2018年05月25日

今や経営資源とされる大学スポーツの限界

そもそも米国発のアメリカン・フットボール(通称アメフトorアメラグ)
なるスポーツは、
日本独自の定着を見せた英国発のラグビー・フットボール(通称ラグビー)と
似て非なるものであり、学生界には異端だった。
要は日本の大学の伝統的スポーツ、ラグビーで有名になり切れない大学が
始めた競技であると言っていい。
その双璧が
東の日本大学(1940年創部)、西の関西学院大学(1941年創部)だった。

そしてアイビースタイルが持て囃される1970年代に入ると、
急激な盛り上がりを見せる。
「アメフト独特のユニフォーム」
「観客が着用するスタジアム・ジャンパー+ジーンズ」
「ワンレングス+超ミニのチアガール」がテーマになり、
それまでなかった鮮烈な様式に、熱狂的なファンも出始める。

それは1973年の東京外為市場開設と時を同じにする。
つまりは、グローバルな様式が出始めた頃であり、
ラグビーのようなトラッドな(=全てどん臭い(!?))競技を尻目に、
“ジス・イズ・アメリカ”仕様のアメフトが時代の最先端を行くように映り、
急激にクローズアップされる。
日大フェニックス(PHOENIX=不死鳥)が有名になるのはその頃からだ。

徹夜が当たり前だった体力勝負の当時の外為市場にも
「剛毅果断」を掲げ、フェニックスOBが多数参入してくる。
当時の故篠竹幹夫監督は、
マスコミに「カリスマ」「時代の寵児」として取り上げられる。
だから採る側も、“新しい血=変わり者”を欲しがった。
現状の日大フェニックスOBは、篠竹イズムが骨の髄まで沁みわたっている。

フェニックスOBの外為市場参入組と頻繁に酒食を共にした。
とことん酒に強く、常に礼儀正しく、付き合い易かったからである。
そんな彼らは終始一貫「篠竹監督は神だ」と言い続けた。
当時はコンピュータによるフォーメーションが不可能な時代。
試合は全て監督の思い描いた通りに進められた。
「神は絶対的」であり、「神に従う」ことは至極当たり前だった。

175㌢・90㌔が下限の体格であるアメフトは、
その体に鎧を被せることによって、もはや完全な格闘技となる。
そうした大型の武装集団がぶつかり合う「フルコンタクト」な競技において、
通常のルール通りに戦っても半身不随となる者が続出した。
確かに“喧嘩もどき”のスポーツはリスクがあるから面白い。
やるか、やられるか…一歩間違えば「命さえ危ない」競技である。

アメフトの延長線上にあるのが相撲である。
現在「スポーツ日大」の頂点に君臨する競技種目は相撲であり、
現在の日本のプロ相撲(=大相撲)には日大相撲部出身の力士も多い。
日大の理事長は今やJOCの副会長の重責にある田中英寿元相撲部監督であり、
今回の事件で辞任した内田正人前監督は、
田中英寿理事長の直下(人事担当)の常務理事だ。

アメフトは、相撲と同様に、もはや通常の大学が取り組み難いスポーツに
なり始めている。
大きな利権が入り込んでしまって、ガチガチに固められているからだ。
結局、今回問題になった“危険タックル”事件は、
誰が何を言おうが、どう批判されようが、
強大な権力の下でうやむやのうちに揉み消される運命と思う。

少子化&大学全入時代を迎え、スポーツを経営資源にするため、
スポーツによる大学ブランド化が図られている。
そこに文武両道という“哲学”も“美学”もない。
所詮、きれいごとではないのだ。

今回の事件の根幹の問題が解決しないまま、世界的な選手も育たないまま
日本のアメフトは本家アメリカと違う流れで独自にセミプロ化し、
学生が取り組むスポーツではなくなることになろう。

2018年05月18日

武田薬品7兆円買収の是非

北陸・富山を表現する代名詞のひとつに売薬がある。
正確には薬品配置販売業。
辺鄙な農漁村を中心に様々な薬品を小さな箱に詰めて置かせてもらい、
使った分だけ支払ってもらうという「先用後利」方式。
全国津々浦々、「富山の売薬」として重宝されていた。

コンビニ時代となり、従来の方式は廃れかけてはいるが、
自分が小中時代には売薬を生業にする家庭の子弟が
クラスに2~3人はいたように思う。
「薬がいつでも手元にある」という安心感は、
17世紀後半の第2代富山城主前田正甫公の「反魂丹」の伝統だった。

こうした日本の薬の世界が大きく様変わりしようとしている。
1781年(天明元年)創業の武田薬品の7兆円のメガ買収が発表された。
創業以来230年余の歴史のある同社は、
明治に入って洋薬の輸入も手掛けるが、その流れの一環にも見える。

日本の医薬品は以下の5社の寡占状態になり始めている。
日本の医薬品売上高で第1位が武田(世界16位)、
第2位がアステラス製薬(旧山之内製薬+旧藤沢薬品工業=同18位)、
第3位が第一三共(旧第一+旧三共=同20位)、
第4位が大塚ホールディングス(同21位)、第5位がエーザイ(同29位)。

今回買収するアイルランド・シャイアーは、
売上高の6割以上を米国で稼ぐ大手企業。
買収が実現すれば、武田の米国売上高比率を半分に引き上げ、
国内市場が1割台に下がり、8割以上を海外で稼ぐ、
売上高3兆円を超える国際的な製薬会社になる。
また当然のように“世界のベスト10”入りは確実となる。

だが横たわる問題は小さくない。
現在の年間売上1兆8千億円から3兆円に、
純利益も4500億円から6000億円程度に膨らむ。
ただ年間3000億円の元金返済(利息は100億円程度)が
続いていくことになる。
そして薬品業界には、医薬品の副作用問題などの訴訟がつきもの。
企業体が大きくなればなるほど、リスクは大きくなる。

今回のメガ買収は、証券会社の“仕掛け”が見え隠れする。
武田側は、日本の証券界のガリバー・野村証券。
シャイアー側がゴールドマンサックス、シティ、モルガンスタンレー。
世界的な大物の揃い踏みで、報酬総額は200億円超。

武田の現社長は9代目でフランス人のクリストフ・ウェバー氏。
年棒10億円。これは日産のカルロス・ゴーン氏と同額。
老舗の武田の社長がフランス人というのも何か馴染めないが、
日産がフランス人・カルロス・ゴーン現社長によって再生したのは
ご存じの通り。
ただ武田の日産の後追いが、果たして成功するのか。

医薬品、特に新薬に関しては門外漢であり興味もない。
武田の製品で知っているのは、アリナミン、感冒薬ベンザ、ハイシー程度。
至ってシンプルに考える。
後先を深く考えず、“美味しいところ”には目ざとく寄ってたかって暗躍する
証券業界は致し方ないにして、
医薬品を扱う企業が、利益だけを追求するあまり、無理矢理の規模の拡大を
することが正しいのか。
「先用後利」を掲げて慎ましやかに世の中に貢献してきた富山の売薬を思えば、
たとえそれが時代の流れとはいえ、違和感を感じざるを得ない。


2018年05月12日

色濃い「安倍疲れ」

黄金週間も終わってみれば、あっという間。
今年は暑い日と、寒い日の温度差20度のゆさぶりをかけられた。
さすがに堪える。

そんな天候不順気味の黄金週間、
日経が(嵐を呼びそうな)2ページ見開き記事を掲載した。
大きな写真付き「岸田文雄大特集」。
“次の次の次”の次代のホープ・小泉進次郎自民党筆頭副幹事長も
このような大胆な扱いをされたことがない。
広島カープがどうの、趣味がどうのと、CM気味のイメージ戦略。
偏った記事を出さないあの日経が、見るにみかねての大胆な提案か(!?).

中国の習近平国家主席は任期の撤廃、
ロシアのプーチン大統領は選挙の圧勝で半永久的な権力を握った。
西側の経済大国ではメリケル独首相の12年がトップ。
そして我が日本の安倍晋三首相は5年と、堂々長期政権の仲間入り。
だが西側の二人は支持の低下に直面している。
政権の安定度で、国家主義が民主主義に勝るという珍現象だ。

1年前、総選挙前のドイツで難民政策に窮したメリケル首相に
海外のマスコミは「メルケル疲れ」という呼び方をした。
そして今度は「安倍疲れ(Abe Fatigue)」とし、
秋の自民党総裁選挙の動向を危ぶむ見方を明確にし始めた。
そして金融市場の「アベグジット(AbeとExit=退陣の造語)」は
既に常用化している。

もりかけ問題や決済文書の改ざんは、
時間と共にほとぼりが冷めるような簡単なものでない。
注目された連休明けの柳瀬唯夫元首相秘書官の参考人招致も、
高級官僚の頭脳明晰のありようが目立っただけの“柳瀬ショー”タイム。
翌日には「手渡した名刺の現物」が公表されたが、今更の感。
結局は国有地売却に“(官僚の)忖度”を通して、
安倍首相や夫人の関与は明白であり、政と官の歪みが明確になっている。
低下した信頼を戻すのは簡単ではない。

日本の景気は第二次安倍政権が誕生した2012年12月以来、
景気(主として株価)は拡大してきた。
根幹にあるのは黒田東彦日銀総裁主導の大規模な金融緩和。
だがアベノミクスと呼ばれる一連の政策が時間と共に変質し始め、
方々で息切れ感が目立っている。
結論的に言えば、「まず経済原論ありき」の方策が現実と乖離している。

働き方改革でも、入り口である裁量労働制の対象拡大を、
説明データの不手際で引っ込めてしまった。
あれもこれもと欠陥が目立ち始め、
「アベノミクスの終わりの始まり」という皮肉った言い方をされ始めている。

そして外交。
一時は持て囃されたトランプ米大統領とのゴルフ外交だった。
だが安倍内閣の足元の危うさを感じ取ったトランプ政権は、
秋の中間選挙を控え、日本を度外視した保護色の強い政策を
打ち出しそうな気配である。
最後の頼みの「(対北朝鮮の)拉致問題」も、
トランプ政権が本気になって取り組むとも思えない。
言ってみれば、四面楚歌状態である。

自民党総裁選挙で3選を果たし、
21年まで政権を維持する(=東京五輪は安倍内閣で)との宿願も風前の灯。
とは言うものの、
下馬評に上がる、岸田文雄政調会長、石破茂元防衛相、小泉進次郎筆頭副幹事長
のいずれが新首相になろうとも、現状が急速に変わるとも思えない。

だが、とりあえずはガラガラポンで「気分を一新したい」気分が蔓延している。
今年の秋に向け、大嵐は避けられそうにない。


2018年05月05日

実感じわり。平成最後の黄金週間

来年の5月1日から新しい年号になる。
従って、今年の黄金週間(正確には大型連休)は平成最後。
昭和の人間の明治・大正の位置付けが、新年号生まれの人間には、
昭和・平成の位置付けとなる。なんか不思議な感覚ではある。

平成最後の大型連休に向け、スポーツの世界にいろいろ異変。
時代(年号)の変わり目と関連があるような、ないような…

異変のきっかけは、プロゴルフ小平智。
マスターズの翌週、全く興味を持たれなかったRBCヘリテージで優勝。
優勝賞金は日本円にして1億3千万円。以降2年はシードされる。
6打差12位からスタート、上位がボロボロ落ちる中でプレーオフ。
ロングパットを沈めて優勝。NHKの中継アナもあ然調。
昨年結婚。相手の元賞金女王・古閑美保はいうところの“アゲマン”か??
(ちなみに、昔の彼氏の阪神タイガース・西岡剛に見る影なし)

ついで、誰もがあ然としたのは、
公務員ランナーの埼玉県庁・川内優輝のボストンマラソンの優勝。
瀬古利彦以来31年振り。賞金1600万円を懐に、勢いのままプロ化宣言。
2時間8分台の記録では、高速時代のマラソンには不向きと思うが….

プロテニス錦織圭の復活模様。
マスターズ・モンテカルロ大会で久方振りの準優勝。
決勝の相手、R.ナダルには余りに簡単にあしらわれたが、
とりあえずは復活基調ということで…

中日・松坂大輔、13年振りの勝利。
ただ依然として太めで、145㌔前後が精いっぱい。
なんか素人目にも走り込みが足らないような気がする。
四死球が多いのも、下半身がシッカリしないからと思う。

読売巨人8連勝。捕手小林誠司、一時首位打者に。
最下位に沈んだジャイアンツが、エース菅野の復調と共に上げ基調に。
8連勝はともかくとして、驚かされたのは、
規定打席最下位が定位置だった小林が、一時的とはいえ首位に立った。
終わってみれば2割5分あたりだろうが、これも“異変”だろう。

卓球世界選手権・団体戦。
14歳・張本智和が、元世界王者・ベラルーシのサムソノフ撃破。
42歳・1メートル98㌢の大男を相手に、ものの見事な忍者仕様。
中学3年生など、対戦相手にしたら“このガキが!”ってとこ。
ライブ中継を見ていて、ひたすら“凄い”と感心した。

大相撲・遠藤、念願の三役(小結)に。
日大相撲部出身の遠藤は、生まれは石川・能登半島・穴水町。
行き付けの築地の寿司屋が同じということもあり、
勝手に準地元として言うことにしている。
(富山商業出身の前頭・朝乃山がおります、念のため)
4回目の前頭筆頭から、念願成就。ともかくめでたい。

エンゼルス大谷翔平。二刀流は、全米でも認めているようだ。
日本のうるさ型評論家“喝”おじさんも、渋々認め始めている。
先発で球速100マイル超えは確かに魅力。打撃も対応力バツグン。
だが、投手と野手は使う筋肉が根幹から違う。
所詮“硝子細工”のショーヘイさんかな。
大谷の予想以上の活躍もそうだが、
清宮幸太郎の一軍デビューとほぼ同時のイチロー実質的引退も
全て“時代の変わり目”と考えざると得ないようだ。

ところでこの4月、「セクハラ」という単語が乱舞した。
セクハラには「作為のセクハラ」と「不作為のセクハラ」あり。
何度か「何もしないのもセクハラよ!」って言われた経験あり(!?)
言っておきますが、決して自慢話ではありません。
どうやら「女性を怒らすと怖い」のは時代には関係ないようです。

今回は深く考えず、ランダムに、メモ調で並べてみました。
さらっと読み流して戴ければ幸いです。

またのアクセスのほど、よろしくお願い申し上げます。


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