円の対ドル最高値更新を検証する
「巨大災害後の円高・ドル安」については面白い符合がある。
これまでの円のドルに対する最高値は1995年4月19日の79.75円。
その約3ヶ月前、1995年1月17日に阪神淡路大震災が起きている。
阪神淡路大震災直後には100円台まで円安が進行する。
その3ヶ月後に“衝撃の80円割れ”が示現した背景としては、阪神淡路大震災直前の
94年末に、メキシコ通貨危機が起き、メキシコ通貨ペソの暴落により、メキシコ国外
へと資本が流出した。そしてその逃避先として円が選択された。
2011年3月の円高局面も状況が符合する。
リビアを始めとする不安定な中東・アフリカ情勢に加え、4月以降にはポルトガルや
スペインでの大量償還が控えている。
リスク回避のために円が買われる土壌にはあった...
2011年3月17日早朝の円高・ドル安の流れは、市場にピッタリ張り付いて逐一見ていたので、
その実態をお知らせしたい。
一連のマスコミでは、NY市場の終了間際となっているが、実はそうではない。
日本時間の午前6時~7時の動きに、NY市場の影響は極めて小さい。
その時間帯は、市場規模が極めて小さい豪・シドニー市場を中心とした動きであり、
従来から多少の資金の出入りで市場が大きく動き易い、「投機筋のハンティングの時間帯」
と言われてきた。
当日午前6時過ぎ、これまでの最高値であった79.75円がブレークされた瞬間、
次に出てきたレートが78円台。
荒れ相場特有の、スプレッド(売りレート・買いレートの開き)が極端に大きいため、
78円台はほんの数秒で通過、77円台に突入していくが、これもまたほんの数秒で通過、
次に現れたのが76円台だった。
まるでCGベースの物語のように述べているが、相場でいう“Climax”と言われる局面は
そんなものである。
その時、市場参加者は何を考えるかと言えば、これは75円突破も時間の問題で、
360円÷5=72円の可能性もないではない、と考えるのである。
たださすがに76円台では買いが出て、77円台に戻る頃から買い方・売り方の
強烈なパンチの応酬となる。
このあたりはプロボクシングの打ち合いを想像してもらえばいい。
とにかく殴らなければ(受け身になってしまえば)、間違いなく殴り倒されるのである。
かくして77円台の攻防が1時間ばかり続いて、日本のTV各局が“円の高値更新”の
テロップを流す8時台になると、さしもの怒涛の売りも収まり、77~78円台を行ったり
来たりの“ジャブの応酬”となる。結局、3月11日の終値は79円前後。
翌3月18日、日本時間午前9時ジャストに日本政府・日銀の市場介入が入り、
80円台を回復、結局は81円台での動きに回帰していく。
単純に言えば、PC画面上のこれだけの話だが、今回の円高の流れは、
79.75円に置かれた大量のストップロス(損切り)を壊しにかかった投機筋のなせる技と
考えるのが妥当なようである。
今後の円の動向はと言えば、70円台が“風通し”がよくなったこともあり、
テクニカル的にも更なる円高局面の要素が根強いが、さてどうなりますか…
