2012年12月30日

第二次安倍内閣に死角はないのか

12月16日、自公の連立による第二次安倍晋三内閣が発足した。
自公両党の政権復帰は2009年9月に退陣した麻生内閣以来、約3年3ヶ月振り。
安倍氏の首相就任は前回の06年9月以来2度目となる。

では安倍内閣で日本経済はどう変わっていくのか。
自民党の「政権公約」によれば、デフレ・円高対策として
「明確な『物価目標(2%)』を設定、その達成に向け、
日銀法の改正も視野に、政府・日銀の連携強化の仕組みを作り、大胆な金融緩和を行う」とする。

確かに今の日本経済は物価が継続して下がり続けるデフ状態。
結局、安倍内閣は「物価を2%上げる」と宣言して、日銀に圧力をかける図式になっている。
日銀の白川方明・現総裁の任期は来年の4月まで。
安倍新首相は白川総裁を交代させ、新総裁に金融緩和を大胆にやらせようとしている
(ように見える)。

金融緩和とは、簡単に言えば世の中にお金をジャブジャブあふれさせること。
具体的には日銀が、日本の金融機関が保有している国債を大量に買い続け、
その分だけ日銀券=紙幣を発行することになる。

ただ政府が発行した国債をそのまま日銀が買い取る方法は「日銀引き受け」となり、
財政法第五条で禁じられている。
戦前の日本が戦争の費用を賄うために、大量の国債を発行して日銀に買い取らせた
ため、悪性のインフレが起きた反省からこの条文がある。

このため現在では、
発行済の国債を金融機関から買い取る方法=買いオペレーション(買いオペ)が採られている。
しかし安倍新首相の言い方では、発行済国債を大量に買い続けることになり、
金融機関が保有している国債を全て買い取ってしまうことになる。

そこで、政府が新たに国債を大量に発行して金融機関に買い取らせ、一方で、
日銀に同額の国債を金融機関から買い上げるさせるという方法を採ろうとしている。
この状態は「(厳密に言えば)形を変えた日銀引き受けそのもの」で、
やってはいけない“禁じ手”である。

かくして日本は世界各国から信頼が失われ、円安に動くというパターンにはなる。
日本国内にお金が溢れ、円の価値が下がり、信用を失うことで更に円安が進行する。
では円安になることが日本経済に絶対的な切り札になるのか否か。

一般論としては円安になると輸出産業が恩恵を受ける。
確かにトヨタなどの自動車産業は恩恵を受けるが、日本経済の輸出依存度は13%。
一方で、世界的な食料価格の高騰があり、原発が止まることにより電力会社の
石油・石炭・天然ガスの輸入が増加しており、電気料金の値上げは必至。
エネルギー価格の上昇はあらゆる産業のコスト上昇につながり、
結局は物価が上昇する。とまぁ、絵に描いたような展開にはなる。

ただ年金・給料が果たして上がるのか。
物価だけが上がって消費は手控えられ、そして未曽有の不景気が来る…
そんなに大上段に振りかぶって本当に大丈夫なんでしょうか、安倍さん。
もろ刃の剣を抜いてしまった新政権の手腕は如何に…

2012年12月22日

自民党は真の勝者と言えるのか?

自分の住まいする地域の投票所は佃小学校。
16日の投票日夕刻には150メートルの行列ができ、行列が途切れなかった。
同日は都知事選もあり、老若男女で大混乱。
そんな経験は初めてだった。
なるほど皆さん、今回の選挙は注目しているな、熱気ムンムンだなと思った。

かくして選挙特番をほぼ徹夜で見ることと相成った。
閣僚が8人も落選するなどといった、まるで劇画のような状態が続き、
寝るに寝れない状態だった。
ところが全国の投票率は前回の69.28%を下回る59.26%。
佃小学校の状況を目のあたりにした自分には不思議だった。
このギャップは果たして何だったのだろうか。

平成24年12月16日の第46回衆院選は自民党が公明党と合わせ、
総定数の3分の2を上回る325議席を獲得、地滑り的な勝利を収めた。
民主党は解散前の308議席から5分の1以下となる57議席という、歴史的な惨敗。

今回の衆院選は「自民党が大勝した」というより、「民主党が惨敗した」選挙だったと思う。
今回の有権者の投票行動は民主党への業績評価投票だったが、
いつの間にかもっと厳しい「懲罰投票」へと変化していった。

こうした懲罰投票になった理由は大きく分けて3点。
まずは2009年の前回衆院選で掲げた(美辞麗句を連発した)マニフェスト(政権公約)を
達成できなかったことである。
こども手当を始めとする目玉政策がことごとく暗礁に乗り上げた。

そしてマニフェストに盛り込んでいなかった消費税引き上げについて、
民自公3党合意で法案を成立させたが、これに反発する小沢グループが離党するなど、
政策の遂行や党運営を巡って内紛が相次いだ。
民主は一体何やってんだ、って状態になった。

そして第三の理由はトップの統治能力の欠如だった。
鳩山由紀夫元首相の沖縄・普天間基地移設に関する迷走振り、
菅直人元首相の東日本大震災への余りに稚拙な対応振りが有権者離れを引き起こした。
確かにリーマンショックやら、東日本大震災など、100年に1回、1000年に一回の
大事件が起きたことは不幸だった。
が、それにしてもトップとしての能力が欠けていることを明白にした。

それでは政権に復帰する自民党が有権者から高い評価を得たかといえば、
決してそうではないと思う。
政党乱立の中で消去法からの選択だった。
それは比例代表の投票数に如実に表れている。
自民党が獲得した票数は1662万票(27.62%)。維新の会が獲得した票数は1226万票(20.37%)。

民主党と第三極の候補者がしのぎをけずり、自民党が漁夫の利を占めた選挙区が
多数あったのは紛れもない事実である。
結局、来年夏の参院選で、どのように多数派を形成するかが大きなカギとなってくる。
自民党が真の勝利者と言えるかどうか。
薄氷の状況が続いていく。

今回の選挙では、石破茂・自民党幹事長、小泉進次郎・自民党青年局長、
そして、みんなの党・江田憲司幹事長の存在感は絶対的だった。
たとえ安倍晋三・自民党総裁の「(得意な)投げ出し」が再度あっても、
そうした方々がいればもう日本は大丈夫、と思いたいが、さて…


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