2009年11月29日

講演記念日

11月26日から始まった円高の流れは、27日の早朝になって強烈な流れとなり、
14年振りに84円台に突入した。
日本時間の午前7時から8時の時間帯は、連続する世界の市場の一日の中で
一番手薄な時間帯であり、世界の投機筋にとっては狙い目の時間帯である。
今回の円高・ドル安もその時間帯をピッチリ狙われた格好となった…

と、ここまでは為替の話だが、今回言いたかったのは為替の話ではない。
11月27日は自分の出た中学校での講演会の日だったのである。
選りにも選って講演会当日に市場が荒れ狂うなんて…オィ、オィ…

中学校を卒業して、気の遠くなるような時間が経過している。
これまで全国各地で幾多の講演会の講師と呼ばれ、話をしてきた。
だが、どうしてもやりたいことがひとつあった。
自分の出た中学校での講演である。
生徒会長として演説(!?)した檀上で、もう一度話してみたい…

それがついに実現した。その日が27日だった。
その日の歴史的で強烈な円高は、金融市場で生きてきた自分に対する
市場からの”祝・講演記念日”との祝砲か?などと(自嘲気味に)考えたりもした。

JR東京駅から早朝の列車を乗り継いで、中学校に到着。
校長先生と歓談した後、校舎内を案内してもらう。
自分たちが通っていた当時の木造校舎は既に建て替えられ、
今では県内有数のインテレジェンス・スクールとして生まれ代わっている。
中はまさに迷路の様相(!?)である。

まるでコンクリートの要塞(!?)のようになっている校舎にも驚いたが、
グランドのナイター設備にも驚いた。
当時は裸足で運動してもいいように、生徒全員で石拾いをしたっけなぁ…
オオッ~、これだったら多少遅くまで運動できる。うらやましぃなぁ…
お上りさんじゃあるまいし、驚いてばかりいても仕様がないが、とにかく驚くことばかり。

会場(体育館)には、生徒全員のお出迎え。
うん十年振りに見る紺色のセーラー服である。オオッ~、なつかしい。
で、男子生徒に坊主頭は数えるほど。
詰襟学生服に坊主頭は中学生らしくて、似合うと思うけどな。
校長先生にお聞きしたところ、坊主頭は30年前には廃止になったらしい…
そんなこと今更と、笑われてしまった。これも時代の流れですか…

気合を入れて約1時間半
何を話したかはひ・み・つ。
言えることは、途中から完全に中学生の気分になってた、ってことである。

最後に、
質疑応答の代わりに、現在の生徒会長(三年生)や新生徒会長(二年生)を手始めに、
主要運動部のキャプテンに檀上に上がってもらって、今後の抱負を述べてもらった。
その時になって、会場全体が一気にワッと盛り上がった。
頬を少々赤らめ、モジモジしながらも、エエイッとばかり抱負を述べる生徒諸君の
姿がうつくしかった。

帰り道、自分の登校行路を歩いてみた。
途中で一服つけながら、しみじみ考えた。
世界を放浪して、ようやくこの場所に帰り着いたかと…オーバーでなく…
実家で出迎えてくれた母親がいみじくも言った。
「今日はいい顔してる」。
そうですか…そうかもしれない。だって中学生に戻ったのだから…

校長先生を始め学校関係の皆様、教育委員会の皆様、そして生徒諸君、
いろいろとお世話になりました。
本当にありがとうございました。
今後も目一杯頑張ってやりたいと考えております。

「内定率62.5%」を検証する。

11月19日、
来春卒業予定の大学生の内定率(10月1日時点)が62.5%で、
前年同期比7.4%低下したことが文部科学省と厚生労働省の調査で判明した。
内定率は03年の60.2%、04年の61.3%に次いで3番目の低さになる。
ただ下落率は調査を始めた1996年以降で最大のものとなっている。

男女別では「男子が63.3%(6.5%減)女子が61.6%(8.5%減)」。
国公立と私立別では「国公立は71.3%(1.9%減)私立が59.6%(9.4%減)」
特に私立女子が57.3%で11.7%減。

文系・理系別では「文系が61.2%(9.2%減)理系は68.5%(0.4%増)」
特に私立文系が58.7%で11.7%減。
短大は29.0%で03年と並び過去最低。下げ幅も最大の10.4%。

一方、高卒者の内定率は9月末時点で37.6%。
高卒求人(9月時点)は、1992年の162万人をピークに急速に減少。
03年には過去最低の15万人とピークの10分の一以下に縮小。
その後08年に30万人まで増加したが、今年は再び15万6千人に下落している。

教育免許を巡る政策転換に教育現場も揺れている。
教員免許取得条件を現行の4年制から6年制に延長することが検討されている。
6年制に移行されれば、
教員志望者は大学の学部を卒業後、大学院で修士号を取得しなければならない。
また現行2~4週間の教育実習は1年間と格段に長くなる。

上記に上げた数字の数々(巷間で言われている)世界不況のせいばかりではない。
不況であっても、逆に不況であるからこそ尚更優秀な人材が求められる。
本格的なグローバル時代を迎え、日本の企業の採用システムが変化し始めたと
見るのが自然である。

1980年代から1990年代半ば頃まで(バブル時期も含む)は、
全体的には「とりあえず採用して、“ザル”にかける=篩(ふるい)にかける」
or「中途退社人員を見込んだ」採用システムだった。
ところが21世紀になり「35歳~40歳定年制」&「大学全入」時代を迎えた。
そして“余剰人員は無駄”との認識が表面化し始めた。

一次選抜(=ほぼ無条件に採用される)は
「大学→大学院→(MBA取得等の)更なるレベルが上の大学院」のコース。
二次選抜は、各社が各自にランク付した、選別された大学の成績に拠る。
三次選抜以下ではどれだけ会社訪問を繰り返そうがまず無駄、というパターン。

また文系よりは理系、特にコンピュター中心の技術系の上記コースを取得した者は
優先して採用される時代となった。
文系の最大の就職先となり、拠り所となっていた金融界も、金融工学が先行し、
理系が優先される時代となっている。

金融工学(ファイナンシャル・エンジニアリング)が当たり前の時代。
金融界も「守り(文系)」から「攻め(理系)」への時代なのである。
例えば銀行を例に上げれば、
銀行支店等にはスタイル、顔など、見た目よい若い女性が受付し、
最終判断はコンピュータを通して本部への連絡→即断即決の世界となっている。
要は「銀行支店長文化の終焉」、「銀行支店のキャバクラ化」の時代なのである。

結論的に言えば「有名大学→有名企業」という、これまでの“日本の常識”が、
特に文系で通じなくなっている。
とりあえずは「企業および大学のシステムが変わった」と実感すべきであろう。
日本の企業も楽ではない。
従って、おざなりの4年制大学卒の、若いだけが取り柄の男性社員は無用である。
少々余計な言い方をすれば、必要以上に尖がった靴を履き、必要以上に細めのスボン
が特徴のスーツ姿の若者(アニメに出てくる”サタン=悪魔”しか見えない)に、
そういったパターンが多いように思うが、考え過ぎだろうか...

これからの時代は(満遍なく、浅く、広く)といったゼネラリストは必要ではない。
「絶対的に得意なものはたったひとつだけだけど、ある!!」といった
ある種の“変人”=スペシャリストが必要とされる時代である。

結論的には現状の大学内定率62.5%という数字は驚くにあたらない。 

2009年11月21日

不況の中の「たばこ増税」論議

日本経団連が10月末にまとめた大手企業の冬のボーナス妥結結果(第一次集計)は、
平均で前年比15.9%減と、過去最大の落ち込みとなっている。

「リーマン・ショック」から1年超。
いつのまにやら日経平均がまた9,500円を割り込んでいる。
一向に景気が上向かない中、消費者の財布のひもが固いのは当然。
そうした環境下で、外食チェーンや小売り業界が年末商戦で、忘年会の「早割」や、
衣料品セールの「前倒し」を拡大している。

まず外食チェーンの割引の数々。
「11月19日から12月10日に宴会を開くと通常料金より10%値引き」
「同上期間内に午後4時から宴会を開始すると20%割引」
「11月30日までに12月の予約すれば料金の50%を食事券で還元」
「12月6日まで開く宴会コースに、2時間100円の飲み放題」

次いで前年比10%の減収にあえぐ百貨店の年末商戦の数々。
「11月から婦人服売り場中心に秋物を3割引き」
「11月から福袋の予約販売」
「“中身の分かる”福袋の予約販売」

単純に考えれば、本当に11月に忘年会をやんのか? 4時から飲むってか?
あるいは11月から福袋の予約をすんのか?などと“鬼が笑う”ことばかり。
とは言え、家庭中心に全てを賄おうとする「巣ごもり消費」が顕著になっている昨今、
一概に笑えない話ばかり。

そうした不況風が荒ぶ中、またぞろの「たばこ税増税論議」。
「40兆円の収入」しかないのに「90兆円の支出」。
最初からまっかっかの大赤字。
なんせ1,000兆円になんなんとする膨大な借金を背負うニッポン。
赤字国債乱発を避けるため、逃避先がたばこ増税という“苦し紛れの”いつもの戦略。

11月6日~7日、1030人の男女を対象に、インターネットで実施された調査結果では、
「増税に反対+どちらかといえば反対」が23%、
「賛成+どちらかといえば賛成」が72%。
調査に答えた喫煙者の割合は24%。残りは吸わない人。賛否の分布とほぼ同じ。
こんな調査、やらなくても結果は見えている。

現在日本のたばこ価格は20本入り1箱300円が主流。
このうち175円程度がたばこ税。
為替相場の多少の変動があるが、欧米では500~700円程度の価格が多く、
英国では800円を超える。

愛煙家の自分としては、500円がギリギリのライン。
チビチビ上げられるのであれば、一気に1,000円にしてもらえば、
(真正面から居直って)すっぱりと止める決心がつく。
日本たばこ(JT)よサヨナラ、(って言ってみたい!!)

この論議、四半世紀以上もウダウダやっているような気がする。
健康改善のために増税を、といった言い様で愛煙家の神経を逆なでするなら、
日本たばこも、ハイそうですか、そんじゃ、わたしんとこも日本国民の健康のため、
製造・営業を止めまっさ、と言ってみれば?…って感じである。
(愛煙家をバカにするにもほどがある…)

民主党政権になって、モロモロの諸問題が表面化して日本全体がガタついている。
自民党政権(という江戸幕府に似た旧態システム)が崩壊し、民主党政権になって、
モロモロの諸問題が表面化し、日本全体がガタついている。
明治維新もきっとこのような感じだったのだろう。

それにしても何か落ち着かない毎日であります。


2009年11月15日

「投資教育」を検証する

今月末、自分の出た中学校で、生徒対象に講演会をする予定になっている。
これまで一般を対象とした講演は全国津々浦々、数多くやらせてもらったが、
中学生相手の講演は初めて。
とりあえず目線を同じにして、“話し合い”形式にしようと考えている。

21世紀に入って、
大手証券会社等を中心に、投資教育の必要性が声高に叫ばれ始めている。
ただ一方で、義務教育でおカネの問題を教えることに否定的な雰囲気が強く、
高校や大学の入学試験に出そうもない問題を教える時間がない、といった理由で、
ペンディングにされているのが大勢である。

この11月、東京と大阪で、日米欧、アジア、豪州の7ヶ国・地域からパネリストを
招いて「投資教育に関する国際セミナー」が開催された。
大きなテーマとしては、
(1)投資教育の推進体制
(2)成人への金融知識普及活動
(3)学校での投資教育の進め方
という、これまで通りの“永遠不朽のテーマ”であった。

問題点として上げられたのは
(1)投資教育の効果をどう判定するか
(2)投資へのインセンティブをどうつけていくか
(3)学校のカリキュラムに投資教育をどう滑り込ませるか、
という、これも従来から言われてきたポイントであった。

英国では政府主導で2011年までに1000万人に金融教育を施すという目標が
立てられ、韓国では「投機から投資へ」の大キャンペーン中だと言われている。
さて日本は、と言えば、国家が主導する投資教育問題は棚上げにされたまま
具体的な施策がなされない中で、ここ5年、主婦層の為替市場の大々的な参入が
世界でも注目された。

そうした新時代の流れの中で、大きな問題も表面化した。
日本の主婦層(=ミセス・ワタナベと揶揄された)が採った投資手法には根強い
傾向があった。
「円を売って高金利の外貨を買う」取引を
「高い倍率」で組んで長期保有し、
「円安進行による為替差益と高金利収入を積み上げる」手法だった。
この(単純な)手法は金融危機に伴う円急騰で大きな損失を生むことになった。

その後、そうした主婦層にも投資姿勢の変化が見られる。
(1)高倍率取引と距離を置く姿勢が目立つようになってきた
(2)急激な相場変動にも、想定以上の損失を出さない対策を講じるようになった
(3)単一の投資手法が柔軟になった。

上記三点は「ストップロスを置く=損失確定ルールを徹底する=リスク管理をする」
ことで、ほぼ全ての問題が解決される基本的な問題ではあったが、
ようやくにして定着し始めた、ということになる。
世界の荒波に対峙し、“実戦的教育を受けた”ことにはなったのである。

これから益々グローバル化する世界経済の中で、
「相場はしない」「相場は知らない」では済まされない。
「投資教育」と大上段に振りかぶらず、根幹の知識として、
市場や相場のシステムは知るべきであろう。

今回の中学校での講演会、あえて相場に言及(=特化)するつもりもないが、
現在の世界経済(市場経済)を説明する中で、「相場の位置付け」については
言及せざるを得ない。

いずれにしても次代を担う現在の中学生が何を考えているのか。
闊達な話し合いの中で、何が出てくるか。
楽しみであると同時に、真摯に勉強させてもらおうと考えている。

2009年11月08日

ゴジラ伝説の完結

「(解説者)雰囲気ありますねェ~」。パッカーン。
「いったぁ~~(絶叫)」
「(解説者)いま鳥肌立ってます」
(*2回。ワンアウト1塁。ライトスタンド本塁打。打点2。)

「(解説者)気が早いけど、ここで打ったらMVPですネ」
「うまく打ったぁ~~(絶叫)」
(*3回。ツーアウト満塁。センター前タイムリーヒット。打点2。)

「(解説者)絶好のお膳立て。もう(MVPを)持ってってくれッ~!って感じですね」
「これもいい当たりぃ~~(絶叫)」
(*5回。ツーアウト一塁・二塁。右中間二塁打。打点2。)

解説者は伊東勤・西武ライオンズ元監督。
そして実況中継は、絶叫マシンと化したNHK・黒氏康博アナウンサー。
ライブで見て、再放送で見て、スポーツニュースを都合10回以上見たから、
それぞれの場面の実況放送のセリフまで覚えてしまった。

2回の本塁打は、本塁打を打つ前に、馬鹿当たりを2回してたから、
あ~あ、これは三振だわな、なんて思ってるうちのライト・アッパーデッキへの特大本塁打。
3回のタイムリーヒットは、高目のボール球をやや強引に合わせる感じ。
5回の二塁打は、インコース寄りの低めの球の会心の当たり。
2回、3回の相手投手は、レッドソックス時代に手玉にとられていたペドロ・マルチネス。
そんな天敵・マルチネスを相手に、最初はまさかと疑心暗鬼だったが、完璧に打ち崩した。
3安打目からは“(ここまできたら)イケ・イケッ~もういってまぇ~~”って感じ。

10月4日(日本時間5日)の2009年ワールドシリーズ第6戦。
DH制のないナショナル・リーグ本拠地で代打専門となった松井の、
ウップンを晴らすかのごとくの大活躍だった。
2打席目からは、「自分は今、世紀の瞬間に立ち会ってる」って感じになり、
ヤバイ、ヤバイと思いつつ、実況中継を見ながら“朝から酒”シリーズに突入した。

第5戦でヤンキースが勝利していればこの日がなかったから、
10月4日は、まさに「松井による松井のための一日」となった。
それにしてもワールドシリーズのMVPをゲットしてしまうなんて…

松井を最初に見たのは1990年の夏の甲子園だった。
北陸の名門・金沢星稜高校の、図体のデカイ・ニキビ面・1年生・サード・4番が松井だった。
秀喜という名前を聞いて、
「ヒデキは、とりあえずは秀樹だろうよ」「な~んか北陸っぽくてダサイよな」と思った。

北陸の名将・山下智茂監督の下で、北陸の怪物・松井から日本の怪物・松井になったのは、
1992年夏、明徳義塾(高知)の5連続敬遠だった。
一度もバットを振らせてもらえないまま、星稜は敗退した。
以降「甲子園での5連続敬遠」は、高校野球の伝説となった。

ただ、度ある毎に「あの時の松井は本当に5連続敬遠に値する打者だったのか?」
という“難しい命題”について語られてきた。
世界一を決めた大一番、松井は3打席続けて2打点を挙げMVPに輝いた。
甲子園で5敬遠を命じた明徳・馬淵監督が恐れたのはこの光景だったのかもしれない。
今回の松井の活躍には、ゴジラ伝説の集大成的なイメージが漂っている。

予想外の(!?)活躍によって、今年が契約最終年となるヤンキースとの契約更新の
行方が取り沙汰されている。
MVPに輝いた選手と契約を更新しないのか?という単純な疑問は、日本的考えでは
明快な答は出てこない。
ここ4年の契約は、4年総額62億円という、気の遠くなる大型契約だった。
1年に換算して15億円におよぶ契約継続は、松井の35歳という年齢、および今年の
ような指名打者専門であった状況を考えれば、経営者側が二の足を踏むのは当然である。

この7年、ヤンキース・松井に、MLBの醍醐味を十ニ分に堪能させてもらった。
両膝に問題を抱え、(メジャーリーガーとして)次第に老いて、ベンチにいる松井は見たくない。
名選手は潔い引き際が大事と思う。

今回のMVPを手土産に、そしてマンハッタンでの優勝パレードを思い出に、
日本に帰ってきたらどうだろう。
阪神・松井でも、巨人・松井でも、何でもいい。
WBC日本代表として日の丸のユニフォームを着た、39歳の松井を見てみたいと思う。

7日(土)に日本シリーズも終わり、2009年の「野球の季節」が終った。
来年の春までどのように過ごそうか?
(これでもかと、下らないお笑い番組が闊歩する)長い長い冬の到来である。
寂しさが募っている。

電子書籍端末「キンドル」の脅威

10月22日、インターネット小売最大手、米アマゾン・ドット・コムは、
2009年7~9月期決算で、純利益が前年同期比69%増の1億9900万㌦(約180億円)
であったことを明らかにした。

電子書籍端末「キンドル」をはじめ、幅広い分野で割安な商品を揃えたことが好結果に
つながったとしている。
キンドル販売台数は開示されていないが、同社は世界展開を始めており、
出版や流通のネット化が一段と進むとの見方が広がっている。

同22日、米書店協会は、
米小売最大手のウォルマート・ストアーズやアマゾン等が、オンライン販売で繰り広げている
書籍の低価格競争に関し、米司法省に調査を依頼した。

同二社は、10月中旬から年末商戦の目玉として通常25~35㌦(2300~3200円)程度の
新刊本の人気作を9㌦以下に値下げし、他社も追随している。
米書店協会では、一連の低価格販売について「違法で略奪的な価格形成」であると
主張している。

当該価格競争では、まずウォルマートがネット販売限定で10種類の新刊本を一律10㌦で
販売するキャンペーン開始。
これに対抗しアマゾンは同種の価格を10㌦に下げると、ウォルマートは9㌦に再値下げ。
ディスカウント専門店大手のターゲットが参戦したことで拍車がかかり、
現在は3社が9㌦を割る価格を設定している。

こうした世界的な書籍価格割引競争の中で、日本の出版不況も深刻である。
有名雑誌の休刊が相次ぐなど、インターネットの普及や少子化等、環境の変化による
ダウントレンドに歯止めがかからない。
アマゾンなど世界的なネット小売大手が日本語版書籍の低価格発売を始めれば、
業界不況は更に深刻なものとなる。

日本の書籍界では、年間7万冊、1日あたり約200冊の新刊が発売されている。
ところが、書店からの返品率は40%。
「委託販売制」のため、書店の在庫リスクが小さい反面、収益性も低い。
中小規模の書店ほど経営は厳しく、書店数が減ってさらに市場が縮んでいくという、
“スパイラル”現象となっている。

IT時代の進捗で、「活字を電子媒体で読む時代の到来」は“想定内”で、
格段驚くべきことではない。
アナクロな考え方かもしれないが、ジックリ手にとって本そのものの存在を実感し、
何回も読み返すという習慣は、人間形成には必要である。
書籍には紙の質感や装丁、イラストなど、文字のコンテンツ(情報の内容)に
とどまらない文化が宿っている。
日本の家屋には木製・本箱(or本棚)が似合い、畳と本箱の世界は日本独特のもの
ではあった。

時代の転換期を迎え、どの業界も新時代に向けた大きな問題を抱えている。
ただ出版不況の根本は、実は本の内容(=書き手の能力)に帰結するのかもしれない。
最近では軽めでイージーな内容の本が溢れている。
自分の場合、長年の習慣で、速読(いわゆる斜め読み)ができるようになっているが、
そうした斜め読みのできる本はすぐに飽きるのである。

ここ5年、山崎豊子作品や、司馬遼太郎作品を読み返して実感した。
ギッシリと内容が詰まった本は、斜め読みは不可能だし、飽きることがない。
また内容が詰まった本は、手にとってジックリ読む方が味わいが深いと思う。

書き手の端くれとして、十分考えなければならない問題である。
これまで上梓した本が70冊になろうとしている。
果たして自分の書いた本が内容が深かったかどうか。

今後も日々精進し、内容の深い、飽きない内容の本を書きたいと思っております。
読者の皆様、どうかよろしくご支援下さい。

 

2009年11月01日

ゴルフ人気復活の背景

ここにきて、ゴルフ復活の兆しを感じている。
30歳代後半、年間70ラウンドという異常な回数(週1.5回の計算)が数年続き、
一生分のゴルフをやった、もう飽きるほどやったなどと思っていたが、
もう一度やってみるか、という気分が蠢き始めている。
ポイントは、若い女性のゴルフ熱の高まりである。
何のかのと言っても、いつの世も、若い女性が世の中をリードする(!?)のである。

日本ゴルフ場事業協会の統計に拠れば、ゴルフ場の延べ利用者人数は、
1992年度の1億232万5000人をピークに減少傾向が続いていたが、
2007年度の8902万人で前年度から1%の増加となり、
以降3年連続の増加傾向にあるとしている。

業界の見方としては、
「バブル崩壊以降、料金が下がり続け、ようやく若者に手の届くプレー料金となった」
「低価格化の火付け役となったのが、パシフィックゴルフマーネジメント(PGM)と
アコーディア・ゴルフである」

PGMは米投資ファンド、アコーディアは米証券会社が立ち上げた会社。
同二社は日本のゴルフ場を次々と買収し、チェーン展開を始めた。
それぞれ全国で約130ヶ所で運営し、日本一の座を争っている。

買収先として狙いを定めたのは(当然ながら)経営が悪化したゴルフ場。
買収価格を抑え、低コストの運営を可能にした。
さらに早朝プレー、夜間のナイター、キャディを使わないセルフプレーなど、
様々な低料金プランを用意し、若者を中心とした利用者を広げていった。

結果的に料金体系に大きな変化が出始めた。
平日であれば、交通費・食事代を含めて一人10,000円でおつりがくる状況になった。
このレベルなら、ゴルフ・デートも可能になる。
薄暗い場所でコソコソ・ベタベタするより、スカーンと晴れた野っぱらでのデートが
楽しいに決まっている。

またそうした低料金化と共に、ゴルフ場に敷設されたレストランや風呂を積極利用しようとする
流れも盛んになり始めている。
例えば、クラブのレストランを近隣住民の同窓会やイベントで使用する、
休憩用の和室は結納や法事、七五三のお祝いなどに利用する、
などと多岐に亘るようになった。
要は地元住民の「社交場」になり始めたのである。

そして、地元の小・中学校の課外授業を受け入れるなど、義務教育の一環として子供を
取り込む動きも広まり始めている。
小・中学生がゴルフ場の芝生の手入れなどを体験した後、親や教師と一緒にプレーを
楽しむといったプログラムである。

最近の男子プロゴルフ界は、石川遼(18歳)や池田勇太(23歳)に代表される超若手選手の
活躍によって生き返っている。
また女子プロゴルフ界も、宮里藍や上田桃子に代表される、20歳代前半の若手選手の
世界を舞台にした活躍も目立っている。
何にもまして、10年前とは比較にならないくらい“おしゃれで、きれいな”女子プロが話題を
集めるようになっている。

女子の場合、ごくごく普通の体格の女性が活躍するものだから、
「ひょっとしたら私にできるかも」とか「あのゴルフウェアは可愛い」と言い始める一般女性が
増えている。
若い女性が動けば、おのずと若い男性も動き始めるといったいつものパターンである。

かくして日本では、バブルの代名詞であった”(ジャブジャブの)接待ゴルフ”から、
ようやくスポーツとしてのゴルフが認知され始めている。
元々ゴルフは”紳士(だけ&常に酒がついて回る)のスポーツ“ではなく、
男女の区別なく、万民が気軽に楽しめる純粋なスポーツであった。
日本もようやく(精神的な)世界の先進国になりつつある、ということである。

ゴルフとは、簡単に言えば「動かないボールを如何に操るか」というスポーツである。
そして「200ヤードを超えるドライバーの一打と、10㌢のパットが同じ」というスポーツである。
簡単なように見えて、実はとてつもなく奥が深い。

ある種禅にも似た難解なスポーツに、再度挑戦してみようか、という気になっている。


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