2018年04月28日

最強省庁・財務省はどう立ち直るか

大中小・有象無象の金融機関が乱立した戦後の日本が、
「銀行は一行たりとも潰さない」とする護送船団方式を採る中で、
各金融機関にはMOF担と呼ばれる重要な部署があった。
財務省が大蔵省という名であった頃で、
「Ministry Of Finance=MOF」の担当者という意味であり、
各金融機関のエリートが辿る出世コースだった。

キャリア官僚に日本の金融の実態を伝える中で、
天下国家も論じるという名目で、酒席の接待は
「通常業務」として日常茶飯に行われていた。
ところが1998年、
MOF担による大蔵省幹部に対する過剰接待が問題になり、
「贈収賄があった」として東京地検特捜部が大蔵省に家宅捜査に入る。
今や伝説の「ノーパンしゃぶしゃぶ」事件である。

「ノーパンしゃぶしゃぶ」という不可思議なネーミングを
マスコミがこぞって取り上げ、日本中に知れ渡った。
あの大蔵省のお偉いさんが….それも大きな要因となり、
「官民の不必要に緊密な連携は、癒着・馴れ合い」と糾弾された。
大蔵省幹部とMOF担との闊達で綿密な意見交換は、
グローバル時代到来直前の金融界には必要な業務ではあった。
だが、官憲は「官と民の過度の連携は必要としない」と断じた。
かくして金融の「官と民」の蜜月は劇的に終わりを告げ、
日本の銀行は一気に集約態勢に入り、大蔵省も財務省と名を変える。

それから以降の20年は、
「民と官」を離れ、「政と官」を巡る改革が続いていく。
2001年の中央省庁改革から官邸主導の改革が打ち出されたが
満足な結果が出ず、
そのうち「政と官の改革」を公約に掲げ、09年に民主党政権が誕生する。
民主党政権は、政治家を霞が関に送り込み「政治家主導」の政策決定を
実現しようとした。
だが官僚を排除しすぎたことで政策は停滞し、失敗に終わる。

再び自民党に政権が移り、
再登板した安倍晋三首相は「官僚を上手く使う」ことに注力し、
「細部の政策は官僚に任せつつ、内閣人事局を通じて幹部人事を掌握する」
という手法を選択した。
「いかなる既得権益も、私のドリルから無傷でいられない」との大見得。
しかし安倍首相の方式では“忖度”という(予想もしない)厄介な考え方が
出たのはご存じの通りである。

旧大蔵省、現財務省が最強と呼ばれる所以は、
「国家試験成績上位者のみが入省できる省庁」であり、
「鬼の国税庁を抱える」からである。
お上に盾突くとは、言葉を変えれば「財務省に刃向う」ことを意味した。
その最強省庁に、文書改竄やセクハラ事件が連続して起き、
(財務次官という)事務方トップ不在という混迷状態に入っている。

財務省の肩を持つもりはない。
だが、護送船団方式時代には、
財務省幹部のセクハラなど大々的な問題にはならなかったと思う。

確かに言葉上とはいえ、若い女性を侮蔑するような言動は看過できない。
酒席で、半分冗談で、上から目線の言動となったのだろう。
だがセクハラもどきをする場所も対象も違う。
現財務大臣のように、許容される場所で堂々とやるのが一流の男の流儀。
庁舎から天下のザギン村は車で5分の至近距離。
なんで有効活用しないのだろう。

セクハラを理由にトップの座を辞せねばならなかったことが
現状の財務省の立ち位置を示している。
超優秀な稀有な人材の喪失は、日本にとって大きな痛手だ。

安倍長期内閣に暗雲が漂う。
果たして財務省改革はなるのか。
どこに向かうか最強省庁・財務省…


2018年04月21日

「中国・国防動員法」の恐怖

自分が海外に行くようになって40年ばかり経つ。
最初に行ったのが金融センターNY。
当時は直行便はなく、アラスカ・アンカレジで給油が通常のパターン。
また当時は機内の喫煙が可能で、今では考えられないが、
長時間のフライトでは息苦しいほどの“霞が関”状態が続くことになる。

アンカレジでは機外にいったん外に出された。
が、外の冷気が殊の外心地よく、気分転換にはなった。
そして必ず30㌦也の「ソバ+いなり寿司2個」のセットを食していた。
実は、成田出発ロビー最上階(当時)の立ち食いも常用。
成田の値段は300円程度。アンカレジは“破天荒”な30㌦=約3500円。
生来の麺好き、それも立ち食い好きのD級グルメ。
アンカレジの立ち食いは、味も値段も生涯忘れられない。

80年代を通して使用したのが鶴丸マークの日本航空=JALだった。
バブル時代、ビジネスやファーストクラスを与えられたが、当然一時的。
当時の全日空=ANAは新興であり問題外。
親方日の丸の日本航空は、後になってエコノミー症候群で問題になるが、
機内は日本からの乗客でいつも満杯だったように思う。

そんな時代に、中国系や韓国系の航空会社を利用するのは、
よほど金欠と思われていた。
「遅延は当たり前」「機内食が極端にまずい」「日本語不可」
「事故多い」「事故が起きても補償金が格安」などで、
「日本人なら鶴丸だろ」と、完全に差別化していた。

ザックリだが、これが「自分の航空機事情」。
だが、 そんな中国の航空各社が、
世界の様々なランキングにおいて驚異的なスピ-ドで駆け上がっている。
中国で航空会社を利用する旅客数は
2007年の1億8400万人から17年には3倍の約5億5千万人。

人口が15億と言われているから10億人突破も時間の問題。
ここ数年のうちに米国を抜き世界最大の利用国となる。
この状況の中で、格安航空券は、これまでのように中東・ドバイ経由でなく
広州・上海・武漢経由になりそうな気配である。
中国当局は、乗り継ぎ客獲得に向け、
ピザ要件を緩和するなど、積極的に動いている。

こうした航空事情の中で、
最近の東京銀座における中国人の増加はもはや異常。
銀座のど真ん中を、ガラガラ族が団体で闊歩される。
銀座は中国の庭か??
2020年の東京五輪に向け、
中国人団体は以前にも増して東京に向かうのは必至。
「中国人による東京銀座占拠」もあながち否定できないのだ。
背景に中国の深慮遠謀があるとしたら…

中国は今や世界唯一の共産主義国。
従って中国国民は、同国内では土地不動産は所有できない。
だから中国国民は“異常なほど”中国外に不動産を持ちたがる。
大々的に報道されてはいないが、
北海道の土地を中国資本が買い漁っている。
ここで出てくるのは中国の「国防動員法」という厄介な法律。
端的に言えば、
「緊急事態には政府が国民資産を勝手に処分できる」ことを定める。

最悪日本と中国が交戦状態に入った場合、
日本にある中国資本の不動産が中国政府のものとなる。
つまりは中国政府の日本基地になるという、
考えるだに怖いストリーである。

もりかけ問題がどうの、忖度がどうの、
財務省の事務方トップがセクハラで辞職、
挙句、新潟県知事が買春しましたから辞めるのと、
日本中がもうグチャグチャ。

平和ボケもいい加減にしないと、気が付けば中国の属国(!?)か。
正気に返りたいものである。.

2018年04月14日

世界標準をテーマに、進化するスポーツ番組

センバツが終わると、プロ野球が開幕、
そしてゴルフ世界最大の祭典マスターズとなる。
では、日本の男子プロゴルフはどうかと言えば、
サクラも散った4月12日にしてようやく開幕。
スポンサー撤退の流れが続き、注目度は年々低下する。
女子は一応3月末から開幕しているが、実際のところ
「スポーツとして見る」のではなく、
「若い女性ゴルファーの美人コンテスト」の意味合い。

コースセッティングが社用族仕様でやさしく、あくまで日本標準。
賞金額は、日本の賞金王が1年かかって積み上げる額を、
世界のメジャーレベルでは一つの大会優勝で獲得する。
だから世界的な選手も集まらないし、
その実力も世界標準からどんどん離れていく。
従って、CMで中断ばかりの男子プロの中継は視聴率が上がるはずもなく、
最後には中継もしなくなる。

スパイラルに悪くなる日本の男子プロゴルフに対して、
世界の4大メジャーのひとつマスターズは、年々注目度が増している。
1938年に開始されたマスターズは、今年で80回目。
考えてみれば、尾崎将司・青木功・中嶋常幸のAONの時代から、
現在の松山英樹の時代まで、TBS独占の同番組を毎年、
40年ばかり観ている勘定になる。

未だに優勝グリーンジャケットを着た日本人はいない。
「(世界一流の証の大会に)出るだけで満足」のプレーヤーが大多数だ。
今年は日本から松山の他、小平智、池田勇太、宮里優作が出場したが、
結果は、世界ランク6位の松山19位を頭に、小平28位。
勇太・優作は(ごく当たり前のように)予選落ち。
松山は左手親指の負傷でこわごわの感じだったが、
他の3選手は“レベルが違う”のが歴然。

何の因果か、自分は優作と、身長・体重・胸囲等、体系がほぼ同じ。
そんな理由もあり、東北福祉大学在学当時からのファン。
未来の大器と言われた優作も、泣かず飛ばずの時期を経て、
16年かけてマスターズに初出場。

競技開催の前日、隣接の特設コースで、
出場者のみに許される両親、妻子、兄妹揃い踏みのラウンド。
これまでの幾多の苦労を思えば、親孝行も、子供とパットに興じるのも、
一族上げての物見遊山気分も致し方ない。

だがプロと名がつく以上、勝負となれば別、のはず。
結果はあえなく10オーバーで予選落ち。少々ガッカリ。
小平智のような粘りや真剣度が欲しかった。
予選を通過した小平も、体格面での貧弱さが目立った。
世界を舞台にするなら世界仕様に造り直す必要あり、と思う。
今回の勇太・優作は、世界標準には程遠い、もはや問題外のレベル。

前置きが長くなったが、そのマスターズ、
今年はTBSが第1日目(日本時間4月5日)から最終日まで
ライブで8時間超の完全中継。
日本時間深夜から早朝にかけての8時間超。確かに疲れはする。
だが世界標準の圧倒的な力量に“スゲー!!”の連発。
CMが入るのは民放だから致し方ないとして、
中嶋常幸+芹沢信雄の解説も理論的で実に分かり易い。
TBSがやれば、テレ朝も、「青木功+戸張捷」のセットで、
全米オープン、全英オープン、全米プロをTBS仕様でやるんだろうな。

地上波とBSに分波されて以降、地上波の番組の質の低下が著しい。
お笑い中心の、どうでもいい安直な内容の長時間番組が目立つ。
かくして筋書きのないスポーツ番組、
特にグローバルな世界標準の大会が選ばれる時代となった。
同時に「(ながら作業が可能な)ラジオ新時代」も叫ばれ始めている。

原点の感覚は全て同じだ。
「世界標準の凄さを見てしまった」
「もうバカな時間の使い方はしたくない」という点で。

2018年04月06日

FANG」中心のNY株高終焉模様

3月後半のNY株式は、2008年10月のリーマンショック以来の
1400㌦を超える大幅下げとなった。
米中の貿易摩擦から、通商政策の世界的な抗争激化の懸念が出たためだが、
根幹の理由は
フェイスブック(F)、アマゾン・ドット・コム(A)、ネットフリックス(N)、
グーグル(G)の「FANG」のビジネスモデルの欠陥が露呈したからだろう。

この3月、フェイスブックが保有する5千万人超のユーザー情報が
不正に外部に流出したことが明らかとなった。
フェイスブック側では、
「自社の管理が及ばない第三者の規則違反」だと反論してはいるが、
結果論として、知らぬ間に個人情報が悪用されることになった。
結局は「プラットフォーム・ベースの管理の脆さ」が露呈したのだ。

基本的な流れは、
フェイスブックを通じて(第三者の)外部企業のアプリサービスに登録すると、
同アプリを通じてユーザー情報が吸い上げられる。
多くのユーザーは自己情報が吸い上げられた事実に気が付かないし、
仮に外部企業が悪用しても防ぎようがない。
こうした構図は「FANG」等の他のIT企業も同様である。

一連のIT企業のビジネスモデルは
「まずユーザーを画面に釘付けにする」
「ユーザーの行動データを収集する」
「一連のユーザー情報を広告主に高額で売りつける」
といった三段論法。

根幹にあるのは「利益追求第一主義」であり、
「楽観的・自己陶酔的」な信念だ。
このビジネスモデルの欠陥は、フェイスブックの
「表面的な価値・4900億㌦VS有形資産・140億㌦」という、
実に歪な財務状況にも表れている。

トランプ米大統領はツイッターで
「米国中の街が傷つき、仕事が失われている」と吠え、
「零細の小売業者を窮地に追いやっているのは一連のIT企業だ」として、
課税強化等、IT企業への攻撃姿勢を明確にしている。
だがこうした一連の動きも、根幹の問題を解決しようとする意志はなく、
中間選挙を控えた人気取り作戦の一環に過ぎない。

先進テクノロジーは既存の社会にギャップを生む。
一般的に“産業革命”と呼ばれる現象だ。
だがこれから先の世界でも、
“次なる”テクノロジーが先鞭を切るのは間違いない。
従って、仮に「FANG」が廃れても、
新たな感性や感覚を持った企業家たちが「ネクスト」を狙って動いていく。
結局は次から次へと“(新たな)革命”が起きる。
トランプがいくら吠えようが、規制をかけようが、効果は一時的である。

こうした栄枯盛衰を横目に、不変なのは「相場という大自然の世界」だ。
今回の上昇相場でも2009年3月の6,469㌦×3倍=19,407㌦を超えたが、
6,469㌦×5倍=32,345㌦はもはや絶望的だ。
99年8月には90年10月の2,344㌦×5=11,720㌦を超えたが、
2009年に向け6,469㌦まで下落している。
結局、底値から3倍以上は、やはり“神の領域”というしかない。

昨今のアルゴリズム(自動)取引や超高速取引(HTP)等のコンピュータ売買は、
株価の歪みを狙う一般投資家を市場から締め出した。
一部の(天才と呼ばれる)人間は、
AIを使って人間の不明確で曖昧な考えを排除しようと躍起になっている。
だが今後、AIが如何に進歩しようと、人間の複雑怪異な思考構造を超えれない。
結局、この地球上に人間が存在する限り、AIは絶対的ではないのだ。

かくして余りに淡々とした上昇で、エンドレスな上昇に見えた米株式相場も、
幕引き模様である。


2018年04月05日

サクラと高校野球(番外編)

今年もサクラが咲いた。
そして当たり前のように散っていった。
例年通りの、キチンとした、いつもの世界だ。

隅田川沿いに住まいするようになって、
格段、花見という“儀式”をしなくなった。
サクラの開花と隅田川というセットが当たり前になったからである。

今年は、開花から花吹雪まで、雨らしい雨は降らなかった。
少しは降ったのだろうが、夜中のことであり、
朝になるとキッパリ晴れていた。

四分の一世紀も同じ場所に住んでいると、
周囲のサクラ木の微妙な変化も観てとれるようになる。
ひたすら上へ上への世界から、徐々に枝垂れになってくる。
全体的に柔らかさが出て、なんとなく女性の肉体の変化に似て、
なんかとってもエロなのだ。

しかとは覚えていないが、3月23日から4月4日まで、
それが“今年のサクラの季節”だったように思う。
なんで限定できるのか?
その期間、センバツ高校野球が開催されていたからである。

春はセンバツから。
そんな言い方をされてきた。
だがサクラに嵐は付き物で、必ず雨天順延があった。
ところが今年は全くない。こんなの初めてのように思う。

高校野球を、意識して観だしてから半世紀超。
この季節、毎年、毎年、野球少年の溌剌した姿を見てきた。
開会式はいつも感動する。
特に最後列を“一人で歩く”少年の姿を注目して見ている。
心細げで、誇らしげで…
青春!!って感じで、ほのぼの、胸が熱くなる。

また常連校の監督の元気な姿を見るのもひとつの楽しみになっている。
最近、優勝候補校の「監督のデブ度」が増している。
あれって、プロ連からの勧誘で、経費相手持ちの高級飲み食いが多いのが
原因じゃないか、などと、よからぬ思いを巡らせてしまう。
毎年、毎年、見る度に相撲部屋仕様が濃くなっている。
かりにも高校野球の監督でしょ、もちっとスキッとされたら如何?
とにかく成人病にご注意あそばせ。

今年は昨年の清宮幸太郎のような目玉も見当たらず、
試合そのものは聞き流す、見流すパターンとなったが、
準々決勝、準決勝をルーズベルトゲーム仕様で勝ち残った智弁和歌山高校は
注目せざるを得なかった。

高嶋仁監督は、同年代でもあり、もうかれこれ40年のお付き合い。
と言っても、こっちが勝手にTVの画面に向かって
“おおッ、久し振り”って言ってるだけの話。
「男はつらいよ」の故渥美清に対するのと同じニュアンス。

攻撃の際には両手を組んで、ベンチ前で仁王立ちとなるのがいつもの高嶋仁。
だが2008年の選手ヘの暴力沙汰事件で、約半年の間監督を辞任し、
四国巡礼の旅を経験されてから変わった。選手に対する目が優しくなった。
今回の大会の球史に残る逆転劇の連続も、
「また夏に来たらいいんや」「もう帰って練習しようや」のスタイルが
選手に実力以上の力を出させた。
優勝候補高校・監督連の、脂汗を流すようなネタネタの顔つきが目立つ中で、
自分の孫に言って聞かせているような“ごま塩頭”がとっても心地よかった。
いつの世も、シンプルライフ・イズ・ベストでございます。

かくしてサクラの季節も終わり、日本は酷暑の夏に向かいます。
皆様、どうかご自愛戴きますよう。


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