2009年06月27日

コンビニの安売り騒動

6月22日、公正取引委員会(以下公取委)は、
コンビニエンスストア最大手のセブン-イレブン・ジャパンが、
消費期限が近づいた弁当や総菜などをフランチャイズチェーン(FC)加盟店が値引きして販売する
「見切り販売」を不当に制限していたとして、独占禁止法違反(優越的地位の乱用)とし、
同社に対して排除措置命令を出した。

公取委は、
同社本部がFC加盟店と締結した基本契約で「小売価格は加盟店側の自らの判断で決定する」と
明記しながら、一方で「推奨価格」を現場の経営指導員に徹底し、加盟店側の自主判断による
「見切り販売を制限していた」点を問題視した。

基本契約で本部が得るロイヤルティに関し、
一部の加盟店が「ロイヤルティの算定方法が不当」として提起した訴訟では、
2007年に最高裁が合法と判断、司法がコンビニの現システムを是認することにはなった。
しかし「廃棄商品の原価をFC加盟店が一方的に負担する」という現システムに不満が募っていた。

公取委に拠れば、
本部は弁当や総菜に関し、加盟店を指導する立場の経営相談員に「推奨価格である」と徹底。
また加盟店が見切り販売をしようとすると、
経営相談員は「やめてほしい」「契約解除もあり得ますよ」などと、値引きを制限していたとしている。

コンビニのFC加盟店が本部に支払うロイヤルティは、
「FC加盟店の売上高から実際に仕入れた商品の仕入れ原価を差し引いた」粗利益に、
一定の割合をかけて算出する。
今回問題となった廃棄分の損失は、全て加盟店の負担となる。
廃棄分は仕入れ数量の2%程度と言われているが、売り残りが増えれば廃棄コストが膨らむ。

例えば、仕入原価1個100円のおにぎりを20個仕入れ、150円で販売した場合、
売り切った場合の売上粗利益は1000円。
ロイヤルティ率が50%とすれば、加盟店は500円の利益。
しかし15個しか売れなければ、加盟店は125円の赤字となる。

業界が右肩上がりで成長していれば、廃棄はそれほど問題にならなかった。
しかし同業各社の出店競争激化で、
国内コンビニの既存店売上高は2007年まで8年連続で前年度比マイナス。
08年度はたばこ自動販売機用成人識別カード「タスポ」効果で、多少は潤ったものの、
09年度はその効果もはげ落ちる見込みとなっている。

公取委に拠れば、
同社の全国約11,200店のFC加盟店のうち約1,100店で、廃棄された弁当や総菜を調査、
2007年3月から08年2月の1年間で、各店が廃棄した商品は、原価相当額で平均530万円になった、
としている。

セブンイレブンは35年前に日本に上陸、日本にコンビニ文化を定着させたパイオニア。
簡単な日常品の購入、公共料金の支払い、宅急便の手配等、もはやコンビニ抜きの日常生活は
考えられなくなっている。
そして35年も経てば、システムの弊害が出てくる(=垢もたまってくる)。

FC加盟店を管理・監督するセブンイレブン本部は、
「既定路線の利益を確保する」あるいは「賞味期限ギリギリの腐敗リスク回避」等、
あれやこれやと(杓子定規に)策を巡らしているようだが、答えは簡単。
「コンビニの安売り?結構じゃないですか」
「どうせ捨てるなら安く売れば?」
「それが(今流行りの)エコだろ?」
が消費者の偽らざる気持ち。

コンビニも飽和状態で、経営が簡単ではなくなっている。
しかし簡単で素朴な問題を、(あえて)こねくり回しても仕方がないと思うが…

2009年06月21日

松井秀喜がピンストライプを脱がされる日

今季の松井はサッパリ元気がない。
昨秋の左ひざの手術についで、今季はシーズン序盤に右太もも裏側を痛め、
(新婚であるがゆえの酷使とは全く関係なく)下半身がまるで機能してない。

外野で使えれば起用の幅も広がるのだが、指名打者(DH)専任では、必然的に求められる数字は
ハイレベルのものとなる。
肝心のバッティングも、ときたま“思い出したように”本塁打は打つものの、目立つのは中途半端な
ハーフスイングと、(往時のゴロ・キングを彷彿とさせる)ボテボテの内野ゴロ。
また出塁してもキッチリ走れず、おぃおぃ松井、大丈夫か、いった体たらく。
結局は守れない、走れない、ついでに打撃も不振ということで、スタメンから外されるのもしょうちゅう。

こうした状況で、あれだけヤンキース戦を流してきたNHK・BS放送も、手のひらを返したように
対戦カード変更の連続。
相変わらずの冷徹、日和見主義の国営放送のスタンスではあります。

5月31日付けニュヨークポスト紙は以下のように伝えている
言い方は外資特有の、厳しく、冷たく、突き放すような言い方に終始している。

「ヤンキースの幹部は、松井が今季どんなに活躍しても来季の契約を結ばない、と言明している」
「ヤンキースは、ポサダ(捕手)、ジーター(遊撃手)、A・ロッド(三塁手)をDHとして使いたがっている」
「今シーズン限りで契約が満了、FAとなる松井は、来季の仕事を見つけるのは難しいだろう」
「そして松井は、(現状の米経済の不況を考慮しても)これまでと同程度の年棒を払う球団を
見つけることはできないだろう」

松井が加入したことで、ヤンキースには大きな付加価値が生まれた。
新旧のヤンキースタジアムには日本企業の看板が溢れ、グッズの売上も大幅にアップした。
これまではマリナーズやドジャースを中心に、西海岸のチームが人気の中心だった日本で、
ヤンキースの知名度は飛躍的にアップした。
だがそうした多大な貢献をしたきた松井の役目も、(残念ながら)そろそろ終わりそうになっている。
名門・ヤンキースは、営利企業として“完全に元を取った”のである。

逆転のシナリオがないわけではない。
優勝争いが激化する8月から、ポストシーズンの10月まで、どれだけ印象的な活躍をできるかが
ポイントになる。
現在の米大ルーグのシステムでは「全てが10月に決まる」とされ、その期間の成績・活躍が契約の
大きなカギを握る。

ただ大きな問題が立ちはだかる。
その期間に「松井がキチッと守備につけるかどうか」である。
また松井の調子が上がらず、7月に入ってもケガの回復のメドが立たたなければ、
トレード期限の7月31日までに松井が放出されることもあり得る。
そしてトレードに出される場合にでも「松井が守れる」ことが大前提となる。

いざとなれば、ジョー・トーリー監督(前ヤンキース監督)率いるドジャースが獲得に乗り出す
ことも考えられないではない。
が、トーリー監督も所詮は(日本の課長レベルの管理職としての)単なる使用人であり、
トレードに関する全権は持っていない。
かくしてこのままの状況が続いて、松井自身が現役続行を望むのであれば、日本球界復帰を
視野に入れなければならない状態である。

考えてみれば、輝ける北陸の星・背番号55・松井秀喜には随分とお世話になってきた。
早朝(午前4時頃)からの仕事から解放され、朝食を摂る際、
(松井がクリンアップの重責を担う)ヤンキース戦は“絶好のオカズ”となってきた。
多少面倒な仕事であっても、「これが終わると松井の雄姿が見れる」と頑張ることができた。
しかし、最近の松井を見ていると疲れが倍増(!?)する。

北陸の星・松井様、どうかもう日本にお帰り下さい。
年棒が五分の一以下になってもいいじゃありませんか。今までがもらい過ぎです。
大田泰示という“ド新人”に55番をつけさせた読売・巨人軍には帰れないでしょうけど、
あなたが昔から大好きな阪神タイガースがあるじゃないですか。甲子園は天然芝ですし…
阪神がだめなら楽天もあります。

松井がピンストライプのユニフォームを脱ぐ日(脱がされる日)。
そんな日は考えたくも、また見たくもなかったが、まさにカウントダウン。
(ガクッとばかり、年老いた方々の口調になりますが)これも時代の流れなのでしょうなぁ、きっと。

2009年06月15日

深夜番組考

自分の仕事の様式、つまり仕事のリズムは早朝型である。
早朝と言っても4:00~4:30AMという、極端なもの。
で、4:00AMから仕事を始めるには、早ければ3:00AMからノコノコ起き出す。
これは米ダウ・ジョーンズの日本語版制作(翻訳作業)をやっていた名残りである。

ただ午後は、5時以降は仕事をしたくなくなる。
どうしてもアルコール類が欲しくなり、一旦アルコールを入れてしまえば、全てが面倒になり、
エィヤッツと一切の仕事を止めてしまう、というパターン。
要は体のリズムが「朝4時から午後5時まで」、つまりは一般の方々と4時間のズレがある、
ということになる。

こうしたパターンで深夜(or早朝)の仕事のお伴はテレビである。
ただ見ているのではなく、単に(BGMとして)流しておく、といった程度のもの。
テレビの声やチラチラ画面があれば集中できないのではないか、と言われる方もおられようが、
自分は逆。シーンとしていると何気に仕事が捗らない。

それは長い間、金融機関の前線にいたせいもあると思う。
自分がいわゆるディーリングルームにいた当時、ヴォイス・トレーディングが主流だった。
つまりは、多ければ10個、少なくとも5個のスピーカーから流れる日本の国内外の“声の情報”を
聞き分け、即座に判断し、アクションを起こす、といった状態にあった。
つまりは、言うところの「聖徳太子であった」わけであります。

自慢ではないが(!?)、煌々と照明をつけ、テレビをつけっぱなしにしても寝れる。
逆に変に暗くて、音が全くない環境では眠れない。
これもまた、言うところの“極端な人間”であります。

前置きが長くなりましたが、本題。
深夜番組と一口に言ってもいろいろあるが、結局は深夜番組と一口に言うしかない。
主として海外のスポーツ番組か、スタジオ収録のバラエティ番組である。

海外のスポーツ番組、例えばMLBなら最高、バスケやアメフトの番組はまだ救われる。
一方、(日本の)深夜のバラエティ番組は最悪と思う。
(無駄に明るい)パチンコ屋の照明みたいな白々しさと、お笑い芸人の投げやりトーク。
深夜だからこれでいいという「ゆるさ」と「トゲトゲしさ」が混じり合った、白けた空気が支配する
空間がどうしても耐えられない。
いいのか、大事な公共電波を使ってそんな番組流して、って具合。

深夜番組もなく、“砂嵐”が吹き荒れていた時代に比べれば、
そしてその後どうしようもない低予算の照明も暗いような深夜番組に比べれば、
今の番組はまだマシなのかもしれない。
しかし、余りにヒド過ぎる。

そこまで言うならテレビを消せよ、と言われるかもしれないが、
今やテレビ画面の明るさが部屋の(間接)照明のひとつになっている。
そういう状況では、テレビを消せない。
まさにジレンマなのであります。

余りに耐えられない時は、大事に録画しておいた番組を流すことにしております。
BGMとして流すには勿体ないと思いつつ…

地上デジタル=地デジ=アナログ停波の日が迫り、ああでもない、こうでもないと論議を呼んでいる。
しかし、とりあえずはお笑い芸人中心の低俗番組が消えるのであれば、少なくとも地球環境の整備
になるとも思う。
言い過ぎでしょうか?


最近の金(GOLD)に関する検証(2)

4月22日、中国・新華社は、
中国は国内産出金やスクラップを集め、2003年から2008年までの6年間で計454㌧増量、
保有量が1054.0㌧になったと伝えた。

2兆㌦(約190兆円)近い外貨準備に占める金の比率は増加後でも1.7%と、
欧米各国と比較すれば小さい。
それでも増加後の1054㌧は、スイス、日本、オランダを抜き第五位(IMFを除く)に浮上する。

07年、中国は算出量が280.5㌧と南アフリカの269.9㌧を抜いて初めて首位に立ち、
08年には292㌧と、資源枯渇などで減少が止まらない南アフリカの233.3㌧との差を広げている。

現来が“秘密主義”の中国の一連の数字を公表するスタンスには、ドル資産に偏った外貨準備を
分散したいとの思惑が見え隠れする。
米国債の最大の保有国である中国が、その量がわずかであっても米国債売却が判明すれば、
米国債の急落を招く。
それは金融・為替市場の混乱を招くと共に、中国自らも損失を蒙ることになる。

こうした状況下で、中国が密かにに産出金を積み上げていけば、米国債市場に影響を与えず、
準備資産を分散できると考えていたに違いない。
しかし(残念ながら)主要国には保有金のIMFへの報告義務があった。
しまったとばかり、今になって、6年も前からコツコツと金を貯金してきました、と公表した、
といったところである。

5月27日、
国際商品の総合的な値動きを示すロイター・ジェフリーズCRB指数(1967年平均=100)が
246.46と6ヶ月半振りの高値を付けた。
サブプライム問題に悩む世界各国が、景気刺激対策として大量に供給された資金が、
米国債を中心とするドル建て資産から、原油や金などの「実物資産」に流入していることが
鮮明になっている。

ただ今回の金融緩和=資金の大量供給は、サブプライム問題の損失を埋める意味合いが強く、
即インフレに繋がるとの見方は少々先走り気味。
市場では、今回の上昇は景気底入れへの期待先行の買いが主体となっており、
過熱感を警戒する見方も増えている。

金は、経済・国力の変化を敏感にかぎつけて動いてきた。
1990年代には、先進各国が現在の三分の一の安値で保有金を売却した経緯がある。
それは応分の理由があってのこと(7月の新刊で解明します。乞うご期待!)だが、
歴史的高値の金の買い追随には常にリスクが伴う。

最近の流れを考えても、08年夏まではインフレ進行への不安が蔓延し、
サブプライム問題が表面化する秋以降はデフレ不安が先行、
そして今度はインフレ懸念へと、クルクルと見方が変わっている。

世界の市場は最悪期は脱したとは言われるものの、
相場としての振れ幅は一段と大きくなり始めている。

結論的に言えば、
「中国が金保有量を増大した、だから金買い」では、中国の術中にまんまとはまるだけ。
余りに安易、と思うが…

2009年06月07日

最近の金(GOLD)に関する検証

ここ1ヶ月、7月刊行予定の「金」について執筆している。
諸般の文献を検証していくうち、非常に興味深い流れを発見するに至っている。
その点について論述すれば(多少は)驚かれるには違いない。
が、それでは本が売れない(!?)ので、7月新刊を乞うご期待!といったところ。

ところで、NYの金(GOLD)の先物市場(COMEX)で、
1トロイオンス(約31㌘)が1000㌦を突破したのは08年3月だった。
そして今年2月、一時的ながら再度1000㌦の大台に乗せている。
そしてサブプライム問題に揺さぶりをかけ続けられている世界の金融市場は、
再度金に注目し始めている。

ただ08年と09年の環境は大きく異なっている。
08年は年初から金融市場が混乱し、海外商品の全てに投機資金が流れ込んだ。
そして金は、そうした海外商品の中のひとつに過ぎなかった。

流れが大きく変わったのは08年の夏から秋にかけてであった。
サブプライム問題が表面化し、世界の金融システム不安は「100年の1回の恐慌」と言われるように
なり、それまでの商品高騰を主導してきた投機資金も一気に逃避した。
その影響をまともに受けたのが原油だった。

ところが個人を中心に金貨が売れ始めた。
08年10月~12月の世界の金貨の重要は前年同期比の3倍の67.9㌧に達した。
一人当たり数十㌘と想定される“(世界中の)小さな力”が集まって、金価格を支え切ったのである。

サブプライム問題に悩む欧米の政府当局は、金融機関が抱えるデリバティブに絡む膨大な損失を
埋めるため、大量の資金を供給し続けている。
一応は底は見えたとは言われるものの、デリバティブの損失が一体いくらあるか分からない現状に
おいて、巷間で言われるようなインフレ懸念は杞憂に過ぎないように見える。
大量の供給された資金は、発生した損失を埋めるのに使われるからである。

しかし理論上とは言え、大量の資金供給はインフレ懸念につながり、個人が防衛策として選択した
のが金だった。
ただ今回の金の選択は、各国政府が発行する債券は信用できない、株価の底は見えない、
そして通貨も信用できないという、あれもダメ、これもダメという中で、消去法で残った。
つまりは前向きの選択ではなかった。

そして現在、年金基金などの大規模な投機資金が金に入り始めている。
ただ金の市場は為替市場・株式市場や原油市場と比較すれば決して大きいとは言えない。
またぞろ「小さいプールにクジラが泳ぐ」状態になればどうなるかは、昨年の原油相場を見れば
一目瞭然である。相場の世界での「行き過ぎの反動」はとてつもなく大きい。

確かに金は、人間の歴史が始まって以来、絶対的な価値があるモノ、つまりは“実物”資産として
捉えられてきた。今後も価値が消滅することはないと思われる。
しかし「金が絶対だ」「金を持ってさえすれば安心」という考え方はどうだろうか。
価値を変えていくのは世界であり、市場であり、そしてそれを作り出す人間である。

確かに「金は世界を映し出す鏡」と言われてきた。
ただ「1オンス=1000㌦の世界が異常なのか正常なのか」と聞かれれば、
異常であると答えるしかない。

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