2012年09月29日

iCarの脅威

人類初の電算機が産声を上げて約70年。
現在のスマートホン(高機能携帯電話=スマホ)は、
(1972年に打ち上げられた)アポロ17号の軌道計算使われたコンピュータと比べると
200万倍の能力があると試算されている。
あんなスマホの能力が200万倍って?...

人が記憶を文字で残すようにできるようになったのは、エジプトでくさび文字が誕生した
紀元前3300年頃。
ただその3000年後の古代ギリシャでは、ソクラテスが口承文化にこだわり、文字による
記憶を徹底的に嫌った。
「書き言葉は社会に深刻な危険をもたらし、あたかも知的に見え、物事の真実により近い
ように思わせる」と理由付けた。

記録の歴史が一気に進むのは、グーテンベルグ活版印刷を実用化した15世紀以降である。
以来約500年、人類の三分の一の24億人がネットでつながり、あらゆる知識を記憶を
コンピュータで保存・共有し始めるのにかかった時間はほんの20年。

現在の世界では、あらゆる情報がコンピューティングパワーに取り込まれていく。
その勢いは「データの爆発」とまで言われるようになった。
2011年のデータ量は1.8ゼタ(ゼタは1兆の10億倍)バイト。
新聞の朝刊で1兆年分、映画で言えば2100億本分と言われる。

何だか正体不明の世界だが、今後も2年で2倍のベースで増え続け、
2020年には2011年の20倍の35億ゼタバイトにまで膨れ上がると予想されている。
ではそうしたコンピュータの爆発的進捗時代の中で、
世界の産業はどうなっていくのだろうか。

現在のところ、少なくともここ5年は「アップルの時代」が続くとの見方が大勢である。
配信サービス「iTunesストア」や「iCloudサービス」が普及することで、
消費者が高機能携帯電話機「iPhone」製品の愛好家とならざるを得ない。
ソフトとハード(製品)の相乗効果により、アップル王国が最盛期を迎えるとの
予想である。
ITの寵児どころか、今や米経済の尖兵となっているアップルは、
世界経済制覇を目論んでいるに相違ない。
その大きな流れは既存の常識論をことごとく覆す。
まず第一に考えられるのが車社会である。

元々車社会は、常に米国が先頭に立ってきた。
ところが20世紀後半から、トヨタ、日産、ホンダ等の日本勢に駆逐される結果となった。
そしてあろうことか、米国の旗艦企業とも言えるゼネラル・モータース(GM)が
日本勢によって完全に打ちのめされた。
米国にとってはまさに屈辱的。そしてこの屈辱は多分、iCarによってリベンジされる。

運転手のいらない車、ガソリンの要らない車、飲酒運転が許される車。
インドでは日本円で12万円の車が走り出している。
車が変われば、道路も変わる、諸システムも変わる。
現状の日本では考えられないことばかり。
しかし日本的発想では世界は変わらない。

所詮日本は世界の大きな潮流に随いていくだけである。
そんな馬鹿な、あり得ない、という事態が現実に起ころうとしている。
グーグルとタイアップしたアップルおそるべし。
もはや何でもあり。
トヨタ、日産、ホンダが(一時の)GM化すれば、日本はどうなるのか…

時代は大きく変わろうとしている。


2012年09月22日

今更の話

東京湾アクアライン(東京湾横断道路)を初めて通った。
何を今更、と言われるかもしれない。
確かに今更の話である。

1997年12月18日に開通して15年余。
全く興味なかった。
何故かと言えば、少なくとも車で千葉県に行く用事がなかったからである。

千葉県に用事がなくなった理由はハッキリしている。
ゴルフに行かなくなったからである。
1980年代中盤から後半のバブル時、社交ゴルフが隆盛を極めた。
いわゆる接待ゴルフである。

自分の場合、朝飯食って、プレイして、昼食食って、またプレイして、
風呂に入って一杯飲って、一人最低5万円がかかる接待ゴルフを、
する方もされる方も含め最盛期で年間70回超やった。
1年は50週。要は土・日連チャンだったのである。

しかし1990年代に入ってバブルは崩壊、
そうした社交ゴルフはパッタリ鳴りを潜めた。
1日がかりで、しかもカネのかかるゴルフは完全に敬遠された、というよりできなくなった。
暴騰を続けた会員権相場も一転して暴落、日本各地のゴルフ場の経営破綻が相次ぐこと
になった。
そうなるとゴルフ銀座の千葉方面は、近くて遠い存在になっていった。

その純日本的なゴルフも、2005年頃から外資を中心に、経営破綻したゴレフ場を買い漁る
企業も現れ、社交場としてのゴルフからスポーツとしてのゴルフに様変わりを始めた。
それに伴って、日本のゴルフは、カジュアルなお気軽なスポーツとなっていった。
昔とった杵柄、やおらやってみるかとなったという次第である。

知人のMさんから誘われ、カート付き・スルー(昼食を摂らない)・安価で、
しかも現在の住まいからドア・ツー・ドアで1時間少々のゴルフ場に行った。
場所は千葉・市原。しかもアクアラインを通るのだという。
なんだ今頃アクアラインかよ…苦笑するしかなかった。

アクアラインが完成するまでは、首都高速湾岸線を経由して千葉方面に向かうしか
手だてがなかった。
渋滞に巻き込まれば、3時間はゆうに必要だった。
湾岸道路はダンプ等の大型車も多く、安全とは言い難かった。
それがアクアラインを通れば1時間少々で行けるのだという。
まるで夢のような話ではある。

川崎側の9.6㌔のアクアトンネル、木更津側の4.4㌔のアクアブリッジ、
その境の海ほたるPAの行程は爽快だった。
特にアクアブリッジから見る東京湾は迫力があった。
ここは海の上なんだと考えると、格別な気分になり、鳥肌たった。
日本人は凄いと思った。

日本経済は今どん底である。日本の政治も世界から見切られ始めている。
しかし根底の日本の技術があれば、まだまだ世界に向けて挑戦できると思った。
今は亡き浜田幸一・衆院議員(通称ハマコーさん)の私利私欲でできたアクアライン
だと思っていたが、多少は見直した。

蛇足だが、今回行ったゴルフ場はかれこれ20年前、頻繁に行っていたゴルフ場だった。
名門ゴルフ場として名高く、料金も高く、襟がどうの靴下の長さがどうのと、
いちいち煩いゴルフ場だった。
もはやそうしたことは一切言われなかったし、往時を知る者にとってプレー費のダンピング
は隔世の感がした。
間違いなく時代は変わった…

2012年09月16日

「国会議員」という身分

AKB48というアイドルグループが日本を席捲している。
ご存じ、稀代の手練れ(てだれ)秋元康が企画・構成するタレント集団である。
「個」としては全く魅力がなくても、「集団」の魅力(圧力)で圧倒しようとする。
一人ではどういうこともない女子中生や女子高生も、集団となって目の前に現れたら、
おおっ!と圧倒されるそれである。
若い女性の凄さは、「個」が欠点だらけで何らの魅力がなくても、
束になってこられたらフェロモンの塊となり、欠点が隠れ、とんでもないパワーと
なってしまうことである。

大々的なイベントとして、日本の国会を真似た“総選挙”効果も抜群である。
人気投票によるメンバーの入れ替えを行うという新たな商法である。
選挙権を得るにはCDを買うことが必須条件である。
だが「集団効果」を絶妙に使う秋元マジックにかかって、大量に購入する者も出る。
昨今のCD不況の折、AKB48のCD売上はダントツである。
かくしてこの巧妙かつ狡猾な商法は、ファンの競争心理を煽り、大して中身のない
タレントの、タレントとしての生命を長引かせることになる。
業界の裏表を知り尽くした秋元康ならではの“タレント商売”である。

日本の政界もそれに似ている。秋元康自体が今の政界を逆手に取ったものと思われるが、
近づく衆院選挙での生き残りをかける議員たちの関心は、
「誰を選挙の顔に据えれば世間受けするのか=自分が当選できるのか」の一点である。
浮ついた人気者探しで首相をころころ変えた挙句、日本は世界から軽んじられる国に
なってしまった。

今回の選挙のテーマは
「日本の立て直しのために何をするのか」
「それを実現させるためにはどういう枠組みを作るか」の二点である。
民主党は「ごく近いうち」に政権を去り、野党の逆戻りするのだから「何でも反対」に
戻った方が気が楽だし、選挙も戦い易い。
「議員という身分を確保する」ために、そんな甘えも垣間見える。

もはや破綻した「元々実現不可能なマニフェスト(政権公約)」の是非は問い質しても
致し方ない。
この2年半にわたる、不毛な逃げ口上の論議にはもう飽き飽きしている。
「財政再建はどうするのか」
「年金・医療・介護問題はどうするのか」
「日本国土をどう守るのか」等など、重要な問題が山積している。

「次の首相を輩出する可能性の高い」自民党も責任重大である。
衆院選に勝利しても、自公2党では参院の過半数に達しない。
衆参のねじれを克服できなければ「決められない政治が続いていく」。
その壁をどう乗り越えるのか。
他党との部分連合なのか、大連立なのか、はたまた憲法改正なのか。

自民党に求められるのは「気配り専門の政治屋集団であること」ではなく、
まずは「日本を引っ張っていく“絶対的な”主導者の選定」である。
選挙の時は必要以上にペコペコし、当選すればそっくり返る、
そんな(名ばかりの)国会議員の出る幕ではない。

選挙がある程度は人気投票である点は否めない。
しかし「国会議員という身分」を確保しようと、“何でもあり”を是認するスタンスでは、
本当の政治家は生まれてこない。
かくして学問を詰めまくった超優秀集団である日本の官僚に、
日本の議員たちは永遠に勝てないのである。

2012年09月08日

選挙という名のお祭り

過去に3回、国政選挙に関わったことがある。
言うまでもないが、“選挙される”(衆院選挙)方の陣営に入ったのである。
感想は?と問われれば、“選挙はカネのかかるお祭り”と思う。
ハチマキをしてお神輿(選挙カー)で走り回り、宴会(演説会)も頻繁に行われる…

以降、国政選挙であろうが、地方選挙であろうが、全くの選挙嫌いになってしまった。
そして選挙となれば、とりあえず投票権放棄は避け、投票所に足を運んで「白票」を
投じることが習慣になってしまった。
選挙が消すことのできないトラウマになったものの、
「(絶対に)棄権はしない」「最低限の意志表示はする」とのギリギリの選択である。

またぞろ日本は衆院選挙一色となっている。
解散はされてはいないものの、12月にずれこめば来年度の予算編成がきつくなること
から、11月4日(日)が大安で、この日が選挙日の本命とされている。

今から2年半前、「実現不可能なマニフェスト」を高らかに掲げて発足した民主党政権が、
完膚なきまで崩壊した。
内政が混沌とするばかりか、沸騰する領土問題に弱腰外交が目立ち、日本は火の車状態。
もう民主には任せられない…

そんな中、橋下徹大阪市長が率いる維新の会(以降維新)が日本を席捲している。
堺屋太一氏に拠れば、維新とは「リセットである」という。
新時代を迎え、確かに今の日本はリセットする時期ではある。
新しい何かが必要である。

橋下氏率いる維新は人気抜群、発信力あり、突破力も兼ね備えている。
近畿ブッロクの全てで候補者を擁立すれば、近畿ブッロク48選挙区中、
半分の24選挙区を制圧すると予想されている。
「同区の民主議員は閣僚関係者も全滅」の予想さえ出ている。
確かに選挙は勢いである。
風さえ吹けば既存の“デカイ壁”も一気に吹っ飛ばす…

では維新にないものは何か。
素人集団と揶揄された民主党より、更にまっさらな素人集団に、専門的な知識があるか否か
であろう。
つまりはズブの素人集団に「日本を任す」不安感は誰もが感じるところである。

そこに(突如として)登場したのが安倍晋三・元首相だった。
今回の選挙では民主党の大惨敗、自民党の衆院・第一党復活は誰もが確信するところである。
自民党総裁は事実上の次期総理。で、あの安倍さんが次期総理に?

安倍前首相と言えば「美しい国」を標榜して華々しく登場はしたものの、
2007年参院選で大惨敗を喫し、今に至る「ねじれ国会」の元凶を作った張本人。
「腹痛」で首相の座を投げ出し、自民党下野の最大戦犯の一人と言われる人物。

橋下維新の国政進出に向けた事実上の公約「維新八策」の最終案を読んでみた。
まさに大胆不敵である。
衆院議員定数の半減、首相公選制、消費税の地方税化等など、大向う受けしそうな項目が
並んでいる。
確か民主党の掲げたマニフェストもそうではなかったか…

橋下維新の大々的な国政進出は間違いないとは思う。
ただ全般的に流れる雰囲気が、民主大躍進時のそれに似ている。
確かに新しい風ではある。
お祭り騒ぎの混沌とする中で、行く末の不安感が増すばかりである。

個人的には、政策通(特に外交関連)で、ぶれずに理路整然と自説を主張し、清廉に見える
石破茂氏が現状の日本の首相としては最適とは思うが…
果たして日本はどうなるのか…

2012年09月01日

領土問題に関する根幹のロジック

昨今の領土問題に関する大きな転換点は2009年の政権交代だった。
民主党政権の初代首相となった鳩山由紀夫元首相は、“友愛”をベースにした
“東アジア共同体構想”をぶち上げた。
東アジア各国からは(当然のように)完膚なきまでに無視された。
そうした“夢物語”に浸っているうちに招いてしまったのが現在の惨憺たる姿である。

鳩山元首相は民主党幹事長時代、外国人参政権に賛同の意を示す中で、
「日本列島は日本人だけの所有物ではない」と発言、物議を醸した。
民主二代目・菅直人前首相は、2010年の日韓併合100周年に際して、
朝鮮統合を一方的に断罪する談話を発表した。
ここ3年の民主党政権は、外交音痴そのものだった。
結果として、今回の一連のドタバタは「外交敗北」でなく「外交放棄」の状況だった。

外交論を論じるのは簡単ではない。
だが基本中の基本は「仮想敵国をその隣国と反目させておく」ことだとされている。
例えば地続きの欧州では、盟主・英国が、仮想敵国である独や仏がいつも反目し、
どちらか一方が強大にならないよう心掛けてきた。

日本は今、北方領土、竹島、尖閣列島と、隣国と領土問題を抱えている。
ロシアにしても「ポツダム宣言受託以降の8月28日以降に千島列島強奪した」ことを
十分承知している。
だた北方領土をエサに、日本から多大な”貢物”を得ようとしていることは明白である。

韓国は「国際司法裁判所の判断に任せることする認めない」として、
(不必要に)感情をむき出にしている。
中国は(台湾の李登輝・元総統の言うように)
「美人を見たら自分の妻だと主張する国」であり、最初から話にならない。
中韓両国の言い分はいずれも近代国家の論調ではない。

だが、好むと好まざると上記の三国は、本来(隣国として)日本が仲良くしなければ
ならない国々である。
外交のロジックをベースに冷静に考えなければならないのは、
「世界には日本と、ロシア・中国・韓国と仲良くすること好まない国がある」という
ことである。
それはまぎれもなく欧米各国であり、それは欧米各国のここ百年の基本戦略なのである。

隣国の韓国について更に検証してみたい。
昨年10月のソウル、そして12月の京都での会談で、野田佳彦現首相と李明博大統領は、
中国の急激な軍拡や東シナ・南シナ海での強硬な振る舞いについて懸念を共にした。
日米が対中戦略を共有し、連携を強める中で、李大統領もそこに加わろうとした。
だがそうした日韓の対中外交の共調も長続きせず、突然「反日大統領」に豹変した。
韓国の世論がついてこなかったのである。
大統領選を半年後に控えた李大統領は“選挙対策”に走ったのである。

韓国の(国としての)戦略的な理由としては以下の2点が上げられる。
まず第一に韓国の貿易に占める貿易依存度が2割強に上昇し、対日と対米合計を
しのぐようになってきたこと。
第二に中国の軍事力が強大化し、韓国軍」は全く太刀打ちできなくなったこと。

「配慮・遠慮・謙り(へりくだり)」をベースにした日本外交の「大人の対応」は
もはや通じない。時代の変化と共に外交問題が難しくなっている。
外交音痴・民主党に政権を任したのが最大の間違いには違いない。
さりとて現在の日本は解散ムードが高まり、“外交どころではない”状態になっている。
平和ボケの日本に、進むべき道を探す様子さえ見えてこない。
今回の問題、今までのように“そのうち何とかなる”ことはあり得ない。
さてどうしたものか…

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