2014年02月22日

ソチ五輪に見る「日本人的こころ」の検証

日本時間8日から始まったソチ冬季五輪が閉会式を迎える。
早いような長いような、マニアな2週間だった。

日本とロシア・ソチには5時間の時差があるため、
ライブで実況を見るためには深夜から早朝に起きていなければならない。
ダイジェスト版で結果を知ればいいじゃないかという意見もあるが、
気の抜けた生ぬるいサイダーを飲むようなもので、臨場感が全くない。
ライブは理屈抜きに面白い。
当然にして睡眠不足の日々ではあった。

冬季五輪の種目には、例えばカーリングや、スノボーのように、
ルールがイマイチわからない種目があるにはある。
ただアスリートとして目標に立ち向かう人間の姿は美しく、
安直なドラマにない“絶対感”がある。
国を代表する選手が競う五輪となれば、また格別である。

日本に最初にメダルをもたらしたのはスノーボード・男子ハーフパイプ。
中学3年の平野歩夢(15)が銀、高校三年の平岡卓(18)が銅。
「緊張しなかった」「気持ちよく、楽しめた」。
未成年のヒラヒラコンビ(!?)の同時メダル獲得には、
“日の丸を背負う”といった不必要な深刻感はなかった。
軽ろやかで伸び伸びした世界が広がっていた。

IT機器の驚異的な発達で、単純に好きなものを勝手にやるといったスタンスが優先、
国内外の垣根を感じることがないまま、他国の選手との競争にも違和感が稀薄だった。
日本代表であるという従来の深刻感・義務感も薄かった。
目が澄んでサラサラしていた。

その点可哀そうだったのは今回から種目に加わった女子スキー・ジャンプの高梨沙羅。
今年の世界選手権13戦10勝は脅威的。
従って開幕前から金メダルの本命と言われた。
金メダル取って当然と言われれば使命感も出る。焦りも出る。
17歳にはその“縛り”がきつかった。
ま、次も、次の次も、そのまた次もありますわ、沙羅ちゃん。

意外だったのは女子カーリング。
総合5位となった日本チームは予想外の善戦だった。
チームの要となったのは小笠原歩(35)と船山弓枝(35)のママさんコンビ。
中学時代から同じチームで二人三脚の競技人生を歩んできた。
共に2006年のトリノ五輪後に第一線を引いて結婚、一児の母となって現役復帰。
結婚・出産を経て現役復帰する例は日本のスポーツ界には少ないが、
今後は徐々に増えていく気配である。
そんじゃそこらの草食男子にはない“ママさんパワー”があった。
溌剌とした女性時代の息吹を感じた。

男子ジャンプは、個人戦(ラージヒル・銀)も団体戦(銅)も、
リジェンド(伝説)と揶揄された葛西紀明の独壇場。
7回も五輪に出場するのは異例中の異例。
50歳までやると言っているのは日本サッカーの帝王カズこと・三浦知良同じ。
こうなってしまえば、いうところの“五輪マニア”。
少々しつこい部分は否めないが、平均寿命が90歳と言われる現在では、
50歳現役も“奇跡”とは呼べないのかもしれない。

冬季五輪の華・フィギュアでは
1932年のレークプラシッドから数えて82年で日本男子選手が頂点を極めた。
羽生結弦の顔が小さく、手足が長く、縦に伸びた体系は、
もはや従来の日本人タイプではない。「羽生時代の到来」とみて間違いなかろう。

女子フィギュアは、審判員に対する裏カネ問題も頓着されるに及んで、
伏魔殿の様相だった。
表面的に見える部分(白塗りの厚化粧スタイル)が華麗にすぎるから尚更、
裏での薄暗い部分が気になった。
女子フィギュアは、日本のどこたらの“(異常に高価な)飲み屋街”を連想させる。
若くてきれいで、素顔で十分な美女たちに、あんな厚化粧が必要か???

日本のエース・浅田真央もフリーでその存在を誇示し、現役続行も噂されている。
確かにこのまま「悲劇の女王」で終わる存在ではない。
ただ「夢見る少女じゃいられない」世界。
失言王(!?)森・元首相の「大事な時に転ぶ」発言が大々的に問題視されているが、
(誰もが思う)ある種の本音ではあろう。
精神的な部分をどう克服するか。今後に残された大きなテーマと思う。

深夜に及ぶ酒飲みつつのTV観戦の2週間。
あれやこれやで疲れる日々ではありました。


2014年02月15日

2014年・気候異変の節分

2月3日。ご存じのように節分。
「季節の変わるとき。立春・立夏・立秋・立冬の前日」
「特に、立春の前日。この日にまめまきを行う」(角川国語辞典)。

今年の関東地方の節分は、小春日和、というより初夏の様相だった。
長年のゴルフ仲間Kさんと念入りに天気予報を調べ、
(アクアライン経由で)満を持して千葉・市原方面へと出かけた。
豆まき代わりのゴルフをやろう!!。理屈のこねまわしだった。
早朝につき、東京・佃から1時間弱で到着。
アクアラインは濃い霧の中。大丈夫か???

ところが日の出から様相一変。徐々に気温が上昇していった。
午前10時も過ぎれば(陽だまりで)20度を超えていた。温かいというり暑い。
あろうことか、真冬というのに半袖シャツ一枚でプレーする人もいた!!

最近の早朝ゴルフ、特に冬場は料金格安。
昼食付で6,500円。その昼食も何気に美味。
ツーサム(2人)だったこともあり、ハーフ1時間45分。
フルラウンドで約3時間半。
プレーを終えて(風呂抜きで)帰り着いたのが午後2時半。
(やけくその)ドカン一発が、270ヤードを超える会心のロングドライブとなった。
だから下手でもゴルフは止められない。最高の日だった…

ところが翌4日から真冬に逆戻りする。
粉雪チラチラの真冬の日々。
温度差は実に20度を超える。この温度差は頑健な身体をもおかしくさせる。

2014年の節分の週は、ソチ冬季五輪開幕。また東京都知事選挙も待ち構える。
何か異変があるのか??
 
5日、被爆二世・聴覚障害(全聾)との謳い文句で、
出身地・広島をテーマにした交響曲で「現代のベートーベン」とも言われた作曲家の
偽物疑惑が大々的に報じられる。
ソチ五輪・男子フィギュア日本代表・高橋大輔選手のショートプログラムに使用予定の
「ヴァイオリンのためのソラチネ」が疑惑の作曲家の手になるものだったことから
問題が大きくなっていったが、曲がよければ誰が作曲しようと問題ないと思うが…

そして7日深夜から首都東京に大雪が襲いかかった。
8日の土曜日は終日、横殴りの吹雪模様。
積雪は45年振りとなる27㌢を記録。吹き溜まりは30㌢を超えていた(と思う)。
9日に控えた東京都知事選は大丈夫か??

日本時間8日からソチ冬季五輪の開幕。
開幕に先立って開始されたフィギュア団体戦。
女子フィギュアのエース・浅田真央の往時の精彩がみられない。
伸び盛りロシアの15歳少女のキャンドルスピンが凄すぎる…

その後あまり期待されていない(!?)
男子種目(スノボー・ハーフパイプ&ノルディック複合)で銀二つ、銅一つの
メダル獲得となったが、金メダル確実と言われていた女子ジャンプ・ノーマルヒルの
高梨沙羅が4位になったことで、日本選手団全体のムードを冷やしてしまった。
考えてみれば17歳の女の子に“金メダルの期待を背負わせる”のはきつい。
「すみません」と謝る姿にホロッときた。謝ることはないって沙羅ちゃん!!

(今となってはどうでもいいことながら)
9日の東京都知事選は、(事前の予想通り)舛添要一元厚労相の圧勝。
投票締切(午後8時)直後に“当確”の文字が躍る。
元首相コンビはあえなく敗北。
都知事選に国政問題を持ち込むこと自体に無理があったように思う。
いずれにしても消去法からの選択ではあった。

14日(バレンタインデー)の午後からまたまた雪。東京都内で積雪が20㌢超。
ホワイト・バレンタインってか???
そぼふる雪の中を飲みに出かけたが、銀座村は閑散。
あれだけ蠅のようにたかっているタクシーの姿が全くなし。
ムラは陸の孤島と化しておりました。地下鉄を利用して早々に退散。

で、午後11時からの男子フィギュア・フリーを見始めて5時間ばかり。
羽生結弦の金メダル。や~ほんと疲れました。
ま、日本選手団も、そして日本国民も一服ですわ…

東京は雪国でもあるまいし、まるで裏日本の冬の様相である。
夏は酷暑で、冬は2週連続の大雪。
おかしな日々が続く。何か変だ….
日本は大丈夫なのだろうか…


2014年02月08日

アベノミクスの検証 その(3)成長戦略

2013年12月30日の東京株式市場は、日経平均が9日連続で上昇し、
終値は16,291円31銭と約6年2カ月振りの高値をつけた。
年末にその年の更新したのは2年連続、9日連続の上昇は4年振り。
また年間で57%の上昇率は41年振り。

また外国為替市場では、対ドルの円相場が、
1年前の86円から34年振りの下落率(18%)となる1㌦=105円を超え、
5年振りの円安水準となった。

2014年初の各紙には、
30日の東証大納会での安倍首相の破顔一笑の写真が掲載されている。
一連の快進撃は2014年も続くのか…
案の定、2014年も1カ月も過ぎると綻び始めているのはご存じの通りである。
根幹のロジックに大きな間違がないのか。

「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」は、
確かに日本経済に明るいきざしをもたらした。
だが、アベノミクスの受益者は一部大企業だけに見える。

例えば、円安で輸出の採算が回復した大企業が賃上げを始めたとされているが、
輸出数量が増えているわけではない。
従って中小企業はその恩恵にあずかっていない。
貿易赤字は、12年7月から史上最長を記録している。
輸出数量も1%減と逆に減り始めている。

「円安が進めば輸出数量が増える」という(アナログな)ロジックは今や通じない。
「通貨安となった直後は貿易収支が悪化しても、長期的に好転する」とする
「Jカーブ効果」は1980年~90年代の遺産であり、今やのぞむべくもない。
輸出は「為替レートではなく、世界経済の状況によって動く」からである。

確かに20世紀後半の日本は、自動車・弱電の輸出を中心に活況を呈した。
しかし現在の日本は、自動車各社の現地生産システムが完備し、
一方でパナソニック・ソニー・シャープなど、“黄金の日々”を過ごした日本弱電に
往時の面影はない。
「円安になればなるほど、貿易収支は悪化する」のが現在の日本の姿である。
「円安という“亡霊”」を追っかける時代ではない。

株価の上昇も“砂上の楼閣”のように思える。
2兆円超の営業益を出したトヨタという“(けた外れの)ガリバー”を看板にしている
だけのように見える。
2兆円を超える営業益は確かに注目すべき材料ではある。
だからと言って全ての企業が好転しているわけではない。

アベノミクスの掲げる成長戦略には大きく二つの考え方が混在している。
ひとつは「高度成長期時代の産業政策を志向する」もの。
特定の産業を補助金や減税などでサポートしようとするである。
そしてもうひとつは「市場育成を重点に置き、規制緩和や民営化を推進する」もの。

現状では前者の傾向が色濃く出ているが、成熟し立ち往生している日本経済に対して、
政府主導型の成長は難しい。
産業を育てるよりも、企業の潜在能力を発揮できるような環境作りが大事なのでは
ないだろうか。
とはいえ、明確な戦略は簡単には見つからない。

ここにきてアベノミクス全体に迷いが出始めている。
政治とは「自説の論理(理想論)を実験すること」ではない。
とりあえずは「出口(引き際)を探す時期」ではないだろうか…


2014年02月01日

世界に出ていくにはこれしかないんや

自分の酒の人生はサントリーと共にある。
高校2年の初体験も、大学合格祝いの正式な酒も全てサントリーのウィスキーだった。
ホワイト、レッド、角瓶、オールド(ダルマ)、リザーブ、山崎、白洲…
多少値段が変わっても全てサントリー、そして気がつけば輸入物のバランタインさえも
サントリーが輸入元。結局は「オールサントリーの酒人生」である。

創業者の「鳥井信治郎さん」からもじった「SUN+TORII=SUNTORY」の
ネーミングも何気に洒脱で、社名の由縁を聞いてから更に好きになった。
そして自分の大学在学時、田淵幸一・山本浩二の法政や、星野仙一の明治等、
群雄割拠時代の東京六大学野球リーグでたった1回優勝し、キャンパスを中心に
爆発的に盛大に開かれた優勝祝賀会で、
(缶だったか瓶だったかは忘れたが)記念会堂前に2万本のビールをポンと
寄贈してくれたことが決定的になった。
生粋の浪花商人(なにわのあきんど)サントリーの神髄を見たような気がした。
粋なことをやるわい、これからの自分の人生について回るなと実感した。

サントリーの社訓の「やってみなはれ」はつとに有名である。
ある程度決断したらリスクを踏まえてやってみればいいじゃないか…
少々やけっぱちには聞こえるが、浪花商人らしいキッパリ感がある。
元気が出る言い方である。

1月13日、
サントリー・ホールディングス(HD)は、米蒸留酒最大手のビーム社を
総額160億㌦(約1兆6500億円)で買収すると発表した。
今回の買収でサントリーHDは世界の蒸留酒メーカーで10位から3位に浮上する。

1兆円を超える大型買収もさることながら、
買収資金総額の大半の1兆4000億円を三菱東京UFJ銀行が単独で融資することも
大きな話題となっている。
単独での民間企業向け融資では過去最大。
東京電力やシャープなど銀行借り入れが多い企業でも、1行あたりの貸付金は
数千億円単位にとどまる。

銀行法では銀行が過度なリスクを取ることを防止するため、1社当たりの融資額を
銀行の自己資本の40%までと定めているが、
三菱東京UFJ銀行に当てはめると限度額は6兆円となり、上限に抵触することもない。
為替業務が世界的に有名で得意とする同行は、為替取引にも妙味あり、
今後の金融取引拡大には最高のチャンスを掴んだことにはなるが、
従来の日本の銀行にあるまじき乾坤一擲、大胆不敵な施策である。

ところでビーム社は、1795年ケンタッキー州で創業。
「ジムビーム」や「メーカーズマーク」などのバーボンウィスキーが主力。
2012年の小売ベースの売上高71億㌦。
販売数量は3800万ケース(9㍑換算)。
本社はシカゴ近郊のイリノイ州ディアフィールド。

(あくまで経験的な私見ながら)主力商品のジムビームはカジュアルな酒と思う。
海べりのリゾートなどで飲むバーボンソーダが確かに“脂っこい”肉料理に合う。
そして諸般のジャンクフードの“つまみ”を前提としている。
結局、甘ったるいコーラよりは“大人の”バーボンソーダといった意味合いである。

今回のサントリーの決断の要因には、以下の二点も大きく作用したと思う。
まず和食が世界遺産になったこと。
サントリーのウィスキー、特にハイボールは和食に合う。
冷奴や枝豆、野菜の煮つけ、煮魚、刺身など、他のバーボンの追随を許さない。
ジャンクフードを常用しながら喫煙を忌み嫌い、健康第一と騒ぎまくる米国などに、
和食そして、サントリーのハイボールは必ずや定着すると思う。

第二に、2020年に東京五輪が開催されること。
東京五輪には首都・東京に選手団・マスコミ・観客など世界中から人間が集まる。
当然ながら(改めて)日本の衣食住が世界各国に報道される。
“(日本的な)おもてなし”が最大のテーマになる東京五輪では、
特に日本食の美味さ、丁寧さは勿論、わび・さびの精神が伝えられることになる。
このあたりの“つかみ”はサントリーの得意とするところである。

かくしてサントリー効果は爆発的に派生・拡大するのではないかと思う。
サントリー・ウィスキーのハイボールは当然のこととして、
日本酒の美味しさ、和食の容器の美しさ、日本の着物の良さなど、
考えればきりがない…

表題の「世界に出ていくにはこれしかないんや」は佐治信忠社長の言葉である。
サントリーの「やってみなはれ」主義は日本の銀行をも変えた。
IT機器の更なる発展が必至な状況の中で、日本国内販売に限界を感じている
派生産業も世界的な展開が望めることになる。

「やってみなはれ!!!」
元気の出る壮大な話である。

カテゴリー

アーカイブ

最近のコメント