2009年02月21日

ソバかラーメンか

日本人の性格を特徴付けるためのサンプルとして、
「ソバ的ベクトル」と「ラーメン的ベクトル」という二分法がある。
ベクトルの指し示す方向は正反対ではあるが、双方とも典型的な日本人の性格であり、
日本人の精神を形成するための二つの側面を示している。

まずはソバ的ベクトル。
これは一旦ルールと定数が決まると、それから逸脱することなく、
「ルールを厳密に守りつつ、定数の内部での工夫を目指す」という方向に動く。
ソバの外形的要素は、そば、そばつゆ、薬味(刻みネギ、ワサビなど)が基本で、
天ぷら、トロロなどの若干のバリエーション的追加はあっても、本質的には不動。

例えば、そばつゆをトリガラで採るとか、そば粉の代わりに別の植物粉を使えば、
それはソバでなくなってしまう。
つまり各要素の選択において制限的であり、この意味でソバは均整と禁欲を旨とする
(純日本的な)古典的な食物である。

工夫されるのは「決められた要素の内部での微妙なバリエーション」であり、そのサジ加減が
良し悪し(うまい・まずい)を決定する。
日本的な「通」とか「粋」という概念は、ソバのような制限的で禁欲的な「制度」の「内側」で生まれる。

これに対して、ラーメン的ベクトルには、最低限のゆるいルールと定数があるだけで、後は何でもあり
の多形的な方向に動く。
スープは鶏ガラから始まって、豚骨、煮干し、鰹節と制限はない。
メンも太い、細い、固い、柔らかいといった区別だけでなく、ベースになる粉にも制限はない。
具に至っては「ないものはない」といった情況になる。

結局ラーメンは、外延的にも内包的にも無限の変容と進化を続ける食べ物で、極端に言えば、
「これはラーメンではない」という言い方はあり得ない。
「これもまたラメーンです」と言われれば、「ハイ、そうですか」と言うしかない。

ラーメンの起源はとりあえず中国とはなっているものの、元々混合的な食べ物であり、
日本において縦横無尽に進化してしまった結果、起源が見えなくなっている。
つまり現在のラーメンは、逸脱と変容を旨とする多国籍食べ物になってしまっている。
従って評価の基軸は、
「外延をどこまで取り込んで新基軸を打ち出し、それを既存の要素にどう調和させたか」にある。

振り返って、今回の100年に1回の大恐慌は、
(逸脱と変容を旨とする)金融工学をベースに「規制はすべからく緩和するのが正しい」とした上、
「グローバル(地球的規模の)」という言い方を「米国型を踏襲すること」と思い込んできたことに
起因する。

そして世界中が「米国も失敗するかもしれない」という懸念を微塵も持たないまま、
(利益を最優先する)米国型に追随することで大きな損失を蒙った。
そして日本も、時代の最前線を行く(ように見えた)米国型に盲信的に追随する中で、
日本社会独特の美風だった習慣・手法を徐々に消し去っていっている。

かくして、20世紀の最終勝者になった米国型手法(ラーメン型手法)に追随してはきたが、
大きな欠点があると解った現在、
「本来の日本的文化に立脚した考え方=ソバ型手法」に帰り、
「将来のための基礎」を構築していく時期であろう。

2009年02月15日

地上デジタル化=アナログ停波と、金融再々編の動き

人気グループSMAP・草薙剛による「2011年7月の地デジの準備よろしくお願いします」のCMが
その頻度を高めている。

まだまだ時間があるわい、と思っている間に、液晶・薄型画面・32インチ受像機が6万円台に
突入している。
1インチ5千円が最終着地点と予想していたが、その予想を軽々と凌駕する、1インチ2千円の時代
である。時間の経過と共に”叩き売り”状態になっている。

一方、IT先進国の米国では、昨今の不景気の煽りを受け、
2009年2月に予定されていた「地デジ完全移行=アナログ停波の延期」が発表されている。
地上デジタル化によるメリットは何なのか。
そもそも莫大な費用をかけてデジタル化する絶対的な必要性があるのかどうか。
TV業界にいる実弟の説明を聞いても根幹の理由がサッパリ分からない。
ただ金融から今回のデジタル化の流れを眺めてみると、マクロ的には明白になってくる。

現代ではテレビの機能とPCの機能を同時に持つことは常識。
言い替えれば、一台のテレビで世界の情報が全て入手できることになる。

(自分のPC関連の知識は完璧とは言えないが)、ウィンドウズ機能を備えていれば、
一台のテレビ画面を4分割、8分割、16分割した上、(世界中の)テレビ番組を見る、
世界中の情報を採る、バンキング(=預金の出し入れ)をする、生損保に加入することや、
買い物や為替取引・証券取引等も可能になる。

そこにあるのは銀証一体どころか、生損保を加えた本格的なユニバーサル・バンキング時代の
到来がカウントダウンに入っていることになる。
自分の母親の年代ならずとも、こうした状況は、“そんな怖いこと”にはなる。
が、ITの進捗は10年前には考えもつかなかった状況を可能にしている。

こうした地上デジタル化=アナログ停波に向けて戦々恐々としているのは一般の国民ではなく、
実は金融業界だと思う。
1月26日、
三井住友海上グループホルディングス、あいおい損害保険、ニッセイ同和損害保険の損保三社が
2010年4月の経営統合を目指すと発表した。
実現すれば、東京海上ホールディングスを抜いて国内最大の損保会社が誕生する。

そして巷間では、
証券界のガリバー野村証券と、第二位の大和証券が合併、大和証券と連携する三井住友銀行をも
含めた巨大金融グループが誕生するとの噂が流れている。
今から20年前では、こうした流れを推測するだけで一笑に付された問題である。
ただ日本の三大メガバンクの、三菱東京UFJとみずほは、グループ名を冠した証券会社を傘下に、
グループ強化を強めている。

では”地域に密着した金融機関”を標榜、”規模の拡大”を目指している地銀、第二地銀、信用金庫、
信組等はどうするのか。こうした大きな時代の転換についていけるのか。
今回の大きな流れは、100年1回の、とんでもなくデカいモンスターである。
残念ながら、どうあがいても、木っ端微塵になる運命と思う。

かくして、
(今後の状況を深く考えないまま)連呼する草薙剛の「地デジの準備よろしくお願いします」の
言い方が、余りにイージーで浅はかに思え、イライラするのである。


2009年02月09日

(気分転換に)思いっ切り”ベタな”話

最近の本ブログは小難しい話題が多いと思っております。

100年に1回の恐慌と言われる時節柄、景気のいいことも書けない(実際にない…)し、
飲み屋街のことも書けない(実際にザギン&ギロッポン方面の探訪は極端に減ってる)し、
周囲では倒産だの、首切りだのと、まぁここを先途に不景気風が吹きまくっております。
だによって、経済動向やら、××の翻訳をしましたのでよろしくなどと、堅苦しい話題ばかり。
で、今回は、一気に気分を変えるべく“ベタな”話をしてみたいと思います。

景気のよい時代も、そうでない時代も、世の中には歌が溢れております。
世は歌につれ、歌は世にツレ…、ってよく言われております。
諸説はありまするが、不景気な時代は、ド演歌が好まれる、と思っております。
何故なら、軽い歌を歌えば歌うほど、自分が空しくなる、といったところでしょう。
あんな曲、もう絶対イヤだと思っても、酔った挙句、何気に口ずさむ曲は、絶対にポップな曲では
ありませぬ。重くて、内容が濃ユくて、ベタッ~とした曲。

例えば、一節太郎の「浪曲子守歌」、ピンカラ兄弟の「女のみち」、渥美二郎の「夢追い酒」等に
代表される、その一曲で数十年も業界を生き残っているという、いわゆるド演歌は、自分の経験上、
景気のよい時には歌おうとは思いませぬ。
(ちなみに“いっせつ・たろう”ではありませぬ。“ひとふしたろう”と読みまする。またピンカラ兄弟やら、
渥美二郎と言っても、最近の方々には分かってもらえないとは思いまするが…)

こうしたド演歌の流れの中に秋元順子の「愛のままで…」があると思う。
一見ポップス調だが、彼女が歌唱するからポップスなのであって、歌詞そのものを読んでみると、
まさにド演歌の流れを汲む。
かいつまんで(まさにベタの極地と思われる)歌詞の一部をご紹介。

あぁ この世に生まれ、巡り逢う奇跡 すべての偶然があなたへとつづく…
……..
後から感じる幸せよりも 今は 糸ひくような 接吻(くちづけ)しましょう
…......
ただ あなたの愛に つつまれながら そうキャンドルの灯が いつか消える時まで
愛が愛のままで つづくように…

音楽情報会社オリコンの1月26日付週刊チャートで、この「愛のままで…」が第一位となり、
61歳の秋元順子は最年長首位の記録を樹立した。
巷間の言い様は以下の通りである。

高橋真梨子に通じる正統派歌謡曲。大人の純粋な恋愛を高らかに歌い上げる。
リサイタルに来る客の8割が50~70歳の女性。カラオケでも圧倒的支持。
NHK紅白歌合戦で視聴者の心を掴み、年明けからCDの売上が加速。
若い頃の素人のハワイアンバンドから出発し、結婚→出産を経て、花屋のオバちゃんのまま
58歳からメジャーデビュー。

実を言えば、高山厳の「心凍らせて」に何気に似てるな、と思ったりしたが、この曲を初めて
聞いた時から大ヒットする予感があった。
ネッチリ感は否めないが、タップリ時間をかけた「熟成期間が感じられる歌唱」だった。
でもなぁ、こんな曲のCDを買いにゆくと、レコード屋のおねェちゃんに、ヤッパリな、ってな目で
見られる、なんて腰が引けていた。
しかし、酔って、いや酔った振りをしてそのCDを買いに行った。

実はこの曲、「愛のままで…」は、酔っては何回も聞いている。しかし飽きない。
ヤケのヤンパチ・安酒飲んで、頭の中がおぼろになって、デレッ~と聞いてると、
ジンジン染みてくるのであります。
これも不景気ならでは、と思っておりますが、何十年も聞き続けられる一連のド演歌シリーズ
の中の一曲になると思っております。

機会があったら、ヤケ酒飲んで、頭の中をおぼろにして、デレッ~と聞いてみて下さい。
(ヤケ酒など必要のない)今が幸福の絶頂にある方はともかく、心の中に一物ある方には
きっと沁みます。きっと…

2009年02月08日

翻訳という名の格闘技

久し振りに本格的な翻訳作業に携わった。
世界のヘッジファンドの雄・J.ソロスの「錬金術」の改定版の翻訳である。

世界中の金融専門の大学院・上級クラスの教科書として使われている「錬金術」は、
今から15年前に初版が発刊された。
以来「ソロスの錬金術」として、学生ばかりでなく、世界の投資家にも読まれてきた。

1930年生まれで、今年は79歳になるJ.ソロスは、今回の改定版の文中では、遺稿とも思える表現を
している。
“結果がすべて”としてきた常勝将軍・ソロスが、なぜか少々弱気なのである。
すわっソロス、自分の寿命を感じ始めているのか、などと思ったりしている。

ところで翻訳、特に専門分野関連の翻訳には以下の3つの要素が求められる(と思う)。
「外国語の読解力」
「日本語の表現力」
「専門的な知識」

問題なのは語学力と、日本語の表現力が直結しないことである。
いわゆる帰国子女には確かに(日常会話を中心とした)語学力がある。
しかし、例えば英会話は「英語は英語で考える」のであって、
「英語を一旦日本語にし、それから英語で答える」ことでは会話は成立しない。

逆に英文から日本語の翻訳においては「英語は英語で考える」ことは不要である。
「英語の意味を日本語として的確に伝える」ための作業が必要となる。
英語を直訳しても日本語、つまりは日本的な意味を的確に伝えることにはならない。

また専門分野関連の翻訳には専門的な的確な知識が必要である。
自分は一応金融を専門にしているが、これが化学や薬学、特に医学関連の翻訳となると、
全く手も足も出ない。
つまりは翻訳作業とは、
「語学力+日本語の表現力+専門的な知識」が総合的に組み合わさっていなければならない。

今から約8年前から3年間、ダウ・ジョーンズのDaily日本語版制作に携わった。
ギャラも高かったが、レベルも予想以上だった。
ダウ・ジョーンズと言っても馴染みがないかもしれないが、NYダウ(ダウ工業30種平均)の
ダウ・ジョーンズである。
(日刊)ウォールストリート・ジャーナルや、(週刊)バロンズなどを発刊するダウ・ジョーンズは、
日本で言えば日本経済新聞のような存在である。

経済は勿論、法律的な要素も複雑にからみ合った最新記事を翻訳するには、これまでとは違う
見方や訓練が要求された。
「世界の専門的な最新記事を、日本語で的確に伝える」ことは予想以上に難問だった。

早朝3:00AM前後から始まる翻訳作業を3年間やった。
最終的にはバテて、燃え尽きた格好になって契約を終了することになったが、
以降は、少なくとも経済および法律関連の文書の、英語から日本語への変換、要するに
専門分野の日本語翻訳に苦手意識がなくなった(と思う)。

で、今回のソロスの翻訳である。
金融を哲学的に捉えるソロスの考え方は、相も変わらず難解である。
英語の表現は勿論として、日本語に訳しても、前後関係を丹念に読破し理解していなければ、
全体像は簡単には掴めない。

翻訳は「ひとつの単語」の間違いが、全体の文章をクラッシュさせる。
その意味では気が抜けない。
それは格闘技に似ていると思う。一瞬のスキができれば、ドカンと一発で倒される。

久し振りに本格的な翻訳作業をしてみて、ヘンな話だが、非常に腹が減った。
牛丼みたいなガッツリ系炭水化物、アンパンやら饅頭のような甘いもの系が無性に食べたくなった。
長年のマニアックなファン、例えば原文と自分の訳文を比較し、わずかな間違いを発見しては
ここを先途とチクリに来られる熱狂的な(!?)ファンのいる自分にとっては、
久し振りの格闘技だったように思う。
思えば懐かしい感覚ではあった。

2月17日(火)に刷り上がり、24日(火)から全国の主要書店で発売予定となっております。
訳者が言うのも何ですが、内容は簡単ではありません。
また定価は(消費税込)2,100円と、少々高目に設定される予定となっております。
しかし今回の「新版ソロスの錬金術」を読破されれば、他の書籍が非常に簡単にスラスラと読める
ことになるのは請け合いであります。
どうかよろしくご購入戴きますよう、お願い申し上げます。


"バッドバンク"構想の検証

サブプライム問題に困窮する金融機関に対して米政府は、昨年10月に成立した金融安定化法に
基づき、7千億㌦の公的資金枠の半分に当たる3,500億㌦を、主として金融機関の株式を取得する
方式で注入してきた。

しかし不良資産を抱えたままの金融機関に資本を注入し続けても、資金は損失処理に充てられる
だけで、借り手のためになる融資拡大など、金融機能の再生につながり難いことが明らかになった。

オバマ新政権の景気対策は金融システムが安定しなければ最大限の効果を発揮しない。
そうした環境下で、不良資産の大部分を政府が引き受け、銀行の損失を限定することが先決だとの
見方が広がってきている。バッドバンク構想である。

ファイナンシャル・タイムズ紙上で、シティグループのパーソンズ新会長が提案したバッドバンクは、
日本語に直訳すれば“悪い銀行”となるが、それでは意味が分からない。
定義すれば、
「不良資産を金融機関から買い取る公的機関」ということになる。

不良資産を抱えた金融機関の立て直しにはいくつかの方法がある。主たるものとしては、
「株式取得による金融機関への公的資金注入」
「問題資産の政府保証」
「買取を専門にしたバッドバンクの設立」
である。

証券化商品など、腐った資産を金融機関が抱えたままでは危機の元は断てない。
そこで政府の肝入りで問題資産の買取機関をつくり、現金やバッドバンクの株式を対価に、
金融機関の問題資産を買い取るというシステムである。

まず米政府はバッドバンクに出資する。
そして政府の信用を基に、バッドバンクが借入などの外部資本を募れば、レバレッジが機能し、
出資分が何倍にでも活用できる。
そう考えれば、意外に簡単そうには見える。

しかし最大の問題は資産の買い取り価格である。
高過ぎれば政府、つまりは納税者が損失を蒙る。
安過ぎれば金融機関に多額の追加損失が発生する。
そして膨れ上がった不良資産を買い取るには3兆㌦~4兆㌦のコストがかかると試算されている。

米政府は1980年代の貯蓄金融機関(S&L)危機で、整理信託公社(RTC)を設立し、
米連邦預金保険公社(FDIC)とあわせて1兆㌦近い資産買い取りを成功させた経緯が
ある。しかし当時と比べても政府の負担ははるかに大きい。

米国の、というより全世界の注目のうちに颯爽と登場したオバマ新大統領だったが、
早速にして試練を迎えている。
資本主義の総本山である米国で、社会主義の代名詞である“(実質上の)国有化”という
問題が突きつけられている。

オバマ新大統領が、「金融を立て直すことが米国、引いては世界のためになる」と主張できるか。
そして米国民が「イエス・ウィ・キャン」と応じるか否か。
けだしみものである。

2009年02月02日

女王陛下の英ポンドの異変

英国の通貨であるポンドの下落が止まらない。
1月23日の海外市場では、対円で118.85円をつけた。
07年7月の高値251.07円から約52%の下落である。
また対ドルでも1ポンド=1.35㌦台にまで下落している。

1月23日、
英政府が発表した2008年10月~12月期の実質国内総生産(GDP)の速報値は前期比1.5%の下落。
昨秋に深刻化した金融危機で急激に景気が落ち込み、1980年4月~6月以来の大幅マイナス。
7~9月期(0.6%減)に続く連続マイナスで、五期連続のマイナス成長となった90年~91年以来の
景気後退局面となっている。

こうした英ポンド急落の他の要因としては、
1月19日、大手英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドが、
2008年12月通期の最終赤字が最大で280億ポンドに達するとの見通しを発表したことにもある。
金融機関の経営不安から、救済に必要な政府支出が増大するとの見方が広がったことが急落に
拍車をかけている。
信用収縮で欧州景気全体が失速した上に、米景気後退で米サブプライム関連の仕組み金融商品で
不良債権が増大しているのは否めない。

欧州の主要銀行が保有するサブプライム関連の金融商品は利回りが高い反面、
米国の元ローンで焦げ付きが少しでも増加すると加速的に価格が下落する設計が多いとされている。
このため米景気の悪化が欧州の不良債権の急増に直結する。

また米オバマ新大統領が大型の景気対策を打ち出しているのに対し、
欧州景気の先行きに悲観的見方が広がっている。
市場では、欧州景気対策や金融政策が後手に回っていると位置付けた結果、欧州通貨全体が
反転のきっかけを掴めない状態となっている。

客観的に今回の流れを言い換えると、
「ポンドの円に対する価値」が「半分以下になった」ということになる。
英国が欧州通貨連動の枠組みから離脱した1992年のポンド危機が思い出される。

モノの値段が半分になるということは珍しいことではない。いわゆる“叩き売り”状態である。
しかし、そうした“叩き売り”状態がポンドと円の間で起きていることになるが、
素朴な疑問として
「日本の経済状況が、英国の倍以上の良好状態にあると言えるのか」
「通貨間のこうした状況は異常と思わないのか」

最近の通貨の動き全体に言えることだが、
GDP数値で世界第19位の日本の通貨が積極的に選択されている。
確かに「100年に1回の大恐慌」で、諸般のメカニズムがマヒ状態にはなっているが、
こうした安直な選択の“咎め(とがめ)”が怖い。

「金融市場の選択は美人投票である」と言われる。
いわゆるケインズ理論である。
要は、誰かが「あいつは美人だ」と言えば、本当はそうは思っていなくても、そうかなと思い始める。

自分は高校時代からジェームス・ボンドが活躍する映画、「007シリーズ」が大好きだった。
英国調の仕立てのよい細身のスーツ、七三分け、そしてグラマラスな美女の世界。
女王陛下の英ポンド。誇り高き大英帝国がこのまま黙っているはずがない。
大転換は近いと思う。


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