2017年08月26日

野球が廃る!? -来年100回を迎える夏の高校野球-

日本の夏の風物詩、高校野球の熱闘甲子園。今年は99回目。
今年は、目玉の清宮幸太郎の早実が西東京決勝で敗退、
折からの不安定な天候もあって、注目度が低かった(!?)と思う。

自分の場合、ゴルフ・松山英樹が、日本時間4日から14日の約2週間、
ブリジストン招待→全米プロで熾烈な優勝争いをしたから、
早朝からのTV観戦で疲れ果て、高校野球を見る気力も体力もなかった。

しかし、さすがに準決勝あたりから注目せざるを得なくなった。
平成の怪物と言われた横浜高・松坂大輔投手を育てた渡辺元智前監督をして
「こりゃ(打者として)怪物だわ!」と言わしめた(BS朝日実況解説)、
広島・広陵高校の中村奨成捕手の活躍があったからである。
28打数19安打・打率6割7分9厘、6本塁打(新)、6二塁打(新)、17打点、
43塁打(新)等など、 劇画でもこうはいくまいと思われる記録づくめの大爆発。

PL学園・清原和博がそれまでの記録5本塁打を放った67回大会(85年)では、
実況アナに「甲子園は清原のためにあるのか~!!」と絶叫せしめたが、
今年の夏の甲子園は、「広陵・中村奨成のためのもの」になった。
100回目直前の大会の記録に残る活躍は、後世に残る伝説となるに違いない。

今年の観客は10年連続で80万人を突破。
しかし熱狂甲子園はこのまま続いていくのか。
日本高野連に拠ると、
「やまびこ打線」の徳島・池田高校や、桑田・清原のKKコンビの大阪PL学園の
活躍に沸いた1980年代は80万人で推移し、
90年には過去最高の92万9千人を記録する。

だが、サッカーJリーグが開幕した93年以降は徐々に減少、
96年には64万5千人まで減少する。
再び人気が上昇するのは2000年以降。
早実・斉藤祐樹と駒大苫小牧・田中将大両投手の決勝での投げ合い(06年)
などがあり、08年から今年まで10年連続で80万人を超えた。
統計が残る58年以降、初めてのことである。

だが一方で厳しい現実も待ち受ける。
日本の6歳から14歳の人口が2011年から2016年の間に6%減少。
同じ年齢層の競技人口は全日本野球協会の推計に拠ると、
約63万8千人から約49万2000人と激減している。

原因はスポーツが多様化したことによる、野球をする機会の減少。
そして野球をできるスペースの減少である。
確かに狭いスペースで楽しめるスポーツは数えたらキリがない。
グローブやバットなどの用具の改良と共に値段の高騰もあり、
野球じゃなきゃダメだと言う論理は成り立たない。

今回の全国大会で初優勝した埼玉・花咲徳栄高校は、
同じレベルの投手二人を仕上げることから始まり、
同等の力量を持つハイレベルの20人の集団を創り上げていた。
結果、1番であろうが、9番であろうがどこからもチャンスを作れるのだ。
私学だからできる、高校3年間=実質900日、ひたすら野球だけに打ち込む世界。
それが昨今の高校野球の実態である。
と言えば、反対論もあろう。
だが、学生野球の祖・故飛田穂洲の掲げた文武両道の球道精神は、
既に建前の理想論になっている。

最近、松山英樹を使った一面広告(なぜか、あのガリバー・野村証券)のキャッチ
「目指すのは、今まで以上の未来」が鮮烈で心に響いている。
果たして野球に未来があるのか?
自分が小学生の頃の実家方面では、各町内で野球チームが編成され、
夏には20チーム超が覇を競った。9人どころか、補欠も2~3人はいた。
最近では、蝉の声は聞こえても、子供の声は聞こえない。

来年は100回を記念して深紅の大優勝旗が新調される。
要は高校野球も新しい時代に入るということである。
9人が集まらないと始まらないゲーム、野球。
確かに団塊の世代がいてこれまでの野球が成り立っていたのかもしれない。

野球が廃る!?
あり得ない!!と言いたいが、反論し切れない。
時代の流れを受け止めざるを得ない、残念ながら。

2017年08月19日

最終局面を迎えたアベノミクス

トランプ米大統領の北朝鮮への
“この小僧がっ!!”型の「口撃」が断続的に続いている。
米国が本当に軍事作戦にカジを切るのか。
北朝鮮の軍事能力の増強が確実になる中で、
トランプVS北朝鮮のTV画面上での激しい応酬が、
世界の市場を揺さぶっている。

今回の事態と唯一比較できる事象は“キューバ危機”だろう。
1962年10月、旧ソ連によるキューバでの核ミサイル基地の建設を
きっかけに米ソは核戦争手前までいった。
今回の事象も、背後にロシア&中国がいるのも間違いなく、
結局は同じ構図だ。

そうした中でNYダウが22000㌦近辺の高値に張り付いている。
AI中心の世の中に移行する中で株式市場は、
米IT・ハイテク業界の好調が続き、
「人手不足が2050年まで続き、省力化やITへの投資を促す」との
(安直な)期待感に浸っている。

当然ながら、ITバブル崩壊のリスクは健在である。
来るべきAI全盛時代に勝ち残るのは、
従業員1人あたりの企業価値や収益が大きいなど、
賃金上昇の圧力に屈しない体質を持つ企業に限られる。
従って「何でもかでも、買っておけばいい」という論理にはならない。

市場では「ビッグ・ショート」という単語が使われ始めた。
米ベストセラーの「ザ・ビッグ・ショート(邦題:世紀の空売り)」
から採られた言い回しだが、
「市場の平穏がいつまでも続くはずがない」
との懐疑心が潜んでいるのもまた事実である。

コンピュター化が強烈に進捗した結果、
世界の金融がAI任せへとカジを切って久しい。
結果的にAIは、従来の現場担当者=人間を金融機関から徐々に駆逐し、
市場の「マーケット・メーキング機能」が顕著に低下した。
現在のAI中心の(人間の介在しない)金融市場は、
行くときは情け容赦なく、(地獄の果てまで)トコトン行く。

8月3日、改造内閣を発足させた安倍晋三首相は
「4年間のアベノミクスで雇用は200万人近く増え、
正社員の有効求人倍率は1倍を超えた」
「しかしまだまだすべきことがある」
とアベノミクス加速を訴えた。

だが、繰り出した政策と成果の関係は判然としていない。
3本の矢、新3本の矢、1億総活躍、働き方改革、そして人づくり革命。
どの政策がいつ、何に、どう効いたのか。
政治の世界では、過去も現在もそして未来も
「結果良ければれば全てよし」との安直な論理が先行する。
現在置かれた大きな問題は、AIの起こすであろう未曽有の大混乱に、
「如何に冷静沈着に、的確に対応するか」である。
一国の大将は、平穏な時には、いるのかいないのか、
大石内蔵助型昼行燈(ひるあんどん)でも構わないのだ。

戦後の日本で宰相の供給源は、
吉田茂、岸信介、池田勇人、佐藤栄作などの官僚機構だった。
やがて自民党が力をつけ、田中角栄や竹下登などの派閥の領袖が
内閣を率いるようになった。
近年は安倍晋三、福田康夫、麻生太郎など「世襲宰相」でしのいでいる。

トランプVS北朝鮮の対立が発端となり、
理想論・机上の空論が機能しない大混乱が起きる可能性は高い。
大異変が起きた時、何が、そして誰が必要なのかが分かる気がする。

2017年08月15日

50年という長い(短い!?)時間

今年のお盆ももう終盤。
日本の玄関東京駅は、一体どこからこんだけの人が集まるの??ってな混雑。
北朝鮮問題が深刻化してるものの、いつもの日本の平和な風景であります。

今年のお盆は、祖父の50回忌、祖母の27回忌に共同法事を執り行いました。
といっても、プロデュースはイベント慣れしている(!?)弟に任せっきり。
「お客さんじゃないんだから、それなりにやってくれよ」とのお小言。
下手に手を出すとイラつくだろ、お前は!?ってな、いつもの調子でありました。

とは言え、TV局のお偉いさんだった弟は、さすがに手慣れたもので、
50年超前の七五三の写真のリメーク版が出てくるやら、
母親の俳句集もどきが出てくるやら、まずは完璧でありました。
またなんかの拍子で、小学校時代に習字を一緒に習いに行ってた“年上の女性(ひと)”
に再会したりして、これもまた法事の引き合わせってやつでしょうかね。

帰郷の際、北陸新幹線を富山駅で降り、
あいの風とやま鉄道に乗り替えなければなりません。
「あいの風とやま鉄道」???なんか奇妙な不思議なネーミング。
その実、JRから地方の自主運営に代わっただけで、昔の通学列車。
通学列車に乗り込むと、どうしても昔の高校時代の想いになる。
時間など経ってないのじゃないか、オレってまだ高校生のままじゃないか、
といった不思議な感覚になる。

ただ現役の高校生の姿を見、話を漏れ聞くうち、ハッと現実に戻る。
そうかもう50年経ったんだよ、ごじゅうねん….
50年=18250日。これは長いのか短いのか。
過ぎればアッという間に感じます。

法事も無事終了し、帰京するその日の早朝(深夜?)から
フジ系列で全米プロ中継のTV観戦。

松山英樹VSジャスティン・トーマスの稀に見る死闘。
自分でやってる感覚になり、パットが入ると“ヨシッツ”とガッツポーズを
したりする。
午前3時から7時半くらいまで、自分を忘れる時間だった。

松山は「グリーンマイル(死刑台への道)」と言われる難関の上がり3ホールで
3連続のボギーで、惜しくも5位タイに終わった。
全米プロようなビッグタイトルにはJ.トーマスの“8秒待ちポトン・バーディ”
のような“運”が必要なようである。
松山は先週のブリジストン招待で(近場の)運を使い切ったのかもしれない。

この熱戦の中、テンション上がり、のどが渇きっぱなしで、
缶酎ハイ・レモン味・ストロングを7本ばかり飲って、終わる頃はヘロヘロ状態。
これで松山が優勝などしていたら、更に祝杯を上げて、帰京延長となったかも….

8月15日のスポーツ各紙は「松山 泣いた!!」の一面扱い。
そして「1月結婚、7月女児誕生」のビッグニュース。
なるほどなぁ、今年に入って顔が変わった、精悍になったものなぁ…
ま、神様は、松山に対しても日本のファンに対しても、
楽しみは来年までとっときなさい、と言いたかったのだろう。

以上、お盆“番外編”でした。来週からまたいつものパターンに戻ります。
よろしくアクセスのほど、お願い申し上げます。

【追伸】
母親の句集もどきの中で、グサッとささる秀逸な作品があったので、
本人に許可を得ないまま、紹介します。

なごり菊 生けてごまんざの 客を待つ

註:ごまんざ
富山県呉東地区の「郷土料理・いとこ煮」を供する伝統行事。
小豆(あずき)、里芋、大根、人参、油揚げ、など野菜中心の
イワシの煮干し出汁・つゆだく・味噌建ての煮物を「いとこ煮」と呼んでいる。
小豆(あづき)が入るのが最大の特徴。
冬直前の定置網を仕掛ける前に、豊漁を祈って供したものと聞く。
いろりで時間をかけてコトコト煮込むのが定番。

2017年08月10日

残暑お見舞い申し上げます

日頃から当ブログにアクセスを戴いている皆様、
暦の上では立秋を過ぎました。残暑お見舞い申し上げます。

日本の夏、異常な夏…. 如何お過ごしですか??
もはや日本は完全に亜熱帯、シンガポールや香港よりも酷い夏であります。
今回は特に超スローの台風が縦横無尽、日本中を荒らし回りました。
どうしてああも器用に、日本列島を縦断していくのでしょうか?
何らかのメカニズムはあるのでしょうが、住み難い国になってしまいました。

日本時間帯では通常の生活ができない(!?)ので、
最近では午後9時までに就寝、午前2時起床の自分の通常のルーティンを
キッチリと守って生活をしております。
夏以外でもNYタイムには起きて市場をウォッチしていましたが、
上記の時間帯は、避暑措置として、ある程度は効果があるようです。

お陰様で、酒を飲む機会も極端に少なくなり、曲がりなりにも三食摂り、
夏痩せどころか夏太り状態で悲鳴を上げております。

そうした時間帯で生活しておりますと、米MLB野球、ゴルフ、テニス、
最近では世界陸上など、世界水準のスポーツに接する機会も多くなっています。
観るのも疲れるので、BGMとして流しておく、といったパターンですが…

2年に1回の世界陸上。
織田裕二と中井美穂がMCをするTBS世界陸上ももう10年を超え、
二人が出てくると、またその時期か、と思うようになっております。
(中井美穂もおばちゃんになったなぁ…失礼!)

ただ「走る、跳ぶ、投げる」との基本中の基本の陸上競技って、
結局はDNAの問題だと思い、半分以上あきらめております。
無呼吸距離=100、200、400メートルは日本人には無理なようです。
100=10秒、200=20秒、400=44秒を切ることが20年経ってもできない。
最近ではマラソンもスピード化が著しく、世界のDNAには敵わない。
ハンマー投げの室伏は例外中の例外だが、彼には外国の血が混じってる。
200米で14年振りのファイナリストとなったサニブラウンもまた同じ。
まぁ、バトン技術で世界に肩を並べる男子400リレーあたりが関の山です。

ところで、日本時間4日(金)から7日(月)のゴルフ・ブリジストン招待、
ご覧になりましたか??

日本時間7日早朝の最終日、松山英樹のぶっちぎり、凄かったですね!!
7500ヤード・パー70って、サディスティックな設定、
一体どこの誰が考えるんでしょうね。
パー4が軒並み450ヤード超え、ショートも軽々200ヤード超え。
モンスターと言われる16番ロングに至ってはなんと652ヤード。
フェアウエイは狭く、ラフは長くて粘っこく、
グリーンはアンジュレーションもきつい。

そんな漫画みたいな異常なコースで、松山クンやってくれました!!
2番ロングで17メートルのチップイン・イーグルを放り込んでから
いわゆる“ゾーン”状態。
1イーグル・7バーディ・ノーボギーの9アンダー、
あのタイガー・ウッヅの持つコース記録61に並びやした。

NHKの実況アナの絶叫を聴いたのは、2009年のMLBワールドシリーズ、
MVPを取ったゴジラ松井のバカ当たり以来。
解説のプロゴルファー・田中秀道に至っては
「もう異次元。解説なんて要りませんわ」と完全にギブアップで黙り込む有様。

こんな中継、そんじょそこらでお目にかかることはないと、
BSの再放送、地上波の再放送と、都合3回も観てしまいました。
18番ホールに向かう際の、万雷の拍手に迎えられる中で、
キャディのシンドー君と並んで冷めた表情の松山の姿は生涯忘れません!!

日本時間11日(金)早朝からの全米プロ選手権でも優勝候補最右翼に。
日本のゴルフ界の悲願などと、過剰な期待しないで観たいと思っております。

すみません、残暑見舞いのつもりが、いつの間にか松山賛歌になってしまいした。

最後になりましたが、
異常気象の折、くれぐれもご自愛くださいますよう。
そして、本ブログへのアクセス、変わらずよろしくお願い申し上げます。

2017年08月05日

「野球なら8回」 -追いつめられる米トランプ政権-

この7月に行われたワシントンポストとABCテレビの共同調査による
トランプ大統領の「就任後半年の支持率」は、第二次大戦後最低の36%となった。
(どこか極東の島国の首相の支持率は30%を割り込んだが…)

内政・外政を含めて原因はいくつかある。
対内的には、まずロシアゲート疑惑。
昨年の大統領選挙でヒラリー候補を追い落とすために
ロシアと協力したのではないかとの疑惑。
この疑惑を捜査していたFBIのコミー長官を突然解任したことで
不信感が増幅した。

次に
オバマ前大統領が設定した「医療保険制度(通称オバマケア)廃止」の失敗。
米国には国民皆保険制がなく、医療保険に入れない470万人の国民を救おう
とする政策だったが、政府の支出を抑えるためとして廃止を主張していた。
下院では承認されたものの、上院では廃止に反対するが共和党員が続出、
「オバマケア廃止法案」の採決を断念、オバマケアは存続することになった。
結果、減税の財源に充てることが不可能になり、減税幅の見通しが立たなくなった。

「メキシコとの国境に壁をつくる」という主張も、
財源の当てがなく実現できないままになっている。
そして諸般の政策は不成立となる中で、報道関係者に対する暴言が続き、
対立が更に大きくなっていることも混乱に拍車をかけている。

対外的には、TPP(環太平洋経済連携協定)から抜けたことが
米国の立場を悪くする大きな要因になった。
挙句はG7が「6プラス1」、G20も「19プラス1」の構図になり始めた。
中心になり始めているのは独。
独アングラ・メリケル首相は「他国を頼りに出来た時代は終わりつつある」と
“脱米国”=「トランプ抜きの世界」をほのめかすまでになっている。

そして最大の問題は中国やロシアが、
「トランプ大統領を称賛しながら、実際には米国には従わないという手法」
を習得したことにある。

20世紀は「大西洋の世紀」だった。
大西洋の両岸に位置する欧州と米国に富と権力が集中した。
21世紀は中国の台頭が目覚ましい中で「太平洋の世紀」になり始めている。
中国の唱える「一帯一路」という絵空事も、
実は好戦的で孤立主義のトランプ政権の失政で、その実現性が見え始めた。

思い起こせば、9.11の同時テロ直後の世界は米国に好意的だった。
国際都市ニューヨークへの攻撃は、グローバル経済の挑戦と受け止められた。
ブッシュ大統領の「テロとの戦い」は「反グローバル化との戦い」とも共鳴した。
結局、この時が米国の終わりの始まりだったのかもしれない。

米金融市場では「野球なら8回」との表現がなされ始めている。
「大勝しているかに見える米国に何が起きるか分からない」との警鐘である。
景気循環調整後のPER(株価収益率)が30倍に近く、
中央値の16倍を大幅に上回っている。
30倍を上回ったのはバブルだった1929年と2000年しかない。

おそるおそる22,000㌦まで達したNYダウは余りに危ない。
ろうそくが燃え尽きる前の最後の輝きか?
危うし、経済大国・米国。

かくしてトランプ大統領は、
(グローバル化の尖兵だった米国を葬り去った大統領として)
歴史に燦然とその名を残すことになりそうである。


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