2017年06月24日

この際、どうせ見るならデッカイ夢を

6月20日、小池百合子都知事は臨時記者会見を開き、
築地市場を豊洲市場に移転した上、築地跡地は再開発する方針を明らかにした。
謳い文句は「築地は守る、豊洲を生かす」。
「一挙両得」となるのか「一兎も得ず」となるのか?
どっちつかずの、日本伝統の典型的な“折衷案”だった。

築地市場の移転問題は、6月23日公示、
7月2日投票の都議選の最大の争点とされてきた。
小池都知事が20日に示した「基本方針」は、確かに「豊洲ありき一辺倒」ではなく、
豊洲と築地をミックスするという(耳触りのいい)妙案ではある。
だが安全性を始め、今後の予算をどうするか等、問題山積で、具体性に欠ける。

ただ都議選の公示前に方向を示したことで今回の都議選では、
自民側は「決められない知事」の批判は使えなくなった。
そしてモリカケ問題、共謀罪の拡大、憲法改正等で、
土壇場になって支持率が急落した安倍政権に、微妙な影を落とし始めた。
あろうことか「首相の応援は迷惑」との声も出始めた。
もし「安倍VS小池」の構図の下で、小池支持勢力が過半数を得ることになれば、
世論は一気に「反安倍」→「安倍1強体制崩壊」ともなりかねない。

首相側では「都民ファーストは保守。議席を増やすならそれでいい」と、
戦う前から“戦意喪失”の様相。
東京五輪を控え、負けても安倍と小池は基本は味方だとする、
わざとらしい予防線を張る。
確かに小池都知事には、将来の国政復帰、首相への意欲があるのもまた周知の事実。

では築地市場跡地はどう運用していくか。
小池都知事は、2020年の東京五輪までは仮設駐車場として輸送拠点とし、
5年後をめどに再開発すると発表している。
そして「食のテーマパーク」案を出しているが、
市場としての中核機能は築地に戻さない構えである。

豊洲の事業費は総額で約5900億円。
債務は2017年度末見込みで約3600億円。
巨大な施設のため維持管理費もかさみ、
減価償却費を除いても年間20億円ほどの赤字が続く。
都は築地の貸付で、年間160億円で50年間貸し付けるとの試算をしているが、
計画通りに進むかどうか。
「4500億円(現時価)の跡地を売却しない限り永久に赤字」なのは明白である。

かくして巷間では、5年後は間違いなく諸般の事情も変わるだろうと、
築地跡地売却を前提に
「日本版ブロードウェイ」「カジノ拠点」「サッカー場」「ドーム球場」等の案が
出始めている。
どうせならデッカイ夢がある方がいい…

以降はあくまで自分の考え、というより夢物語である。
「開閉式ドーム球場=築地ドーム球場(仮称)」はどうだろう。
銀座から歩いていけるドーム球場+スポーツ関連の繁華街。
東京ドームが完成して30年、老朽化が目立ち、また神宮球場はアマチュア中心で、
世界に名だたる国際都市東京に、近代的な新球場はいかにも魅力的。
読売巨人の本社は大手町、ヤクルト本社は新橋で、新球場には異論はないはず。
建前上、巨人とヤクルトの相乗り形式だが、築地再開発プロジェクトということで、
賛成も得られようし、大企業からの大々的な資金参加も得られよう。
(ヤクルト球団買収の話が出てもおかしくない)
新球場に築地という名前をかぶせることで「築地の名」も残る。
この機会を逃せば、今世紀どころか200~300年経ってもそのチャンスはない。

新球場の杮落し(こけらおとし)は
長嶋茂雄永久名誉監督+55番ゴジラ松井秀喜・新監督の国民栄誉賞コンビ。
13連敗する球団などサヨナラだ。
新時代の野球を、そして新球場で燦燦と輝く巨人軍を観てみたい。

有楽町イトシア→銀座→築地→台場と流れる一連のルートに
築地ドーム球場が加わる。
考えただけで鳥肌が立つような話だが、やはり夢物語ですかね?...


2017年06月17日

数の力の限界

“もりかけ(森友学園&加計学園)”問題が収まらない中、
与党が「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案を
強行採決する動きで日本中が揺れている。
14日から15日にかけての徹夜国会は、
野党側が閣僚への問責決議案・不信任決議案を連発、
最後は内閣不信任決議案を出したりしたものの、所詮は時間稼ぎに過ぎず、
結局は政府与党の強力(ごうりき)に押し切られた。

百人が百人、誰が見ても明らかなのは、
金田勝年現法相が、法務大臣たる資質に欠けている点であり、
安倍政権はそれを十分承知で、法相をノーガードにした上、
きめ細かく論議することなく、無理矢理押し切ろうとするスタンスに終始した。
“裏に(国民に説明できない)国際的密約がある”と思われても致し方ない
展開だった。

一方、政官民の関係で違法性を問われる境目は
「政治家が職務に関連した権限を行使し、
見返りに民間側から金品を受け取っている場合」である。
しかし、もりかけ問題については「首相が見返りを得た」などの情報はない。
つまりは今回のもりかけ問題に根本的な違法性がないのだ。
それが野党が突っ込み切れない最大の原因だった。

一連の問題の根幹にあるのは、「安倍1強」の政治状況だった。
安倍政権の“数の力”が支配する中、
平成14年に発足した内閣人事局が、
部長・審議官級以上の約600人の人事を、
これまでの各省主導から官邸による一元管理にしてしまった。

結果的に各省庁が、
これまで以上に首相の意向を想定しながら業務に取り組むことになった。
過度で無理矢理な対応を迫られることもまた必然の流れではあった。
各政務分野に詳しい「族議員」が健在な時は、
政策決定過程で様々な議論があり、情報も出てきた。
現状では重要な過程がブラックボックス化しているのである。

安倍政権は、小泉政権を抜き戦後3位の長期政権となった。
そしてその長期政権となる過程で、
看板の政策を次々に目新しいものに切り替えてきた。
“骨太の方針”はそのショーウインドと化した。
結果、10年後、20年後の日本に何を引き継ぐか、全く見えなくなっている。
それどころか、憲法改正や、共謀罪の拡大化など、
国民が自覚しないまま、世の中全体の仕組みを変えようとしている。
巷間で「見えない化現象」と揶揄される状況に陥っている。

当然ながら現在の若者世代には絶望感が広がり、
今の生活が楽しめればいいという安直な考え方が蔓延し始めている。
一方で、これ以上の負担増を嫌う高齢者が、
高投票率で政治を動かす「シルバー民主主義」が日本を支配し、
皮肉にもそれが安倍長期政権を支えている。

野党が予想以上に弱体化する中で、
もりかけ問題も、共謀罪の論議も、憲法改正論議も、
全ては高支持率を維持する安倍政権の“数の力の論理”のライン上にある。
つまりは高い支持率を背景にした慢心は否めない。
安倍政権自体が徐々に陳腐化し始めている。

今回の一連の強行突破が国民にどう映ったのか。
言うまでもなく、失望感は明らかである。
注目の都議選が間近い。
小池都知事の「結論を出し渋る政局ファースト主義」にも飽きてはきているが、
現状の自民党が国民にどのような扱いをされるのか。
とりあえずは都議選の結果に注目したい。

数の力さえあれば何でもできるのか??
安倍長期政権に危うさが見え始めている。
というより、ある種の末期感が漂い始めた。
エンディングは予想以上に近いと思う。

2017年06月10日

たがが銀座、されど銀座。そして残酷なまでの銀座

2020年の東京五輪に向け、日本を代表する商業エリア・銀座の変革が
最終コーナーに差し掛かっている。
JR有楽町駅前のイトシアを出発点とし、
晴海通り沿いに銀座→歌舞伎座→築地→台場と流れる一連のルートは、
華麗にそして豪華絢爛な仕上がりを見せている。
もはや日本の銀座ではなく、
「世界屈指の商業エリア銀座」としての体裁を整えている。

昨年3月末に「東急プラザ銀座」、9月に「銀座プレイス」、
そして今年の4月20日に「GINZA SIX」が完成し、
銀座全体が完全に落ち着いた。
中国からの爆買いも終了、「大人の街」に回帰した。
と言っても、あくまで「リッチな女性の街」としてではあるが。

江戸から続く繁華街でも、老舗がけん引する日本橋に対し、
日本初の鉄道で横浜港と結ばれ海外からの玄関口新橋駅至近の銀座は、
戦前から新参者が新風俗を持ち込む街として発展した。

団塊の世代が銀座を意識するのは、数寄屋橋のソニービルの完成からだった。
「ソニービルで待ち合わせ」は
70年代の“(時代の最先端を行く)カッコよさ”の代名詞ともなった。

80年代にはOL層を狙い隣接する有楽町にマリオンが完成、西武百貨店が出店。
90年代になって地価がバブル期の3分の1に下がると、
経営に行き詰まった個人経営の店の跡などに海外高級ブランドが店を構えた。
ドラッグストアやファストファッションなどの低価格店も乗り込むようになる。
2000年前後からは、団塊ジュニア向けに、丸井や東急ハンズなど、
渋谷で成長してきた店やブランドが相次いで進出。
近年ではインバウンドの急増で、
外国人観光客を意識した店が目立つようになっている。

但し、来るものあれば、去るものあり。
一世を風靡した西武百貨店は7年前に撤退、ソニービルも今年3月に閉館した。
「時代の主役を引き付ける街」「廃れたとあれば即刻駆逐する街」、
それが銀座である。

余りご記憶にないだろうが、ソニービルの真向かいが東芝のビルだった。
80年代には、両巨頭ここにありと、銀座の玄関・数寄屋橋周辺に、
どっかりした存在感を見せていた。
ところが現在では、ソニーも東芝も、跡形もなくスキッと消え去った。
一旦衰えを見せれば、哀しいまでにすっぱりと消し去る街、
それがウツクシき銀座の実体である。

だがソニーは、平井一夫社長が2012年に就任して以降、
エロクトロニクス分野をはじめとして、金融やエンタテイメントと共に
バランスのよい収益体制=「リカーリング・モデル」が機能し始め、
18年3月期には20年ぶりの最高益が視野に入っている。
結果として4丁目の銀座プレイスにショールームを構える。
往年のソニー復活か!?

一方の東芝は、構造改革が行き詰まり、半導体メモリー事業の売却も難航し、
崖っぷちの状態が続いている。
古参型の経営者が居座り「国営企業たる東芝」を標榜するだけで、
打つ手なしの状態が続いている。
「光る光る東芝、回る回る東芝」。馴染んだCMソングが空しく聞こえる。

日本の美の伝統、桜の木は、
ウツクシイ花を咲かせるためには埋められた人体をも肥やしにするという。
考えてみれば銀座という虚飾の街は、結局は典型的な肉食系なのだ。

銀座に行き始めて40年。アッという間に時間が流れた。
世界の銀座は何事もなかったように意気軒昂、健在である。
たかが銀座、されど銀座。そして残酷なるかな銀座...

2017年06月03日

Sontakuに揺れる日本事情

5月29日のプロゴルファー・宮里藍の引退記者会見。
相変わらず言葉遣いが上手く、完璧だった。
大きな引退理由は「モチベーションがなくなった」だったが、
それは言い訳だろう。
選手生活15年、世界一にもランクされ、ロスにも居宅を持つ彼女は、
一生困らない資産形成が終わったと見るのが順当だろう。

そして31日は関脇・髙安の大関昇進伝達式。
「正々堂々精進します」。
兄弟子の横綱・稀勢の里に似て、表現的には少々ちぐはぐだが、
素直さやヤル気はタップリ伝わった。

何故に両人の挨拶がスッキリと心地よかったかと言えば、
最近日本で大流行りの「忖度=そんたく」が全くなかったからである。
蕎麦屋じゃあるまいし、昨今の安倍首相は、
「もり=森友学園」と「かけ=加計学園」で大わらわである。
かくして「忖度」という表現は、
今年の流行語大賞のベストテン入り確実の様相である。

「忖度」はアジア的な言葉である。
中国最古の詩集とされる「詩経」にも登場する。
つまり中国文化圏では3000年前から「忖度」が行われていたことになる。
最近の中国では国民全員が習近平の意向を忖度するのも、
つまりは中国古来の伝統である。

では日本ではどうか。
日本は基本的に単一民族であり、ムラ社会は同一の価値観で動く。
従って、あえて言葉にせずともお互いに察することが求められた。
言ってみれば「忖度」は日本の美徳であったのかもしれない。

日本文学も忖度で成り立っている。
和歌のように短い文章に豊かな意味を持たせるためには
受け取り手の想像力も必要となる。
俳句はもっと短い。
かくして受け取り手は詠んだ人の気持ちを忖度しなければならないことになる。

忖度を英訳すればどうなるか。
「read between the lines=行間を読む」
「conjecture=推測する」
「surmise=推量する」あたりだろうが、
「空気を読む」という感覚が説明できず、いまひとつしっくりこない。
結局はそのまま「sontaku」に落ち着いたようである。

森友学園問題が表面化した段階で、一部週刊誌は「加計学園問題」を取り上げ、
一連の忖度問題は、長期政権を目指す安倍内閣を倒す
大事件に発展する可能性を伝えていた。
特に加計学園問題に絡む「前川(=前川喜平・前文科省事務次官)の乱」は、
前高級官僚が政府に反旗を翻す構図になっており、簡単に収まりそうにない。

事務方の頂点・事務次官に上り詰めるためには
艱難辛苦のたゆまない努力と運が必要と思われる。
それが就任して半年もたたないうちに天下り問題で引責辞任させられたことも
ラグビー選手上がりの同氏の本気度・熱気度を高めているようだ。

「あったものをなかったとするわけにいかない」
「赤信号を青信号とは言えない」
とする同氏の論理は、至極正当である。
正当であるがゆえに、話をややこしくしている。
長いものにまかれるか、腹切り覚悟の刺し違え合戦の継続か。

一般人にとっては別世界の話であり、
ドラマ仕立ての展開は、連日の報道を聞いているだけで疲れる。
(後日、本当にTVドラマ等になるかもしれない)
「騎兵隊、前へ(=前川氏のブログのタイトル)」ってか…
いい加減どこかで手打ちすりゃいいじゃないか…
.
ある種の凄烈な狂気が漂う天下の霞が関村。
そこはやはり、天井人の住む世界なのだろう...

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