過ぎ、亜熱帯・東京にも冷んやりした秋の風が吹いている。
いよいよ秋も本番。
そして約6カ月に及ぶ2008年の野球シーズンも最終章に入っている。

10月10日、
巨人が2年連続32度目(1リーグ時代を含めると41度目)のリーグ制覇が決まった。
7月8日時点で阪神に最大13ゲーム離されていたが、9月に32年振りの12連勝(引き分けを挟む)
するなどして追い上げ、10月8日の最後の直接対決に勝って単独首位に立った。

1996年に長嶋巨人が広島に対し、最大11.5ゲーム差をひっくり返した「メークドラマ」を上回る
逆転優勝である。称して「メーク・リジェンド」。
要は“伝説の逆転優勝”ということである。でもそんなに大騒ぎすることなのだろうか。

自分としては、ヤンキース・松井の負傷・戦線離脱で、MLB中継は勿論、野球そのものに対する興味
を完全に失っていた。
カネに飽かせた寄せ集め集団であり、そして名前も顔も知らない選手ばかりの巨人戦など、
NHKの中継ならともかく、巨人の親会社の日テレの中継など、CMばかり見せつけられるばかりで、
全く興味を失っていた。
とは言え、9月後半の12連勝あたりから(仕様がないから)巨人戦でも見てみるか、といった気には
なった。

それにしても、阪神もだらしない。
北京五輪から以降、中心選手の新井や藤川の不振もあり、ダラダラと負けが込んできた。
岡田監督と星野・北京五輪監督の軋轢も言われ、相変わらずのゴタゴタが目立った。
星野マジックの効力が消えた途端の、“屈辱的”な敗北ではある。

しかし、日本のプロ野球の現状を考えれば、リジェンド云々などと騒いでいる時ではない。
巨人の一極集中は崩れ、一流選手は次々とアメリカ大リーグ(MLB)へ渡り、
優秀なアマチュア選手も日本のプロ野球を飛び越えてメジャーを目指す時代である。

確かに関西の阪神、北海道の日ハム、福岡のソフトバンク、千葉のロッテ、仙台の楽天等、
地域に密着した活動を展開するという“新手法”が機能し、健全経営に歩み出してはいる。
そこからは一定の将来の姿は見えてくる。が、球界全体の未来像は見えてはこない。

常に新しいフロンティアを求めて、エクスパンション(拡張政策)を続けるMLBは、WBCをも武器に
世界全体を大きな市場と捉えている。
絶大な人気が存在する極東の島国(=日本)も既に射程に入れている。

仮に「MLB極東リーグ」のような新リーグが出現すれば、日本のプロ野球はそれを球界再編として
受け入れるのだろうか。
日米両球界の財政的基盤に大差あり、金銭面で対等に張り合うのは難しい。
例えば年金。日本の場合、現役生活15年以上のOBが対象になる最高額で120万円。
メジャーでは、7年もやれば50歳から1500万円が終身保障されている。
こうしたギャップを埋める努力をしていかないと、選手は日本球界に魅力を感じない。

かって日本のスポーツは、収入を得ることを忌む傾向があった。
しかし今やスポーツは、多くの人間が関わる産業となっている。
親会社の広告塔としてのプロ球団の世界ではないのである。

日本のプロ野球は、これまでの日本のテレビ界では黄金のコンテンツだった。
しかし、世界の趨勢に遅れてしまった結果、完全に錆びついてしまっている。
「メーク・リジエンド」と(白けるような)空騒ぎをしている暇はない。

日本のプロ野球は、デジタル化という世界的な大きな波の中で、
好むと好まざると、「日本独自の野球」から「世界的なBaseBall」への転換が求められている。




2008年10月06日

エクスプレッションズ(Expressions)

FM東京系日曜日午後2時からの「サンデーソングブック」を聴き始めて10年超になる。
山下達郎がMCをする、オールディーズ中心のマニアックな音楽番組である。
自分の曲を除き、最近流行のJポップスは一切流さない、良く言えばキッパリ感のある、
普通に言えば、まさに頑固でマニアな番組である。

「(自分が集めた楽曲専用の)棚からひと掴み(で選んだ)」、略して「タナツカ」などといった、
山下達郎のスケジュールの都合で、ややもすれば「めんどーくせ~な」といった怠惰なスタンスに
なることも度々。
ファンからのリクエストに徹底して難癖をつけたり、小馬鹿にすることも平気。
継続して聞いていると、その時のヤマタツ(山下達郎の略称)の体の調子も分かるという、
だからマニアな番組である。

しかし1960年代から2000年前半まで、
「なぜにあなたはそんなにアメリカン・ポップスが好きなのですか?」
「どうしてそんなことまで知ってるのですか?」
といったヤマタツのマニアな知識が披露される。

でもやっぱりヤマタツの凄いのは、
「クリスマス・イブ」や「ライド・オン・タイム」に代表されるように、
10年前の曲であろうが、20年前の曲であろうが、新鮮さが全く失われないことである。
まぁ、言うところの(カミソリ型の)天才ではあります。

そしてその奥さんが、ご存じ竹内まりや。
毎年、お盆の時期と年末・年始の時期には、そのサンソン(サンデーソングブックの略称)のゲストと
して竹内まりやがお出ましになる。
これが秀逸。何気に山下家の生活振りが暴露される。
ヤマタツが「ウナギが好き」だの「スコッチのハイボールが好き」など云々。

余りに面白いので、どうせならずっと一緒にやれば、とは思うが、ヤマタツが頑固に拒否。
番組ファンからの再三のリクエストに対し、
「これ、オレの番組だもんね」「ガンバルもんね」と呟いた時があったが、それこそ爆笑してしまった。

とにもかくにも、お互いの領域の才能を認めあった、天才型の作曲家&アレンジャーと、
20年に一人の歌い手がセットになった会話は、さすがに奥が深くそして興味がつきない。
ある種の理想の夫婦のカタチではあります。

今回のタイトルは竹内まりやのデビュー30年を記念したベストアルバム。
(以下はジャケットからのまる写しであります)
竹内まりやの華麗なポップス・ヒストリーを丸ごと凝縮した、初のコンプリート・ベスト・アルバム。
時代を超え、世代を超えて歌い継がれる珠玉の42作品をレーベルを越えて収録。

ってなわけで、発売日の10月1日、早速に買いに行きました。
(近いこともあって)銀座4丁目の山野楽器ではありますが、まさにまりや一色。
まりやの写真が添付された大入り袋(!?)が、店頭に山のように積まれておりました。
それが次から次へと、自分ら中年族を中心に、ひっきりなしに売り捌かれておりました。

で、肝心の曲でありますが、全曲が最新のデジタル・リマスターしてあり、とにかく新鮮。
知った曲が生き返っております。
全曲を聴くには(ラフに)4分×42曲=168分=約3時間かかります。
だによって全曲は聞いてはおりませんが、自分の好きな曲を、例えば、
「駅」「シングル・アゲイン」などをリピートしつつ、楽しんでおります。

別に宣伝をするつもりはありません。
が、ああたらこうたら言いながらも、こうした「ヤマタツ+まりや」のセットメニューは、
一生聴き続けていくだろうな、なんて改めて思っている次第であります。





2008年10月05日

米下院の金融安定化法案否決の波紋

最近、米国発の金融に関する重いニュースが連発する結果、世の中には何となく、どんよりとした
不景気の匂いが蔓延している。
国際金融アナリストたるもの、米国発の過剰と思える情報に左右されんなよと思いつつも、
頭の中には何気なく、「やっぱり不景気だ」の“呪文”がリピートされる。

最近、ファミリーレストランのデニーズに行くようになった。
デニーズのセットメニュー「かつ丼+ラーメン」セットに”嵌ってしまった”からである。
正統派ガッツリ系統の、自分の年齢にそぐわない、カロリー過多の重いヤツである。

考えてみるに、気持ちの奥底には「未曽有の不景気が来るのではないか」との無意識の
危機感があるのかもしれない。
毎回、今のうちに食えるだけ食っとくかと納得しつつ食べ始めるが、いざ食べ終わって、
あぁまたやってまったと、後悔はするのであるが…

9月29日、米下院は不良資産の買い取りを柱とした金融安定化法案を否決した。
結果的にNYダウは777㌦という史上最大の下げ幅を記録、そして米国発の株安の流れは
全世界に広がる格好となった。

ダウ工業30種平均(NYダウ)が約22%下落した1987年10月のブラックマンデーに対し、
今回の下げ幅は7%。しかし表面的な数字より以上に、世界の市場に衝撃を与えた。
金融機関が当面の資金のやり取りする短期金融市場は事実上マヒ状態。

退任が迫るブッシュ大統領と、民主、共和両党で後継の座を争うオバマ、マケインの両氏が
揃って「超党派で団結を」と呼びかけても、最大7000億㌦(約75兆円)の公的資金注入に
賛成を集め切れなかった。

信用収縮が起き、銀行が融資審査を厳しくすると、経済の血液である必要資金が企業に
回り難くなる。
株安で金融資産が目減りすれば、個人が消費を手控える「逆資産効果」を生む。
家計が持つ住宅の値下がりも購買力を損なう効果がある。

ここにきての金融不安の原因は、言うまでもなく米住宅バブル崩壊に伴う不良債権。
金融危機の連鎖を断つには、米国が公的資金を使って金融機関から不良債権を買い取る必要が
ある。そのためにも金融安定化法案の成立が待たれていた。
ところが、米国の政治指導者は金融を安定させるどころか、油に火を注いでしまった。

1987年のブラックマンデー(世界同時株安)は米独当局間での金融政策を巡る対立が引き金だった。
慌てた米独は関係修復に動き、混乱を収めた。
そして今回は選挙を控えた米議会が危機の引き金を引いた。
反対票を投じた下院議員たちは「なぜ銀行だけを救済するのか」という有権者の批判を恐れたから
だった。

不良債権買い取りについては、問題処理が遅れるほど金融機関の資産価値が下がり、最終的な
国民負担は増していく。
そしてデリバティブ(金融派生商品)などを通して、世界中に絡まった金融取引は、国境を越えて
連鎖させる。

では、今回のドタバタ劇の根幹の解決策はどこにあるのだろうか。
ヒントは「オイルマネー」にあると思う。
1ガロン=10㌦だった原油は、08年7月には150㌦に肉薄している。

先物の怖いのはその“絵空事のような「約15倍の上昇」”という“現象”ではなく、
先物価格に現物価格が追随することである。
産油国は、ここ2~3年の原油の急騰で、10,000兆円=京の単位で資産形成したと思われる。
現在のところ表面的には大きな動きに出てはいないが、陰の主役として出てくることは必至と見る。
つまりは産油国が米国式資本主義社会を掌握することになるのではないか。

9月3日、米金融安定化法案が可決した。
しかし今後の金融情勢は依然不透明である。
荒唐無稽の話ではなく、どうやらそこまで考えないと今回の混乱を収拾するためのマクロ的な展開は
見えてこないのである。

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