2017年07月29日

いつまで続く、加計・水掛け論議

さてここで質問です。
摂氏38度湿度30%と、摂氏30度湿度80%では、さてどちらが暑いか?
体質にも因ろうが、後者が余程耐え難い。
7月24~25日は、そんな異常に蒸し暑い日だった。

両日の、学校法人「加計学園」による国家戦略特区を使った獣医学部新設を
巡る衆参予算委員会の閉会中審査は、
「言った」「言わない」「記憶にない」「記録がない」
の水掛け論に終始した。
この一連の論議は、“歴史に残る”ような空しい凡戦だった。

国営放送NHKは両日、独占LIVE中継を行った。
「何も出ない 」のは解ってはいても、
とりあえずは観とく(聴いとく)かのスタンスだったが、
予想通り途中から疲れる内容に終始した。
両日合計10時間にわたって、手を変え品を変え、同じことの繰り返し。

この時期は夏の高校野球の代表決勝戦の時期でもある。
24日は千葉県代表を決める、木更津総合高校VS習志野高校の決勝戦だった。
木更津総合は最近実力を増した新進気鋭の高校で、
習志野は夏の全国大会で過去2回の優勝経験のある伝統校。

このような対決はよくある話で、木更津総合の辛勝となったが、
なぜ特に注目していたかと言えば、
習志野のブラスバンドが全国トップクラスの超優秀チームだからである。
210人の大編成から繰り出される演奏は、球場を揺るがすド迫力。
これを聴きたいがために球場に足を運ぶファンも多数。

千葉の地元局もNHK・Eテレも中継していたが、
習志野の演奏は今年も“これぞ日本のナツッ!!”の醍醐味を
十分味あわせてくれた。
高校レベルを超える演奏技術と共に、
若い力が迸る渾身のエネルギー発散の演奏は、一度聴いたら病み付きになる。

国会中継のよどんだ空気に疲れると、“裏の”高校野球中継に切り替える。
そんな作業を繰り返しながら、思った。
“偉い大人たちは一体何を繰り返しているのだ!?”。

国家戦略特区とは、
岩盤の規制の緩和という名目で、食物・農業・医療・教育などの市民生活を
守るために作り上げたルールを外し、全国に広げていこうとする趣旨である。

最終決定をする諮問会議の議長は首相なのだから、
多少なりとも首相の意向が働いて何ら不思議はない。
加計孝太郎理事長が首相の親友であり、多少の優遇をするのは致し方なく、
その脇の甘さは問われても致し方ない。
だが収賄でもない限り大きな問題にはならない。
しかしメディアは、ここを先途と必要以上大きく取り上げ、
安倍1強体制を血祭りにしている。

現状の世界は、北朝鮮の核ミサイルが我が国に照準を合わせる中、
裏から北朝鮮を支えようとする中国、
背に腹は代えられぬとその中国に近寄るEU、
実利だけに生きるトランプ政権の中国寄りのスタンスで、
結局は北朝鮮を核保有国として国際社会に入れようとしている。
また中国の南シナ海と東シナ海の狼藉も見て見ぬ振り。

かくして日本が世界の孤児となる危機が迫っている。
もりかけだ、豊洲だ、防衛大臣不在だと右往左往している時なのか。
野党も雲集霧散、全く頼りにならない。
迷える大人たち、一度習志野高校の怒涛の演奏を聴いてみたらどうだろう。
ガツンと目が覚めますよ。

今年の夏の甲子園でもう一度、彼らの怒涛の演奏を聴きたかったな…


2017年07月22日

“悲劇のヒーロー”はヒーローか

日本の夏の風物詩、甲子園球場での夏の全国高校野球。
今年が99回目の恒例「熱闘甲子園」も間近になってきた。
関東地方は19日に梅雨明け宣言。
だが異常気象が続きそうな気配が漂う中で、
甲子園という晴れ舞台に出る前の熾烈な予選が真っ盛りである。

東京都内では都内の予選ばかりでなく、
近県の神奈川・埼玉・千葉等の予選がライブで観ることができる。
4回戦あたりまではコールド・ゲームも多数。
鍛錬の違いは最初から明白。敗けるべきチームはどうあがいても敗ける。
そうした素朴で単純な試合もまた観てて楽しい。
とは言え現実は、7戦or8戦全勝しないと甲子園行きキップは勝ち取れない。
今も昔も、“明日のない”熾烈な世界ではある。

今年の西東京大会の選手宣誓は、
“怪童”の名をほしいままにしてきた早実・清宮幸太郎クン。
鳴り物入りの怪童も、もはや18歳。プロか、(ワセダ)大学進学か。
100本超の本塁打量産は確かに秀逸。だが素質は認めるにしても、
プロとしては、余りに幼く、隙だらけで実力不足の感。

で、そのセリフ。
「私たちは野球を愛しています」
「野球の神様に愛されるよう、全力で戦うことを誓います」。
6月22日に急逝した小林麻央さん(享年34)の最後の言葉に倣った
“らしからぬor大人びた”(いわゆるパクリ)表現。
記者会見では、「今まで以上に暴れて、早実の大会にしたい」と宣言。
だが西東京には日大三高という強敵もいて、予選突破も簡単ではない。
スター気取りもほどほどにしないと、
野球の神様に愛されて「清宮ファースト」とならないよ、幸太郎クン!?

いずれにしても、日本全国で将来有望な球児が競う夏の高校野球は、
予選から続く甲子園の本大会を通してプロ球団にとっては“宝の山”。
また球児にとっても、晴れ舞台・甲子園でのパフォーマンスが
プロへの門戸であるのも十分承知している。

今や“日本の宝”と言われるようになった
花巻東高校出身・現日ハムの大谷翔平投手も、
類稀な素質を持つ高校球児ではあった。
そして二刀流を頑固に主張し、打者としても、投手としても、
日本ばかりでなく世界でも超一流になると宣言をして、
ここまできた。
だが、野球の神様はそうした“(二兎を追う贅沢で傲慢な)夢”を
かなえるかどうか。

打者と投手では使う筋肉が根本的に違う。
トレーニング方法も全く異なる。
確かに高校生のような未完で柔軟な肉体なら多少は融通が効こう。
だが肉体は徐々に衰える。
男の肉体は25歳がピークと言われる。
どちらかに決める時期である。
なんでこんな簡単な理屈、周囲の人間が判断し、
方向を決めてやらないのだろう。

かくして、一時は時価10年・200億超と言われた至宝が壊れ始めてる。
メジャーどころか、日本のプロでも通用しなくなる。
「あの人は今」等のTV番組に出る大谷なんか見たくない。

壊れ始めていると言えば、19年振りの日本人横綱・稀勢の里もまた同じ。
左肩あたりの筋肉にくっきりと断裂面が見える。
間違いなく、筋が切れている。
横綱の使命というなら、できるだけ長い間綱を締めるのが筋。
「休むも仕事」そして「休む勇気を持つのが横綱」。
根本から丁寧に修理しないと使い物にならなくなる。

人間に超人はいない。
人の肉体に限界あり。
太く短くの玉砕は止めとこうや。
悲劇のヒーローなんてヒーローじゃない。

2017年07月15日

両者痛み分け!? -閉会中審査開催の中で-

7月10日、学校法人「加計学園」の、
愛媛県今治市への獣医学部新設などを巡る閉会中審査が、衆参両院で開かれた。
まことに失礼ながら、
官邸と中央官庁のガチンコ勝負というドラマ仕立てなので、
NHKのライブ中継を興味深く聞かして(観さして)もらった。

前川喜平前文科省事務次官は「官邸は動いた」、
官邸は「指示はあり得ぬ」と、両者全く譲らず、平行線のまま。
安倍首相がG20出席等の欧州歴訪中で、一方の主役不在のまま、
いつ尽きるとも分からない(不毛な)論戦が続いた。

だが最終的には、参院で参考人として出席した加戸守行前愛媛県知事の、
獣医学部の新設は地元の悲願だったとの説明が最も真に迫っていた。
同氏は旧文部省出身。
「岩盤規制で我慢させられてきた。歪められた行政が正されたというのが正しい」。
官僚は他省庁の領域に入ると何もできず、
これまでの岩盤と言われる規制を切り崩したのは官邸主導の強力(ごうりき)
だったのは間違いない。

官邸への権力集中は規制改革などプラスの面もあるが、
一方で、丁寧で綿密なバランスが求められる。
安倍1強&お友達内閣に、緩みがあったのは否めない。
誰がみても加計孝太郎理事長とは“なぁなぁのお友達感覚”あり、
「最初に加計ありき」のプロセスがあったのもまた否めない。

一方、(この際なので)前川さんを巡る環境を考えてみたい。
日本は「官僚自治王国」と言われてきた。
日本の内政は突き詰めれば“予算獲得競争”である。
どんな政治家も自分の関係者に予算を回したい。
霞が関の官僚は、こうした外部圧力から自らを防御すべく、
長年かけて考えた仕掛けが3つある、と言われてきた。

第1は大蔵省は無敵のスーパー官庁で、盾つくとまずいという幻想の構築。
外局には国税庁があり、その税務調査権を政治家は恐れるという幻想である。
第2は族議員の養成。
専門知識を持つ議員の「毒」で、他の議員の「毒」を消す。
第3は優秀な人材の継続的リクルート。
これは退職後の天下りと民間平均以上の生涯給与を保証する。

この長年の暗黙の社会契約が、
2014年の内閣人事局設置によって事実上完全に反故にされた。
前川さんの尋常でない怒りや執念は、
文科省という官僚自治王国が旧時代的な存続を許されず、
新しいスキームに呑み込まれ、
自分の代で崩壊しつつあることに我慢ならなかった。
それが官僚の頂点を極めたプライド高き生涯の悔恨にもなった。

自分の2歳上に、
同じ中学・高校→東大法学部→厚生事務次官に上り詰めた方がいる。
中学時代の陸上部(同氏は走り高跳び&短距離)主将で、指導も受けた。
何とはなしに前川さんと体格や面影(眼鏡も同じ)が似ている。
中央官庁の事務次官に上り詰めるのは並大抵ではない。
重要参考人として、国会・予算委員会等で姿をお見受けしたあの方は今、
何をしておられるかな?
TV中継中、ぼんやりそんなことも考えていた。

ここに至っての平行線の論争は今後、野党がどんなに騒ぎ立てようが、
関係者全てが満足に足る的確な解は出ないだろう。
最終的には喧嘩両成敗=痛み分け(安倍退陣&前川天下りせず)あたりが
落としどころか。
かくして慢心・安倍さんの政治命脈も尽き始めた。東京五輪まで持つか否か。

“だって(お互い)人間だもの…”(油断・慢心VS悔恨・怨念)致し方ないか…
面白うて やがて哀しき 鵜飼かな(芭蕉)
今回の国会中継、それぞれの人間模様を映し出し、最後には空しくなった。


2017年07月08日

風は強烈に吹いた。だが…

7月2日(日)東京都議選の投票日。
正直言えば、都議選に投票に行ったのは初めてだった。
少々傲慢な言い方をすれば、
大東京に蔓延る地元の(顔役&利権型)オッサンが中心の都議会選挙など、
全く興味が持てなかった。
候補者の主義・主張を聞く意志もなく、ただ漠然と投票に行くのも、
かえって無礼かなと思ったりしていた。

今回の都議選、投票に行くには行った。
が、候補者の名前すら知らず、最初から都民ファーストの候補に入れとくか、
といった、誠に無責任なやり方だった。
安倍VS小池の対決が色濃い中で、
街頭演説や立ち合い演説を聞く意志も機会もなく、
投票所で名前を確認するといった誠にイージーなスタンス。
自分のエリア・中央区の当選者(女性)は、旦那が西郷隆盛の直系であるなど、
当選してから知るという、まるで喜劇か落語の世界。

で当日は、
毎週楽しみにしていたNHK大河が今年は大不作で全く観る意志なく、
ナイター等のスポーツ関連番組もなく、しゃ~ないので、
フジ系列が他局に先駆けて6時あたりから始めた「都議選特番」を見るともなく、
流しておいた。
将棋天才少年の30連勝をかけた一番との二元放送だった。
何もかにもがとりあえず、って感じだった。

8時の投票締め切りと同時に、都民ファースト圧勝、自民惨敗が明確になった。
都民ファーストの候補一覧に当確の緑の花印が連発で並んでいったが、
方や自民は1時間経っても「ゼロ」のまま。
まさに見事な、まるで劇画のような流れだった。

個別に注目していたのは、
①都自民党のドンの千代田区の傀儡候補
②小池都知事の初登庁の日、握手を拒み、写真撮影を拒んだ都議会議長
③「ブラックボックスはお前(小池都知事)だ!」とのたまった都自民党幹事長
の動向だった。
三者とも、ものの見事に落選。

特番で特に強烈でインパクトがあったのは、
7月1日の選挙運動最終日、聖地・秋葉原での安倍首相の応援演説のシーン。
あろうことか「帰れコール」「辞めろコール」の大合唱となった。
そのシーンが映し出される度に鳥肌が立った。
本ブログでも再三「安倍1強体制」に対する危惧を論述してきたが、
「壊れる」「風が吹く」とはいかに強烈なのかが肌身にしみた。

敗因は巷間では、中谷元防衛相発案と言われる「THIS+A」。
これは並び替えで「SHIT(=シット=くそったれ!)+A」になる。
固有名詞を説明するまでもないが、
T=豊田真由子、H=羽生田光一、I=稲田朋美、S=下村博文、A=安倍晋三。
H、S、Aはともかくとして、(Sは菅義偉・官房長官との考え方もある)
豊田真由子衆院議員の大絶叫・暴行騒ぎの異常性に打つ手なし。
稲田朋美防衛大臣は、失言連発&資質に難ありで「任にあらず」。
 
確かに烈風が吹き、小池百合子都知事は「首都決戦」を制した。
だが、これからが大変だろう。
今回の都知事選でも、安倍首相が大勝した「政権再交代選挙」で
初当選を果たした通称・安倍チルドレン、別名「自民党・魔の2回生」が
自民党をガタガタにした。
一方の旗頭に上り詰めた小池さん、
タレント崩れやら、歌手やら、秘書上がりのアモーレの実弟やら、
問題を抱えた・ど素人集団を今後、どのように監督・教育されるのか。

世には「盛者必衰の理」あり。
政界は変わらず「一寸先は闇」である。

2017年07月01日

AIが駆逐する「規格&規格外」という概念

自分の学生時代、同じ大学に5万人の学生が在籍していた。
JR高田の馬場(通称:馬場)の街を闊歩するのはほぼ学生だった。
当時は学生運動の最盛期だったから、
ロックアウト(学生のキャンパス締め出し)も日常茶飯。
馬場は“学生とは名ばかり”のアウトロー(=暇人)でひしめいていた。
ありきたりのパチンコ・麻雀ばかりでなく、囲碁、将棋も盛んだった。

自分の“麻雀の師匠”に出会ったのは、
キャンパス至近では唯一のパチンコ屋だった。
当時のパチンコは、手動式&(椅子なし)立ち型&チューリップ型で、
喫煙あり(灰皿付き)の、もうもうとたばこの煙が立ち込める“霞が関”状態が
当たり前だった。

その日の師匠は、ドル箱(大入り箱)4台を重ね、黙々と打ち込んでいた。
球を入れる指技はまさに名人芸。余りに鮮やか。
で、側でチラチラ観ていると突然、「代わるよ、オレは2階でメシ」。
パチンコ屋の2階は、天丼が上手いが学生街にしては高価だと評判の蕎麦屋だった。

30分ばかりでタバコ20箱分=2カートンの戦果。
ちょい飲りのほろ酔いで、爪楊枝を口にしながら蕎麦屋から帰った師匠は、
これも持ってけよと、大きな袋からインスタントラメーンを10個ばかり
取り出し 、“お土産”にくれた。“オレは商学部のS。住まいは吉祥寺”。

ってことで、それから以降、キャンパスに徒歩5分の自分の下宿が、
通学に不便(片道1時間半)なSの別宅となっていった。
と同時にSは、ダバコやインスタントラーメンや缶詰、
飲み物類の(パチンコ屋経由の)食糧調達係となった。

そのSは、パチンコばかりでなく、麻雀や囲碁や将棋で、
相応の実力者と、初対面にして高額金を賭してやるセミプロだった。
ワセダ伝統の在野精神とは、つまりは「規格にはまり切るな」「規格外であれ」
という意味に捉えることもできる。
ヘンなヤツが集うワセダでも、Sは「超規格外のヘンなヤツ」だった。

だがそのヘンなヤツは、暇があると「定石集」を読み漁っていた。
「将棋や囲碁には定石がある」
「コイツを頭にシッカリ叩き込まないと、10~20手先が読めない」。

最近では頻繁に「規格外」という表現が使われる。
だが「規格外」という表現そのものが陳腐化し始めている。
AI(人工知能)の登場で、
人間が想定した「規格」をことごとく木端微塵にし始めているからである。
つまりは、人間の想定した「規格」さえマスターしないまま、
異例な事象を「規格外」と一括りし、放置しておける時代ではなくなった。

プロ将棋で14歳の少年の29連勝、卓球・13歳の少年の世界ランク入り、
同じく卓球17歳の少女たち(ダブルス)の金メダル獲得、
陸上男子短距離での18歳の若者の日本選手権100・200米制覇、
プロゴルフ松山英樹の世界制覇に近い成績は、
従来の考え方では「規格外」。
ただ明確なのは、もはや「日本の規格外」は世界に通用しないということだ。

AIが世界制覇を目論む時代。
全ての分野で「世界標準」がテーマになり、
「世界標準」がクリアすべき第一歩となった。

昨今、日本の10代の少年少女たちの活躍が目立ち、
規格内の大人たちは大騒ぎしている。
一方で、彼らのごくごく自然の冷静さが目立つ。
彼らは、とりあえず「世界標準がどこにあるのか」を掴んだ。
それだけのことなのである。

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