確立し始めた「日本サッカーの日本化」

6大会連続の出場を決めたオーストラリア戦から1カ月余。
6月14日に開幕したW杯サッカー。
直前のふがいない試合もあり、日本には往時の熱狂はなかった。
元々フィジカルの差は歴然で、
しかも久し振りの日本人監督が就任してからも1カ月余り。
準備不足だ、どうせだめだろ…
.
史上最強と言われた「ザックジャパン」が
2014年ブラジル大会で1次リーグ敗退で終わり、
日本からサッカー熱が冷め始めた。
本田圭佑、岡崎慎司らの主力がピークを過ぎる一方で、
新戦力の台頭は遅れ、世界ランキングも大きく下げた。
大会直前の突然の監督更迭もダメ押しとなった。
一体何を期待せよというのか….

前回のW杯から4年、
錦織圭(テニス)、松山英樹(ゴルフ)、大谷翔平(野球)など、
世界に通じるニュースターが続々と誕生した。
20年の東京五輪も近づき、世間の関心は他の競技に移り始めてはいた。
致し方ないことではあった。

日本が属するH組はコロンビア、セネガル、ポーランド。
国名を聞いただけでもガクッとくる組み合わせではあった。
初戦のコロンビア戦も、まぁとりあえず見とくか、といったところだった。
ところがところが、2対1の勝利。
試合開始直後のハンドの反則によるPKという幸運はあったものの、
とにかく勝ったのだ…

2戦目のセネガル戦。
新大関・栃ノ心を二回りほど細くした体格の集団と、
互角以上の戦いで、ドロー。
セネガルと互角以上の戦いをした直後からマスコミの手のひら返しが始まる。
“革命児”扱いで、新監督・西野朗賛歌の始まりである。
曰く、96年のアトランタ五輪でブラジルを破った「マイアミの奇蹟」の再来か…

今回のW杯で目立ったのは、
跳びぬけたスターを抱えるチームの苦戦振りである。
ロナウドのポルトガル、メッシーのアルゼンチン、
ネイマールのブラジルなど、
従来の有名国が予選通過に四苦八苦の状況となった。

ネイマールの泣き顔や、前回優勝のドイツ予選敗退が印象深い。
だが冷静になって考えてみれば、最近のサッカーは
超スーパーな「個」だけの力だけでは勝てなくなり、
磨き上げた集団の力が必要となり始めている。

これは陸上短距離・リレーの形態と似通っているともいえる。
9秒台が皆無の日本チームが、400米リレーで五輪・銀メダルを取った。
バトンの技術だけで、世界王者・ジャマイカ・ウサイン・ボルト等の
“モンスター”と対等に勝負した。
奇跡ではないのだ、集団の技術の勝利なのだ。

今の日本チームには乾、柴崎、長友、昌子(しょうじ)などの
“(疲れを知らない走りをする)小動物・リス集団”に加え、
欧州基準の酒井宏樹など、多士済々。
気が付けば「日本サッカーの日本化」に向け、
長年かけて堆積した豊饒の土壌が出来上がっていた。

「日本のサッカーはどこに向かうか」に関し、欧州、南米と彷徨を続け、
最後の最後に日本の監督になってようやく到達した日本のサッカー。
最終戦のポーランド戦での、
“ひたすら他力本願”戦法の是非が論議されているが、
とにかく激戦の予選突破したのだ、文句はあるまい。

早稲田伝説のモテ男・西野朗の持つ運にも期待したい。
日本のサッカーは変わった。
新しい風は吹いている、間違いなく…

「新生ニッポン」の歴史は、
「日本は16強中最弱」と喝破する、
(決勝T・初戦)赤い悪魔・ベルギーを粉砕することから始まる!

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