2010年06月26日

サッカーな日々

最近、午後2時を過ぎると決まって、銀座村のおネェさまからの“猫なで声”の
営業TELが入る。
「どうしてますか?」「元気ですか?」
どうしてるかって?? 仕事してるわぃ。
元気かって?? 別に持病持ってるわけでなし、元気に決まっとるわぃ。
「は~い、お陰さまで元気で~す」。

「ここ3ヶ月、顔を見てないから少々気になって…」
「たまには顔をみせてよ」
全員参加の波状攻撃ってか...“ただ”ならオレの顔ぐらい、いくらでも見せてやるわぃ。
「敷居が高くて、恐れ多くて近寄れないよっ!」

こんな具合の、建前と本音の入り混じった実に下らない会話が淡々と続いていきます。
なぜこんなTELが多くなったかと言えば、ご推察の通り、W杯サッカーが今まさに
盛りだからであります。
厚塗りのおネェさま方の顔を見ながら高い酒を飲むより、戦争をも厭わない、
サッカー国際試合のガチンコ勝負を見ている方がよほど面白い。
外に出なければ、余計なカネも使わないし…
これって万人の常識でありまする。

カメルーンに勝利し、オランダには負けたものの、デンマーク戦に勝利して
決勝トーナメント進出を決めたニッポン。
本田圭佑がとってもよい。
ガムシャラな金髪オオカミみたいな容貌がグッド。
あの不埒なギラギラした目つきがとってもグッド。
大阪生まれなのに、金沢・星稜高校を出ているのもグッド。
デンマーク戦での無回転のフリーキックもグッドだったが、
終盤のダメ押し点を入れた時、岡崎慎司に主役を譲った余裕もまたグッド。
高校時代に対戦した相手校の(恋人のいた)マネージャーを略奪、結婚まで持ち込んだ、
そのガムシャラさもとってもグッド。点取り・フォワードはそうじゃなきゃ。

(自分の大嫌いな)中田英寿系のファッションをし出しているのは少々気になるが、
本田圭佑の登場で、草食系・中村俊輔の時代が終わった、って感じがする。
シュンスケはキレイにやろうとし過ぎる。
いかにもフィジカル面で弱そう、って感じ。それじゃ世界に通じないだろう…

海外では自動車メーカー・ホンダになぞらえて、日本の推進力と言われ始めてる。
(同じ星稜高校出身で)MLBロサンゼルス・エンジェルスの55番・マツイがゴジラなら、
ウルフ・本田ってネーミングはどうだろう。グッドだと思うけど…

そして大会前にはあれだけクソミソに酷評され続けた岡田武史監督の評判が、
手のひら返しになっているのも驚き。これも本田が結果を出したからだけど…
良く言えばサッカー一筋、普通に言えばダサいワセダのサッカーマニアにも、
ようやく陽の目が当たってる。
自分の時代のワセダには、ああいう変わったヘンな輩(やから)がウヨウヨいたっけか。
でもホント良かったね、岡ちゃん。

その他、フジの(スポルト担当)本田朋子アナとの結婚間近と言われている長谷部や、
客室乗務員の5歳上の奥さんと別れたばかりの松井(大輔)や、
良く言えば忍者の如く、普通に言えばネズミの如くしつこく動き回る長友や、
フリーキックの職人・遠藤や、鉄壁の守備を誇る中澤+闘莉王のコンビや、
(世間の評判は別にして)自分では今回の日本チームで一番のイケメンと思う
“守護神”川島もいたりして…
前回06年のドイツ大会で、一人舞台を演じ、勝手にガッカリし、
サッサと引退していった中田みたいな“(似非=えせ)ヒーロー”もおらず、
今の日本チームには“何かやる”って雰囲気ムンムン。

ところで今回の大会では、アルゼンチンのメッシーやポルトガルのロナウド等が
騒がれているが、今回の大会の最大のヒーローは、何といっても”ブブゼラ”、だと思う。
あんな“蚊の羽音”に似た音を出す民族楽器は初めて知ったが、とにかくうるさい。
と言いつつ、慣れてしまえば、それはそれで雰囲気が出てる。

ついでに言えば、ヴェルディ川崎の元監督で現解説者の松木安太郎は
“解説界のブブゼラ”と呼ばれているそうな。
解説者と言いながら、途中から完全にサポーターに変身、「解説でない解説をし出す」。
しかし自分としては、彼の”直情型の解説”がとても気に入っている。
ア~だ、ウ~だと確かにうるさいし、あいつ何言ってんだ、と思う時もしょっちゅうだが、
サッカーのガチンコ勝負を見てる!!って感じがするじゃないですか。
そんな気分になるの、自分だけなのかな??

来週は決勝トーナメント。
事前のテストマッチで連敗しながら、「W杯ではベスト・フォーを目標にする」といって
周囲を完全にシラさせてたけど、もしかしたら、もしかする?
かくして、少々エキサイトで、そして疲れまくる“サッカーな日々”が続いていくのであります。
ガンバレ!!ニッポン!!

2010年06月20日

「はさぶさ」の快挙

6月19日(土)夕方5時、食料買い出しにいつものスーパーに出かけた。
雰囲気が何か違っている。言ってみれば年末のような混雑である。
店頭にはパーティ用の詰め合わせが並んでいる。
若いカップルが手押し車に大量の食糧を詰め込んでいる。
そうか、今日はW杯・日本VSオランダ戦か…

6月14日のワールドカップ・サッカー第一戦、日本はカメルーンに勝利した。
「1対0」の薄氷の勝利だったが、アウェイでの歴史的初勝利には違いなかった。
奇跡と呼んでもいいような快挙だった。当然ながらその快挙に日本は沸いた。
マスコミが騒げば“にわか”ファンも増える。これは“日本のいつもの”パターン。

だが欧州の強豪、世界ランク第4位のオランダにはかなわなかった。
守りに守った挙句、結果的には「1対0」での敗戦。
確かに善戦ではある。だが元々簡単に勝てるはずはなかった。
決勝トーナメント進出(ベスト16入り)をかけ、リーグ戦最終戦となる対デンマーク戦は、
またまた日本を挙げて盛り上がるだろう。楽しみには違いない。
しかしサッカーという競技、攻撃と守備が瞬時に入れ替わるから、見ているだけで、
ホント、疲れる。これ本音。

ここ1週間、日本代表チームの活躍に一喜一憂し、サッカー、サッカーの日々だった。
だが、更にレベルの高い快挙を告げるニュースが流れていたのを忘れてはならないと思う。
3億㌔の宇宙を7年かかって往復した和製・小惑星探査機「はやぶさ」である。

最初に「はやぶさ」計画が持ち上がったのは1985年。
そして「はやぶさ」による小惑星のサンプルリターン計画が、
関係者に拠れば半分ハッタリで、計算も根拠もないまま公表されたのが1993年。

探査機の命名に関しては「アトム」が最有力候補だった。
しかし「原子爆弾を想起させる」との意見が出たため「はやぶさ」に変更された。
「獲物に飛びかかり、素早く離脱する」という、
小惑星の表面物質採取・帰還任務の成功を願う気持ちがこめられた。

ただ海外の関係者からは「宇宙探査後進国・日本にできるのか」といった、
冷ややかな目で見られていた。
米NASAは、こうした画期的な計画には10年で1000億円は拠出する。
日本の場合、文字通りケタが違っていた。今回の計画の予算総額210億円。
うち機体の開発・製作費は127億円。日本国民一人当たり約200円弱の出費だった。

惑星探査機は「大きな体にたっぷり燃料を積む」のが通例だったが、
日本の技術陣が開発したのは、「はやぶさ」の看板技術となるイオン・エンジン。
このエンジンはジエット噴射機と比較して積載燃料が約10分の一で済むという。

機体の製作にはNEC・東芝を中心に多数の民間企業が参加、“この場限り”として
企業秘密を明かし合い、長らく未解決だった技術的な問題を克服した。
「はやぶさ」という1.5メートル四方の小さな機体には日本の知恵と技術の粋が
結集されていることになる。

かくして2003年5月9日、
日本の期待をこめた「はやぶさ」は鹿児島県・内之浦基地から打ち上げられた。
そして日本時間2010年6月13日、地球に生還した。
月以外の天体に着陸した探査機が地球に生還するのは世界初の快挙である。

深宇宙(銀河)は60億㌔、時速300㌔の新幹線が114年かかると言われている。
3億㌔の彼方と簡単に言うが、全長500メートルの小惑星「イトカワ」という目標を設定し、
最先端機器を通して電波指令を送り、戻ってくるまで40分かかる距離である。

その「イトカワ」の試料を持ち帰っているかどうかが話題になっているが、
大した問題ではないと思う。
世界に先駆けた技術を、これでもかと世界に見せつけたことがとてつもなく大きい。
技術大国・ニッポンの“誉(ほまれ)”であろう。
そして不況ニッポンに一筋の光明を、というより元気を与えてくれた。

耐熱加工したカプセルを分離後、「はやぶさ」本体は大気圏に突入後燃え尽きた。
「はやぶさ」は与えられた指令に最後の最後まで忠実だった。
どこかアジアの極東の小さな島国の、口先だけの約束をする歴代首相とは大違いだった。
そのせつない、真摯な姿に、昔日の「神風特攻隊」を想起させた。

サッカーどころではないこの歴史的な快挙を、日本中がもう少し真剣に認めてやりたい。
どうもありがとう、そして御苦労さま「はやぶさ」!!


2010年06月13日

「22年に16人の首相誕生」という異常事態の検証

いつの間にか国会中継が、昼下がりの“影の人気番組”になり始めている。
過去の高視聴率番組の再放送や、TVショッピング番組よりはよほど面白い。
官僚が作成したことが一目瞭然の(棒読み)演説の内容はどうかといった、
真面目な意味ではなく、
「誰がどういう野次り方をしているのか」
「閣僚をはじめとして、要人と言われる議員の誰が寝ているのか」などといった、
誠に下らない、不真面目な理由からだが…

6月4日、鳩山由紀夫首相が辞任、菅直人首相が誕生した。
平成になって22年、16人目の首相である。
小泉純一郎首相を除けば、平均在任期間は約1年である。

短期政権が続くのは、
「体制が時代の変化に立ち遅れ、その倫理観と美意識が世の中に受け入れられなくなった」
つまりは体制疲労の表れである。

日本の近代史で同様の現象を起こしているのが、今回を含めて3回。
まずは幕末。黒船が到来する1853年から幕府が機能停止するまで14年半、
老中(大老を含む)に任命されたのは延べで40人超。
任期期間は平均1年2ヶ月。
それ以前の150年間の大老や老中は延べで約130人。平均任期は約6年。

二回目は「1936年の2.26事件以降、1945年の第二次大戦終戦まで」の
いわゆる“戦時体制”である。
ちなみに、明治の内閣制度確立から2.26事件まで50年の間は31の内閣が成立し、
首相になった人物は20人。
そのうち通算在任以下が1年以下は3人だけだった。

第二次世界大戦から10年後の1955年に確立する戦後体制は、
官僚主導で大量生産社会を目指すものだった。
その中で政治家は、年々増加する財源の配分と、官僚規制を、
“ほどよい水準にとどめる”機能を果たせばよかったのである。

ところが平成になって、一連の疑惑事件で政治資金の規制が強化されると、
資金調達力があり、集票組織を養う政治家が悪徳視される一方で、
政党や政治家は政党助成金を中心とした国費で養われるようになっていった。

平成になって22年の間に、唯一の長期政権(1980日)となった小泉純一郎内閣は、
戦後体制を完膚なきまでに破壊すると標榜し、その論理に沿って議会運営や選挙運動
などで実績を残し、独自の人脈と情報網を整備していった。

しかし小泉首相以降の、安倍晋三首相から鳩山由紀夫首相に至る4人の「世襲首相」は、
独自の政権・政策を訴えて国民の間に資金や集票システムを創成することもなく
(またその能力もなく)、「選挙のための顔」としての存在に終始した。

また平成15年以降の自民党・三代の世襲政権、安倍・福田・麻生に至る3内閣は、
表面では「小泉改革の継承」を訴えてはいた。
が、実質的には(あるいは結果的には)、小泉改革とは正反対の、
官僚主導の“熾烈な”規制強化の流れになっていった。
その規制強化に敢然と刃向かったはずの世襲4人目の政権・鳩山民主党政権は、
「政治主導」を訴えはしたものの、官僚主導のシステムを崩せないまま退陣に
追い込まれた。

こうした短命政権が続く場合の共通点は、国の借金が急増することである。
閣僚が各省官僚の資料と説明を丸のみにするからである。
日本の官僚は代々「批判を回避し、権限を保持する」という
官僚共同体というべき強固な組織の中で動いてきた。

戦前の官僚体制が(一旦とはいえ)完全に壊滅したのは1945年の敗戦。
そして壊滅に向かう要因をつくったのは(官僚や軍人を中心にした)1941年の開戦だった。

対外的な孤立と官僚主導が進むという点では、1940年代の様相に似ている。
つまるところ、日本の経済的破滅は間近のように見えるが、さて…


2010年06月06日

「日本買い」に走り始めた経済大国・中国

けだるい雰囲気が漂う、東京・銀座の昼下がり。
銀座村のオネェ様方が闊歩し始めるのは夕方6時過ぎからだが、
その前の午後2時~4時あたりの銀座村の風景が変わり始めている。

JR新橋駅に近い銀座1丁目周辺に大型バスが横付けされる。
そして(昔風に言えば)農協の団体御一行様とおぼしき団体客がドッと降りてくる。
女性を見ていても区別がつかないが、男性の様相で日本人でないことが分かる。
中国人の観光客である。

現在は1㌦=90円の、これも昔風に言えば円高の時代。
銀座周辺での買い物は安かろうはずがない。
普通の日本人なら銀座で買い物など、ウィンドウ・ショッピングが関の山。
ただそうした一団は、有名ブランドショップへと雪崩こんでいく…

5月24日、東証一部上場の大手アパレルメーカー・レナウンは、
中国の繊維大手・山東如意科技集団(山東省)を引受先とする第三者割当増資を7月末に
実施し、同社が筆頭株主になると発表した。
山東如意は毛織物分野の技術力に定評がある繊維大手。
2009年の売上高は約1400億円。

山東如意は発行済み株式の41%を約40億円で取得する。
レナウンの時価総額が大きかった5年前、同様の手法で株式の4割を手に入れるには
約250億円が必要だったが、今回はその六分の一で取得する格好となった。

今から約20年前の1990年、レナウンは、英国を代表する老舗アパレルメーカーの
アクアスキュータムを約200億円で買収した経緯がある。
買収理由としては
「アクア社の伝統技術や職人のワザを国内の自社工場に持ち込めば、他の商品にも
適用できる」だった。

自国の経済成長と共に躍進した企業は、先進国でのM&A(合併・買収)を通じて
グローバル企業に脱皮する。
20年前のレナウンも、今回の山東如意も、描いた青写真は同じだった。
しかしレナウンはアクア社のかじ取りに失敗。
業績は赤字続きで、その後も150億円の追加投資を迫られ、
2009年にはリストラの一環としてアクア社を英国企業に売却している。

山東如意とアクア社を買収した当時のレナウンには他にも共通点がある。
母国経済がバブルの最中にあることである。
現在の中国は、20年前の日本と同様に、海外投資ブームに沸き立っている。

1989年、ソニーが米コロンビア・ピクチャーズを買収、
また同年、三菱地所が米ロックフェラー・グループを買収し、
「日本企業が米国の魂を買い取った」と非難を浴びた。
21世紀に入って、日本の有名企業が中国資本に買収されるという、
逆の立場になってしまっている。

世界の経済大国になった中国が(真綿で首を絞めるように)ジワジワと迫りつつある。
昨年の蘇寧電器集団(南京市)のラオックスの(実質的な)買収のように、
投資対象が企業だけでなく、不動産分野でも中国勢が存在感を示し始めている。
余り目立たないが、既に、北海道や東北では中国企業の温泉宿買収が成約している。
「日本は中国にどう料理されるのか」という恐怖感は否めない。

日本政府は今年7月から、中国人向け個人観光ピザの発行要件を緩和する。
中国人富裕層の観光地として、日本は徐々に浸潤され始めている。
中国人の愛用する「銀聯(ぎんれん)カード」の日本での利用も急増、
2009年の取扱高は前年度比85%増約240億円。

民主党・小鳩政権の終焉で日本全体がガタつき、
今回のレナウンの買収劇は、日本では大きく取り上げられてはいない。
しかし「日本の魂を売った」と大騒ぎになる大型買収が実現するのも、
もはや時間の問題である。

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