「内定率62.5%」を検証する。
11月19日、
来春卒業予定の大学生の内定率(10月1日時点)が62.5%で、
前年同期比7.4%低下したことが文部科学省と厚生労働省の調査で判明した。
内定率は03年の60.2%、04年の61.3%に次いで3番目の低さになる。
ただ下落率は調査を始めた1996年以降で最大のものとなっている。
男女別では「男子が63.3%(6.5%減)女子が61.6%(8.5%減)」。
国公立と私立別では「国公立は71.3%(1.9%減)私立が59.6%(9.4%減)」
特に私立女子が57.3%で11.7%減。
文系・理系別では「文系が61.2%(9.2%減)理系は68.5%(0.4%増)」
特に私立文系が58.7%で11.7%減。
短大は29.0%で03年と並び過去最低。下げ幅も最大の10.4%。
一方、高卒者の内定率は9月末時点で37.6%。
高卒求人(9月時点)は、1992年の162万人をピークに急速に減少。
03年には過去最低の15万人とピークの10分の一以下に縮小。
その後08年に30万人まで増加したが、今年は再び15万6千人に下落している。
教育免許を巡る政策転換に教育現場も揺れている。
教員免許取得条件を現行の4年制から6年制に延長することが検討されている。
6年制に移行されれば、
教員志望者は大学の学部を卒業後、大学院で修士号を取得しなければならない。
また現行2~4週間の教育実習は1年間と格段に長くなる。
上記に上げた数字の数々(巷間で言われている)世界不況のせいばかりではない。
不況であっても、逆に不況であるからこそ尚更優秀な人材が求められる。
本格的なグローバル時代を迎え、日本の企業の採用システムが変化し始めたと
見るのが自然である。
1980年代から1990年代半ば頃まで(バブル時期も含む)は、
全体的には「とりあえず採用して、“ザル”にかける=篩(ふるい)にかける」
or「中途退社人員を見込んだ」採用システムだった。
ところが21世紀になり「35歳~40歳定年制」&「大学全入」時代を迎えた。
そして“余剰人員は無駄”との認識が表面化し始めた。
一次選抜(=ほぼ無条件に採用される)は
「大学→大学院→(MBA取得等の)更なるレベルが上の大学院」のコース。
二次選抜は、各社が各自にランク付した、選別された大学の成績に拠る。
三次選抜以下ではどれだけ会社訪問を繰り返そうがまず無駄、というパターン。
また文系よりは理系、特にコンピュター中心の技術系の上記コースを取得した者は
優先して採用される時代となった。
文系の最大の就職先となり、拠り所となっていた金融界も、金融工学が先行し、
理系が優先される時代となっている。
金融工学(ファイナンシャル・エンジニアリング)が当たり前の時代。
金融界も「守り(文系)」から「攻め(理系)」への時代なのである。
例えば銀行を例に上げれば、
銀行支店等にはスタイル、顔など、見た目よい若い女性が受付し、
最終判断はコンピュータを通して本部への連絡→即断即決の世界となっている。
要は「銀行支店長文化の終焉」、「銀行支店のキャバクラ化」の時代なのである。
結論的に言えば「有名大学→有名企業」という、これまでの“日本の常識”が、
特に文系で通じなくなっている。
とりあえずは「企業および大学のシステムが変わった」と実感すべきであろう。
日本の企業も楽ではない。
従って、おざなりの4年制大学卒の、若いだけが取り柄の男性社員は無用である。
少々余計な言い方をすれば、必要以上に尖がった靴を履き、必要以上に細めのスボン
が特徴のスーツ姿の若者(アニメに出てくる”サタン=悪魔”しか見えない)に、
そういったパターンが多いように思うが、考え過ぎだろうか...
これからの時代は(満遍なく、浅く、広く)といったゼネラリストは必要ではない。
「絶対的に得意なものはたったひとつだけだけど、ある!!」といった
ある種の“変人”=スペシャリストが必要とされる時代である。
結論的には現状の大学内定率62.5%という数字は驚くにあたらない。
