2017年03月25日

平成才女・女傑考

暑さ・寒さも彼岸まで。
春分の日を見計らったように東京に開花宣言が出た。
そして“春はセンバツから”とばかり高校野球が始まり、
WBCで侍ジャパンとMLBオールスターズの死闘があり、
サッカーW杯のUAEでのアウエー最終予選があり、
新横綱・稀勢の里に沸き、連日満員札止めの大相撲ありと、
もはや“豪華絢爛・花見用・幕の内弁当”の様相を呈した。

こうした溌剌とした爛漫のスポーツの世界の一方で、
都議会では豊洲市場移転問題に関する百条委員会開催、
一方国会では森友学園問題に関して証人喚問があり、世の中がザワついた。

最近の政治の世界の特徴として女性が絡む点が上げられる。
現代は男女平等、女性の機会均等という大原則があるが、
これほどまでに女性が表舞台や裏舞台で活躍or暗躍する時期があったろうか。
気が付けば平成という時代も約30年。
ここで(後世まで語られると思われる)平成の才女・女傑について考えてみたい。

表舞台で活躍が際立つのは小池百合子東京都知事だろう。
その存在を決定的にするのは、1988年、
テレビ東京「ワールド・ビジネス・サテライト=通称WBS」の
初代メインキャスターになった時からだった。
当時は経済専門番組、特に相場情報番組が極端に少なかった時代であり、
携帯電話等の通信機器も貧弱で、
金融関係者ならずともその番組を見ざるを得なかった。
最近では「年増の厚化粧」と揶揄されているが、登場した当時はスタイル抜群で、
それなりの熟女オーラーを醸し出す“新時代の容色兼備の才女”に映った。
1990年には日本女性放送者懇談会賞を受賞する。

その後は名声を駆って1992年の参院選挙に日本新党から出馬し当選。
以降は1993年兵庫2区から衆院総選挙に出馬・当選
→1994年新進党結党に参加→1997年自由党結党に参加
→2000年の保守党結党に参加→2002年自由民主党に入党。
以降は環境大臣、内閣府特命大臣、防衛大臣等を歴任する華々しい活躍で、
巷間ではしぶとい政界の不死鳥渡り鳥と称される。
そのキャリアを活かして2016年に東京都知事に当選。
最終的には日本初の女性首相に駆け上がらんとする小池百合子女史の活躍は
戦国時代の太閤・豊臣秀吉の如くの勢いである。

そうした小池百合子女史の活躍を表舞台とすれば、
裏舞台で際立っているのが
アッキーの愛称で親しまれている安倍晋三首相の昭恵夫人。

歴代の首相は概ね3つのタイプ分類される。
第一が良妻賢母型。
地元の後援会や家庭をしっかり守り、3歩下がって夫に従う。
「妻であり母である」ことを徹底する。
日本の明治・大正・昭和の日本のファーストレディの基本形。
代表例が故橋本龍太郎首相の久美子夫人。

第二は夫も顔負けの政治家型。
代表例が、故三木武夫首相の睦子夫人。
改憲に反対する「9条の会」を立ち上げるなどリベラルな政治活動展開した。
菅直人元首相の伸子夫人もこのタイプ。政治好きで演説も上手いと評判だった。

第三が平成になって出現した自由奔放型。
政治家の“妻の枠”を超え「私らしさ」を追求し、夫も妻の行動を放任する。
元タカラジェンヌの鳩山由紀夫元首相の幸夫人がさきがけ。
人目を引くパフォーマンスを連発し、何かにつけ「風変りのファーストレディ」
と報じられた。
昭恵夫人もこの型に分類される。
「家庭内野党」を宣言し、政権と真っ向反対する主張や活動を展開する。
日本全国からの名誉職招致も拒まず、居酒屋も開店したりする。

森友学園問題に関する証人喚問の翌日の3月24日の参院予算員会。
アッキード事件は始まったばかり、これからが本番と、
ここを先途の野党の猛烈・熾烈な安倍降ろし作戦。防戦一方の安倍首相。
不沈艦と見られていた安倍政権が沈むのか!?まさかな…

「国政に携わる者を送り出すためには、自分の身を捨てても無我夢中でやる」。
故岸信介首相の長女で、政界のゴッドマザーと呼ばれる安倍首相の母・洋子氏の
言葉である。
何が正しくて、何が悪いかは歴史が証明してくれることにはなろう。
ただ自由奔放型ファーストレディなど、昭和の時代には考えられなかった。

「咲くサクラ、昭和は遠くなりにけり…」

2017年03月18日

「金融業の聖域」の消滅と文系金融の終焉

センター一極集中と人口減で地域経済が縮む中、地銀の再編が相次いでいる。
と言っても最近では、近場の銀行だけでなく“飛び地”の吸収合併もあり、
また(国際金融を目指す意味を込め!?)横文字のネーミングをつけることが
多いこともあって、“どことどこが合併してどうなった”ということは
全く興味を持たなくなっている。
銀行抜き、ましてや地銀抜きの生活が普通だからである。

最近金融庁は、地銀に対し運用部門に焦点を当てた特別検査を実施している。
マイナス金利政策の導入で投資し難くなった国債に代わり、
少しでも高い利回りを求め、外債や複雑な仕組みの運用商品の投資を
増大させたからである。
そして昨今の米金利上昇で、多額の含み損を抱えたり、
損失を計上している地銀が多いのが現実だからである。

また一方で、保険商品の銀行窓販が急減も目立つ。
2016年度の販売額は前年同期比4割減で、09年以来の低水準になる見通し。
金融庁が窓販の商慣行に厳しい視線を向け始めたことも響いている。
全面解禁から今年で10年。
専門知識が欠如した銀行の窓販が“全くのお門違い”が明確になり、
窓販は曲がり角に差し掛かっている。

こうした環境の中で、監督官庁たる金融庁の言い分。
「再編はあくまで経営手段であり、再編を促しているわけではない」
「ただ再編でムダなコストを削って経営を合理化すれば、
人口減で地方経済が疲弊しても銀行が仲介機能を発揮し易い」
「再編で生じた資金や人材、情報などの経営資源を地域経済に振り向けられる」

美辞麗句の建前はともかく、金融庁の本音は以下のようになろう。
「今後、能力のない銀行は生き残れない。特に地銀の生き残りは厳しい」
「少数精鋭体制にすることが急務。更なる吸収合併を勧奨する」
「不要な人材は極力出向させ、コスト削減・体質改善を指導していく」

金融とIT(情報技術)が融合した「フィンテックの時代」を迎え、
銀行業という業態自体が大きな曲がり角に差し掛かっている。
膨大な顧客データ、本人確認などの技術のノウハウ、社会的な信用力、
優秀な人材力など、銀行が抱えていた(orあったはずの)従来の銀行の武器を、
守りでなく、攻めに使えるか。

だが現状は、銀行の主業務の一つであった決済業務さえ、
必ずしも銀行である必要がなくなり始めている。
モバイル市場が急拡大し、
電子商取引のアリババやテンセントが急拡大する時代となった。
モノやサービスと結んだ自動決済や、顧客データを使った新たなビジネスを
切り拓く能力・資本力が、今の銀行、特に地銀にあるとは思えない。

戦後生まれの団塊の世代は「文系」「理系」に大別され、
またその主たる就職先は文系は金融、理系はモノ作りと進んでいった。
当時の文系・金融に「何かを創る」との発想は皆無だった。
「変化するもの」を極力避け、
「与えられた規則を完璧に習得し、準拠するための知識を会得する」ことが
最優先された。
株式・為替相場などの基本的な相場さえも忌避された。

地銀レベルでは未だに団塊の世代、あるいはそれに近い世代の文系の人間が
トップに張り付き、なんとかなるともがいている。
どうもがいても、もうどうにもならない。
何故なら、時代が金融に理系の先端技術を求めているからである。

「文系金融の終焉」。
「老兵は消え去るのみ」。
残念ながら。

2017年03月11日

安倍1強時代。だが一寸先は闇!?

2月5日の自由民主党大会。
何ら異論がないまま、自民党総裁任期の「3選9年まで延長」が認められた。
かくして安倍晋三首相の3選への道が開かれ、
2021年9月まで、約9年の歴史的な長期政権が可能になった。

安倍内閣の支持率は12年12月の政権発足後と13年4月の76%をピークに、
15年7月には38%まで下落する。
そのまま下落すればこれまでの政権と同じだった。
だが15年後半から再び上昇し、今年の2月でも60%台を維持している。
全体でみると「U字」に近い。

ではこの「U字型」回復の要因は何か。
支持政党なしの「無党派層」で高い支持率があるからである。
「U字の底」だった15年下半期の無党派層の支持率は10%台。
これが16年8月以降は30~40%に回復し、17年1月には43%に達している。

この支持率の高さの要因は何か。
まずは「やってる感」。
何かあれば即座に官僚に検討を指示する。
成果はともかく、その素早い姿勢が国民に「やってる感」を与える。
例えば、アベノミクス、1億総活躍、働き方改革など、
“途切れないスローガン”が有権者に期待感を与え続けた。
端的に言えば「実際の成果より、期待を先行させる」手法である。

もうひとつの理由。「よりマシ感」。
民主党ができなかったことを、安倍政権がどれだけやっているか、
分かりやすく伝えた。
考えてみれば、鳩山・菅・野田と続いた民主党政権は
史上最悪のパターンではあった。
まぁましか!?と思うしかなかった。

そして安倍長期政権は、外交面でも海外諸国に安心感を与えている。
「継続は力なり」。
考えてみれば、安倍政権が特別いいわけではない。
が、他が余りにひどかったし、各々の在任期間が余りに短時間に過ぎた。

かくして安倍晋三政権は、このままめでたく東京五輪を迎えそうな気配だった。
だが大阪・森友学園に関する“アッキード”事件が勃発して以降、
ごたつき始めている。
最初は“単なる軽い笑い話”だった。
だが、早々に完全鎮火しないと大火事にもなりかねない様相である。

2月の参院予算委員会はほぼ「森友学園問題」に終始した。
300回を超えたと言われる財務省・佐川宣寿理財局長の連日の答弁、
エリート然とした端正な顔立ちの高級官僚の、余りに必死の形相が印象的。
終いには名前も顔も覚えてしまった。

今回の森友学園問題、まず発端が異常だった。
突然目の前で教育勅語の大合唱が起きればビックリもするし感動もする。
だが、冷静になって考えてみれば、
幼稚園に通う幼児に教育勅語を無理矢理暗記させ、大合唱させる教育など
誰が何を弁明しようと、異常と言うしかないだろう。

安倍昭恵夫人は日本のファーストレディ。
全国から幾多の“お呼ばれ”や名誉職招致は致し方ない。
だが地元・山口や、東京・神田で飲み屋を開業したり、
(間髪の抑え込みで揉み消された)ロックギター奏者とのスキャンダルやらと、
天真爛漫・菓子屋の社長のご令嬢だから仕様がないという理由では
看過できない場面が多くなっている。“脇が甘い”と言われても致し方ない。
(*以降、その有名ロックギター奏者THは表舞台から消えた!?)

森友学園問題は次々と欠陥が露見しており、結局は完全に抑え込まれるだろう。
だが更に大きな問題は、飛び火して、「大疑獄」事件が飛び出す気配もあることだ。
長期安定に多少の油断があったのは否めない。

政界は一寸先は闇。
ここを先途の野党の方々の熱気が凄い。
もっと凄いのが「安倍ネクスト」を虎視眈々と狙う、いわば身内の自民党内の蠢き。

政界は相変わらず魑魅魍魎、常人が近づけないホントに怖い世界である。

2017年03月04日

共産主義王朝の断末魔のあがき

先代・金正日総書記の誕生日を祝う「光明星節」を16日に控えた2月13日、
北朝鮮がまたぞろ世界を騒がす事件を起こした。
マレーシアの首都クアラルンプール国際空港での金正男暗殺事件。
よりにもよって“監視カメラ天国”の国際空港での犯行であり、
素人を雇って猛毒VXで暗殺という、安直なドラマ仕立ての殺人行為だった。

北朝鮮は世界初の共産主義王朝であり、従って血縁者は後継者になりうる。
金正男氏は王族や大富豪の子息ばかりが集まるスイスの名門「ル・ロゼ」の
寄宿舎で英才教育を受けており、長男としても後継者たりうる存在だった。
ただ権力に恋々とせず、
ひたすら世界のテーマパークを放浪する“男はつらいよ・寅さん”スタイルが、
世界のマスコミに面白おかしく、頻繁に取り上げられていた。
そして特筆すべきは、「現北朝鮮の国家システムに批判的だった」ことである。

金正恩現委員長は、金正男氏と腹違いの兄弟であり、
母親が在日朝鮮人というハンディキャップがあった。
後継者争いでは、長男の金正男氏が一番手であり、勝ち目が薄かった。
ただ長男の放浪癖が災いして、後継者の地位が転がり込んだ格好となったが、
強力なライバルを排除し、権力基盤を強固なものしようと画策したに相違ない。

だが今回の暗殺が、世界中に根堀り葉堀り報道されるような舞台での決行であり、
あまりに杜撰だった。
金正恩委員長の若さゆえのあせりか….

今回の事件が起きて、
昨年の晩夏に完読した故船戸与一氏の遺作となる大作「満洲国演義」の
ポイントを読み返してみた。
現北朝鮮に、満洲国を立ち上げた当時の日本と同様の“狂気やあせり”を
感じたからである。

同「満洲国演義」では、登場人物にゲーテの「ファウスト」から
「国家を創り上げるのは男の最高の浪漫だ」と述べさせる。
正常な国家経営の経験不足と掲げた理想と現実の乖離。
世界に伍する手段もなく、また手段を模索することもなく、
核やミサイルを最大の外交手段とする北朝鮮。
世界は「暴挙」や「暴走」と非難を浴び続けている。

北朝鮮の場合、根源の原因は明確になっている。
国境が直線で引かれている場合に紛争は起こり易い。
それは民族のありようを無視して、
統治する国の都合で直線が引かれるからである。
国境をまたいで同じ部族が存在する、二重国家になっている。
結果的に民族意識が政治的な思想に昇華され、
権力との抗争を必然的にさせるからである。

今後、北朝鮮問題解決にはどうしたらいいのか。
答えは単純明快である。
現体制を転覆させ、穏健な安全保障政策を持つ政権に移せばいい。
ではどう実現するのか。
巷間では「ロシア」が鍵を握るやに噂されている。
ドサクサまぎれのM&A(乗っ取り)が伝統的に得意のロシアの、
国際スパイ上がりのプーチンならやるだろう、との見方ではある。

金日成国家主席体制が誕生して70年が経過し、三代目の時代となり、
組織に金属疲労が目立ち、金一族の血を血で洗う争いが始まった。
北朝鮮は断末魔のあがきをしているようにしか見えない。

これまでの世界の歴史を考えれば「北朝鮮のリセットの時期は近い」。
それも「ある日突然のリセット(=崩壊)近し」と思わざるを得ない。

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