We are one

7月16~18日の三連休。
日本列島は熱風が吹きまくり、連日熱帯夜の毎日となった。
超大型台風も接近した結果、異常に蒸し暑い。

17日の日曜日などは朝から5回もシャワーを浴びる羽目に。
なんせ蒸し暑いのは大の苦手。すぐに体中がベタベタになる。
髪があること自体が面倒になり、発作的に丸刈りにしようと思うことさえある。

この三連休を目当てに日本各地ではいろんなイベントが開催されている。
しかしこんなに暑いと、出かける気さえしなくなる。
そんな“出不精”の自分にとって最大のイベントが、日本時間18日早朝の、
サッカー女子ワールドカップ・ドイツ大会の決勝戦だった。

サッカーで日本代表チームが決勝に進出するのは勿論史上初。
なでしこJAPAN。「なでしこ」とは秋の七草のひとつで、花言葉は意外にも「情熱」。
公募で決まったという。
ただ考えてみれば大和撫子になぞらえた“わざとらしい”ネーミングではある。

決勝の対戦相手は(こともあろうに)因縁の米国。
日本対米国の過去の戦績は、日本の24戦21敗3分け。
過去の戦歴からは「全く歯が立たない」「勝つ見込みがない」ってことである。
これまでの歴史を振り返れば、「神風特攻隊VS大型空母」の図式ではあった。

そして事実、両チームが並ぶと、中学生VS大学生の様相。
フィジカルでは、少なくとも見た目には、圧倒的に米国有利である。
なでしこJAPANは、神風特攻隊は言い過ぎにしても、良く言って小回りの利く駆逐艦。
その駆逐艦は、ホームのドイツやスウェーデンといった欧州製・大型空母を撃破しての
決勝進出で、どん詰まりの決勝の相手はランク第1位の米国だったことになる。
腕白という名の180㌢を超える長身のエース・ストライカー(実はワンバーグという名)
がいたりして、どう見ても“日本惜敗”の図式を描くのが普通のパターンだった。

7月18日、午前3時。
NHKBS1がフランクフルトからのライブ中継に入る。
実況担当はベテランの野地俊二アナウンサー。
BSのゴルフやサッカーなど、スポーツ中継専門の熟練アナウンサーである。

野地さんの“にっぽん、せんせ~(日本、先制)”というセリフがとっても好きである。
熱狂するでなく、かと言って冷めているでなく、乾いた感じがとっても心地よい。
今日も野地さんの、例のセリフが聞けるかな、などと見入っていった。

前半戦は日本は押されっぱなし。
チッチャィのがデカイのにすっ飛ばされる、って図ばかりが目立つ。
通常だったら2点は入っていたろう…
ただ米国の放った15発の強烈なシュートが枠の中に入らない。
こりゃ、ひょっとして勝負の女神は日本に向いているのか???

後半に入ってセンセ~(先制)したのは米国だった。
モーガンの左サイドからの豪快なシュートがゴールネットを揺らす…
残り時間を10分を切り、米国の勝利が濃厚になったところで、
宮間がドサクサに紛れてねじり込む。日本独特の泥臭い得点だった。そして延長戦。

延長戦前半、エースの腕白(ワンバーグ)にヘッドで合わされ2対1。
ところが後半、あと3分になったところで、日本のエース澤・穂希(さわほまれ)が
コーナキックから魔術師のようなシュートを叩き込む。これで澤の得点王も確定!!
あれよあれよという間にPK戦である。

PK戦に入る前に円陣を組んだなでしこには、なぜか全員に笑い顔があった。
ありゃ、緊張感がないのかよ…そして3対1で日本が勝った。
奇跡が起こった!!

ゴールド・シャワーの煌めくような表彰式を見ながら、
「We are one」=「われわれはひとつ」という大震災向けの標語が思い浮かんだ。
東日本大震災という未曽有の試練を与えた神が、日本に元気の素を与えたように思った。
頑張ろうニッポン!!おめでとう、なでしこ!!そしてありがとう、なでしこ!!