21世紀型リスクの検証

新型インフルエンザが関西を襲撃している。
海外渡航経験のない高校生が発病するといった、予想もしない展開。
日本の水際対策は万全ではなかったのか???

こうなったら日本全土に蔓延するのは時間の問題?
専門書に拠れば、「キノコ」類、「ヨーグルト」類が新型インフルエンザに効く、となっている。
素人考えだが、マスクの効用は余り信じていない。
アルコールを控えめにし、トレーニングをキッチリやって、体調を万全にし、菌が寄り付かないように
するしかないな、などと考えている。

「馬が逃げだした後に馬小屋の戸を閉めるようなものだ」。
4月29日(日本時間30日)、
オバマ米大統領は「メキシコとの国境を封鎖しないのか」との質問に対して、上記のように答えた。

オバマ会見の4時間前、
ジュネーブに本部を置く世界保健機構(WHO)のマーガレット・チャン事務局長は
緊急記者会見を開き、新型インフルエンザの世界的大流行が差し迫っているとして、
警戒水準を上から二番目の「フェーズ5」に引き上げると発表した。
同時に「人の移動の制限や国境封鎖は求めない」ことも表明した。

21世紀に入って、ヒト、モノ、カネが自由に移動するグローバル経済が明確になっている。
上記のオバマ発言は、チャン事務局長の発言を受けてのものだった。
隣国メキシコ発の新型インフルエンザに揺れる米国は、全くのお手上げ状態にも見えた。

今回の新型インフルエンザは、ひと、モノ、カネが自由に移動するグローバル経済の一環としての
流れであり、リスクがどこで顕在化するか分からないサブプライム問題と同様の、21世紀型のリスク
構造を持つ。

20世紀は(スーパーパワーを永遠に持ち続けるかに見えた)米国が、最終勝利者となった。
しかし現在は、米国を頭とする先進国を先頭に、底の見えない深刻な経済の疲弊が襲っている。
その疲弊の隙をついたような新型インフルエンザの襲来だった。

一連の21世紀型リスクについて、違う角度、今回は日本の金融界から検証してみたい。
4月28日、三井住友ファイナンシャルグループは、米シティグループとの間で、
シティ傘下の日興コーディアル証券と日興シティグループ証券の大半の事業を買収することで
合意した。買収額は5000億円強。
大手銀行が大手証券を傘下に収める日本国内での始めての事例で、日本の金融勢力図は
大きく変化する。

総務省を主体とする2011年7月の地上デジタル化(地デジ=アナログ停波)に向け、
金融界の吸収・合併の流れが最終段階に入っている。
40インチ型大型画面で、バンキング(銀行取引)、生損保の加入、株式・為替取引、先物取引等、
全ての金融取引を取り込むという、21世紀型・総合金融システムが完成に近づいている。

総務省主導型になっているのは、三大メガバンクが法人・個人の全取引を取り込むことで、
特に個人情報を完全に抑え込むことが可能になり、それが以降の少子高齢型の日本の税取り込み
に最大の武器になるからである。

21世紀のグローバルな世界では、これまで以上にひと、モノ、カネが自由に移動する。
そうした環境下での地デジの完成は「情報のグローバル化」だけではなく、
「法人・個人双方の金融資産情報の明確化」を意味する。
税金システムを完璧にしようとする日本当局の“取らんかな”のスタンスの可否はともかく、
「金融システムの間隙を狙う突発的リスク回避」に向け、日本の当局は着々と準備しているように
見える。

21世紀というグローバルな世界では、突然のタイミングで、予想もしない大きな流れが入り込んでくる
リスクを抱える。
今回の新型インフルエンザの襲来は、病原菌だけではなく、今後起こり得るべき21世紀の新型リスク
を示していると思う。