2013年09月28日

(今更ながら)東京五輪開催決定に思う

1964年10月10日。確か土曜日だったように思う。
何故土曜日かと言えば、午前中の授業を終わり、息せききって家に帰り、
東京五輪の開会式のTV中継を見たことを強烈に覚えているからである。
東京五輪を機に、日本全国一気にカラーTV受像機が出回り、
中継も白黒でなくカラーだった。
ある種強烈な画像だった。

晴れ渡った日本の秋の空に、
(トランペットの高音が特徴的な)故古関裕而作曲の東京五輪マーチが高らかに、
誇らしげに流れ、整然とした行進が続いた。
敗戦から19年、日本は変わった!
日本はこれからも変わり続ける!と実感した。

それから半世紀を経て、日本は再び五輪開催の切符を勝ち得た。
今回の“勝因”は「日本という国への絶大な信頼感」であったことは間違いない。
治安がよく、街並みは清潔で、人は穏やかである。
衣食住を心地よくする様々な工夫があり、いざという時の結束力は強い。
(発表した)計画は着実に実行されるという安心感がある。

日本を一言で表現すれば、(今回の五輪決定の決め手となったように)
「おもてなしの心を大事にする国」である。
ほめ過ぎかもしれないが、海外に行けば日本の良さが実感できる。
「だからやっぱり日本だ!」と心から思う。
これから7年、さてどんな五輪になるのだろう、
そしてどんな時代が築かれるのだろうか。

東京都の資産では経済効果は3兆円。
間接的には更に大きな波及効果を生むと言われる。
有楽町・イトシアから銀座・中央通りを経て、新歌舞伎座に至る流れはほぼ完成、
また東京駅八重洲口の整備も2015年には完成予定で、
新装・東京のたたずまいは世界に誇れる態勢になっている。
その意味では、東京五輪は「ローリスク・ハイリターン」。

結局、問われるのは2020年の日本の経済の姿であろう。
20年は安倍政権の経済政策「アベノミクス」の「到着点」と重なる。
また20年には国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)を
均衡させることは国際公約である。
そして今年6月にまとめられた「日本再興戦略」で、
20年までに達成を目指す政策が30項目が掲げられている。

ビジネス環境ランキングで先進国15位から3位以内に、とか、
外国企業の対内直接投資残高を現在の2倍に、など、
「「難しい案件ほど目標達成時期が20年になっている」のが現実ではある。
しかし東京五輪という大目標ができた今、
「列車をダイヤと寸分もたがわず動かす」日本は、なんとかクリアしていくに
違いない(と、期待したい)。

世界中が高齢化に向かう中で、「東京五輪が以降のモデルになる」ことは必至と思う。
2020年以降、50年は五輪は巡ってこない。
3回目の日本での五輪は多分2070年…

そう考えれば、
自分の人生の中で2回も五輪開催に遭遇することに感謝しなければならない。
聖火がともるのは2020年7月24日。
暑い最中の東京五輪ではある。
皆さんと一緒に、元気で、記念すべき“暑い(熱い)日”を迎えたいと思う。


2013年09月21日

ドラマ・半沢直樹が描く「日本の銀行」

TBSの毎週日曜日午後9時からのドラマ「半沢直樹」が視聴率30%を超える
ヒット作となっている。
主役の半沢直樹を演じるのは怪優・堺雅人。
あのニヒルな目が内容にマッチしている。
またオネエ言葉で金融庁検察官を演じた歌舞伎俳優・片岡愛之助も秀逸だった。
確かに最近にないシリアスな大人のドラマではあった。(9月22日が最終回)

原作は、
直木賞作家の池井戸潤の「オレたちバブル入行組」と「オレたち花のバブル組」。
ドラマ開始後に150万部以上を上積みし、合計200万部を超える大ヒットとなった。
舞台は三菱東京UFJ銀行をイメージさせるが、全体的に関西風のしつこい味付けで、
三井住友銀行をも連想させる。

内容が余りにリアルで、銀行界ならずとも共感を呼んでいるが、
ではあのドラマの内容は本当なのか。
銀行経験者から言えば、内容は本当である。
顧客殺しの手法、金融庁検査の詳細、内部抗争の凄さ、
えげつない同志の足の引っ張り合い、減点主義の出世競争、
明確に確立された派閥等、銀行経験者でなければ書けない内容が連続する。

原作では、現在の銀行の貸出に関して以下のように言う。
「晴天に傘を差し出し、雨天に取り上げる」
「融資の要諦は回収にあり」
「カネとは裕福な者に貸し、貧乏な者には貸さないのが鉄則」。
けだし本音ではある。

かって護送船団方式で守られた銀行は、困ったらお上が助けてくれた。
だから義理人情優先モードで中小零細企業に融資し、
貸し倒れの山を築いたとしても安心していられた。
そうした銀行の本質が変わり始めたのはいつの頃からだったろうか。

それは1973年の外国為替市場誕生の時からだったと思う。
相場という概念が入ってきた時、従来の“守り”の銀行から変貌せざるを得なかった。
そして外国為替を発端とするグローバリゼーションで「銀行が倒産する」ことを
危惧せざるを得なくなった。
「銀行も営利企業である」ことを実感し始めたのである。

こうした時代背景の中で、
「基本は性善説。やられたら倍返し」の半沢直樹主義は語られていく。
作者・池井戸潤が描きたかったのは
「行員を幸せにできない銀行という組織」であり、
「真っ当な人間をも歪めてしまう銀行という組織」の様子だった。

確かに今の世の中、銀行という組織ばかりがおかしいのではない。
そして自分の職場に100パーセント満足している人間などいない。
どの組織にも理不尽さや歪みは存在する。
ただ「銀行の常識は非常識」と言われるほど、現在の銀行は追い詰められ、
ある種狂気に似た雰囲気が満ち溢れているように見える。

IT時代が進捗し、ネット銀行が大々的に進出し、従来の銀行のあるべき姿は
変わり始めている。
「財産は人」と言ってはばからなかった従来の銀行の姿は既にない。
そして半沢直樹のようなスーパースターは望むべきもない。

世の中には警察小説や時代小説等はフィクションとして愉しめても、
自分の知っている世界、すなわち企業などが舞台になった途端、
自分たちの価値観でしか読めなくなってしまう人々がいる。
そういう人々は自分の意見は100%正しいと信じて、小説の全否定に走る。

今回の作品も、絵空事としての、あくまでドラマではある。
しかし、銀行という(守り中心の、何らも造らない)営利企業に明日はあるのか
と問うドラマ・半沢直樹を、(関係者諸氏は)否定できるのであろうか。

2013年09月17日

カリブ海クルーズ秘話(2)

今回は、カリブ海クルーズ秘話というより、
何で「クルージングを選ぶのか」について述べてみます。

クルージング(cruising)とは、
英訳すれば「ゆっくりと走らせる、回遊する」ということになりますが、
転じて「ゆっくり海の上の生活を楽しむ」ということになりましょうか。

従って、海が嫌いだ、興味ない、船酔いする、といった方々には不向きです。
特に日本は海に囲まれた島国ですので、なんで海を見に海外にいかにゃならんのだ、
って方々には“時間の無駄”です。
考えてみれば、非常に無駄が多い。
しかしその“(海外での不必要な)無駄の時間”が自分には必要に思えるのです。
日本を見直し、自分を見直し、比較検討できるからです。

「カリブ海クルーズの1日」を簡単に述べてみます。

海の朝は早い。朝焼けがキレイ。ある種売り物。だによって朝食は午前6時から。
卵料理中心のバイキング形式。
パン類は種類豊富。フルーツは(見るのも嫌になる)満艦飾。ジュース類飲み放題。
米料理は中国式チャーハン+チンゲン菜(もどき)+(インド式辛い)カレー。
今回は驚くことに(味は濃いが)味噌汁が用意されてた。但し、アイスコーヒはなし。
とにかく油っぽく、カロリーの高い(そうに見える)ものばかり。

午前10時。食事から約3時間後、ジムへ。
ランニングマシンで1時間ほどのランニング。ついで機械を使った筋トレ20分。
海を見ながらランニングマシンを使ってると、自然にゾーンに入る。
従って1時間程度のランニングは楽々こなせる。

午後1時。昼食。
パスタ、ピザを中心にしたイタリアン。フルーツ満艦飾。ジュース飲み放題。
中華料理は朝食のメニューに酢豚+春巻き+ラーメン(もどき)。
インドカレーも3種に増える。リクエストすればステーキも焼いてくれる。

午後3時。またまたジムへ。たっぷり1時間半。

午後6時。ディナー。
このディナーが曲者。
ドレス・コードがあって「カジュアル」「スマートカジュアル」「フォーマル」に分かれる。
ドレス・コードは前日の“船内新聞(英語)”で知らされる。
「カジュアル」は短パン+襟付きシャツでOKだが、
「スマートカジュアル」「フォーマル」にはジャケットが必要。
特に「フォーマル」ではここはハリウッドか?、と思わせるくらい派手。
タキシードは勿論、裸に近いドレスも闊歩し、何だこりゃ~って世界が始まる。
こんな世界に長時間いられないから、1時間半くらいで(サッサッと)切り上げる。

午後9時。飲みの時間。
4F~6Fが“飲み屋”の世界で、店舗数はよりどり40店舗ほど。
なんだか新宿西口の雰囲気で、そこたら中、酔っ払いが闊歩する世界。
あんだけ食って、まだ飲めんのかよ、タフだなぁ!といったバカ騒ぎが続く…

午後12時。就寝。

今回はPCが機能しなかったので、仕事はできなかったが、
PCが機能していれば少なくとも午前中はタップリ仕事ができる。

また午前10時から午後5時までは、寄港地に上陸も可能。
今回はナッソー(バハマ)、セント・トーマス、セント・マーチンに寄港。
ただこうした寄港はおみやげツアーになることから、セント・マチーンのみに上陸。
海賊の末裔が経営する(!?)宝石店ばかりの寄港地に興味もなければカネもない…

こうした世界は、「おばちゃん族」や「新婚さん」には不向きと思う。
一見自由に見えるが、しばりがキツイ。
今回はタバコ(喫煙)を巡ってイエローカードをもらった。
船内では絶対禁煙という。ここは海の上だ。船内でなければいいんだろ!?
ってことで、デッキに灰皿を置くことで一件落着。
自由だ、自由だと言いつつ、結局は自分たちの言い分を守らせる。それが米国。

今回のクルーズで驚いたこと。
その1
トランジットしたダラス国際空港が、日本で言えば浜松町から羽田空港までの
エリアを占める巨大なものだったこと。(当然モノレールが通っています)
まるで迷路。あんなにデカクする必要があんのか???

その2
ルィビトン特注のクロコダイル製(要は”わに革”)の7個つながった旅行カバンを
持った金持ちに出会ったこと(あんなの最低3千万円はするだろ、って!!)
会話したけど何気にさりげない。金持ち喧嘩せず、ってか…
この私、まだまだ世の中を知らぬ、若輩ものでござります。

2013年09月14日

カリブ海クルーズ秘話

前もって申し上げておかねばならないのは、青柳本人は当然日本に帰っております。
前回ブログは9月2日前後に描いたものであり、諸般の事情により、
発信できなかったものをそのまま掲載しています。

諸般の事情とは、簡単に言えば「発信できない環境あった」ということです。
カリブ海上では、携帯電話、PC機器が完全にシャットアウトされ、
情報が遮断されてしまいました。
WiFiなどの手段を採ればよかったのですが、そうした準備を全くしておらず、
ダルマさん状態となりました。
ある種の恐怖を感じました。世界が見えない…
それにも増して、事情を知らない方々から「行方不明?」「病気で倒れた?」等の
心配をかけてしまった。本当に申し訳ないことを致しました。

唯一の情報手段は(つけぱなしにしておいた)CNN放送。
お陰様で、2020年の東京五輪は東京で開催されることは分かりました。
ただその他の情報、例えば為替がどうなっているのか、日本のスポーツ関連が
どうなっているのかは全く分からず仕舞。
“ええい、こうなったらこのまま行ってまえ!”といったやけっぱちな状態。
とは言え、今更ながら全ての情報が享受できる現在の環境のありがたさが身に
しみております。

それにしても何故連チャンの海外旅行なのか?
理由をお話しします。

まず第一に、自分の会社が20周年を迎えたことにあります。
ホント、アッという間の20年でした。
そして考えたのは、自分の海外に対する見方、考え方に“錆(さび)”が出ている
のではないかという危惧でした。
こりゃもう一度、シッカリ見てこなきゃなるまい…

第二に、航空運賃が往時の四分の一になっていることです。
あれよあれよのドタバタの航空運賃安売り合戦。
欧州往復が10万円を切り、また米国往復もまた10万円を切っております。
当然ながらエコノミーではありますが、日本の航空会社を選択しなければ、
十分とは言えないまでも、“狭さ”という問題からはある程度解放されます。

第三に、13時間程度の禁煙に耐えることができるようになったことです。
昨年5月、豪州旅行にトライし、なんとか“無事に”切り抜けた。
要は「酒を飲まなければタバコを吸いたくなくなる」、つまりは
「機内ではアルコールを飲まなければいのだ!」ってことを発見したからです。
3.11の大地震の後、30年以上愛煙していたハイライトが市場から消え、
マルボロのミディアム(タール度がハイライトの半分以下)にしたところ、
あの(死ぬような)強烈な飢餓感がなくなった。不思議なことです。

第四に、最低13時間超の機内滞在を強いられる海外旅行に行くのは
今のうちだと感じ始めたことです。要は“焦り”かもしれません。
ファーストかビジネスクラスを狙えば、そうした危惧も感じなくて済むのは
当然のことですが、そうした余裕などあるはずがありません。
一度の贅沢な旅行より、数多く海外を旅したい。「質より量!!」
体力のあるうちに世界を回ってきたい。そんな気持ちになりました。

第五に、これまでの飲み(いわゆるクラブ活動)に飽きたことです。
安くはない酒を、無防備に、恒常的に飲むことに飽きたのです。
あんなの1か月も我慢すれば海外旅行に行けるではないか….
そうか、海外だッ!!馬鹿な酒は慎むべし….

かくして、年内も、また来年も海外旅行を計画しております。
“盛り”がついてしまいました。
日本から離れたところから日本を眺める。
そうすれば、これまで見えなかった“何か”が見え始めるのではないか。
そんな気がしております。

浮かぶリトルシティ

突然ですか、今、アメリカにおります。
会社創立20年を期して、カリブ海に乗り出しております。

この6月、地中海クルーズを敢行し、
では「欧州と北米の違いは何か」をテーマに、また世界の海に乗り出しております。
相変わらず「海は海」であります。
実家の滑川という日本海沿いの寒村で見る海と、海賊で名高いカリブ海には
大きな違いがありません。

赤道直下のカリブ海は常夏であります。暑い。
しかし、極端な自然現象になっている日本列島よりは、
特にコンクリートジャングの東京よりは涼しい感じがします。
多分それは、不必要に濃い、南洋特有の緑の植物の影響からだと思われます。
35度を超える温度も日本と比較すれば凌ぎやすい、そんな感じがします。

今回乗り込んだのはアリュールと名付けられた22万トンの巨船。
欧州の場合は13万トン。
2倍とはいかないまでも、とにかくデカイ。化け物であります。
戦艦大和3艘分の“建物”には、6000人の客と2500人の乗務員が乗り込んで
おります。つまるところ合計8500人のリトル・シティ。
そのリトル・シティが海の上を静々と動いていく…

食事の風景を申し上げれば、そのすざまじいエネルギーが感じられると思います。
並みの小学校の体育館を三つ合わせたような大食堂に、3000人の人間が一緒に
メシを食います(6:00PMからと8:30PMからの二部制となっております)。
良く言えば、エネルギーが満ち触れてとてつもないエネルギーが感じられます。
有体にいえば、鶏小屋で鶏が時間になれば一斉にエサをむさぼるような様相。

日本語は全く通じません。完全アウェーであります。
食事は、かなり不味い。“ジス・イズ・ザ・エサ”であります。
ドブドブと無造作に注がれるワイン、生煮えの殻つきのエビが入った前菜、
野原の葉っぱ然とした野菜に濃い目のオイルをかけるサラダ、
大量生産されて、味が感じられないパン、そしてデカイだけが取り柄のステーキ。
米国西部開拓もかくや、と思われるような“情け容赦のない”食事であります。
“おもてなしの心”という、日本料理の神髄を表現した単語が頭をよぎる風景で
あります。おもてなしとは一体何ぞや???

考えてみるに、6000人の人間の(3食の)食事を賄うのは、予想以上に大変だと
思われます。とにかくエサを与えねばならない。
では何でそんなにデッカクする必要があるのだ??単純な疑問であります。

米国帝国主義は「民衆に自由を与える」ことを旨としてきたように思います。
そしてその「(一般的な)自由を与える」という大義名分のため、
特殊階級に制限を課すことを常套手段にしてきました。
「与えた(一般的な)自由を守るための(一部階級に対する厳しい)制限」で
あります。

今回気になったのは、過剰に神経質過ぎるくらいの「入国チェック」と
「嫌煙権を守ろう」とする姿勢であります。
9.11テロ以降の入国チェックの厳しさはある意味仕方がないとは思います。
世界の大国の最低限の自衛手段ではあります。しかし常軌を逸してる…

そしてタバコ。一方で(タックス・フリーの)5カートン入りパック
(20本×10箱×5パック=1000本)の大々的な割引セールを行いつつ、
海の上でも喫煙に極端な制限を課す。ご丁寧に初日に大々的な模擬訓練をしてまで….

乗客6000人の人間のうち8割が(日本語でいう)“デブ”状態のような気がします。
与えられた(油まみれの)高カロリーのエサを食い、健康のためと称して禁煙を
強いる….結果、余分の肉が体にまとわりついていく…
何かがおかしいと思いました。
そこまで言うなら、タバコを売るな、タバコ自体を禁止してまえ、と思いました。

「ランダムに自由を与えるための過剰な制限」をする米国と
「勝ち得た者にセレクトされた自由を与える」欧州と…
クルーズが始まって大した時間が経ってはいませんが、今回はどうにも居心地が悪い。
とにかくヒトが多すぎる…
北米と欧州にはそんな違いがあるように思いました。

今回のクルーズ中、暇にまかせて何回かブログを更新致します。
よろしくお願い申し上げます。

(*本稿は9月2日に執筆したものです)


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