1971年から40年のサイクルの符合
2011年7月24日正午、
地上デジタル放送への完全移行(東北3県を除く )が実施された。
地上デジタル化への移行で、高画質の番組が楽しめ、ニュースや天気予報の文字情報も
見られる。
デジタル化で余った電波は、携帯電話サービスに有効活用される。
多分、時代の要請でもあり、世の中の全てが便利になるのであろう。
とはいえ、番組の内容はアナログもデジタルもさして変わりがないように見える。
歴史的な進化と言われても、今一つ高揚感がない。
テレビが次に向かうのは本格的なインターネット時代と言われている。
そして米アップル最高経営責任者(CEO)のスティーブ・ジョブズは
「パソコン時代の終焉」
「スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)の新時代の到来」
を宣言している。
こうした急変に、果たしてアナログ人間は随いていけるのだろうか。
自分はギャン理論を研究し始めて25年、
今では日本で指折りの(マニアックな)研究者と言われてきた。
ではギャン理論の根幹をなすサイクル理論から「現状の変革現象をどう捉えるか」
について私見を述べたいと思う。
今から40年前に何が起きたか。
1971年8月15日、米ニクソン大統領は突然のタイミングでテレビ演説を行い、
物価と賃金の凍結、輸入課徴金の導入、そしてドルと金の交換停止を発表する。
世界中がハチの巣をつついたようになり、日本でも外為市場でドル売りが殺到し、
株は暴落する。
いわゆる「ニクソン・ショック」である。
公定価格で金に結びついていた米ドルと、主要通貨が固定レートでリンクされた
「ブレトンウッズ体制」が崩壊したのである。
それから以降、世界経済のパラダイムが一変する。
翌72年、シカゴ商品先物取引所が、円、ポンド、マルクなどの7通貨の先物を上場する。
そして73年には世界の主要通貨は変動相場制に移行する。
大々的には伝えられていないが、
同71年にはIT(情報技術)の分野でも重要な出来事が起きている。
米インテル社が世界初のマイクロプロセッサーを開発し、
それまで単価を表示する記号だった「@」が電子住所の記号として初めて使われている。
「コンピュターの頭脳を1つのチップに収めた」マイクロプロセッサーがなければ
パソコンは生まれず、パソコンなくしては現在のようなネット社会もまた存在しなかった。
パソコン基本ソフトのマイクロソフト社を創業したビル・ゲイツがマイクロプロセッサーの
存在を知るのは72年の夏のことだった。
かくして71年を「起点」として、情報化と市場化が相乗効果で進捗していくことになる。
価格情報のネットワークである「市場の領分」が拡大し、世界が1つの市場に向かう
グローバル化が爆発的に進んでいった。
好むと好まざると、金融機関のトレーディングルームは情報機器の展示場のような様相を
呈していったのである。
振り返って、この40年の世界の政治や経済上の大きな出来事、2度の石油危機も
ベルリンの壁の崩壊も、ユーロの誕生も、リーマン危機も、そして今回の東日本大震災も、
70円台の円高定着も、地上デジタル放送への完全移行さえも、
その全てが71年を起点にしていると思われるのである。
