色濃い「安倍疲れ」

黄金週間も終わってみれば、あっという間。
今年は暑い日と、寒い日の温度差20度のゆさぶりをかけられた。
さすがに堪える。

そんな天候不順気味の黄金週間、
日経が(嵐を呼びそうな)2ページ見開き記事を掲載した。
大きな写真付き「岸田文雄大特集」。
“次の次の次”の次代のホープ・小泉進次郎自民党筆頭副幹事長も
このような大胆な扱いをされたことがない。
広島カープがどうの、趣味がどうのと、CM気味のイメージ戦略。
偏った記事を出さないあの日経が、見るにみかねての大胆な提案か(!?).

中国の習近平国家主席は任期の撤廃、
ロシアのプーチン大統領は選挙の圧勝で半永久的な権力を握った。
西側の経済大国ではメリケル独首相の12年がトップ。
そして我が日本の安倍晋三首相は5年と、堂々長期政権の仲間入り。
だが西側の二人は支持の低下に直面している。
政権の安定度で、国家主義が民主主義に勝るという珍現象だ。

1年前、総選挙前のドイツで難民政策に窮したメリケル首相に
海外のマスコミは「メルケル疲れ」という呼び方をした。
そして今度は「安倍疲れ(Abe Fatigue)」とし、
秋の自民党総裁選挙の動向を危ぶむ見方を明確にし始めた。
そして金融市場の「アベグジット(AbeとExit=退陣の造語)」は
既に常用化している。

もりかけ問題や決済文書の改ざんは、
時間と共にほとぼりが冷めるような簡単なものでない。
注目された連休明けの柳瀬唯夫元首相秘書官の参考人招致も、
高級官僚の頭脳明晰のありようが目立っただけの“柳瀬ショー”タイム。
翌日には「手渡した名刺の現物」が公表されたが、今更の感。
結局は国有地売却に“(官僚の)忖度”を通して、
安倍首相や夫人の関与は明白であり、政と官の歪みが明確になっている。
低下した信頼を戻すのは簡単ではない。

日本の景気は第二次安倍政権が誕生した2012年12月以来、
景気(主として株価)は拡大してきた。
根幹にあるのは黒田東彦日銀総裁主導の大規模な金融緩和。
だがアベノミクスと呼ばれる一連の政策が時間と共に変質し始め、
方々で息切れ感が目立っている。
結論的に言えば、「まず経済原論ありき」の方策が現実と乖離している。

働き方改革でも、入り口である裁量労働制の対象拡大を、
説明データの不手際で引っ込めてしまった。
あれもこれもと欠陥が目立ち始め、
「アベノミクスの終わりの始まり」という皮肉った言い方をされ始めている。

そして外交。
一時は持て囃されたトランプ米大統領とのゴルフ外交だった。
だが安倍内閣の足元の危うさを感じ取ったトランプ政権は、
秋の中間選挙を控え、日本を度外視した保護色の強い政策を
打ち出しそうな気配である。
最後の頼みの「(対北朝鮮の)拉致問題」も、
トランプ政権が本気になって取り組むとも思えない。
言ってみれば、四面楚歌状態である。

自民党総裁選挙で3選を果たし、
21年まで政権を維持する(=東京五輪は安倍内閣で)との宿願も風前の灯。
とは言うものの、
下馬評に上がる、岸田文雄政調会長、石破茂元防衛相、小泉進次郎筆頭副幹事長
のいずれが新首相になろうとも、現状が急速に変わるとも思えない。

だが、とりあえずはガラガラポンで「気分を一新したい」気分が蔓延している。
今年の秋に向け、大嵐は避けられそうにない。


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