「国際標準化」を成し遂げた、なでしこジャパン

7月18日早朝、5:00PM頃。
リンリンと携帯電話が鳴った。
この時間帯にTELしてくるのは大学の先輩のIさんしかない。

「Iさん、お早うございます」
「あおさん、今、何してる??」「為替のことで少々聞きたいんだけど…」
「何してるって?? サッカー見てますよ、サッカー!!」
「サッカー???どこの???」

IさんからTELがあったのは、サッカー女子ワールドカップ・ドイツ大会の決勝、
それも後半に米・モーガンにシュートを決められた直後だった。
そのタイミングを見計らってのIさんからのTELと思った。

剣道6段のIさんは、剣道以外には全く興味を持たない、全く絵に描いたような
トラッドのワセダマンではある。
そうか、女子のサッカーなど、全く興味ないか、そうか…

サッカーで日本代表チームが国際大会・決勝に進出するのは男女を問わず初。
「なでしこ」とは秋の七草のひとつで、花言葉は「情熱」「大胆」。
2004年に公募で決まったと言う。
考えてみれば大和撫子になぞらえた“わざとらしい”ネーミングではあった。

遡って、日本のサッカー界に「女子代表」が誕生したのは1981年。
最初の国際試合は同年6月に香港で行われたアジア選手権。
以来30年、ついに世界の頂点に立ったのである。

今回の決勝戦で印象的だったのは、何と言ってもPK戦。
PK戦に入る前、円陣を組んだなでしこには、なぜか全員に笑い顔があった。
まるで緊張感が見られない。そして3対1で日本が勝った。
奇跡が起こった!!
踏まれてもへこたれない、自生の強さを持つ、なでしこの本領が発揮された決勝だった。

「日本のサッカーを日本化する」との名言を、就任会見で吐いたのは
元男子日本代表監督のオシム氏だった。
なでしこはオシム氏の言う日本化の具体例を、不完全とは言え、
W杯という最高の舞台で披露したことになった。

19日以降の日本を挙げての大騒ぎはご存じの通りである。
連日連夜のTV出演である。
米国でのラブロマンスを暴露されてしまった澤 穂希とそのおかぁちゃん、
ショートカットにピンクのヘアゴム、ネールの女王・川澄奈穂美、
真面目にやればやるほど漫画チックに見える乙女走りの鮫島彩、
元モデルの母親を持つ丸山桂里奈等など…
ピッチを離れれば、ごくごく普通の(可愛い)女性たちではある。

これからのなでしこは、世界各国から指標にも標的にもなる。
つまりは「日本の良さを徹底的に追及したら国際標準になった」ということになる。
昨今の日本は何に関しても負け犬状態となっている。
そうした日本の負の部分を覆すような快挙だった。

くだんのI先輩からの3時間後のTEL。
「やぁ、あおさん、女子サッカーも面白いねぇ、興奮したよ!!」

ついでにもうひとつ、ラジオで聞いた(菅首相宛てのキツ~イ)川柳を一句。
「なでしこに 見習うべきは 早いパス」